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7月以降の感染再拡大、実は少ない医療・介護従事者や患者等の陽性者
新型コロナ、感染対策の成果は出ている!

2020/08/14

 7月以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染再拡大には、5月ごろまでとは異なる傾向があるようです。中でも日経ヘルスケアが着目しているのは、感染再拡大後に全体のCOVID-19陽性者は5万人を突破するなど急増しているのに対して、医療機関や介護施設、障害福祉施設などの職員や患者・利用者等における感染は、確かに再び起きてはいるものの、以前よりも全体に占める割合が大きく減っている点です。

 日経ヘルスケアの調べでは、8月12日時点における医療・介護従事者のCOVID-19の陽性者の数は、少なくとも医師が180人以上、看護師等が620人以上、介護職員やその他の職員、内訳が未判明な職員等が約1000人と、合計すると1800人以上になっています(表1)。一方、院内感染・施設内感染と思われる患者・利用者等の感染者は、計2170人以上となりました。合計すると約3970人です。

表1 医療・介護・障害福祉従事者におけるCOVID-19陽性者数の推移(日経ヘルスケア調べ、カッコ内は全COVID-19陽性者に占める割合)

 一方、最初の流行の波が収束しつつあった5月28日時点では、陽性者は少なくとも医師が155人以上、看護師が530人以上、介護職員やその他の職員、内訳が未判明な職員等を含めると計約1400人、患者・利用者等の感染者は計1660人以上でした。合計は約3060人です。

 5月末から8月中旬までの2カ月半で医療・介護従事者の陽性者の総数は約1400人から約1800人と400人増え、約1.3倍になった形です。患者・利用者等の陽性者は1660人から2170人と510人増、こちらも3割強の増加です。

 しかし、この間の全体のCOVID-19陽性者数は8月12日時点で5万210例と、5月28日時点の1万6683例から実に3倍以上に急増しているのです。この結果、8月12日時点での全感染者に占める医療・介護・障害福祉の従事者の陽性者(1800人)の割合は約3.6%となりました。5月末時点では1万6683例中の1400人、約8.4%を占めていましたから、構成比としては随分下げたことになります。

医療・介護提供体制は着実に進歩している

 この背景としてはまず、大都市圏の特定エリアにおける経路不明の感染拡大、「接待を伴う飲食店」における感染の増加など、「エピセンター」(感染の震源地)の形成が関係しているという指摘があり、東京都医師会などは国に早急な対応を求めています(関連記事はこちら)。PCR等検査の体制整備が徐々に進み、市中の感染実態がより捕捉されやすくなっていることも挙げられるでしょう。

 しかし、感染再拡大後の医療・介護従事者の陽性者数の少なさは、「医療機関・介護施設の感染対策のレベルが向上した」ことも理由に挙げられると思います。3月末の医療・介護従事者の感染状況は、医師が20人以上、看護師40人以上、内訳の明らかでない職種などを含めると計120人でした。その2カ月後の5月28日時点では、従事者の感染は計約1400人と1300人近くも増加。しかし、さらに2カ月半後の8月12日時点で従事者への感染は約1800人と400人の増加にとどまっています。増加ペースは落ちているのです。

 3月から5月にかけて、全国で医療・介護の大型クラスター(感染者の集団)の発生が相次ぎ、各施設は危機感を高め、不断の努力で感染対策に取り組んできました。その成果が現在、COVID-19の総感染者数は大幅に増えているにもかかわらず、医療・介護従事者などの感染者の増加は相対的に少ないという状態に表れていると考えられます。

 もちろん、感染再拡大とともに医療機関・介護施設でのクラスターも再び発生していますから、気を緩めるわけにはいきません。これまで発生したクラスターの要因分析や感染対策の強化・改善はまだまだ必要でしょう。負荷が高い状態での業務が続く現場の疲弊も気になります。夏を超え、感染症の流行シーズンを迎える秋冬に向けて今後、感染状況がどう変化するかは予断を許しません。それでも「Withコロナ」時代に向けて、医療・介護提供体制は着実に進歩している、ということは言っておきたいのです。

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