ドイツBoehringer-Ingelheim社は、11月27日、トリプルアンジオキナーゼ阻害薬nintedanibがドセタキセルとの併用で、初回化学療法を受けた局所進行、転移性もしくは局所再発の非小細胞肺癌(NSCLC)で、組織学的に腺癌を適応症として承認されたと発表した。
nintedanibは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)を標的とする経口の低分子チロシンキナーゼ阻害薬。
今回の承認は、LUME-Lung1試験の結果に基づくもの。同試験は、化学療法による初回治療を受けたNSCLC患者1314人を対象に、nintedanib+ドセタキセルとドセタキセル単独(プラセボ+ドセタキセル)を比較した。
その結果、腺癌患者において、全生存期間(OS)がnintedanib+ドセタキセル併用群12.6カ月、ドセタキセル単独群10.3カ月で、ハザード比は0.83、p=0.0359であった。患者の4分の1は2年以上生存しており、24カ月生存率もnintedanib+ドセタキセル併用群は25.7%で、ドセタキセル単独群19.1%に比べて有意に高かった。
nintedanibの有害事象は管理可能であり、患者の健康関連QOLを損なうことはなかった。またドセタキセル単独に比べ、nintedanibのドセタキセルへの追加によって、投与中止の割合が有意に増加することもなかった。