千葉大学附属病院 神経内科・臨床試験部が、クロウ-深瀬(POEMS)症候群に対するサリドマイドの有効性を評価する医師主導治験を開始した。現在、患者を募集中だ。
クロウ-深瀬症候群は形質細胞の異常増殖を背景とし、末梢神経障害、浮腫、胸・腹水、心不全(心嚢水)、肺高血圧、肝脾腫、腎機能障害、皮膚障害(多毛、血管腫)など多臓器にわたる障害をきたす特異な疾患とされている。経過は通常進行性で、積極的な治療を行わない場合の生存期間は3年前後とされている。国内患者数は約340名と推定される稀少疾病で、初発症状により専門診療科である神経内科や血液内科以外の診療科を受診するため、診断されないまま亡くなる患者も少なからず存在する可能性がある。
クロウ-深瀬症候群の標準的な治療指針は現時点では存在しないが、同様の形質細胞の腫瘍性疾患である多発性骨髄腫の治療の応用によって予後は約10年と飛躍的に改善しており、現在、新規治療として注目されているものの1つにサリドマイド療法がある。ただし、サリドマイドに本症候群の適応がないため、今回、医師主導で行う治験として臨床試験が開始された。
試験に興味がある方は、以下のHPをご参照いただき、連絡先に問い合わせしてください。
連絡先
サリドマイド医師主導治験調整事務局
千葉大学附属病院 神経内科・臨床試験部
担当 三澤園子(神経内科)
FAX 043-226-2160
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/neurol/kenkyu/ishisyudou/index.html