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治療法の進歩に伴い重要性増す地域連携
武蔵野赤十字病院消化器科部長 黒崎雅之氏に聞く
C型肝炎に対し有効性と安全性の高まった治療法が登場し、治療対象となる患者層が広がってきた。治療効果が期待できる新薬の開発も続々と進められている。そうした状況において、個々の患者にふさわしい治療方針を定めつつ、より多くの患者 に治療を提供していくためには、実地医家と専門医の連携が必須となる。地域の実地医家との連携に以前から取り組んでいる武蔵野赤十 字病院(東京都武蔵野市)の黒崎雅之氏に、連携の実際とその効果を聞いた。
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治療目的は肝炎ウイルス排除ではなく発癌予防
大阪大学大学院消化器内科学講師 平松直樹氏に聞く
近年、C型肝炎に対する薬物療法が進化し、ウイルスを排除できる可能性が増した。さらに治療効果の高い薬剤の開発が進む一方、治療に失敗した際のウイルスの薬剤耐性化が懸念され、患者ごとに適切な治療法を検討する重要性がますます高まっ ている。日本肝臓学会の肝炎診療ガイドライン作成委員会のメンバーである大阪大学の平松直樹氏に、「C型肝炎治療ガイドライン」のポイントと最新の研究成果を解説してもらった。
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肝炎ウイルス検査陽性判明後のフォローアップが大切
広島大学 大学院疫学・疾病制御学教授 田中純子氏に聞く
2010年に肝炎対策基本法が施行され、住民健診における肝炎ウイルス検査は定着しつつある。その一方で、肝 炎ウイルス検査陽性と判定されながら、未受診・未治療のままの患者が少なからず存在し、検査の普及促進だけでなく、陽性者を治療に 結びつける取り組みの必要性が指摘されている。厚生労働省の「急性肝炎も含めた肝炎ウイルス感染状況・長期経過と治療導入対策に関 する研究」班の班長を務める広島大学の田中純子氏に、わが国における肝炎対策の課題と取り組みについて聞いた。
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「C型肝炎患者は早期に治療」が現在の常識
虎の門病院分院長 熊田博光氏に聞く
日本における肝癌による年間死亡数は約3万人で、依然として高い水準にある。C型肝炎が主たる発症原因であ るため、それに対する治療は重要だ。昨年、治療効果が高く副作用が少ない治療法が保険適用されるなど、治療手段は着実に進歩してい る。長年にわたり肝炎治療に携わってきた虎の門病院分院(川崎市高津区)の熊田博光氏に、望ましい治療のあり方や今後の動向につい て聞いた。
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治療法は先の選択肢を考慮に入れて決定すべき
関西労災病院病院長 林紀夫氏に聞く
C型肝炎に対する新たな治療法の開発は盛んに進められており、インターフェロンを用いないインターフェロンフリー療法が今夏にも承認される可能性がある。発癌抑制や耐性変異の観点から、薬物療法の望ましい選択について、関西労災病院(兵 庫県尼崎市)の林紀夫氏に解説してもらった。
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経口新薬の登場で専門医の指導的役割がより重要になる
武蔵野赤十字病院副院長・消化器科部長 泉並木氏に聞く
薬物療法の進歩に伴い、C型肝炎の治癒率は9割に達した。副作用がより少なく、治療期間が短くて済む治療薬 の開発も盛んに進められている。C型肝炎診療における治療法の選択や今後の見通しなどについて、武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)の泉並木氏に解説してもらった。