太陽の塔、前から見るか後ろから見るか 昔、言葉在りけり。「芸術は爆発だ!」 小柄な体に無限のエネルギーを秘め、その存在自体が“芸術”とも称されていた岡本太郎氏の言葉だ。 その岡本太郎氏の代表作の一つとして有名な「太陽の塔」。大阪万博閉幕後に取り壊される予定だったが、撤去反対の署名活動などから保存されたものの、そ… 2020/12/12 ライフスタイル
現代芸術とアール・デコの共演は木漏れ日の中で 私事で恐縮だが、非常事態宣言で在宅勤務に移行しとかく家にいる時間が増えた頃、密かにハマっていたことがある。それは、「ヤフオク」を見ること。購入するというよりは、ここで古美術やら古い陶芸品を鑑賞していたのだ。特によく見ていたのが、「オールドノリタケ」。時々、すごく素敵な洋食器… 2020/11/07 ライフスタイル
「皇室の名宝」にはハイセンスな遊び心が満載 「皇室の名宝」と聞いて、読者の皆さんは、どんなお宝を想像するだろうか。しかも「宮内庁が所蔵する我が国屈指の名品」と言われたら……。 格式張った、背筋を正してでなければ拝見できないような作品が並んでいるのかと思いながら向かった「皇室の名宝」展は、良い意味で、予想に反した展覧会… 2020/10/17 ライフスタイル
”超アナログ”に祈りすら感じる工芸作家展 「工芸」って何を指すのだろう? と疑問に思ったことはないだろうか。 武蔵野美術大学教授で、「和巧絶佳展」の監修者を務める木田卓也氏は、「明治維新後、西洋の文化の影響を受けて、日本で『美術』という概念が受容され、西洋的な意味での『美術』に当てはまらない『美的価値をそなえた実用品… 2020/08/15 ライフスタイル
肥後の細川家が庇護した能楽の世界を堪能する 今年は夏のお祭りも中止が多いようで、残念だ。祭りといえば屋台だが、屋台で必ず売られているものに一つに面がある。面は縄文時代の土偶にも使われていたほどに古い歴史があるが、その完成形の一つが能面だと個人的に思っている。ちなみに、屋台で売られている面は「めん」、能面の面は「おもて… 2020/08/01 ライフスタイル
コロナ禍をぶっ飛ばせ! 憂き世を浮世に変えたご先祖様に癒される展覧会 浮世絵の「浮世」という言葉の語源をご存じだろうか。 つらいことの多い世の中を意味する「憂き世」だ。江戸時代、憂き世の厭世的な思想ではなく、今を楽しもうという「浮世」という言葉が使われるようになり、さらに、その浮世を現した絵画として「浮世絵」が誕生したという。“浮世”絵ではあ… 2020/07/18 医師の職場環境
画家としての人生はたったの10年! あなたの知らないゴッホ 鮮やかな色彩、うねるようなタッチ。画家になる決意をしてから、わずか10年のファン・ゴッホの画業。代表作『糸杉』をはじめ、数々の名作が見られる2019年。その軌跡をたどろう。 2019/10/21 ライフスタイル
「中国からの影響」ってどんなこと? 中国と日本の仏像が並ぶ、ありそうでなかった展覧会 日本の仏像は中国の仏像からどのように影響されてきたのか。時系列に並べて鑑賞できる機会はかなり少ない。なんと、5、6世紀から19世紀まで、中国と日本の仏像を並べて展示するという、画期的な展覧会が開催される!この機会、逃すと後悔するかも。… 2019/10/05 ライフスタイル
再評価進む「20世紀の巨匠」 バスキアの描く頭部が「ドクロ」や「仮面」に似ている理由 「アンディ・ウォーホルに認められた黒人アーティスト」「夭折した若い天才」「株式会社ZOZOの前澤友作氏が『Untitled』を約123億円で落札」……。生前も没後も、時代を駆け抜けたセレブリティとしてのニュースに事欠かないジャン=ミシェル・バスキア。9月には日本で130点もの作品を一堂に集めた… 2019/09/14 ライフスタイル
