ファイザーは4月18日、再発または難治性のCD22陽性急性リンパ性白血病(ALL)を対象に、抗CD22抗体薬物複合体製剤イノツズマブ オゾガマイシンを発売したと発表した。再発。難治性のALLの従来の治療法による緩解率は30%から50%にとどまっており、新たな治療薬の登場が待たれていた。
イノツズマブ オゾガマイシンは、B細胞性悪性腫瘍のおよそ90%に発現している細胞表面抗原であるCD22を標的とするモノクローナル抗体と殺細胞性薬剤カリケアミシンを結合した抗体薬物複合体。イノツズマブ オゾガマイシンがCD22抗原に結合すると腫瘍細胞内に取り込まれ、カリケアミシンを放出して細胞を破壊する。臨床試験で80%以上の高い寛解率を示し、造血幹細胞移植につなぐことも期待されている。
イノツズマブ オゾガマイシンの有効性と安全性は、日本も参加した国際共同フェーズ3試験INO-VATE 1022と海外でのフェーズ1/2試験の結果から示されている。
再発または難治性の前駆B細胞性ALLの成人患者326人が登録されたINO-VATE 1022試験は、オープンラベル無作為化フェーズ3試験で、イノツズマブ オゾガマイシン群と標準化学療法群の比較が行われた。イノツズマブ オゾガマイシンは3週間の間に週1回静脈内投与され、3から4週間を1サイクルとして、6サイクルまで行った。化学療法は、FLAG療法(フルダラビン、シタラビン、G-CSF)、高用量シタラビン(HIDAC)、またはシタラビン+ミトキサントロンの中から治験担当医師が選択したレジメンが投与された。試験の結果、血液学的完全寛解率、無増悪生存期間(PFS)などの評価項目において、イノツズマブ オゾガマイシン群が優れることが明らかとなっっていた。