大腸がんを生きるガイド

大腸がんの悩みQ&A

手術を受けても仕事に復帰できますか

大腸がんでお腹を開ける手術を受けることになりました。休職を認めてもらいましたが、どのくらいで復帰できるのか、本当に復帰できるのか、不安でたまりません。

他の臓器にもがんが広がっているような非常に進んだ大腸がんでないかぎり、手術から約4週間をめどに仕事に復帰できると思います。がんばってください。

 あなたがいつ仕事に復帰できるようになるかは、あなたの年齢や体力、仕事の内容、大腸がんの進行度や受けた治療の内容によって異なってきます。はっきりとは言えませんが、デスクワーク中心の仕事で、他の臓器にもがんが広がっているような非常に進んだ大腸がんでない場合には、退院から約2週間が仕事復帰のめどとなるでしょう。つまり、手術を行った時期からは約1カ月後になります。お腹に力を入れて物を持ち上げるなど、腹筋をよく使うような仕事の場合は、手術から2~3カ月が復帰の目安と考えられます。

 大腸がんの手術後は、腸のむくみや、腸と腸、腸と腹壁がくっついたりする「癒着(ゆちゃく)」により、腸閉塞(イレウス)を起こすことがあります。特に退院直後は、環境の変化と食事の変化が同時に起こる時期なので、無理をしないよう心がけてください。仕事復帰にむけて徐々に食事を普通食に、食事量も徐々に増やしていきましょう。大腸を20~30センチメートル手術で切除しても、栄養の吸収には全く問題がありませんので、普通の食事で十分です。

排便の変化は徐々に改善してくる

 直腸がんの手術後では、多くの患者さんで排便習慣の変化が起こります。

 肛門に近い直腸は、便をためておき、一定量の便がたまると便意を起こして、たまった便を肛門から押し出す働きをしています。これを切除すると、便をためておくスペースが小さくなり、また切除してつないだ腸管の間の連携がうまくいかなくなって、便意が伝わりにくくなるなどの問題が生じます。このため、排便に何度も行ったり、少しずつしか便が出なかったり、便が直腸まで来ていないのに来ていると感じて頻繁にトイレに行ったりするといった便通の変化が起こります。

 手術後2~3カ月たつと、こうした症状は徐々に改善してきますし、症状や原因に合わせて緩下剤や下痢止めといった薬をうまく活用して対処していくことができます。例えば、頻繁に中座しにくい仕事であるなど、職場への復帰に当たり心配なことがあれば、あらかじめ医師に相談して、適した薬をもらうなど、いっしょに対策を考えてみましょう。

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「大腸がんを生きるガイド」が掲載する情報・データはあくまで一般情報であり、個々の患者さんとその治療に関して特定の治療法などを推奨したりするものではありません。治療に関しての判断は、担当医などの医療者とご相談のうえ、ご自分でなさってください。日経BPおよび「大腸がんを生きるガイド」は、当サイトを読んだことが引き起こすことに関して一切の責任を負いません。

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