Cadetto.jpのロゴ画像

308人の予選を勝ち進んだ24人が本選に
決勝戦は徳田安春氏からの挑戦状
研修医の金メダルはチーム「オフィサー」が獲得

 続く水野氏と坂本氏からの挑戦状(課題)には、8チームが二手に分かれて挑戦した。

 水野氏の出題は、心電図の読み方を問うものだった。出場者らの席の後方に据えられたテーブルに、様々な心電図像を記した紙が並べられた。水野氏が「ブルガダ型心電図」というお題を出すと、その心電図を3人が一緒になって探し出す(動画2)。ただし、心電図が回答できても終わりではない。水野氏の問いに正解したチームは、会場の正面で待ち構える高橋氏のクイズに正解しなければ勝利を手にできない。

動画2 心電図バトルで走り回る参加者(約9分)

 水野氏の予想に反し、心電図の問題はことのほか難しかったようだ。参加者は、スタートラインで回答を判定する水野氏と心電図が置かれたテーブルの間を、何度も行ったり来たりした。それでも、35分という時間内に8問の心電図クイズが繰り返された。水野氏は1問終わるごとに出題した心電図の読み方を解説し、知識の定着も怠りなく図っていた。

 一方、別室で行われていた坂本氏の出題は、8つのクリニカルクエスチョン(表2)からくじ引きで決定したテーマについて、限られた時間内で調べて答えを探り、ドクター軍団と観戦者、出場者らにプレゼンテーションを行うというものだった。

 4チームが水野氏の心電図クイズに汗を流している間、隣室では別の4チームが、坂本氏のクリニカルクエスチョンに頭の汗をかいていたのだった。「限られた時間で調べ、それを分かりやすく伝えることは、正しい知識を身に着けることにつながる」(坂本氏)。

 8チームすべてが心電図クイズとクリニカルクエスチョンへの対応を終えた後、いよいよプレゼンテーションが始まった。ここからはラスボスである徳田氏も参加。実行委員会の医師と観戦者も加わって、最も良かったプレゼンテーションを行ったチームを選考した。

 ここまでの獲得点数の合計で上位3チームが優勝決定戦に進み、徳田氏の挑戦状に挑むことになる。

表2 坂本氏が出題した8つのクリニカルクエスチョン

(1)肺炎患者に血液培養は必要か
(2)めまい患者に頭部CTは必要か
(3)失神患者に直腸診は必要か
(4)失神患者に頭部CTは必要か
(5)呼吸困難患者にIII音の聴取は必要か
(6)インフルエンザ疑い患者に迅速検査は必要か
(7)誤嚥性肺炎患者は絶食させるべきか
(8)入院患者の抑制は必要か

いよいよラスボス徳田氏に挑む決勝

写真5 レジデンピックで優勝したメンバー。左から小林尭広氏(防衛医科大学校病院)、城田祥吾氏(神戸市立医療センター中央市民病院)、横田雄也氏(岡山協立病院)

 午後3時。ラスボスの徳田氏が登場。クリニカルクエスチョンのプレゼンテーションに引き続き、優勝決定戦に進む3チームが発表された。3チームの得点は1位のチーム「ミカン」が590点、2位のチーム「漢(おとこ)」が525点、3位がチーム「オフィサー」の460点だった。

 いよいよ優勝決定戦。3チームに対して徳田氏からの挑戦状が示された。徳田氏はある症例を提示の概要をスクリーンに映し出した。ここで第1問。「示された情報をもとに、直観的に診断してほしい」(徳田氏)。

 なぜ「直観的」なのか――。徳田氏は、直接的に対象やその本質を捉える認識能力を指す直観こそが、診断学の極意と説くのだった。

 続いて、代表者による心音の聴取を基にした問、さらに腹部の触診の実技へと進む。臨床検査の結果や病歴の詳細などの新たな情報が提示され、最終診断を尋ねる問にたどり着いた。正解は「(結核性)心内膜炎」。3チームとも見事な正解だった。なお、2チームは「結核性」と完ぺきな回答だった点を評価され、ボーナスポイントが与えられた。

 6時間近くに及んだ本選の結果、「研修医日本一の称号」はチーム「オフィサー」が獲得した。メンバーは、小林尭広氏(防衛医科大学校病院)、城田祥吾氏(神戸市立医療センター中央市民病院)、横田雄也氏(岡山協立病院)の3人(写真5)。

 各メンバーはそれぞれ以下のようにコメントしている。

小林尭広氏:優勝という結果もうれしいが、この仲間との出会いに感謝している。(自衛官という特殊な環境のため)これからも環境に関わらず、実力をつけられるということを証明できるように頑張っていきたい。

城田祥吾氏:即席のチームにも関わらず、3人のチームワークがとても良かった。(優勝できたのは)その結果だと思う。本当にうれしい。

横田雄也氏:本選に出られることすら思っていなかった。先輩方におんぶに抱っこで、ここ(優勝)まで連れてきてもらい、本当にありがとうございました。たくさんの方と交流し、どこにいても頑張れるんだ、ということを実感した1日となった。

 「半年前以上も前からプログラムを練ってきた」。こう明かす高橋氏は、若き医師たちの未来に思いをはせる。「参加された研修医にとっては、良い出会いの場であり、切磋琢磨する友を見つける場になったと思う。ここで生まれたつながりがGeneralistやSpecialistの枠を超えて、未来のリーダーのつながりとなることを願いたい」(別掲記事参照)。

■参考
レジデンピックの大会ウェブサイト

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

連載の紹介

Cadetto通信
日経メディカル Online編集部の「Cadetto.jp担当」約2名(飛び入りあり)が、時に熱く時にまったりとつづるコーナー。取材のこぼれネタや企画の予告編、耳よりなイベント、面白い人&面白い話、編集部の秘密、困っていることや皆さまへのお願いなどなど、自由度高め、文章短めで参ります。時には「病院ランチ食べ歩き」などの特別企画に変身することも。

この記事を読んでいる人におすすめ