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New Aspect 経鼻内視鏡をどう使うか長所と短所を十分に理解して施行すべき

日経メディカル オンライン12月11日付の連動記事にご登場いただいた京都第二赤十字病院の小林正夫氏に、改めて経鼻内視鏡検査の特徴を聞いた。
(日経メディカル2009年2月号から)

「経鼻に限らず、通常内視鏡(細径ではない経口内視鏡)による検査でも見落としはある」と小林氏は指摘する。「見落とし率については、施行医による差が大きく、経鼻と経口では差が見られないという報告や、じっくり観察できるため、むしろ経鼻の方が見逃しが少ないという報告もある」という。

同じテストチャートを撮影して、経鼻内視鏡と通常内視鏡を比較すると、経鼻は細径であるため、解像度が低い、光量が少ないなどの問題点があることは確か。しかし、より消化管壁に接近して「なめるように」観察することで、上記のデメリットはカバーし得るという指摘もある。検査時間はやや長くなるが、患者の苦痛が少ないため、落ち着いて診ることができるようだ。

観察手法のほか、鼻腔の麻酔や血管収縮剤噴霧など、経鼻的挿入に必要な前処置や、適切な送気・送水の実施法など、経鼻内視鏡に特有の手技やノウハウがある。「経鼻内視鏡に新たに取り組む医師は、こうした経鼻特有の技術を習得する必要がある」と小林氏はいう。

検診受診者のニーズに合致

経鼻内視鏡がつらい咽頭反射から患者を解放し、上部消化管検査に革命をもたらしたのは事実。特に検診受診者が受けた恩恵は大きい。

「健康で無症状の人なら、スクリーニング検査は楽な方がいい。経鼻の受診者数がこれだけ急激に増えたのは、苦しくない検査を受けたいという一般のニーズに合致したからだ」(小林氏)。

経鼻内視鏡を採用することで、医師は患者の苦痛を気にしながら、あせって検査を行う必要がなくなった。「こんなに楽ならば」と、検査が終わるとすぐ、次回の検査予約をして帰る患者が増えた施設もある。

経鼻では鎮静が不要なので、車で来院する患者には、すぐに運転して帰ってもらえるというメリットがある。通常、ブスコパンも不要なので、緑内障や前立腺肥大などブスコパン禁忌とされる患者にも施行できる。

小林氏は、「経鼻と経口の長所と短所をしっかり把握し、患者にもよく理解してもらった上で、実施すべきだろう」と述べている。

(中沢 真也=日経メディカル別冊)