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経鼻と経口の画像比較

実際の症例をもとに、経鼻内視鏡と経口内視鏡の画像比較、経鼻内視鏡検査のポイントなどについて、池田聡氏(池田病院副院長)に聞いた。

症例 1 52歳 男性 無症状

ESD可能な早期胃癌も、不整な隆起性病変として認識可能

経鼻内視鏡は極細径内視鏡のため、画像が悪いという意見もあるが、ESDが可能な早期胃癌でも、不整な隆起性病変として認識可能であった。

受診者の嘔吐反射などがほとんどなく、検査医も落ち着いて胃内の様子を観察できるため、消化器内視鏡専門医程度の経験があれば、一般内視鏡医家で頻用される高解像度の経口内視鏡検査とほぼ同等のスクリーニング検査が可能である、と思われた症例である。

症例 2 55歳 男性 無症状

経口内視鏡を拒否していた方も経鼻は受け入れ、早期胃癌を発見

咽頭反射が強いなどの理由で、経口内視鏡を拒否していた方が、経鼻内視鏡検査ならばと精密検査を受け、早期胃癌の範疇で治療できた症例。

内視鏡検査のハードルを下げたことが、経鼻内視鏡の最も大きな貢献といえる

症例 3 77歳 男性 無症状

色素散布を併用で、発赤所見・粘膜の凹凸不整などを明瞭に見極められる

バリウムによる健診では、早期胃癌の発見は難しいといわざるをえない。特に本症例のように、基礎としての萎縮性胃炎、特に粘膜表面にゴツゴツした腸上皮化生がある場合は、経鼻内視鏡検査だからこそ、早期発見・早期治療が可能であったと思われる。

FTS社の経鼻内視鏡は、画像がやや白色調であるため、色素散布を併用することで、発赤所見・粘膜の凹凸不整などを明瞭に見極められ、診断能力は向上する。 最近は、ルーチンにFICE(任意波長の画像が得られるフジノンの内視鏡画像処理機能)を積極的に活用し、血管強調画像などを得て炎症・腫瘍像の局在・鑑別診断をしている。

症例 4 80歳 男性 無症状

胃体部後壁の病変は見逃しやすい、丹念に胃粘膜を観察する必要がある

胃内視鏡検査において、特に胃体部後壁はスコープと接線方向になるため、病変を見逃しやすい場所である。これは経鼻内視鏡においても同様で、このことを認識し、丹念に胃粘膜を観察する必要がある。

(日経メディカル開発)