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2018/9/7

急性骨髄性白血病のアンメットニーズに分子標的薬の開発進む

横山勇生=編集委員

 急性骨髄性白血病(AML)治療のアンメットニーズは、再発・難治例に対する治療、高齢者の治療、長期生存率・治癒率を向上させる治療である。9月6日に都内で開催されたアッヴィ血液がんメディアラウンドテーブル「急性骨髄性白血病の現状と課題と最新の治療」で、獨協医科大学血液腫瘍内科教授の三谷絹子氏はこう指摘した。そして、これらに今後期待される分子標的療法の、日本における開発状況を紹介した。

 造血器腫瘍の分子標的療法は、低分子化合物と抗体医薬に大きく分けられる。低分子化合物には、FLT3阻害薬やIDH2阻害薬など変異遺伝子を標的としたものと、メチル化阻害薬、BCL2阻害薬など分子生物学的特性を標的としたものがある。また抗体医薬には、抗体そのものの他に、ゲムツズマブ・オゾガミシン(GO)などの抗体化合物複合体もある。

 日本では現在AMLの治療薬として、再発・難治AMLに適応を持つGOと、AMLの1種である急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬である全トランス型レチノイン酸(ATRA)の、2つの分子標的薬が承認されている。一方米国では、2017年に4つの薬剤がAMLを対象に承認され、そのうちGOを除く3剤が日本で未承認だ。第1世代FLT3阻害薬のミドスタウリン(適応症はFLT3変異陽性の初発AML)、IDH2阻害薬のenasidenib(適応症はIDH2変異陽性の再発・難治AML)、シタラビン・ダウノルビシン(モル比5:1)のリポソーム製剤CPX-351(適応症は成人治療関連・MDS関連AML)である。

 三谷氏は次に、遺伝子変異ごとに候補となる分子標的療法を紹介した。

 PML-RARA融合遺伝子を持つ急性前骨髄球性白血病にはATRAとATO(亜砒酸)、 CBF-AML(Core binding factor-acute myeloid leukemia)はRUNX1-RUNX1T1またはCBFB-MYH11キメラ遺伝子±KIT変異を持ち、高用量シタラビン+チロシンキナーゼ阻害薬が検討されている。

 FLT3変異のAMLにはミドスタウリン、第2世代FLT3阻害薬、NPM1変異のAMLには核外輸送阻害薬(CRM1/XPO1阻害薬)、KMT2AキメラのAMLにはDOT1L阻害薬、BET阻害薬、CDK6阻害薬、ADH1/2変異のAMLにはIDH1/2阻害薬、BCL2阻害薬、そしてその他の高リスクの変異にはトポイソメラーゼII阻害薬、BCL2阻害薬、AXL阻害薬の可能性を挙げた。

 そして最後に三谷氏は、日本で開発中のAMLに対する分子標的療法を紹介した。


国内で開発中のAMLの分子標的療法

申請中
 ギルテリチニブ(ASP2215)、標的分子はFLT3-AXL

フェーズ3
 キザルチニブ(AC220)、標的分子はFLT3-ITD
 ミドスタウリン(PKC412)、標的分子はFLT3
 ベネトクラクス(ABT-199)、標的分子はBCL2
 グアテシタビン(SGI-110)、標的分子はDNAメチル化
 グラスデギブ(PF-04449913)、標的分子はSMO(ヘッジホッグ)
 ペボネディスタット(TAK924)、標的分子はNEDD8活性化酵素

フェーズ1準備中
 FF-10101、標的分子はFLT3

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