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全員が「患者さんの利益」を追求
医学生による「チーム医療亀田ツアー」

2011/01/28
松本紘太郎(慶應義塾大学医学部4年)

 「全ては患者さんの利益のために」―これが医療の原点である。だが実際には少なからぬ病院経営者が、この原点からかい離した目標を設定しているのではないだろうか。今回、亀田総合病院のトップや各診療科のトップにもお会いし、組織全体に「すべては患者さんの利益のために」という精神が浸透していることを感じた。理想に近いチーム医療を実践できている最大の理由はここにあるのではないだろうか。

 充実した施設、優れた電子カルテシステムを見学して感嘆した後に、経営者や診療科のトップから「亀田総合病院が最も誇れるものは、(設備でもシステムでもなく)そこに勤務する人である」という言葉があったことが、強く印象に残った。

参加者の意識にも変化
 本ツアーに参加した医療系学生の感想の一部を紹介する。

 「患者の治療について最高のアウトカム、満足度を得るためには、まずほかの医療従事者がどのような仕事をしているのか知る必要があるのだと感じました。先生方の本音を伺えたことは、普段はなかなかできない体験であり、将来の理想のチーム医療実現に向けて貴重な一歩となった」(医学部5年)

 「ツアー参加前は、チームを主導するのは医師というイメージだったが、多くのコメディカルの方々とお話する中で、各職種の力関係はフラットであり、その中には患者さんやその家族も含まれ、グレーゾーンを互いにカバーし合いながら1つのことに向かって協力していくのだと思うようになった。全体を通じて、チームを作るのはハードウエアでもソフトウエアでもなく、ヒューマンウエア=人間であることを実感した」(医学部2年)

 「亀田総合病院の評判は、医学生から聞いたり、テレビで見たりしていました。チーム医療についての事前知識はほとんどなく、普通には受けることのできない、一般の人には敷居の高いものだと思っていましたが、ディスカッションを通じ、チーム医療は特別なものではなく、どんな現場にもあるものだと学びました。医療現場に限らず、自分自身も様々なところでチームに所属していることに改めて気付かされました。何より、イキイキと働かれている亀田の皆さんの姿はとても印象的で、憧れを抱きました」(看護学部3年)。

 「チーム医療でのコミュニケーションに興味があったので参加しました。ツアー前には、違う職種の人がそれぞれの得意分野を生かしているというイメージがありましたが、ツアーを通じて、『ここまでは私。でもここは私の担当ではない』という考えかたは本当の意味でのチーム医療ではないのだと気付きました。得意分野を生かすというよりも、職種間の壁をとりはらうという表現の方が合っているのではないかと感じるようになりました」(看護学部1年)。

 参加者からは「来年もぜひ開催を」という声を多数いただいた。今回、日程や定員のために参加を断念した学生からも「来年こそはぜひ」という要望をいただいた。具体的な計画は未定だが、今後もチーム医療について学び、考える場を提供していきたいと考えている。

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