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2018/6/22

日本人大腸癌のctDNAでのRAS遺伝子変異検査は組織検体と高い一致率、肺転移のみの患者は一致率が低い【WCGC2018】

横山勇生=編集委員

 日本人の転移を有する大腸癌(mCRC)患者において、BEAMing技術で血漿中の循環腫瘍DNA(ctDNA)を調べRAS遺伝子変異の有無を評価する「OncoBEAM RAS CRC kit」を用いたところ、組織を用いた検査結果と高い一致率を示すことが多施設前向き臨床評価研究の結果示された。また、肺転移のみの患者では一致率が低く、一致しなかった患者では腫瘍径が短く、転移巣数も少ないことが分かった。6月20日から23日までスペイン・バルセロナで開催されているESMO 20th World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2018)で、関西ろうさい病院の賀川義規氏が発表した。

 実施された多施設前向き臨床評価研究は、転移を有する大腸癌患者で、化学療法未治療か増悪と判定されて次治療が開始されていない患者、抗EGFR抗体とレゴラフェニブの投与を受けていない患者を対象に行われた。5年以内のホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織検体があることが条件とされていた。患者から血漿を採取し、OncoBEAM RAS CRC kitで評価するとともに、保存されていた組織検体についてBEAMing技術を用いたRAS遺伝子変異検査を行い、一致率を調べた。

 研究には350人のmCRC患者が登録され、血漿検体が得られない、検体状態が不適切、組織検体が不適切、組織検体でのBEAMing技術検査が無効などの患者を除いて288人に絞り込み、さらにBEAMing技術を用いた血漿中の循環腫瘍DNA検査が無効だった8人を除いて、280人の検体で一致率を評価した。280人の患者背景は、年齢中央値が67歳(61-73)、男性が167人(59%)、腫瘍部位が右が69人(25%)、左が211人(75%)、転移巣が肝のみが76人(27%)、肺のみが31人(11%)、リンパ節のみが23人(8%)、その他の単一臓器が12人(4%)、複数部位が138人(49%)だった。保存組織検体と血漿検体採取までの時間の中央値は11カ月(1-61)。用いられた組織検体が原発巣だったのは268人(96%)だった。

 検査の結果、組織検体で変異型となった134検体のうち、血漿検体で変異型となったのは110検体、野生型となったのは24検体、組織検体で野生型となった146検体のうち、血漿検体で変異型となったのは14検体、野生型となったのは132検体となった。不一致となったのは38検体(13.6%)で、一致率は86.4%(95%信頼区間:81.9-90.2)と高い一致率を示した。

 一致した場合、不一致の場合を患者背景で比較したところ、肺転移のみの患者で不一致率が高いことが分かった。肺転移のみの31人で、組織検体で変異型となった17検体では、血漿検体で変異型となったのは7検体、野生型となったのは10検体、組織検体で野生型となった14検体では、血漿検体で変異型となったのは1検体、野生型となったのは13検体で、一致率は64.5%(95%信頼区間:45.4-80.8)と低かった。肺転移のみの患者を除いた249人での一致率は89.2%(95%信頼区間:84.6-92.7)となった。感度も肺転移のみの患者は41.2%だったのに対し、肺転移のみの患者を除くと88.0%だった。

 また、BEAMing技術を用いた血漿中のctDNA検査で変異型となった患者で調べたところ、肺転移のみの患者では、肝転移のみの患者、リンパ節転移のみの患者、複数部位に転移がある患者と比べて、ctDNAの量が少ないことが分かった。

 さらに肺転移のみの患者について、最長径が20mm未満で転移巣数が10未満という条件で分けたところ、不一致だった11件すべてがこの条件にあてはまっていた。一致した20件については、この条件にあてはまっていたのは9件のみだった。

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