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2018/6/23

切除可能局所進行直腸癌に術前化学放射線療法後のニボルマブが有効な可能性、7人中4人でpCR【WCGC2018】

横山勇生=編集委員

 切除可能局所進行直腸癌に術前化学放射線療法を行い、その後に抗PD-1抗体ニボルマブを投与することが、術前療法として安全で有効である可能性が明らかとなった。国内で実施されている多施設フェーズ1b/2試験VOLTAGEの予備的な解析の結果、7例中4例で病理学的完全奏効(pCR)が得られた。残りの1例についても施設の病理判定でpCRに近い状態が得られたという。6月20日から23日までスペイン・バルセロナで開催されているESMO 20th World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2018)で、国立がん研究センター東病院の坂東英明氏によって発表された。

 VOLTAGE試験は、国内3施設で実施中のオープンラベル単群フェーズ1b/2試験。まず、切除可能な原発直腸癌(cT3-4 Nany M0、肛門縁から12㎝以下)または骨盤に限られた切除可能再発直腸癌患者を対象に、画像診断で遠隔転移がないことを確認した上で、同意が得られた患者に化学放射線療法(カペシタビン+50Gy)を行った後、14日以内にニボルマブを投与する。ニボルマブは、2週間おき240mgを投与、最初の3サイクル後に増悪がないことを確認し、さらに2サイクル投与。投与終了後14日以内に根治的切除を行い、術後補助化学療法を受ける。

 VOLTAGE試験は、忍容性を確認しフェーズ2推奨用量を決定するためのフェーズ1b部分と、ニボルマブ投与と根治的切除の安全性と有効性を評価するためのフェーズ2部分から構成されている。主要評価項目は、MSI-Hではない局所進行直腸癌における独立中央評価でのpCR率(閾値は10%、期待pCR率は30%と設定)。副次評価項目は、局所進行直腸癌患者全体でのpCR率、MSI-H患者でのpCR率、各施設判定によるpCR率、奏効率、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)、化学放射線療法後のニボルマブ投与の安全性と手術の合併症、プロトコールの完了率、根治的切除率。

 試験にはMSI-Hではない局所進行直腸癌患者37人、MSI-H患者5人、再発直腸癌患者10人が登録される計画となっている。2018年6月までに、原発局所進行直腸癌患者33人と再発直腸癌患者1人が登録された。

 今回発表されたのは、フェーズ1b部分の3人とフェーズ2部分の4人の予備的な結果。全員が原発局所進行直腸癌患者でpMMR (MSS) だった。フェーズ1bの3人は全員が用量調整を受けることなくニボルマブを予定通り完全に投与され、根治的切除を受けた。ニボルマブ投与期間中の副作用は、グレード1のそう痒症が1件認められただけだった。周術期にグレード2の胃炎、グレード1の吐き気、グレード1の疼痛、グレード1の錐体外路障害が認められたが、ニボルマブとは関係ない副作用だった。

 予備的な効果判定として、7人について施設での病理判定が行われ、7人中4人でpCRと判定された。

 また、予備的な安全性評価で1件の重篤な副作用(グレード3の骨盤膿瘍とグレード3の胃腸吻合部漏出)が認められた。グレード1の甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、そう痒症が発現したが、ニボルマブの副作用として過去に報告された例と比べて明らかな増加は認められなかった。また、周術期の手術関連副作用の明らかな増加もなかった。

 バイオマーカーの解析も進められている。

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