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どのような影響が出る? どう対策する?
2020改定と新型コロナで「嵐の時代」突入へ

2020/04/17

 マイナーチェンジに見えて、実は特定の病院にとってはメジャーチェンジ。そんな二面性が、今回の2020年度診療報酬改定の特徴です。「働き方改革」を意識した評価が目立つ今改定。大病院と中小病院の機能分化をさらに進める方向性が盛り込まれたこともポイントです。大幅な増収を見込める医療機関もある一方で、施設基準を満たすのに悩む病院も出そうです。

 そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が、医療機関や介護事業所の経営に与える影響も甚大です。まず優先しなければならないのは、従事者を感染からいかに守るかでしょう。4月15日時点で、既に110カ所を超える医療機関、20カ所を超える介護事業所で、医師や看護師をはじめとした従事者のCOVID-19感染が明らかになっています(関連記事はこちら)。ひとたび医療機関や介護事業所を起点とするようなクラスターが発生すれば、事態が収束するまで、どれほどの影響が出るか計り知れません。

 既に各地の医療機関では、受診控えによる外来患者の減少などで、診療科によっては月に4割近い減収が見込まれるところすら出ています。長期化すれば経営へのダメージは避けられません。先が見通せない嵐のような状況が当面続きそうです。

 医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』は、4月号特集「徹底分析! 2020年度診療報酬改定」スペシャルリポート「新型コロナで揺れる医療・介護提供体制」で、改定のポイントやCOVID-19が医療・介護経営に与える影響をまとめました。

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「働き方改革」「機能分化」がテーマに

 今改定の診療報酬改定率を見ると、医療の技術料などに当たる診療報酬本体はプラス0.55%、医科はプラス0.53%となり、ここ数回の改定と同程度の引き上げが行われました(図1)。注目点は、本体の0.55%のうち0.08%(公費126億円程度)が、救急病院の勤務医の働き方改革に充てられたことです。地域医療介護総合確保基金の医療分も公費143億円程度が増額され、改革財源が手厚く配分されました。

 この0.08%の引き上げを象徴する報酬が、地域医療体制確保加算の新設です。「救急車等の搬送件数が年2000件以上」「勤務医の負担軽減に資する体制の整備」といった施設基準を満たす病院では、520点(入院初日)の高い点数を算定できます。また救急搬送看護体制加算が2ランクに分かれ、「年1000件以上」「救急受け入れ対応の専任看護師の複数配置」を満たす病院は、従来より200点高い同加算1を取れるようになりました。

 地域の救急医療を担う病院は、前述の地域医療介護総合確保基金による補助金でも支援される方向です。地域医療体制確保加算を算定できる病院では、400~500床の場合で年間5000万~7000万円近い増収を見込める病院もあります。救急に注力している病院が評価される改定といえそうです。

図1 診療報酬本体と医科の改定率の推移
(※クリックすると拡大表示されます)

 一方、病床の削減を促進するため、看護配置7対1病床はやはりターゲットになりました。一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の評価項目と該当患者割合の基準が見直され、入院料をランクダウンせざるを得ないケースが出てくることが懸念されます。

 大病院と中小病院間の「機能分化」の方向性が一層明確化されたのも今改定の特徴です。その代表例が、許可病床400床以上の病院が運営する地域包括ケア病棟への締め付けです。新規の届け出ができなくなったほか、自院の一般病棟から転棟した患者の割合が「6割以上」の場合、入院料が10%減額されます。また回復期リハビリテーション病棟においては、特定機能病院による届け出ができなくなりました(2022年3月末まで経過措置あり)。

 紹介状なしの外来受診患者から定額負担を徴収する責務のある医療機関は、改定のたびに病床数のラインが引き下げられています。大病院は急性期入院を、中小病院は軽度急性期や急性期後、回復期入院、在宅の支援機能を担い、各自が連携して地域の患者を支えるという流れは今後さらに強まるでしょう。

 今回の特集記事は全47ページの大ボリュームです。「急性期入院」「軽度急性期・急性期後入院」「回復期入院」「慢性期入院」「その他入院料加算」「入退院支援」「精神医療」「外来」「在宅医療・訪問看護」「オンライン診療」「手術・処置等」「救急・癌医療等」「働き方改革」「栄養」と計14カテゴリーを取り上げ、そのポイントを詳細に解説しました。

 詳細は日経ヘルスケア4月号をご覧ください。

日経ヘルスケアは今後、こんな記事をお届けします

 ここで日経ヘルスケア2020年5月号以降のラインアップを少しご紹介します。

新型コロナ、感染の連鎖を防ぐ 地域の医療・介護提供体制を守り抜くには
全日本病院協会会長、猪口 雄二氏、日本病院協会会長、相澤 孝夫氏 インタビュー キーパーソンが診療報酬改定のポイントをズバリ!
医療法人の「支配権争い」にどう備える? 敏腕弁護士が分かりやすく解説
・介護事業者は何を知るべき? 介護事業者向け診療報酬改定のポイント
・その接遇、何が問題? クリニック覆面調査ルポ
          ※記事タイトル・内容、掲載時期が変わることもあります

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連載の紹介

日経ヘルスケアon the web
医療と介護の経営専門誌「日経ヘルスケア」は、行政動向に関する深い分析と徹底した現場取材を通じ、厳しい環境下で勝ち抜くためのマネジメント情報を提供しています。創刊は1989年。専門記者の手による記事は、開業医や病院長の先生方など2万人近い読者に支持していただいています。このブログでは、話題の経営トピックスを盛り込んだ最新号の内容を、ちょっとだけですがご紹介します。

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