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2018/6/24

強力な治療が不適な進行大腸癌の1次治療としてTAS-102とベバシズマブの併用が有効な可能性【WCGC2018】

横山勇生=編集委員

 強力な治療が適していない進行大腸癌の1次治療として、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩TAS-102)とベバシズマブの併用が有効である可能性が明らかとなった。欧州で行われた、TAS-102とベバシズマブの併用療法と、カペシタビンとベバジズマブの併用療法を比較した多施設無作為化オープンラベルフェーズ2試験TASCO1で、TAS-102とベバシズマブの併用群で、より良好な無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の結果が得られたもの。TAS-102とベバシズマブ併用の忍容性も確認された。

 6月20日から23日までスペイン・バルセロナで開催されたESMO 20th World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2018)で、ベルギーUniversity Hospitals Gasthuisberg Leuven and KU LeuvenのEric Van Custem氏によって発表された。

 進行大腸癌に対するTAS-102とベバシズマブの併用が有効で忍容性もあることは、国内で実施されたオープンラベル多施設フェーズ1/2試験C-TASK FORCEの結果示されている。また、国内では、切除不能進行再発大腸癌の2次治療患者を対象に、フルオロピリミジン、イリノテカン、ベバシズマブの併用療法とTAS-102とベバシズマブの併用療法を比較する無作為化フェーズ2/3試験が行われている。

 TASCO1試験は、強力な治療が適切でないと判定された未治療の進行大腸癌患者を、TAS-102とベバシズマブの併用群(4週間を1サイクルとして、TAS-102は1日目から5日目、8日目から12日目まで35mg/m2を1日2回投与、ベバシズマブは1日目と15日目に5mg/kgを投与)と、カペシタビンとベバジズマブの併用群(3週間を1サイクルとして、1日目から14日目まで1250または1000mg/m2を投与、ベバシズマブは1日目に7.5mg/kgを投与)に1対1で割り付けて行われた。患者はRAS遺伝子の状態、ECOG PS、国で層別化されていた。投薬は、増悪、受容不能な毒性、患者による中止決定のいずれかが起こるまで継続された。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は、全生存期間(OS)、安全性、忍容性、奏効率、疾患制御率、QOLだった。

 2016年4月29日から2017年3月29日まで、オランダ、英国、ロシア、ポーランド、スペインなど欧州を中心とした12カ国52施設で患者の登録が行われた。TAS-102とベバシズマブの併用群(77人)とカペシタビンとベバジズマブの併用群(76人)の患者背景は、一部で差があった。性別については、TAS-102とベバシズマブ併用群は男性が51.9%だったのに対して、カペシタビンとベバジズマブ併用群は61.8%、原発巣の部位が右だったのは、TAS-102とベバシズマブ併用群は39.0%、カペシタビンとベバジズマブ併用群は25.0%、術後補助療法を受けていなかったのは、TAS-102とベバシズマブ併用群は72.7%、カペシタビンとベバジズマブ併用群は80.3%だった。全身状態、RAS遺伝子変異、BRAF遺伝子変異を有する患者の比率には差はなかった。

 強力な化学療法が不適切と判断された理由も両群で差があり、高齢が理由だったのはTAS-102とベバシズマブの併用群は36.4%、カペシタビンとベバジズマブの併用群は55.3%、ECOG PSによるものだったのはTAS-102とベバシズマブの併用群は18.2%、カペシタビンとベバジズマブの併用群は2.6%だった。

 試験の結果、PFS中央値は、TAS-102とベバシズマブの併用群が9.23カ月(95%信頼区間:7.59-11.56)、カペシタビンとベバジズマブの併用群が7.82カ月(95%信頼区間:5.55-10.15)、ハザード比0.71(95%信頼区間:0.48-1.06)で、統計学的には有意ではないが、TAS-102とベバシズマブの併用群で長かった。サブグループ解析もほとんどのグループでTAS-102とベバシズマブの併用群が優位だった。PFSに関する多変量解析で、有意なものとして、治療法以外にPS 0対1が見出された。

 両群とも同様に後治療を受けており、全身療法を受けたのは、TAS-102とベバシズマブの併用群が27.3%、カペシタビンとベバジズマブ併用群が27.6%だった。

 OS中央値は、TAS-102とベバシズマブの併用群が18.00カ月(95%信頼区間:15.18-NA)、カペシタビンとベバジズマブ併用群が16.16カ月(95%信頼区間:12.52-NA)、ハザード比0.56(95%信頼区間:0.32-0.98)で、TAS-102とベバシズマブの併用群の方が長かった。

 治療期間中の重篤な副作用発現率は差がなかった。非血液学的毒性は下痢、吐き気、嘔吐、食欲低下がTAS-102とベバシズマブの併用群で多く、手足症候群はカペシタビンとベバジズマブの併用群で多く認められた。貧血、好中球減少症は、TAS-102とベバシズマブの併用群で多く認められたが、重篤な発熱性好中球減少症の頻度には差はなかった。

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