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2016/10/14

T-DM1既治療の進行乳癌、胃癌にも抗HER2抗体-抗癌剤結合体DS-8201aが有効な可能性【ESMO2016】

横山勇生

 T-DM1既治療の進行乳癌、胃癌に対しても、抗HER2抗体-抗癌剤結合体DS-8201aが有効である可能性が明らかとなった。オープンラベルフェーズ1用量漸増試験で抗腫瘍効果が確認されたもの。10月7日から11日までデンマーク・コペンハーゲンで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2016)で、国立がん研究センター中央病院の田村研治氏によって発表された。

 DS-8201aは、抗HER2抗体にトポイソメラーゼ阻害剤であるDXdを結合させた製剤。乳癌モデルマウスを使った実験で、T-DM1に抵抗性の腫瘍に効果を示すことが明らかとなっている。

 フェーズ1試験では、3週間おきに受容不能な毒性の発現か病勢進行が起きるまで投与された。用量制限毒性の評価は1サイクル目(1日目から21日目)の間で評価された。パート1(用量漸増コホート)は乳癌または胃/胃食道接合部腺癌を対象に日本で行われ、パート2(拡大コホート)は日米で、HER2陽性T-DM1既治療乳癌(パート2a、40人)、HER2陽性トラスツズマブ、T-DM1既治療胃/胃食道接合部腺癌(パート2b、40人)、HER2低発現乳癌(パート2c、20人)、乳癌、胃/胃食道接合部腺癌以外のHER2発現固形癌(パート2d、20人)で行われる予定である。

 今回、パート1の結果が発表された。登録された患者は23人で22人が投薬を受けた。年齢中央値が66歳(38-79)、化学療法歴数中央値が5(1-11)。乳癌が16人(73%)、胃癌が5人(23%)、胃食道接合部癌が1人(5%)だった。HER2の発現状態は、IHC 0が1人、1+が3人、2+が3人、3+が15人だった。FISHは検査を行ったのが4人で、遺伝子増幅していたのは4人だった。前治療で抗HER2療法を受けていたのは18人(82%)で、トラスツズマブ投与を受けていたのは18人(82%)、ペルツズマブ投与を受けていたのは5人(23%)、ラパチニブ投与を受けていたのは4人(18%)、T-DM1投与を受けていたのは13人(59%)だった。

 DS-8201aは0.8mg/kgから投与を開始され、1.6mg/kg、3.2mg/kg、5.4mg/kg、6.4mg/kg、8.0mg/kgと増量されたが、用量制限毒性、グレード4の副作用、循環器毒性は認められなかった。多く認められた副作用は軽度から中等度の胃腸系、血液系のものだった。7件のグレード3の副作用が、22人中4人に認められた。低カリウム血症(1件)、貧血(1件)、好中球数減少(1件)、リンパ球数減少(2件)、アルカリフォスファターゼ上昇(1件)、胆管炎(1件)だった。1サイクルの後に、6.4mg/kgの6人中4人、8.0mg/kgの3人中2人で減量が行われたが、副作用による中止はなかった。

 抗腫瘍効果が評価可能だった20人(12人はT-DM1既治療、5人はHER2低発現)で、7人の部分奏効が得られ、奏効率は35%、疾患制御率は90%だった。前のT-DM1治療による奏効率は18%、疾患制御率は64%だったが、DS-8201a投与を続いて受けた患者の奏効率は42%、疾患制御率は92%となった。登録時IHC1+の患者1人で奏効が認められた。ほとんどの部分奏効はDS-8201aの投与量が5.4mg/kg以上で認められた。

 現在、3週おきの6.4mg/kg投与で拡大試験が進められている。

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