NEJM誌から AEDの普及は院外心停止者の予後を改善した 阪大が消防庁の統計を用いた解析結果を報告 自動体外式除細動器(AED)の普及が及ぼした影響について検討した大阪大学大学院医学系研究科・大学院の北村哲久氏らは、日本では公共の場に設置されたAEDが増加すると共に、心室細動による院外心停止者の神経学的転帰良好な状態での生存が増えていたと報告した。結果は、NEJM誌2016年10月27日号… 2016/11/30 循環器
米国心臓協会学術集会(AHA2016)より 蘇生ガイドラインの改訂に従い転帰良好率が改善 2000年以降、国際蘇生連絡委員会(ILCOR)は5年ごとに心肺蘇生と循環器救命処置に関する勧告を発表し、我が国の「JRC(日本蘇生協議会)蘇生ガイドライン」もそれに合わせて改訂されている。ガイドラインの改訂に従い、成人の院外心停止症例で転帰良好となる率は有意に改善していることが明らかに… 2016/11/22 循環器
Circulation誌から 低体温療法の血管内冷却と外部冷却に有意な差を認めず 低体温の導入と維持は血管内冷却が良好 院外心停止(OHCA)後の低体温療法において外部冷却と血管内冷却を無作為化試験で比較したところ、良好な神経学的転帰において血管内冷却は外部冷却よりも有意に優れないことが示された。この結果は、Circulation誌7月21日号に掲載された。… 2015/08/10 循環器
JAMA誌から 居合わせた人による心停止救命、日本でも増加 2005~12年のウツタイン統計データ解析で判明、転帰良好例の増加に寄与 帝京大学救急医学講座の中原慎二氏らは、消防庁が2005年から収集を開始した、心肺停止による救急搬送例のデータベース「ウツタイン統計データ」を解析。院外心停止の発生現場に居合わせた人による胸部圧迫や除細動の実施増が、転帰良好例の増加に関係していることを明らかにした。… 2015/07/31 循環器
Circulation誌から 院外心停止患者の体温管理、33℃と36℃で認知機能に差なし TTM試験の生存者を対象とした神経学的評価 院外心停止患者の低体温療法について検討するTTM(Target Temperature Management after out-of-hospital cardiac arrest)試験において、体温管理の目標値の違いが認知機能に与える影響を検討したところ、目標温度が33℃の場合と36℃の場合で、心停止から半年後の認知機能に有意な差は認められな… 2015/02/26 循環器
BMJ誌から 院外心停止者へのアドレナリン投与で生存率向上 ただし、神経学的に良好な状態での生存利益はわずか、日本からの報告 院外心停止者へのアドレナリン投与は、1カ月後または退院までの生存率上昇に関係するが、神経学的良好な状態での生存利益はあったとしてもごくわずかであることが示された。聖マリアンナ医大の中原慎二氏らが、BMJ誌電子版に2013年12月10日に報告した。… 2014/01/06 救急医療・集中治療
JAMA誌から 居合わせた人の心肺蘇生で生存率が約3倍増の可能性 心肺蘇生の実施増に相関して生存率が上昇、デンマークの調査から 院外心停止者の生存率向上を目指して広範な国家的イニシアチブを推進しているデンマークで、居合わせた人による心肺蘇生(CPR)の実施率が増加する中、生存率も有意に上昇していることが示された。デンマークCopenhagen大学病院のMads Wissenberg氏らが、JAMA誌2013年10月2日号に報告した。… 2013/10/16 循環器
JAMA誌から 院外心停止者への病院到着前の高度な気道確保は転帰不良と関係 バッグ・バルブ・マスクとの比較、日本の全国レジストリ 院外心停止者に対して、病院到着前に高度な気道確保(気管挿管や声門上気道確保器具の適用)を用いた人工呼吸を行うと、通常のバッグ・バルブ・マスクを用いた人工呼吸に比べて転帰は向上するのだろうか。かねて議論が続いていたこの問題について、日本の約65万人の院外心停止者のデータを分析し… 2013/02/04 救急医療・集中治療
