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プラス改定でも油断禁物
2021改定「基本報酬アップでも減収」のリスク

2021/04/16

 いよいよ新年度が始まりました。2021年度介護報酬改定への対応も急務になっています。+0.70%の改定率となった今改定は、プラス分の全てが基本報酬の引き上げに充てられる一方で、加算全体ではプラスマイナスゼロとするという財政中立の観点から見直しが行われました。

 しかし、「基本報酬がプラスなのだから何もしなくても増収だろう」と高をくくっていると、思わぬ落とし穴が待ち構えているかもしれません。医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』では、4月号の特集「徹底分析! 2021年度介護報酬改定」で、サービス別の改定内容と対策について詳しく解説しています(定期購読のご案内ページはこちら)。

 特集では改定に伴う収入変化のシミュレーションなども行いましたが、新設加算や既存加算の上位区分を算定しないと、減収になってしまうケースもありそうなのです。

通所介護で加算は大きく再編、新設加算への対応が重要に

 その典型が、加算が大幅に見直された通所介護(デイサービス)です。通所介護の基本報酬は通常規模型、大規模型(I)(II)で一律1%程度、地域密着型で1.5%程度アップしました。

 一方、加算は大幅に見直されました。減収リスクがあるのは、入浴介助加算個別機能訓練加算です。入浴介助加算は2区分に再編され、改定前と同じ算定要件の加算(I)は1日40単位と改定前から10単位ダウン。上位区分として加算(II)(55単位/日)が新設されました。加算(II)の算定要件を満たすには、医師・理学療法士・介護福祉士などが利用者宅を訪問し、利用者が自分で入浴できるように、浴室の環境を踏まえて個別入浴計画を作成しなければなりません。

 これまでと同じ体制で入浴介助を行っている事業所は改定後は加算(I)の算定となり、1日10単位のマイナスになります。上位区分を算定できなければ、基本報酬の増額分はほぼ相殺されてしまいます。

 同様に個別機能訓練加算では、改定前の旧加算(I)(身体機能向上が目的、46単位/日)と旧加算(II)(生活機能向上が目的、56単位/日)が加算(I)イとロに再編。注意を要するのは改定後の算定要件です。機能訓練指導員が5人程度以下の小集団または個別にプログラムを直接実施することが求められます。

 改定前に旧加算(I)を算定していた事業所では、トレーニング機器を使用したり、機能訓練指導員の指示を受けた介護職員が大人数にプログラムを行うケースが大半でした。改定後は機能訓練指導員が小人数に直接指導する体制に改めなければなりません。

 このほか、今改定では科学的介護推進体制加算のように、科学的介護情報システム(LIFE)へのデータ提出を算定要件とする新設加算も目玉。個別機能訓練加算でも、LIFEへのデータ提出とフィードバックを受けることを算定要件とする加算(II)(20単位/月)が新設されました。これらを全く算定できないと、表1のように減収になってしまいます。

表1 通所介護の改定前後の収入シミュレーション(作成:(株)ナレッジ・マネジメント・ケア研究所 統括フェロー 石垣修一氏) ※クリックで拡大します

改定の「裏メッセージ」を読み解く

 LIFEへのデータ提出や介護の質を高める取り組みなど、国が事業者に求める役割を果たさずに安穏としていると、プラス改定に見えて実はマイナスになるというのが今改定の裏のメッセージ。本特集では今改定で新設・見直された各種加算の算定要件や経営へのインパクト、先進事業者の当面の対応方針などを詳しく解説しています。

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日経ヘルスケア、5月号以降の記事ラインアップ

 ここで日経ヘルスケア2021年5月号以降のラインアップを少しご紹介します。

医療・介護ニーズ減少時代の克服法 2025年や2040年に向けて今から備える
2021年度改定、キーパーソンはこう見る 改定のインパクトを識者が解説
通所介護と通所リハビリ、トップランナーの選択 2021改定で大きく変わった通所サービス。先進事業者の勝算は?
イケてる事務職員の育成方法 有能な事務職員はどう育てる?
今どきの開業の傾向 今、開業するクリニックの勝算はどこにあるのか?
2021改定で脚光! 口腔・栄養・リハビリ最前線 先進事業者の取り組みに成功例を学ぶ
科学的介護システム「LIFE」完全対応 データ提出の方法や注意点は?

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「日経ヘルスケア 誌面ビューアー」アプリ誕生!

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連載の紹介

日経ヘルスケアon the web
医療と介護の経営専門誌「日経ヘルスケア」は、行政動向に関する深い分析と徹底した現場取材を通じ、厳しい環境下で勝ち抜くためのマネジメント情報を提供しています。創刊は1989年。専門記者の手による記事は、開業医や病院長の先生方など2万人近い読者に支持していただいています。このブログでは、話題の経営トピックスを盛り込んだ最新号の内容を、ちょっとだけですがご紹介します。

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