バイエル薬品は6月20日、抗癌剤であるソラフェニブの根治切除不能な分化型甲状腺癌への適応拡大が厚生労働省から承認されたと発表した。承認の結果、世界で初めて分化型甲状腺癌に対して無増悪生存期間(PFS)の延長を示した分子標的治療薬の使用が日本でも可能になる。
今回の承認は、フェーズ3試験DECISIONの結果に基づくもの。ソラフェニブはプラセボ群に比べて主要評価項目であるPFSを有意に延長することが示された。PFS中央値はソラフェニブ群が10.8カ月、プラセボ群が5.8カ月で、ハザード比0.59(95%信頼区間:0.46-0.76)、p<0.001だった。
DECISION試験の結果は2013年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表され、Lancet誌オンライン版4月23日号にも掲載されている。