JAMA誌から 院外心停止に対する気道確保は神経予後を低下させる All-Japan Utstein Registryのデータを用いた解析の結果 院外心停止(OHCA)に対する医療機関到着前の気道確保は、従来のバッグとマスクを用いた人工呼吸と比較して神経学的予後を低下させることが分かった。All-Japan Utstein Registryに登録された日本全国のOHCAを解析した結果、気管内挿管または声門上気道確保器具を使用すると、1カ月後の脳機能カテ… 2013/01/24 循環器
JAMA誌から 病院到着前にエピネフリン投与された心停止者は生存率が低い 自発循環再開は生じやすいが…、日本の消防庁データの分析結果 心肺蘇生時に広く使用されているエピネフリンを病院到着前に投与された院外心停止者は、非投与者に比べて病院到着前の自発循環再開が生じやすいが、1カ月時点の生存と、機能が良好な状態での生存の可能性は非投与者よりも有意に低いことが明らかになった。九州大学医学部の萩原明人氏らが、日本の… 2012/04/02 救急医療・集中治療
就業年齢層での院外心停止に地域差、消防庁救急蘇生統計から判明 総務省消防庁がまとめている救急蘇生統計(ウツタイン統計)の解析から、わが国における就業年齢層(20~69歳)の院外心停止の発生頻度には地域差があり、最も低い関東に比べ最も高い北海道などとの間には1.8倍程度も差があることが明らかになった。16日から福岡で開催されている第76回日本循環器… 2012/03/17 循環器
院外心停止は1月が最多―わが国の19万例を対象とした大規模調査で判明 消防庁がまとめている救急蘇生統計(ウツタイン統計)の解析から、院外心停止(sudden cardiac arrest)の発生には1月をピークとする月間変動が見られることが明らかになった。11月16日まで米国フロリダ州オーランドで開催されていた第84回米国心臓協会・学術集会(AHA2011)で、国立循環器病研究… 2011/11/17 循環器
NEJM誌から 院外心停止者への除細動の前にCPRは何分行うべき? 電極装着までの数十秒にとどめても、3分間行っても、生存退院率に差なし 院外心停止者に対する除細動は早いほどよいのか、それとも心肺蘇生(CPR)を数分間行った後に実施した方がよいのか。この疑問を検証するため、大規模無作為化試験を実施したカナダOttawa大学のIan G. Stiell氏らは、救急隊員が到着後CPRを行いつつ速やかに調律解析を実施しても、3分間CPRを行った… 2011/09/20 救急医療・集中治療
日本循環器学会2011 心蘇生後の低体温療法、神経学的予後良好は5割 目標深部体温への到達時間で予後に差、J-Pulse-Hypo研究 心停止から心拍再開した患者に対する低体温療法は神経学的予後の改善に有効とされるが、至適深部体温や冷却持続時間、復温時間、冷却手法といったノウハウは国際的にも確立していない。 2011/09/13 循環器
日本循環器病予防学会2011 院外心停止患者の予後、簡便な4指標で推測可能 院外心停止(CPA)患者は日本全体で年間10万例を超え、近年増加傾向にある。その救命率は非常に低いうえ、適切な医療資源の配分といった問題も無視できず、搬入時点での臨床所見などを用いて心配蘇生術の効果や予後を予測できる指標が求められていた。… 2011/06/30 救急医療・集中治療
日本心臓病学会2010 救急搬送時のrSO2が25%以下では脳蘇生不良 侵襲なくすぐ測定可能、院外心停止症例の蘇生予測に有用 院外心停止で救急搬送されてきた症例に対しては、状態に応じて経皮的心肺補助療法(PCPS)や脳低温療法、再還流療法といった高度な集中治療を行うが、救命できても脳蘇生できない例も経験される。 2010/10/19 循環器
Ann Intern Med誌から バイスタンダーCPR実施率、同一都市でも地区により差 院外心停止の生存率を上げるには特定地区対象の訓練が有効か 院外心停止患者の予後にはバイスタンダーによる心肺蘇生(バイスタンダーCPR)が大きく影響しており、生存率は都市により大きく異なる。6月1日にAnn Intern Med誌オンライン版に掲載された米国での調査から、バイスタンダーCPR実施率は同一都市内でも地区により大きなばらつきがあり、院外心停止… 2010/06/23 救急医療・集中治療
