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「前回ほどのプラス改定は期待できない…」の声も
いち早く大胆予測! 2020診療報酬改定の中味

2019/11/15

 2020年度診療報酬改定に向けた議論が本格化してきました。前回改定で入院料の報酬体系が抜本的に再編され、基本的にはこの方向性を踏襲する内容になりそうです。ただ、急性期病床は絞り込みが進み、厚遇が続いた地域包括ケア病床にメスが入る可能性も出ています。

 医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』は、11月号特集「徹底予測! 2020年度診療報酬改定」で10月末時点の審議状況を基に、次期改定の中味を徹底予測しました。
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「働き方改革」が重点課題に

 2018年度改定を振り返ると、全体改定率はマイナス1.19%。薬価などを1.74%引き下げ、診療報酬本体はプラス0.55%を確保しました(図1)。しかし、次期改定に向けては、早くも「前回水準のプラス改定は期待できないのでは」と諦めの声が聞こえます。

 その理由は、今年10月に消費税率引き上げに伴う診療報酬改定が行われたことです。通常の改定では、改定前年の10月に9月取引分の薬価調査が行われ、実勢価を基に薬価が改定されます。薬価の引き下げと診療報酬本体の引き上げは正対した関係にはないものの、薬価を引き下げて捻出した財源が、実質的に診療報酬本体の引き上げに充てられてきたのです。

図1 診療報酬改定率の推移
(※クリックすると拡大表示されます)

 一方、今回の消費増税改定では、薬価が0.51%引き下げられました(消費税対応分プラス0.42%、実勢価改定等マイナス0.93%)。すなわち、既に薬価が下げられた分、来年4月の下げ幅は小さくなり、本体のプラスを確保しにくくなるのではないかという見方が出ているわけです。

 次期改定の改定率はともかく、中味に関しては「抜本的な見直しなどはない、“小ぶり”な改定になるだろう」というのが中央社会保険医療協議会中医協)や病院団体の関係者にほぼ共通する見解です。理由は大きく2つあります。

 1つは、診療報酬と介護報酬の同時改定となる前回改定で、2025年やその先を見据えて入院医療の報酬体系が抜本的に再編・統合されたこと。次期改定ではこれらの報酬体系を大きく変えることなく、細かい要件の見直しなどであるべき医療提供体制の構築に向けて機能転換・拡充などが促されるとみられます。

 もう1つは、来年2月の答申までに残された期間が限られていること。診療報酬改定について議論する中医協は、今年2月まで消費税率引き上げに伴う改定の議論を行っており、次期改定に向けた実質的な議論がスタートしたのは今年4月でした。従来、改定前年の1~2月には始まっていることを考えると、3カ月近く遅れました。
 
 こうした中、社会保障審議会医療部会医療保険部会では次期改定に向けた基本方針の検討が並行して行われています(図2)。注目すべきは、「医師等の働き方改革の推進」を重点課題とすることが検討されている点です。働き方改革の推進自体はこれまでも改定の基本的視点に盛り込まれていましたが、昨年6月に働き方改革関連法が成立したことにより、一層強固に取り組みを推進することになりそうです。

図2 医療部会・医療保険部会に示された次期診療報酬改定の基本的視点と具体的方向性の例
(※クリックすると拡大表示されます)

 具体的方向性として、既に中医協では院内の労務管理・労務環境改善のためのマネジメント実践を基本診療料等で評価したり、届け出・報告を簡素化することなどが検討されています。さらに、専従・専任などの人員配置の合理化も進められそうです。

 次期改定で働き方改革を評価することに関しては、財務省も否定的ではありません。ただし、同省は「診療報酬本体もマイナス改定が不可欠だ」と主張しており、「病院と診療所の財源配分を見直し、病院に重点的に配分する中で働き方改革に対応することが考えられる」とのスタンス。こうした意向が反映されれば、診療所にとっては思いがけず厳しい改定になる可能性もあります。

 今回の特集記事では下記のように、カテゴリーごとに日経ヘルスケア編集部が次期改定の方向性を大胆に予測しました。

急性期入院・DPC/PDPS
要件厳格化による7対1からの移行促進が焦点
急性期後・回復期入院
自院内転棟に偏重する地ケア病棟にメス
慢性期入院
医療区分3の「中心静脈栄養」に要件追加か
外来・オンライン診療
機能分化・ICT活用推進が見直しの要点
在宅医療
前回までの改定を踏まえて小幅な見直しか
横断分野
医師の働き方改革を目的に入院基本料に新評価?

 その詳細は日経ヘルスケア11月号をご覧ください。

日経ヘルスケアの今後の記事はこんなに魅力的!

 ここで日経ヘルスケア12月号以降のラインアップを少しご紹介しましょう。

・最新動向をくまなくウオッチ! 2020年度診療報酬改定
・公立・公的病院の実名公表のインパクト! どうなる地域医療構想の今後
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・来年4月の施行までわずか! パワハラ防止法にこう備えよ
・介護職員等「特定処遇改善加算」の活用でキャリアパスを再編!
・急拡大する医療・介護「周辺」市場 現場を変える技術革新、保険外サービス…
・医療・介護スタッフ採用戦略最前線 人材確保対策はここまで変わった!
・胎動する認知症ビジネス ケアを支える新ツール・新サービスが続々登場!
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