日経メディカルのロゴ画像

11月に入って医療・介護クラスターが急増中
新型コロナ、「第3波」が来た!
患者・利用者や職員を感染拡大から守る「冬の陣」の構築を

2020/11/20

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「第3波」の到来が、日増しにはっきりしてきました。厚生労働省の発表では11月18日、全国の新規陽性者数は2179人と過去最多を更新しました。1日の新規陽性者が2000人を超えたのは初めてです。11月19日の東京都の新規陽性者数は500人を超えて534人となり、過去最多となっています。

医療・介護クラスターが続々と発生、従業者・患者等の陽性者数も急増

 医療機関や介護施設、障害福祉施設における大規模クラスター(感染者の集団)の発生も10月中旬ごろから目立ち始め、特に11月に入って急増しています。社会福祉法人前田記念福祉会・特別養護老人ホーム「ドリームハウス」(札幌市南区、特別養護老人ホーム、入所定員90人)では、11月6日に1人目の職員の陽性が確認されました。しかし、18日に陽性者は計104人(職員21人、入所者83人)に上り、大規模なクラスターであることが判明しています。

 医療法人慶友会・吉田病院(北海道旭川市、263床)では、11月6日に職員1人の感染が確認されました。職員・患者にPCR検査を実施したところ多数の陽性者が判明し、11月18日時点で計67人(職員23人、入院患者44人)のクラスターとなっています。

 日経ヘルスケアでは自治体や各施設の発表、報道などを基に、医療・介護・障害福祉分野に従事する職員の感染状況や、院内・施設内感染と思われる患者・利用者等の数などを継続的に集計してきました。11月18日時点の集計(速報値)では、これまでにCOVID-19陽性になった職員は計3750人以上を数えています(表1)。院内・施設内感染と思われる患者・利用者等は4670人以上で、合計8420人以上に上ります。

表1  医療・介護・障害福祉従事者におけるCOVID-19陽性者数の推移(日経ヘルスケア調べ、カッコ内は全COVID-19陽性者に占める割合) ※クリックで拡大します

早期発見・早期対応が可能な体制の構築へ

 いち早く冬を迎える北海道だけでなく、関東や関西でも医療・介護クラスターは続発しています。医療法人清伸会・ふじの温泉病院(相模原市緑区、472床)では、10月21日に職員3人の陽性が判明。11月14日までに計90人(職員34人、患者56人)の陽性が確認されています。京都市左京区の医療法人三幸会・第二北山病院(京都市左京区、324床)は11月5日に最初の陽性者が確認されて以降、16日までに計31人(職員2人、患者29人)に増えています。

 もはやクラスターはいつ、どこで起きても不思議ではありません。急性期だけでなく、回復期、慢性期の医療機関でも起こり得ますし、介護施設・障害福祉施設でも同様です。ハイリスク者である高齢患者・入所者等が多ければ、クラスター発生時のリスクはより高まります。特に介護施設・障害福祉施設においては十分な医療連携が望めないことが多く、陽性者の搬送や入院調整など、クラスター発生後の医療対応に困難が伴います。

 COVID-19は感染しても無症状の人も多く、院内・施設内感染が発生する可能性を完全にゼロにすることは困難です。それだけに早期発見・早期対応が重要になります。職員の体調管理に一層の力を入れるとともに、職員が体調に異変を感じたら、すぐに勤務シフトから外すといった取り組みが欠かせません。職員の会食などについても自粛を要請せざるを得ないかもしれません。岩手県ではクラスターとなった飲食店での会食をきっかけに、複数の医師のCOVID-19陽性が判明したケースもあったからです。

 また、万が一の事態に備え、クラスターが発生した際の対応を事前に定めておくこともリスクマネジメントの観点からは大切です。例えばウェブページなどで、第1報から収束までをどう告知するのか。実際にクラスターが発生した病院・施設の例なども参考にしながら、文面を含めてあらかじめ決めておくことが望ましいでしょう。患者・利用者や職員を感染拡大から守るための「冬の陣」の構築が急がれます。

 医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』は、12月10日発行の2020年12月号で、新型コロナの第3波への対応をテーマにした特集記事を掲載する予定です。過去にクラスターが発生した医療機関・介護施設のケーススタディーなどに学び、今冬を乗り切るための備えなどについて紹介します。

2021改定の議論大詰め、通所リハビリと訪問看護に注目

 一方、11月号特集「徹底予測! 2021年度介護報酬改定」では、大詰めを迎えている2021年度介護報酬改定の議論を受け、改定の内容を予測しました。(定期購読のご案内ページはこちら)。2021年度改定は「コロナ改定」としてBCP(業務継続計画)の策定が運営基準等で求められるほか、コロナ禍で財源確保を巡る不確定要素が目立つ、異例の改定になっています(関連記事はこちら)。

 新型コロナの感染対策は基本報酬で評価する方向性が示されています(関連記事はこちら)。特集記事では全体動向に加えて、各サービスについて改定の論点と今後の予測を盛り込みました。

 さらに11月16日に開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会では、19のサービスの論点が示されました。その中に、通所リハビリテーションを月額制の包括報酬とする提案や、訪問看護で「看護職員の割合を6割以上」を要件化する案など、ドラスチックな提案がなされました(関連記事はこちら)。

 医療機関ではグループの介護老人保健施設などで通所リハビリテーションを運営していたり、訪問看護ステーションを開設している場合が少なくありません。各介護サービスにおける医療連携や看取りの推進も2021年度改定の大きなテーマ。医療機関にとっても大きな影響を及ぼす介護報酬改定になりそうです。

 詳しくは日経ヘルスケア11月号をぜひご覧ください。

日経ヘルスケア、12月号以降の記事ラインアップ

 ここで日経ヘルスケア2020年12月号以降のラインアップをご紹介します。

新型コロナ、どうする「第3波」 患者・職員を守り、冬を乗り切る方策は?。
見えてきた2021介護報酬改定 大詰め迎える改定議論の内容を徹底解説
「コロナで利用者死亡」、訴訟は和解もなお残る課題 広島県三次市で訪問介護の利用者がCOVID-19感染で死亡。遺族が提訴し、和解したが今後の課題も残した
建築の専門家が教えるCOVID-19対策 新型コロナで施設設計はどう変わる?
医療・介護現場のDX推進大作戦 デジタルトランスフォーメーション(DX)はどう進める?
決定目前! 2021介護報酬改定
コロナ禍でも入居者満足度が高い高齢者住宅の秘密 入居者も職員も満足する仕組みとは?
再始動なるか? 地域医療構想 議論が再開に向かう地域医療構想。コロナ対応を踏まえたポイントは?
新型コロナも影響! 人事・労務トラブル2021 新型コロナを踏まえた人事・労務トラブル対策の決定版!
患者の「もしもの時」について話そう 新たな看取りの在り方を考える
あえて開業&ついに廃業 今、開業するクリニックの勝算は? そして廃業を決めた理由とは?

          ※記事タイトル・内容、掲載時期が変わることもあります

 ご興味があれば、定期購読の案内ページをご覧ください。

  • 1
  • 2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

連載の紹介

日経ヘルスケアon the web
医療と介護の経営専門誌「日経ヘルスケア」は、行政動向に関する深い分析と徹底した現場取材を通じ、厳しい環境下で勝ち抜くためのマネジメント情報を提供しています。創刊は1989年。専門記者の手による記事は、開業医や病院長の先生方など2万人近い読者に支持していただいています。このブログでは、話題の経営トピックスを盛り込んだ最新号の内容を、ちょっとだけですがご紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