第3世代ALK阻害薬であるロルラチニブ、FLT3/AXL阻害薬であるギルテリチニブが、8月29日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で審議され承認が了承された。次回の薬事・食品衛生審議会を経て承認される見通しとなった。
ALK転座陽性非小細胞肺癌(NSCLC)については、アレクチニブが高い効果を示し、長期の無増悪生存期間が得られることが分かっている。しかし、いずれは抵抗性になるため、抵抗性変異に有効な新しいALK阻害薬の登場が求められている。ロルラチニブは、既存のALK阻害薬に抵抗性になったNSCLC患者にも有効で、脳転移にも効果を発揮することが多施設オープンラベル単群フェーズ2試験で示され、今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で発表されていた。 また、6月には優先審査の対象に指定されていた。
ギルテリチニブは、成人の再発・難治FLT3 (FMS-like tyrosine kinase 3)遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病(AML)を対象に申請されている。成人の再発・難治FLT3遺伝子変異陽性AML患者を対象としたフェーズ3試験ADMIRALの結果などを基に申請された。2015年10月に先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。
また、同日の第二部会で、ペルツズマブの乳癌術後補助療法への適応拡大、ブレンツキシマブベドチンの未治療ホジキンリンパ腫への適応拡大、小腸癌に対するFOLFOX療法の承認が報告された。報告事項は9月にも承認される見通し。なお、小腸癌に対するFOLFOX療法は、薬事・食品衛生審議会において公知申請に係る事前評価が終了しており、すでに保険適用となっている。