連載・コラム
連載: 英国医療事情
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連載第24回
小児医療政策の長期的戦略
2006/ 6/ 6
小児科医の不足で地域の基本的な保健サービスの維持がままならないという日本のニュースをよく耳にする。少子化か叫ばれるなか、国民の大きな関心事になりつつあるのは良いことだが、先行きが不安である。…
- 連載第23回 番外編 毎週金曜日はメタボリックの会 2006/ 5/24 これは私がオーストラリアにいた頃の話だが、そこの科では毎週金曜日の4時からメタボリック・ミーティングという名前の集まりがあった。その科に所属する人誰もが集まる会である。
- 連載第22回 市民権得た英国の電話医療サービス 2006/ 5/17 軽症の救急患者さんたちがある程度待たされるようになっている英国救急の構造については本連載で紹介した(連載第19回 待機時間とトリアージ)とおりだ。では軽症の患者さんが救急外来に来なくてもいいようにするにはどうすればよいだろうか。…
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社会システムとして機能する慈善団体
2006/ 5/ 8
ロンドンとパリは街の成り立ちが大きく違う。パリは言ってみれば計画都市であり、凱旋門に登って街を見ると、放射状の道路と正面の広いシャンゼリゼ通りの計算された美しさに何度見ても感動する。一方、ロンドンは小さい村々が徐々に規模を増し、村同士の境を吸収しながらさらに遠い村を飲み込ん…
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連載第20回
抗菌薬のカルチャーショック
2006/ 5/ 2
日本からオーストラリアに渡って、医療現場で最初にカルチャーショックに遭ったのが、抗菌薬の使い方である。ところが、しばらくしていろいろ違う国のことも聞いていると、実は、日本での抗菌薬の使い方こそが、他の国にとって「カルチャーショック」であることに気がついた。というわけで今回は…
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連載第19回
待機時間とトリアージ
2006/ 4/28
現在、私はロンドンの中心部から電車で20~30分ほどの郊外に住んでいる。毎日電車に乗って通っているのだが、この、電車がしょっちゅう遅れる。2日に1度は「申し訳ありませんが、○○時発の電車は○○分遅れております。」というアナウンスが流れる。ひどいときには勝手に電車の運行が中止されて…
- 連載第18回 英国の医学校 2006/ 4/25 米国の医学校については日本でも比較的よく知られているようだが、英国の医学校の制度についてはあまり知られていないと思うので、紹介したい。
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連載第17回
ネパールの医療
2006/ 4/ 7
オーストラリア滞在時にほんの短期間だが、ネパールの小児・周産期医療を見る機会があった。たった数週間の滞在なのに、とても大きな経験として残っている。現在、政情不安のため、やや危険な国となってはいるが、とても気に入ったのでいつかまた「帰りたい」と思っている。ちなみにネパールはア…
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連載第16回
民主主義と政治家の役割
2006/ 3/30
前回紹介したの仕事は政策作りにも近いということもあり、また英国では分娩や出産といった周産期に関連した分野は、他の分野に比べてとても政治活動が熱心であることもあり、保健に関連して英国の政治の様子を垣間見ることがある。…
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号外
臨床試験の安全性
治験薬TG1412による重篤な副反応について
2006/ 3/20
英国では連日、治験薬TG1412による重篤な副反応に関する報道が新聞やテレビを賑わせている(写真)。日本ではインターネットのニュース記事を見る限り、あまり報道されていないようだが、場合によっては臨床試験のあり方を考え直す機会になるかもしれないので、ぜひ紹介しようと思い、報告する。…
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連載第15回
ナイス!なガイドライン
2006/ 3/18
英語で「良い」という場合には様々な言葉を使い分ける。goodやnice、excellent、brilliant、fine、などなどいろいろあるが、すべて微妙に違う。Niceという言葉は、普通に良いときにも使うのだが、人を指して、「優しい」だとか、「親切」、「人当たりがいい」というような意味で使う場合も多い。…
- 連載第14回 患者・一般参画 2006/ 3/ 9 地下鉄では乗客がみな新聞を読んでいる、というのがロンドンの毎朝の風景である。騒音があまりにうるさくて新聞を読むぐらいしかできない、ということもあるが、政治に関心の強い国民性ということもある・・・というのはこじつけだろうか。英国で仕事をしていると何気ないときに「政治に関心の強…
- 連載第13回 診療ガバナンス 2006/ 2/28 最近、ガバナンスという言葉が流行している。国際社会で汚職にまみれて機能していない政府を「ガバナンスが足りない」と言うようになったし、一般企業にお勤めなら「コーポレート・ガバナンス」という言葉を聞いたことがあると思う。英国の医療分野でも、「診療ガバナンス」という言葉が頻繁に聞…
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連載第12回
イエローカードと黒三角
医薬品の安全を支える多角的な報告システム
2006/ 2/21
英国はサッカーの母国である。好むスポーツにも「階級」というものがあり、上位に位置する人々はどちらかというとクリケットが好きで、サッカー(英国ではフットボール)はどちらかというと労働者階級の楽しみである。階級差がなかなか超えられないフラストレーションは、熱狂的なフットボール応…
- 連載第11回 英国で医師として働くには:How To医師登録 2006/ 2/ 9 昨今は米国で臨床研修を受ける日本人医師も増えていると聞く。一方で、私が診療してきたオーストラリアや英国で臨床研修をしたり、診療をしたりしている日本人医師はそれほど多くない。そこで今回は、英国で医師登録する方法を伝授する。…