当院では、診療所の開業を検討している医師向けの「実地研修」を実施しており、診療所運営に関する様々な質問が寄せられます。以前の連載では、「診療時間の設定」に関する質問と、自分なりの答えを示しました（こちら）。今回は、職員の有給休暇取得に関する質問への答えを述べてみたいと思いま…

関東地方にあるA内科は、A院長が総合病院を定年退職してから開業したクリニックで、開院から既に7年程度が経過。A院長は70歳を過ぎ、体力的にもきつくなってきたため、診察時間を短縮するなどしていた。自分に何かあっても後継ぎはおらず、職員をいつまで雇い続けられるか心許ない部分があるため、…

　ある日、勤務先の常勤のスタッフが愚痴を言っているのを耳に挟みました。「最近、有給の申請をしたら院長が文句言うんですよねー。他のクリニックだと、そんなに有給なんて取れないんだぞって」。私もそのクリニックで壁に貼った予定を書き込んでいるカレンダーを見て、スタッフが代わる代わる有…

　日本と同じように、7月から8月にかけてはドイツも夏休みシーズンです。ドイツ人は休暇のことをUrlaub（ウアラウブ）と呼びます。Urlaubは、ドイツで暮らす上で最も重要な（？）言葉であるとともに、文化の一部でもあります。…

ドイツの医師の報酬とワークライフバランスVol.3

休暇を取らなければ良い仕事ができない

　今回は「ドイツの医師の報酬とワークライフバランス」シリーズの最終回として、休暇（ウアラウプ：Urlaub）に焦点を合わせてみたいと思います。ドイツ人には、医師に限らず、「ウアラウプは国外の滞在型保養地でゆっくりと過ごしたい」という願望があります。ですから、有給休暇の日数を月収の額…