連載・コラム
連載: 【臨床講座】たかが“眼”と侮るなかれ
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《番外編》眼科医の母の多焦点眼内レンズ体験記
多焦点眼内レンズの満足度はいまひとつか?
2009/ 6/25
75歳の母がついに白内障の手術を受けました。白内障の手術は眼科では一般的であるにもかかわらず、今回、父(元内科医)と姉(放射線科医)の話を聞き、他科のドクターにとって白内障の手術のイメージはいまだ20年以上前のものであることに気付きました。最近の白内障手術はどんなものなのか、他科の…
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角膜提供の遺志を生かすのは、主治医の役目
2008/ 3/ 1
眼科とほかの診療科との接点は、眼の合併症の管理だけではない。患者が亡くなられた後の角膜の提供という大きな接点がある。本連載の最終回として、番外編となるが、アイバンクへの角膜提供を取り上げ、読者の皆さんの協力を仰ぎたい。…
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【ちょっと瞳やすみ その3】
眼科の検査は診察室でないと難しい
2008/ 2/20
眼科病棟を見てもらえば分かるのだが、眼科にはいわゆる“大名行列”の回診はない。眼科の診察は基本的に、患者に診察室に来てもらって行うものだからだ。移動できない患者に対して往診することもあるが、診察できることは非常に限られてしまう。…
- 第9の地雷 乳幼児の眼帯に弱視の危険性 2008/ 2/10 最近は少子化のためか、「親の顔を見てくれない」と生後間もない子どもを眼科に連れてくる母親にたびたび遭遇する。しかし、生後すぐの子どもは明暗の区別くらいしかついていないもので、生後1カ月でものの形が分かるようになる。視力は6歳まで(遅くとも10歳まで)に成長を終えると考えられてお…
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第8の地雷 皮膚疾患と眼症状の密接な関係
2008/ 1/30
皮膚疾患の中には眼症状を伴うものが多く、見過ごしていると視力低下などの後遺症を残してしまうことがある。そのため皮膚病変の治療では、早期から眼科と適切な連携を取らないと、これもまた、思わぬ地雷となる。…
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第7の地雷 花粉症シーズン到来、ステロイド点眼の恐い話
2008/ 1/20
眼が疲れるということで眼科に来たスギ花粉症の患者が「以前に耳鼻科でもらっていて、とてもよく効いた点眼薬をこちらでも出してもらえますか?」と差し出したのが、0.1%フルオロメトロン点眼薬。「えっ?? これだけですか?」と驚いて聞くと、患者からは「毎年これだけです。すごく効きますねえ…
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【ちょっと瞳やすみ(その3)】
動画で見るレーシック手術
2008/ 1/10
眼科に患者を紹介されるということはほとんどないのだが、近視矯正手術に興味を持つドクターは多い。眼科以外の方の中には、いまだRK(放射状角膜切開)しか知らない方もいるようだが、最近はレーザーを使った手術がほとんどとなっている前回の白内障手術に続き、動画で紹介したい。…
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【ちょっと瞳やすみ(その2)】
動画で見る最新の白内障手術
2007/12/20
眼科のメジャー疾患である白内障。高齢化によって罹患者は今後ますます増えていく。治療法はというと昨今、日帰り手術が主体となっているが、眼科以外のドクターはあまり目にする機会がないと思う。ドクター自身が白内障を患っていることも少なくないと思われ、どのような手術が行われているのか…
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第6の地雷 眼外傷は痛みがないほど恐い
2007/12/10
夜中にふと目を覚ました眼科医。「眼に激痛が…。なぜ?? この時間に痛みが来ると言えば…。あっ! そう言えば昼間、研究室のクリーンベンチが開けっ放しで紫外線殺菌灯がついていた!!」
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第5の地雷 目ヤニに抗菌薬点眼だけでよいのか?
2007/11/30
「生まれた直後から右目だけ目ヤニが出ることが多くて、小児科で目薬をもらうとちょっと良くなるんですけど、なんだか長引くので…」と連れて来られたのは1歳になろうとする子ども。内心「あっ、困ったなあ」と感じたのは、話から先天性鼻涙管閉塞だろうと予測がつき、押さえつけての通水検査をし…
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第4の地雷 「緑内障に禁忌」の意味は?
2007/11/20
ある病院での半ば伝説化した話だが、糖尿病患者が来ると、医師の診察前に散瞳検査用の点眼薬をさしていたコメディカルスタッフがいた。網膜症のチェックのため定期的に散瞳検査を繰り返していたわけだが、ある日、眼底検査をした医師が視神経乳頭に緑内障を疑う変化があることに気付いた。…
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【ちょっと瞳やすみ(その1)】
目が不自由な患者への配慮、あるかないかで大違い
2007/11/10
白内障など加齢性の眼疾患の増加で、目が不自由な患者さんが訪れる機会は、眼科に限らず増えていく。見えないことに対する小さな配慮があるかないかで、来院した患者の満足度、不安の度合いは大きく変わるもの。目が不自由な方への接し方の基本は、他科の方にもぜひ覚えておいてほしい。…
- 第3の地雷 IVHや外科手術に潜む失明のリスク 2007/10/30 交通外傷で整形外科に入院していた患者が、「何となく見えにくい」と紹介されてきた。手術後の状態も安定し、明日退院とのこと。眼科研修医に成り立ての自分がのぞいた眼底に見えるのは、どう見ても雪だるまの白い玉。「変なものがある」と先輩医師に回したところ、「えっ、 今日退院? じゃ、眼科…
- 第2の地雷 点眼薬による全身副作用 2007/10/20 不整脈加療中の患者に緑内障治療薬であるβブロッカー点眼薬を処方してしまい、不整脈を悪化させていたことがある。不整脈、心疾患、喘息などの呼吸器疾患の有無は尋ねたのだが、内服薬の名前を確認することなく、「不整脈と言われたことはありません」という患者の返事だけで安心してしまったの…
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第1の地雷 眼底写真で見ているものは?
2007/10/10
眼科初診の患者につけた診断は正常眼圧緑内障。しかし本人は納得いかない様子。どうやら主治医が眼底写真を十数年来チェックしていたらしいのだが…。