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医学生として気仙沼での医療支援に参加して

2011/04/20
小澤廣記(東京大学医学部6年)

中学生ボランティアと感染症予防で協力
 避難所で心配されたのが感染症の流行です。気仙沼小中学校の衛生状態については、市役所の方、保健師の方々が当初からとてもよく気を遣われていて、多くの部屋に消毒ジェルなどが既に置かれていました。また、インフルエンザや感染性腸炎の蔓延を防ごうと、即席の隔離室が用意され、発熱や下痢などの症状を訴える避難者がいれば、そこへ入っていただくことになっていました。

案内板を作る気仙沼中学校の生徒たち

 私が仕事として取り組んだのは、その感染症予防の意識を避難住民の方々に浸透させることでした。といっても、1000人規模の避難所は私1人の手には余ります。そこで避難所に暮らす気仙沼中学校の生徒さんにボランティアで協力してもらいました。

 例えば、トイレの後や食事の前の手指消毒の徹底です。消毒ジェルの置き場所を、各避難部屋のアクセスが良い所に変えてもらい、手指消毒を促す張り紙や案内板をつけ(紙がないのでダンボールで作ってもらいました)、手洗いを徹底してもらうようにお願いして回る作業を、中学生たちと協力して行いました。

消毒ジェルと手作りの案内版

 たかが手洗い、かもしれませんが、避難所では被災者の皆さんが普段ではあり得ないほどに密集して生活しており、感染症が広まるリスクが高い状態です。そのような状況で有効な感染症対策は、感染症予防と患者の隔離ぐらいです。「手洗い」はあまりになじみのある行動なので、かえって全員に徹底するのは難しいことだと思いました。幸いなことに私がいた間は、避難所でインフルエンザや感染性腸炎は発生しませんでしたが、これからもその状況が続くことを願います。

 PCATの活動の一環として、気仙沼市総合体育館「ケー・ウエーブ」での夜間当直をした日がありました。もちろん渡瀬先生に同行する形です。ケー・ウエーブは大きな体育館の中に1000人以上の被災者が暮らす避難所です。こちらでは熱発と嘔吐下痢の患者が多く、かなり忙しい夜となりました。

気仙沼市総合体育館「ケー・ウエーブ」

 気仙沼小中学校の場合は、教室という小部屋単位で被災者の皆さんが暮らしていましたが、ケー・ウエーブでは大勢が体育館の中に暮らし、空間を共有していました。そうした環境の違いが感染症をはじめ、様々な健康状態に影響しているように感じました。

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著者プロフィール

経験を発信したい全国の若手医師や医学生たちのリポート、また、彼らに情報を届けたい皆さんからの寄稿を集めました。本コラムへの掲載を希望される方は、当サイトのお問い合わせ欄にお気軽にご連絡ください。

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