2019年に絶対見るべき美女たち(4) 華やかなバーで彼女はなぜ虚ろなのか? 作家・ドイツ文学者の中野京子氏と読み解く 「マネの作品で私が好きなのがこの1枚」と中野さん。印象派の前駆として、400点余の油彩画を残した画家の絶筆、『フォリー=ベルジェールのバー』を見られるのが、9月から始まるコートールド美術展だ。病魔と闘いつつ描いた渾身の大作だが、筆は冴さえ、ディテールの描写も素晴らしい。何より特筆… 2019/08/10 ライフスタイル
江戸時代の評価は若冲以上 円山応挙は京都日本画界の”ユニクロの社長”? 昨今人気の高い“奇想の系譜”の画家たちの絵には、度肝を抜かれたという人も多いだろう。一方、円山応挙の絵は、「ふーん、きれいな絵だな」「日本画らしいな」で終わらせてしまっていないだろうか。だが、そんな感想で江戸時代のイノベーター応挙を素通りしてしまうのはもったいない。江戸時代… 2019/07/27 ライフスタイル
ちょっと「怖い」、麗子がいっぱい展覧会が開催! 岸田劉生が愛娘に託した「卑近美」とは? 岸田劉生と聞いて誰もが思い浮かべるのは、一連の「麗子像」だろう。時にグロテスクにも見えるその表現から、彼が追求した美の本質が垣間見える。 2019/06/08 ライフスタイル
観山、大観、春草 …近代日本画家を育てた 真のパトロンの華麗なコレクション 明治から大正期にかけて、5000件を超える日本美術を集めた収集家がいた。日本の近代化を背景にコレクションを増やす一方、それを秘蔵せず若手画家に示した原三溪だ。近代日本画の発展を陰で支えた三溪の旧蔵品が、過去最大規模で横浜に集結する。… 2019/05/25 ライフスタイル
モネ、幻の”睡蓮”60年ぶりのお目見え パリ・ルーヴル美術館で、ドラム缶ほどの太さに巻かれたその絵を目にしたとき、大きさに圧倒されると同時に、「『よくぞ、見つかってくれた』と、思わずつぶやきました」とは、作品を確認した国立西洋美術館の主任研究員・陳岡めぐみさんだ。… 2019/04/13 ライフスタイル
空海の構想による至宝の仏像群が史上最大規模で東京にやって来る! 密教の世界観を表現した空海の立体曼荼羅 宗教家にして“平安日本のスーパーマン”、空海の構想による至宝の仏像群が、史上最大規模で東京にやって来る! 2019/03/29 ライフスタイル
20世紀建築の巨匠、ル・コルビュジエ、画家名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ 20世紀建築の巨匠が画家として描いた代表作 20世紀建築の巨匠、ル・コルビュジエ。その名はペンネームで、画家として活動するときには、シャルル=エドゥアール・ジャンヌレという本名を使っていた。1918年末~25年にジャンヌレが提唱していたのが、「ピュリスム」(純粋主義)だ。… 2019/03/16 ライフスタイル
2019年に絶対見るべき美女たち(3) ジョーンズの美女は木に姿を変えて男を待つ 作家・ドイツ文学者の中野京子氏と読み解く 19世紀末、ヨーロッパに広がった象徴主義。神秘的な夢や神話の世界を描いて自己の内面を表現した彼らの怖くも魅力的な美女たちも来日する。 2019/02/16 ライフスタイル
【新・北斎展】20~90歳までの作品を展示「天才も努力の人だった」 立体的な肉体描写が迫る北斎の超大作に注目! 葛飾北斎といえば、70代で描いた代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』から「波」をイメージする人が多いだろう。しかし、それは北斎作品のほんの一端にすぎない。90歳で亡くなるまで、常に新たな表現に挑み続けた。… 2019/02/04 ライフスタイル
