KRAS遺伝子検査という言葉を聞いたことがある大腸がん患者は約1割にとどまることが、NPO法人キャンサーネットジャパンの調査で明らかになった。
「KRAS遺伝子検査によって、投与前に効果をある程度予測できるとしたら、KRAS検査を受けたいと思うか」という設問に対しては、「ぜひ受けたい」「受けたい」を合わせて5割を超えた。KRAS遺伝子検査は2010年4月に保険適応になっているが、まだまだ患者への情報提供が不足している現状が浮き彫りになった。
この調査は、2010年10月17日~2010年12月22日に、患者会、セミナー参加者に協力を依頼したほか、インターネットを使って実施。117人の大腸がん経験者から回答を得た(文書での回答56人、インターネットでの回答61人)。抗がん剤の投与を受けたことがある人が69人(59%)、受けたことがない人が48人(41%)だった。
またアンケートでは、理解できない用語についても聞いている。理解できない言葉のトップは「無増悪生存期間」で88人(75%)だった。続いて「奏功率」(72人、62%)、「臨床腫瘍医」(42人、36%)、「大腸腺腫」(36人、31%)、「生検」(13人、11%)と続いた。
これらの結果から、「メディアで大腸がんやその治療法に関する情報を得ている患者は、そうでない患者に比べて、最新治療を知っていた比率、実際にその治療を受けた比率が高いことが明らかになっている。今後、大腸がん啓発リーフレットの配布や、大腸がん啓発キャンペーンなどを通じて情報を届けていきたい」とキャンサーネットジャパン広報担当理事の川上祥子氏は述べている。