ノバルティス ファーマは9月2日、骨髄線維症を対象にルキソリチニブ(商品名「ジャカビ」)を発売すると発表した。
骨髄線維症の病因は十分には解明されていないが、血球産生を調節するJAK-STATシグナル伝達経路の恒常的な活性化が大きく関わっていると考えられている。ルキソリチニブはJAK1およびJAK2に高い選択性のあるJAK阻害剤。
骨髄線維症に対するルキソリチニブの有効性と安全性は、欧米を中心に行われたCOMFORT-IおよびCOMFORT-II国際共同フェーズ3試験と、日本からも参加して実施されたアジア国際共同フェーズ2試験の結果で確認されている。2つの国際共同フェーズ3試験では、ルキソリチニブの投与で、それぞれ、プラセボ群、既存治療群に対して有意に骨髄線維症患者の主要兆候である脾腫を速やかかつ持続的に縮小すること、またプラセボ群と比較して、骨髄線維症に伴う臨床症状を改善することが確認されている。
ルキソリチニブの用法・用量は、通常、成人には1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。用量は、ルキソリチニブとして1回5mgから25mgの範囲とし、患者の状態により適宜増減するとなっている。薬価は5mgで3706.80円。
ルキソリチニブは骨髄線維症に加えて、真性多血症の治療薬としても開発が行われており、欧州で2014年6月に真性多血症治療薬として承認を申請、日本においても現在承認申請の準備中だ。