米Amgen社は、9月2日、局所進行または遠隔転移を認める黒色腫に対する腫瘍溶解性免疫療法薬talimogene laherparepvecについて、成人患者を対象として、欧州医薬品庁(EMA)に対し中央審査方式による販売承認申請を行ったと発表した。承認されれば、talimogene laherparepvecは腫瘍溶解性免疫療法の新たな画期的医薬品(ファースト・イン・クラス)となる。
talimogene laherparepvecは、選択的に腫瘍内で増殖し、転移している癌細胞を標的として免疫反応を開始するようデザインされている。その作用は2つの重要かつ相補的な方法で発揮される。まず、talimogene laherparepvecを腫瘍内に直接注入すると、腫瘍細胞内で増殖し、破裂させる。腫瘍細胞が破裂すると、腫瘍由来抗原が顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)とともに放出され、白血球が体内に拡散した腫瘍細胞を見つけ出して標的とする、全身の腫瘍特異的免疫反応が誘導される。
EMAに対する販売承認申請は、米食品医薬品局(FDA)に対する生物製剤承認申請(BLA)に続いて行われた。申請は、切除不能なIIIB、IIIC、IV期の黒色腫の患者400人以上のデータを含むもので、talimogene laherparepvecの有効性と安全性をGM-CSFとの比較において評価した、国際的、非盲検、フェーズ3のランダム化試験の結果に基づいている。