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院内暴力や迷惑行為、サイバー攻撃への備えが急務に
待ったなし! 医療・介護現場への“攻撃”を防ぐ

 医療と介護の経営情報誌『日経ヘルスケア』の5月号は、「医療・介護現場への“攻撃”に備える」がテーマです。医療機関・介護事業所の従事者などの暴力・ハラスメント事件が社会問題化しています。大阪市北区のクリニック放火殺人、埼玉県ふじみ野市の在宅医射殺事件と、医療従事者が標的となるような凶悪事件も立て続けに起こっています。

 ただでさえ日常業務では、患者等からの暴言や迷惑行為を受けるリスクにさらされています。それだけではなく、近年では医療機関などを標的として、身代金を要求するランサムウエアによるサイバー攻撃なども問題になっています。

 こうした外部からの攻撃に対して、事業者はどう備えればよいのでしょうか。日経ヘルスケア5月号では特集「待ったなし! 医療・介護現場の暴力対策」、寄稿「相次ぐ患者の迷惑行為、罪の成立条件は?」、Report「ランサムウエアから自院を守れ!」の3本の記事で、これらの問題について考えました。

ポスター掲示などで医療従事者の境遇を強調

 特集「待ったなし! 医療・介護現場の暴力対策」では、暴力対策に力を注ぐ医療機関の取り組みを数多く取材し、紹介しています。川崎市立多摩病院(川崎市多摩区)は開院以来、警察OBの雇用などで体制を強化してきました。同院では2つの事件の後、ポスターを新たに作製して院内に掲示(図1)。凶器の持ち込みを防ぐ具体的な手段の検討も進めています。

図1 川崎市立多摩病院が掲示したポスター ※クリックで拡大します

 同院では2006年の開院に併せて、「暴言・暴力対策マニュアル」を作成。マニュアルでは、どういった人が暴力を振るいやすく、どういった人が暴力を受けやすいのかなども明記しています。暴力の誘因となり得るものとして長時間の拘束や不十分な説明、不適切な空調管理、照明の暗さなど建物の構造に至るまで様々な項目が並んでおり、職員が意識しています。

 同院の職員は1年に1回、研修を通して、防犯カメラに映った実際の事案を見ながら暴力対策の知識を学ぶとのこと。このほか診察室や検査室には、患者の出入り口以外に医療従事者が逃げられる扉を作るなど、構造面でも工夫しているそうです。

「お前らただじゃすまないぞ」と言われたら脅迫罪?

 患者などから投げかけられる罵声や暴言、暴力といった迷惑行為から医療従事者を守るには、適切な法律の知識が必要です。例えば、「殺すぞ」「お前らただじゃすまないぞ」といった脅迫的な暴言はどうでしょうか。寄稿「相次ぐ患者の迷惑行為、罪の成立条件は?」では、患者がどのような言動を働き、それによって医療現場や医療従事者がどのような影響を受けた際に法律に抵触するのかについて、元東京女子医科大学附属成人医学センター事務長の大江和郎氏に解説していただきました。

 刑法では、脅迫を「本人とその親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対し害を加えることを知らせ(害悪の告知)、相手方を畏怖(恐怖心を生じ)させる行為」と定義しています。ただし、加害対象は「本人またはその親族」に限定されており、本人ではなく仮に「同僚や上司を殺すぞ」と脅しても脅迫罪は成立しないことになります。

 また、その場限りの言葉で、相手を脅して恐怖を味わせてやろうという意図が患者側になければ、脅迫罪は成立しません。それゆえに、患者が医療従事者に投げかけている脅迫的暴言が、興奮状態であるがゆえの言葉なのか、害悪の告知なのかを的確に見極めることがその後の対応におけるカギとなります。

 ほかにも「おい! 話聞いてるのか! メモ取れよ」と言われたら強要罪に該当するのか。また「アホ! ボケ!」と罵られたら、侮辱罪や名誉毀損罪に相当するのか。「納得がいく説明があるまで帰らないぞ!」と言われたら不退去罪になるのか。こうした罪の成立要件について解説しています。

半田病院のサイバー攻撃の教訓は?

 そして、Report「ランサムウエアから自院を守れ!」では、徳島県つるぎ町立半田病院が被害を受けた事例や各種ガイドラインから学び、医療機関が人材・資金不足でも今すぐ取り組むべき対策について解説しました。半田病院がサイバー攻撃を受けてから復旧までの2カ月間の取り組みをドキュメントでお伝えするとともに、「医療機関に伝えたい教訓」として5カ条をまとめています(図2)。

 その上でランサムウエアについての基礎知識やサイバー攻撃が発生した際の想定被害額、対策を検討する上で参考になる主なガイドライン、自院でできる予防策、インシデント発生時の対応などについて解説しました。

図2 半田病院の取り組みから医療機関が学ぶべき教訓 ※クリックで拡大します

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日経ヘルスケア、6月号以降の記事ラインアップ

 ここで日経ヘルスケア2022年6月号以降のラインアップを少しご紹介します。
リーダー育成のツボ、押せていますか? 将来の幹部候補はこう育てる!
介護報酬、加算の取捨は 2021年度介護報酬改定、新設加算はどう算定
医療・介護職員モチベーションアップ大作戦 職員の意欲向上のノウハウ満載
「Beyond 処遇改善! 一歩先行く介護事業者の人事制度改革」 
社会福祉連携推進法人、いよいよスタート 今年4月に制度化、メリットは?
広がるか? リフィル処方箋 2022改定で導入されたリフィル処方箋の活用法
特養の生きる道 今後の特別養護老人ホームの生き残り策を考える

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連載の紹介

日経ヘルスケアon the web
医療と介護の経営専門誌「日経ヘルスケア」は、行政動向に関する深い分析と徹底した現場取材を通じ、厳しい環境下で勝ち抜くためのマネジメント情報を提供しています。創刊は1989年。専門記者の手による記事は、開業医や病院長の先生方など2万人近い読者に支持していただいています。このブログでは、話題の経営トピックスを盛り込んだ最新号の内容を、ちょっとだけですがご紹介します。

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