米食品医薬品局(FDA)は9月4日、既存の治療が無効となった進行メラノーマを適応として、抗PD-1 (programmed death receptor-1)モノクローナル抗体pembrolizumabを迅速承認したと発表した。
pembrolizumabは、免疫チェックポイント受容体であるPD-1とそのリガンドであるPD-L1、PD-L2の結合をブロックする薬剤。
今回の承認で、抗CTLA-4抗体ipilimumabおよびBRAF V600変異陽性患者ではBRAF阻害剤による治療後に増悪した、切除不能もしくは転移性のメラノーマ患者に対し、pembrolizumabは3週おきに2 mg/kgが投与される。
pembrolizumabは、米国では初めて承認された抗PD-1抗体薬であり、進行メラノーマに対してBreakthrough Therapyの指定を受けていた。また2011年以降に承認されたメラノーマ治療薬としては6番目の薬剤で、これまでにipilimumab (2011)、peginterferon alfa-2b (2011)、BRAF阻害剤のvemurafenib (2011)とdabrafenib (2013)、MEK阻害剤trametinib (2013)が承認されている。
pembrolizumabの効果は、治療歴がある進行メラノーマ患者を対象とした臨床試験で、3週おきに2 mg/kgを投与した患者での奏効率が24%と報告されている。この効果は1.4-8.5カ月続き、多くの患者で効果はさらに持続した。
主な副作用は、倦怠感、咳、悪心、掻痒症、皮疹、食欲低下、便秘、関節痛、下痢で、免疫介在有害反応として、肺臓炎や大腸炎、肝炎、下垂体炎、腎炎、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下が報告されている。