2019年に絶対見るべき美女たち(2) モローが描いた美女は宙に浮く生首を所望!? 作家・ドイツ文学者の中野京子氏と読み解く 19世紀末、ヨーロッパに広がった象徴主義。神秘的な夢や神話の世界を描いて自己の内面を表現した彼らの怖くも魅力的な美女たちも来日する。 2019/01/26 ライフスタイル
2019年に絶対見るべき美女たち(1) クリムトが描いた男の寝首を掻く「ユディト」 作家・ドイツ文学者の中野京子氏と読み解く 2019年の美術展も必見名画が目白押し。なかでも目玉は、西洋絵画史に燦然と輝く美女たちだ。聖書に登場するマドンナから退廃的な熟女、いたいけな少女から印象派の画家に愛された市井の美女、果ては巨大な女神まで、多彩な美貌に浴することができる。… 2019/01/05 ライフスタイル
若冲に続く大ブレイクは誰? 奇想の絵師8人が大集合する「奇想の系譜展」 これは大事件だ。長らく傍流扱い、異端呼ばわりされながら、熱いファンを持つ絵師、8人の代表作が堂々勢ぞろいする。全員、画力は一流、作品のエキセントリック度はマックス。いわば、奇想の画家、神8。見ればきっと中毒になる!… 2018/12/15 ライフスタイル
絶対不可能? だから面白い! 科学と遊び心で「考える」を触発するエッシャー 画家の安野光雅さんが読み解く 現実には”あり得ない”世界を、超絶”リアル”に描いたオランダの版画家、エッシャー。細部に破綻はないがどこかヘン。だまし絵の奇才が生み出したワンダーランドの真価と醍醐味を、『ふしぎなえ』で知られる画家の安野光雅さんに聞いた。… 2018/11/03 ライフスタイル
常識にとらわれないボナールの表現力を楽しむ 19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したフランスの画家、ピエール・ボナール。生涯で2300点余りの作品を残した。以前から専門家の評価は高いものの、同時代のパブロ・ピカソやアンリ・マティスに比べて一般の知名度は低かった。しかし、2015年にパリのオルセー美術館で開かれた企画展で、入場者… 2018/10/20 ライフスタイル
ムンクが描いたのは「抗うことができない…」 精神科医の斎藤環氏が読み解く 勘違いしがちだが、ムンクの『叫び』のなかで、手前の人物は叫んでいない。叫びが聞こえ、耳を塞いでいるだけだ。ムンク自身は日記に、「自然を貫く果てしない叫びが聞こえ、思わず耳を塞いだ」と書いている。… 2018/10/06 ライフスタイル
東山魁夷が鑑真に見せたかった日本の風景 日本人ならば誰でも一度は、その風景画を見たことがあるといわれる国民的画家、東山魁夷。その記念碑的な大作が、既に60代前半だった1971年に依頼を引き受け、完成までに10年を要した『唐招堤寺御影堂(みえいどう)障壁画』だ。… 2018/09/15 ライフスタイル
25歳で”神のごとき”腕 ミケランジェロは”未完”を目指した!? 美術批判家の布施英利氏が読み解く 神のごときとたたえられたルネサンスの巨匠、ミケランジェロ。ダヴィデ像の完成された肉体美では飽き足りず、さらなる美を探求し続けた。その彫刻テーマについて布施英利さんに聞いた。 2018/09/01 ライフスタイル
連載の紹介 日経おとなのOFF presents 医師の絶対教養 美術編 レオナルド・ダ・ヴィンチの時代、医学と芸術に境界はなかった――。いつの間にか生じてしまった医学と芸術の境界を埋めるため、日経メディカル Onilneと、人生をより豊かにするオフ生活情報誌「日経おとなのOFF 」がコラボし、同誌に掲載された美術展情報をお届けします。芸術好きの先生はもちろん、「美術展になんて興味がなかった」という先生方の“絶対教養”向上に貢献します。診療の合間の息抜きや、日常からのつかの間の逃避行に、お役立てください!