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2018/6/23

進行大腸癌へのアテゾリズマブとcobimetinibの併用療法はレゴラフェニブをOSで上回れず【WCGC2018】

横山勇生=編集委員

 進行大腸癌に対する抗腫瘍免疫活性を誘導するには、PD-1経路とMAPK経路の阻害だけでは不十分なことが明らかとなった。少なくとも2レジメンの全身治療歴を有する進行大腸癌患者を対象に実施していたフェーズ3試験IMblaze370で、抗PD-L1抗体アテゾリズマブMEK阻害薬cobimetinibの併用療法は、レゴラフェニブに比べて全生存期間(OS)を有意に延長できず、カプランマイヤー曲線はほぼ重なっていた。ただし、アテゾリズマブとcobimetinib併用療法の曲線は、アテゾリズマブ単剤群よりは上方にあり、cobimetinibを加えることの、ある程度の効果を示唆する結果だった。

 6月20日から23日までスペイン・バルセロナで開催されているESMO 20th World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2018)で、米Sarah Canon Research Institute/Tennessee OncologyのJohanna Bendell氏が発表した。

 IMblaze370試験は、治療歴数が2以上の切除不能局所進行または転移を有する大腸癌を対象に行われた、多施設オープンラベルフェーズ3試験。363人の患者をアテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群(アテゾリズマブは2週間おきに840mg投与、cobimetinibは28日間を1サイクルとして、1日目から21日目まで1日あたり60mgを経口投与)、アテゾリズマブ単剤投与群(アテゾリズマブは3週間おきに1200mg投与)、レゴラフェニブ群(28日間を1サイクルとして1日目から21日目まで1日あたりレゴラフェニブを160mg投与)に2対1対1に割り付けて行われた。主要評価項目はOS(アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群とレゴラフェニブ群、アテゾリズマブ単剤投与群とレゴラフェニブ群)。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効率、奏効期間などだった。データカットオフは2018年3月9日。

 患者背景は3群に大きな差はなかった。MSIの状態については、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群はHighが3人(2%)、stable/lowが170人(93%)、アテゾリズマブ単剤投与群はHighが3人(3%)、stable/lowが83人(92%)、レゴラフェニブ群はHighが0人、stable/lowが80人(89%)だった。PD-L1発現については、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群は高値(PD-L1陽性細胞がICで1%以上)が79人(43%)、低値(1%未満)が84人(46%)、アテゾリズマブ単剤投与群は高値が35人(39%)、低値が42人(47%)、レゴラフェニブ群は高値が31人(34%)、低値が40人(44%)だった。

 試験の結果、OS中央値は、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群が8.9カ月(95%信頼区間:7.00-10.61)、アテゾリズマブ単剤投与群が7.1カ月(95%信頼区間:6.05-10.05)、レゴラフェニブ群が8.5カ月(95%信頼区間:6.41-10.71)で、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群とレゴラフェニブ群のカプランマイヤー曲線はほとんど重なっていた。レゴラフェニブ群に対するハザード比は、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群が1.00(95%信頼区間:0.73-1.38)、p=0.9871、アテゾリズマブ単剤投与群が1.19(95%信頼区間:0.83-1.71)、p=0.3360で差がなかった。12カ月OS率はアテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群が38.5%、アテゾリズマブ単剤投与群が27.2%、レゴラフェニブ群が36.6%だった。

 アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群とレゴラフェニブ群の間でのサブグループ解析で、非白色人種のみが有意に併用療法群で優れていたが、人数が39人と少なく意味のある結果とはみなされなかった。

 なお、探索的な解析で、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群のアテゾリズマブ単剤投与群に対するOSのハザード比は0.81(95%信頼区間:0.60-1.10)だった。

 PFS中央値は、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群が1.9カ月(95%信頼区間:1.87-1.97)、アテゾリズマブ単剤投与群が1.9カ月(95%信頼区間:1.91-2.10)、レゴラフェニブ群が2.0カ月(95%信頼区間:1.87-3.61)だった。レゴラフェニブ群に対するハザード比は、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群が1.25(95%信頼区間:0.94-1.65)、アテゾリズマブ単剤投与群が1.39(95%信頼区間:1.00-1.94)だった。奏効率は、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群が2.7%、アテゾリズマブ単剤投与群が2.2%、レゴラフェニブ群が2.2%、疾患制御率はアテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群が26.2%、アテゾリズマブ単剤投与群が21.1%、レゴラフェニブ群が34.4%だった。奏効期間中央値はアテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群がが11.4カ月、アテゾリズマブ単剤投与群が4.8カ月、レゴラフェニブ群が9.2カ月だった。

 グレード3/4の副作用発現率は、アテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群とレゴラフェニブ群は同等だったが、重篤な副作用はアテゾリズマブとcobimetinibの併用投与群で多かった。

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