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男性医師は何歳で結婚すべきか、ゆるく考えた

2016/12/05

第1のタイミング:医学部卒業時、大学時代の彼女と結婚
 これは頻度としてそれほど高くはありません。なぜなら、男とはいつの世も浅はかなもの、「もっと世界を知りたい(=いろんな女性を知りたい)」という発言とともに、もしかしたら人生最高であった彼女とばっさり別れてしまうからです。研修で故郷に戻ったり都会に出たり、彼女と違う地域に行くことが決まった医学生が、卒業時に「遠距離になるから別れよう」という決めセリフを残すケースも頻発します。医学生の皆さん、だいたい5年生から6年生の始めくらいにこのパターンの別れは頻発しますのでご注意を…。

第2のタイミング:医師1~2年目、ナースと結婚
 この項は、若手医師・医学生向けであるこのサイトを看護師諸氏が見ていないことを信じつつ、ヒヤヒヤしながら書いております。まず、看護師の中には天使のような方が大勢おり、大変幸せな家庭を築いている男性医師の友人が何人もいることを明記しておきます。

 研修医、それはつまり毎日メタメタに罵られ、そうでなくてもほぼ何もできないという事実で自尊心が大暴落している時期。そんなぼろぼろに傷ついた研修医の先生が病棟のナースに捕捉される…もとい仲睦まじくなるという事件はしばしば目撃されることです。

 先生方もよくご存じの通り、医者の世界には10年目くらいまでは年次とともに自分の価値が自動的に上がっていくという仕組みがあります。ですからこの仕組みを理解した先生方は、自分の市場価値が必ず再上昇すると確信し、ナースを卒業して再び恋愛市場に打って出ます。

 一方で、そうした展望を理解しない、あるいは関心を持たない先生は、「こんな辛い時に一緒にいてくれた」「メシを作ってくれた」などのふんわりした理由でナースとお付き合いを始めることが多いですね。いや、もちろんいいことだと思いますし、私もその気持ちはよく理解できます。

 このお付き合いが結婚に至るかどうかは、「男性医師の実家が医師家系か否か」と、「ナースの攻撃力がどれほどか」という2つの要素によって決定します。

 医師家系の場合、男性医師の親がナースとの結婚を断固反対するケースはかなり多くあります。そうすると、ナースの攻撃力がどれほど強くてもブロックされることが多い。しかし、医師家系でさえなければ、「私とこれからどうしたいの」「結婚してくれなきゃ別れる」というタコ殴り戦法、あるいは男性医師の実家に行って母親や父親と親しくなることで外堀から埋める戦法が効果を発揮します。攻撃力いかんによってはそのまま結婚に至ることもままあります。

 そうなると、「もうちょっと独身を楽しみたかったんだけどなぁ」という淡い夢を抱いていたとしても叶いませんし、その後は小遣い制(相場は月5万円、昼食・飲み代コミ)の生活が待っていることもあります。多くの場合、攻撃力が強いナースは年上で、しばしばバツイチです。そして時折、既成事実(=妊娠の成立)とともに結婚が自動的に成立するケースも耳にします。

第3のタイミング:医師5年目、こっそり付き合っていた女性研修医と結婚
 これもしばしば耳にするケースです。男性医師の多くは研修医時代のナースから離脱すると、今度は後輩の女性医師と付き合うというパワープレイをする人が実に多い。この恋は、一歩間違えるとパワハラのようでもあり、職場で虐げられている者同士という共感でもあり、また職場内恋愛という自然な形でもあるという複合的な要素をはらんでいます。なお、「こっそり」とは職場や他の医師たちに隠れて、という意味でございます。

 このパターンで結婚した医師たちは、その後に離婚することが少ない印象があります。そして彼らは「ダブルインカム」という英語圏ではあまり通じなさそうなフレーズとともに周囲から収入面で羨ましがられつつ、裕福で幸せな家庭を築いていくのです。

まとめ
 ここまで色々と書いてきましたが、では結局どれが一番良いのか。私は結婚の実践者ではありません。だからこそ客観的に言えることは下記の通りです。

第1のタイミングが最もシンプルであり、
第2のタイミングが最も愛に溢れていて、
第3のタイミングが最も安定している


 それぞれ長所短所がありますが、本当に相性のいいお相手であり、ある程度の覚悟を持って踏み切れば、きっと素晴らしい結婚になるのではないでしょうか。このような、ぬるいお風呂のような結論を提示しつつ、最後にノーベル文学賞作家のお言葉をみなさまへのtake home messageとし、お別れの挨拶とさせていただきます。

「結婚するやつは馬鹿だ。しないやつはもっと馬鹿だ」
            ――ジョージ・バーナード・ショウ(1856~1950年)


 それではまた来月。

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著者プロフィール

雨月メッツェンバウム次郎●うげつ めっつぇんばうむ じろう氏。アラサーを少し過ぎ始めた現役外科医。某国立大学医学部卒業後、ほぼ毎日手術をこなす。年間200件近く手術に参加する傍ら、年に1、2回は海外学会へ、年に7回は国内の学会へ行く。メッツェンバウムをこよなく愛する。クリエイターと読者をつなぐサイト「cakes」にてコラム「それでも僕は、外科医をやめない」を連載中。

連載の紹介

迷走外科医のこじらせ幸福論
どうすれば医師は幸せになれるのか。一般読者向けの恋愛コラムを執筆してきたこじらせ外科医、雨月(うげつ)メッツェンバウム次郎氏による、明日の臨床の役には立たないコラム。たまに外科医の本音も漏らしましょう。

この連載のバックナンバー

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