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2016/10/14

BBI608(napabucasin)はpSTAT陽性の進行大腸癌に有効である可能性【ESMO2016】

横山勇生

 癌幹細胞の自己複製を阻害する抗癌剤であるBBI608(napabucasin)が、リン酸化STAT3(pSTAT3)陽性の進行大腸癌に有効である可能性が明らかとなった。既治療進行大腸癌を対象に、napabucasinとプラセボを比較したフェーズ3試験CCTG CO.23のバイオマーカー解析の結果、示されたもの。10月7日から11日までデンマーク・コペンハーゲンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2016)で、カナダThe Ottawa Hospital Cancer CentreのDerek J Jonker氏によって発表された。

 進行大腸癌に対しnapabucasinと抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用するフェーズ1b/2試験がこのほど開始されている。

 CCTG CO.23試験は、既治療の進行大腸癌患者を、napabucasin投与群(12時間おきに480mg+支持療法)とプラセボ投与群(12時間おきにプラセボ+支持療法)に割り付けて行われた。投薬は医師が患者に利益がないと判断するか受容不能な副作用が発現するまで行われた。主要評価項目は全生存期間(OS)。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率、疾患制御率(DCR)、QOL、バイオマーカー(pSTAT3、βカテニン)のOS/PFSへの影響だった。

 試験は2013年4月から開始されたが、2014年5月23日の第1回目の中間解析で、病勢コントロール率(DCR)があらかじめ定められた判断基準を達成できなかったことから、新規の患者登録および登録済みの患者への投与を中止することになった。観察期間中央値19.4カ月、登録患者282人中258人が死亡した段階のデータが発表された。

 結果、患者全体(ITT)のOS中央値はnapabucasin投与群が4.4カ月、プラセボ投与群が4.8カ月で、ハザード比1.13(95%信頼区間:0.88-1.46)、p=0.34で差はなかった。ITTのPFSも中央値がnapabucasin投与群が1.8カ月、プラセボ投与群が1.8カ月で、ハザード比0.97(95%信頼区間:0.76-1.26)、p=0.84で差はなかった。

 バイオマーカー解析が行われ、腫瘍細胞核中のpSTAT3発現が第3者によって治療群を明らかにしないまま行われた。腫瘍細胞の5%以上が陽性か腫瘍ストローマが2+以上の場合にpSTAT3陽性と定義された。89%にあたる251人でpSTAT3の発現の評価が可能だった。ITT患者とpSTAT3が判定可能な患者でベースラインの患者背景に差はなく、OS、PFSは同様な結果だった。

 55人(22%)がpSTAT3陽性で、napabucasin投与群には29人、プラセボ群には26人存在した。pSTAT3陽性患者と陰性患者の間で、ベースラインの患者背景に差はなかった。

 プラセボ群で調べたところ、pSTAT3陽性患者は陰性患者よりも有意に予後が悪かった。OS中央値は陽性患者が3.0カ月、陰性患者が4.9カ月で、ハザード比が2.3(95%信頼区間:1.5-3.6)、p=0.0002だった。

 一方、pSTAT3はnapabucasinによるOS改善への予測バイオマーカーだった。pSTAT3陽性患者のOS中央値は、napabucasin投与群が5.1カ月、プラセボ群が3.0カ月で、ハザード比0.24(95%信頼区間:0.12-0.51)、p=0.0002。pSTAT3陰性患者のOS中央値は、napabucasin投与群が4.0カ月、プラセボ群が4.9カ月で、ハザード比1.44(95%信頼区間:1.06-1.95)、p=0.02だった。

 試験が早期終了し十分に投与がされていない患者がいることを考慮して、最初の56日間で80%以上、1日の投与量が480mg以上の患者に限定し、128人を対象に解析を行った。128人全体ではOS中央値はnapabucasin投与群が6.6カ月、プラセボ群が5.8カ月で、ハザード比0.88(95%信頼区間:0.61-1.28)、p=0.50で差がなかったが、pSTAT3陽性患者25人では、napabucasin投与群が9.0カ月、プラセボ群が4.0カ月で、ハザード比0.28(95%信頼区間:0.11-0.69)、p=0.0057だった。なおpSTAT3陰性患者88人では、napabucasin投与群が6.4カ月、プラセボ群が6.4カ月で、ハザード比1.27(95%信頼区間:0.80-2.01)だった。

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