「帰省したときに新型コロナに感染したんですって? でも、元気そうに見えますし、ご両親にもうつらなかったのは不幸中の幸いで、そこは本当に良かったですね」──。先日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性が判明し、自宅療養となった知人とオンライン会議ソフトで話しました。「オンラインお見舞い」です。
ともに実家に帰省していた兄弟の1人が年明けに発熱し、受診した際に念のためにPCR検査を受けたところ、COVID-19陽性が判明。本人も翌日に発熱し、濃厚接触者としてPCR検査を受検した結果、感染が確認されたのです。
本人の体温は受検翌日には平熱に戻ったそうです。話したのはその数日後。「熱はないんですが、嗅覚障害が出てにおいを感じないんです。味覚はあるので、コーヒーを飲んでも全く香りがせずに苦いだけという何だか変な感じです」と画面越しでしばらく体調や症状などについて話しました。たまに咳が出ることを除けば、普段の調子の会話で元気そうです。時折笑顔も見せてくれ、少し安心しました。COVID-19感染の一報を聞いたときは心配もしたのですが、声だけではなく映像で顔を見ながら話ができるのは、「こういうときに本当に良いな」と実感した次第です。
「デジタル化」で新しい価値を生み出す

COVID-19の流行によって、人々の生活様式は大きく変化しました。中でも利用頻度が劇的に高まったツールの1つが、オンライン会議ソフトではないでしょうか。私たちも日々の取材や会議など、あらゆるシーンで活用する機会が増えています。
「デジタルトランスフォーメーション(digital transformation,DX)」という言葉があります。経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」で示した定義には、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優性を確保すること」とあります。
医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』は、1月10日発行の2021年1月号で、「医療・介護現場に広がるデジタルトランスフォーメーション」という特集記事を掲載しました。データやデジタル技術を活用し、業務や組織の変革に取り組む最新事例を紹介する企画です。医療・介護のデジタルトランスフォーメーションを強力に後押ししたのがCOVID-19の流行でした。感染対策の面から、患者や利用者と対面で接する業務を縮小したり、混雑緩和などが求められた結果、業務のデジタル化に着手する医療機関や介護事業者が出てきています。
例えば、医療機関の外来の窓口負担分の支払いのキャッシュレス化です。クレジットカードなどによる後払いや電子決済サービスに対応することによって、院内の滞在時間を短縮し、会計待ちの混雑を緩和できます。金銭授受を伴わずに紙幣や硬貨を介した接触を避けられるのもメリットです。本特集ではほかにも、ウェブ問診やオンライン相談、治療用アプリ、オンライン診療、ペーパーレス化、オンライン会議ソフトを利用した手厚い退院支援など、医療・介護現場におけるDXの事例を多数紹介しています。
詳しくは日経ヘルスケア1月号をぜひご覧ください。
日経ヘルスケア、2月号以降の記事ラインアップ
ここで日経ヘルスケアの2021年2月号以降のラインアップを少しご紹介します。
・決定! 2021年度介護報酬改定 1月下旬に決まる予定の「コロナ改定」の内容を速報!
・再始動なるか? 地域医療構想 議論が再開に向かう地域医療構想。コロナ対応を踏まえたポイントは?
・医療・介護の人事労務「10の大問題」 新型コロナ禍で変わる課題と対策
・患者の「もしもの時」について話そう 新たな看取りの在り方を考える
・今どきの開業の傾向 今、開業するクリニックの勝算はどこにあるのか?
・徹底分析 2021年度介護報酬改定 全サービスの改定内容を詳しく解説!
・イケてる事務職員の育成方法 有能な事務職員はどう育てる?
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