ゲムシタビンとシスプラチン併用療法(GC療法)抵抗性の進行性尿路上皮癌に対し、セカンドライン治療として、パクリタキセルとカルボプラチン併用療法は有用な治療選択肢であることが明らかになった。4月24日から神戸市で開催されている第102回日本泌尿器科学会総会で、兵庫県立柏原病院泌尿器科/兵庫県立がんセンター泌尿器科の寺川智章氏、兵庫県立がんセンター泌尿器科の井上隆朗氏らが発表した。
対象は、GC療法によるファーストライン治療後に病勢進行となった進行性尿路上皮癌に対し、パクリタキセルとカルボプラチン併用療法を行った20人。
治療は、パクリタキセル175mg/m2、カルボプラチンAUC 5を1日目に3-4週おきに投与した。
治療開始時の年齢中央値は70歳(56-81歳)。男性13人、女性7人。治療開始時のPSは0が10人、1が7人、2が3人だった。原発巣は上部尿管が7人、膀胱が13人。施行サイクルは平均5.7コース、中央値4コース、観察期間の平均は14.6カ月、中央値13.7カ月だった。
この結果、CRは2人、PRは4人、SDは9人、PDは5人で、奏効率は30%だった。無増悪生存期間(PFS)中央値は6.3カ月、6カ月PFS率は55%、12カ月PFS率は11.7%であった。全生存期間中央値は15.8カ月、6カ月生存率は84.7%、1年生存率は68.1%、2年生存率は21.1%だった。
有害事象は血液毒性が中心で、グレード3以上の好中球減少が12人(60%)、血小板減少2人(10%)、貧血6人(30%)だった。非血液毒性はグレード3以上の末梢神経障害、筋肉痛/関節痛、倦怠感が各1人(5%)だった。
以上の結果から、「パクリタキセルとカルボプラチン併用療法は、他のセカンドライン治療と比較して、遜色のない治療効果であること、安全で、外来で施行できることから、GC療法抵抗性の進行性尿路上皮癌に対する有用なセカンドラインの治療選択肢である」とした。