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医学生の声を反映したシミュレーション講座作り

2012/03/09
花井翔悟(藤田保健衛生大学医学部3年)

実際にVISTを操作する医学部生と入江先生

 この頃から、私の中に、自分もシミュレーション教育コースの企画を立ち上げてみたいという気持ちが生まれました。藤田保健衛生大学附属病院では、腹腔鏡手術がよく行われていますし、腹腔鏡のシミュレーターもあります。しかし、学生は手術ビデオを見るくらいで、実際の手技がどんなものかを実地に学べる機会はそれほどありません。シミュレーション装置を使うことで、学生のうちから腹腔鏡を触ることができるとしたら、医学に対するモチベーション向上につながるのではないでしょうか。

 幸い、藤田シミュレーション医学研究会では、月1回シミュレーションセミナーを行うと決まったばかりの段階で、まだ施設のスケジュールには余裕がありました。先生に相談したところ、3月に施設を使わせてもらえることになりました。

みんなもやりたいと思っているのだろうか
 しかし、実際に企画する立場になってみると、同じ考えを持つ学生が果たしてどれくらいいるのか、少し心配になりました。そこで仲の良い友人に聞いてみたところ、「ぜひやりたい」というグループと、「いや、外科系に行くつもりはないし…」というグループにはっきりと分かれました。この結果に、先生にセミナーへの協力をお願いしに行くべきかどうか、しばらく悩みました。

 でも最終的に、「やはりお願いしよう」と決めました。「ぜひやりたい」「絶対に予定を空けておくから、ぜひ企画してほしい」という友人たちの強い支持があったからです。中には、話を持っていったところ、「何か協力できることはある?」とまで言ってくれた友人もいました。勇気づけられて、胆膵外科の先生に講師をお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。

 3月24日(土)、学内向けに、スキルスラボで腹腔鏡シミュレーションのセミナーを開催することになりました。現在、協力してくださる方々のスケジュール調整をしたり、セミナーのチューター役を務めてくださる先生を探したりといった準備を進めています。学生の参加枠も別途設けたので、「見ているだけ」ではなく、実際に触らせていただけるようになりました。4月21日にも、腹部エコーのシミュレーションについて学内向けのセミナーを開催する予定です。

学内向けセミナーの予定
3月24日(土) 腹腔鏡シミュレーションのセミナー
4月21日(土) 腹部エコーのシミュレーション

 私は、学生のうちから、興味を持てることはどんどんやりたいし、やった方がよいと考えていますが、学生には実際の医療行為はできません。でも、シミュレーション装置を使うことで、このジレンマをある程度解決できます。1年目からエコーなどの扱い方を少しでも知っている研修医は貴重なのではないでしょうか。本人も自信が持てますし、アピールポイントにもなります。

 学生の興味の方向を事前に調査して、それを教育の企画に反映するというプロセスに関われたことも、貴重な体験です。現在、次の腹部エコーのシミュレーションセミナーの企画も温めています。学生の「やりたい!」という声が、医学分野の活力に、また、大学のアピールにもつながればと考えています。

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著者プロフィール

Cadetto.jpにレポートをお送りいただいた全国の若手医師や医学生たち。経験を発信したい皆さまからの寄稿をお待ちしております。

連載の紹介

体験リポート
若手医師や医学生たちによる体験リポート。病院見学や各種のワークショップ、勉強会などへの参加や、自らの取り組みを通じて得た経験を、全国の医師、医学生に向けて報告します。

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