特定の職種から他の職種へ業務を移管するタスク・シフティング働き方改革や人材不足への対応が迫られる中、即効性が期待され注目が集まっています。ただ、業務の洗い出し・仕分けや職種間の調整などには手間も。医療機関、介護施設・事業者はタスク・シフティングをどう進めるべきでしょうか。

 医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』は、9月号特集「医療・介護のタスク・シフティング」で成功のポイントと先進事例を紹介しました。
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救急救命士、臨床検査技師、無資格者が大活躍!

 「トップダウンとボトムアップの両面からのアプローチが重要」──。タスク・シフティングの勘所についてこう話すのは、全国自治体病院協議会の副会長で八幡平市病院事業管理者の望月泉氏です。同氏は2018年まで岩手県立中央病院(盛岡市)の院長を務め、医師事務作業補助者の充実やチーム医療の促進など入院医療改革を進めて、同院の経営を再建した経験を持ちます。

 タスク・シフティングは業務を移管する側と移管される側に必ず分かれ、うまくシフトしないと利害が衝突しかねません。それを避ける第一歩は、経営トップによるリーダーシップの発揮です。人材不足の状況や危機的な経営状態といった現状の課題を具体的に示し、職員の理解を得ることが大切となります。

 その上で、実際の業務移管は現場主導で進めます。「組織内に多職種による委員会を設置して、各職種の業務を細かく洗い出し、どんな業務を移管できるか現場に検討してもらえば、ボトムアップの流れが強まる」と望月氏。

 さらに同氏が重要性を強調するのが、業務の効率化を図りながらシフトする取り組みです。移管される側も人員に余裕があるわけではありません。移管業務を検討する際、重複する業務を洗い出して改善したり、ICT化して事務作業を省くといった工夫が必要です。

 医療・介護コンサルタントで一般社団法人国際福祉医療経営者支援協会(東京都港区)・代表理事の堀田慎一氏は、「タスク・シフティングはICT化と言っても過言ではない。情報共有ツールなど様々なものが登場しているので、積極的に導入を検討すべきだ」と語ります。ケアプラン作成など、人工知能AI)の開発・活用が進んでいるのも後押しになるでしょう。

 そもそもタスク・シフティングが喫緊の課題として注目されている背景には、働き方改革や人材不足などがあります。医療業界では、看護師不足から働き方改革が始まり、今ではその改革が医師にまで及びます。

表1 タスク・シフティングを検討・実施する上で参考にしたい主な法律や行政通知など
(※クリックで拡大表示されます)

 タスク・シフティングを推進する法律や行政通知も、これまで多く出ています(表1)。各職種間の役割分担の具体例を示したものから、医行為とみなされやすいが医行為ではなく、介護職が担える行為をまとめたものまで幅広く、参考になるはずです。

 制度面では、診療報酬介護報酬で後押しする仕組みが徐々にできてきました。現在議論が進む2020年度診療報酬改定でも、医師の働き方改革に資する報酬のあり方が議題となっています。タスク・シフティングは突き詰めれば、多職種間のタスク・シェアやチーム医療・介護の確立につながります。その意味では、多職種間のさらなる連携促進が重要といえそうです。

 今回の特集記事では、医療現場で医師・看護師の負担を軽減する救急救命士臨床検査技師、介護現場で活躍する無資格者などのケースを紹介しました。

 その詳細は日経ヘルスケア9月号をご覧ください。

日経ヘルスケアの今後の記事はこんなに魅力的!

 ここで日経ヘルスケア10月号以降のラインアップを少しご紹介しましょう。

・本誌が徹底予測! 2020年度診療報酬改定の中身はこうなる
・クリニック運営の新潮流 かかりつけ医機能の充実・ICT化が鍵に
・介護職員「特定処遇改善加算」の算定状況は? 調査結果を速報!
・急増する介護訴訟! 紛争を未然に防ぐ対策とは?
・来る「同一労働・同一賃金」時代にどう備える?
・在宅医療の最新ICTツールの使い勝手はこんなにスゴイ
・医療・介護現場で大活躍! 外国人介護職の受け入れのコツ教えます
・医療・介護連携 成功のあの手この手大公開!
         ※記事タイトル・内容、掲載時期が変わることもあります

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