Lancet誌から 小児の院外心停止例にも目撃者によるCPRは有効 神経学的転帰良好な患者の割合が高まる、日本での分析 子どもの院外心停止例に対する心肺蘇生(CPR)は有効か。この問いの答えを得るべく、日本の院外心停止全例登録に蓄積された情報を分析した京大保健管理センターの北村哲久氏らは、17歳以下の院外心停止者の場合も、目撃者がCPRを行った方が神経学的転帰良好な患者の割合が高くなることを明らかに… 2010/04/07 救急医療・集中治療
NEJM誌から 国内のAED設置増により院外心停止者の生存率が上昇 2005年から3年間の前向き観察研究の結果 日本全国で公共の場へのAED(自動体外式除細動器)設置が増加している。日本国内における公共AED設置台数の変化と院外心停止者の生存率の関係を調べた京大保健管理センターの北村哲久氏らは、2005年からの3年間に、公共AEDを用いた一般人による電気ショックを受けた院外心停止患者が約5倍に増加し… 2010/04/05 救急医療・集中治療
JAMA誌から 心肺蘇生時の薬物投与は生存退院率に影響せず 院外心停止例を対象に非投与と比較したRCTの結果 心肺蘇生時の静脈内薬物投与はACLS(advanced cardiac life support)ガイドラインで推奨されているものの、アウトカム改善に関するエビデンスは不足している。院外心停止例を対象に静脈内薬物投与の有益性をランダム化比較試験(RCT)で検討したところ、投与群と非投与群の間で生存退院率に有意… 2009/12/11 救急医療・集中治療
Circulation誌から 街頭での心停止例救命にはAHA提唱のAED配置密度が必要 欧州の指針では2割しか対処できず、コペンハーゲンでの実例による研究結果 コペンハーゲン市中の公共スペースで起きた心停止の発生場所と件数を調査した結果、自動体外式除細動器(AED)の設置範囲は欧州のガイドラインでは不十分で、米国心臓協会(AHA)のガイドライン程度に広げる必要のあることが分かった。この結果はCirculation誌8月11日号に掲載された。… 2009/08/21 循環器
NEJM誌から 院外心停止例への血栓溶解療法に利益なし 1050人を登録時点で無作為化試験が中止に 院外心停止者の生存率は10%を下回る。これをなんとか改善できないかと考えたドイツCologne大学のBernd W. Bottiger氏らは、心肺蘇生中にテネクテプラーゼを投与する治療の利益とリスクを調べる無作為化試験を実施した。しかし、すべての評価指標において利益は示されず、頭蓋内出血が有意に増加… 2009/01/09 循環器
心拍再開せずに病院に到着する院外心停止患者は脳機能の予後が悪い 大阪府は早くから院外心停止の救命救急体制を整備してきたことで知られているが、1カ月後の時点で脳機能が良好な生存が得られる症例は2006年時点で16.5%に留まる。これは、救急隊が心肺蘇生をしても病院到着時に心拍再開が得られない除細動抵抗例が成績不振の要因のひとつになっていることが明ら… 2008/11/13 循環器
NEJM誌から 院外心停止例に対するバソプレシンの追加 エピネフリン単独投与に比して蘇生率の改善認めず 投薬による二次救命処置を要する院外心停止例に対するエピネフリンとバソプレシンの併用は、エピネフリン単独投与と比べて蘇生率を改善させないことが、フランスで行われた大規模試験によって示された。この結果は、New England Journal of Medicine誌7月3日号に掲載された。… 2008/07/17 循環器
AHAの心肺蘇生新ガイドラインは浸透しつつあり (11/7訂正) 米国心臓協会(AHA)が2005年秋に発表した心肺蘇生の新ガイドラインは、長年のルールを大きく変更するものだったが、米国内では十分に普及し、実践されているもようだ。米オハイオ州立大学のLynn White氏らが、救急医療データベースの記録49症例分を解析して得た予備的研究の成果で、11月5日、米… 2007/11/06 循環器