BMJ誌から 初回除細動から2分以内にエピネフリンを使うな 心停止患者の治療成績を下げることを示唆する研究 米国Beth Israel Deaconess Medical CenterのLars W Andersen氏らは、院内心停止患者に対する初回除細動から2分以内のエピネフリン投与が、米国では半数を超える患者に行われており、この処置が、生存退院、自発的な心拍再開、脳機能良好な状態での退院の可能性を有意に低下させることを報告した… 2016/05/06 循環器
GL解説◎国際蘇生連絡委員会がドラフト版を公開 救急蘇生ガイドライン改訂、6つの注目ポイント 帝京大学救急医学主任教授の坂本哲也氏に聞く 今年2月、国際蘇生連絡委員会(ILCOR)の「心肺蘇生と緊急心血管治療のための科学と治療の推奨にかかわる国際コンセンサス(CoSTR)2015」ドラフト版が、パブリックコメントを求める目的で公開された(2月28日まで)。 日本蘇生協議会(JRC)は、このCoSTR2015ドラフト版を基に日本版のガイドラ… 2015/03/17 救急医療・集中治療
BMJ誌から ショック非適応心停止にはエピネフリン投与を 院内心停止への投与が早いほど利益大、後ろ向き解析の結果 ショック非適応の波形を示す院内心停止患者には、エピネフリン(アドレナリン)を早期に投与するほど、生存退院、自己心拍再開、神経学的障害がない状態での生存の可能性が高まることが、心停止者に関する登録情報を後ろ向きに分析した結果として示された。米Beth Israel Deaconess Medical Cente… 2014/06/09 循環器
JAMA誌から バソプレシンとステロイドにより心停止後の神経学的状態が改善 ギリシャで行われたランダム化比較試験の結果 院内で心停止した患者の心肺蘇生(CPR)時、バソプレシンとステロイド、エピネフリンの併用療法(VSE療法)を行うことで、エピネフリン単独療法よりも神経学的に良好な状態で退院できる率が改善することが分かった。結果はJAMA誌7月17日号に掲載された。… 2013/08/02 循環器
JAMA誌から 心肺蘇生中の3剤併用で脳機能良好な退院率が上昇 バソプレシン、エピネフリン、ステロイドの併用効果を検証したRCTの結果 院内心停止を起こし、バソプレシンの適応とされた患者に、心肺蘇生(CPR)中にバソプレシン、エピネフリン、ステロイドの3剤(VSE)を投与し、蘇生後にショックを起こした患者にはステロイドを投与すると、蘇生中にエピネフリンのみを投与した患者に比べ、脳機能のスコアが良い状態で生存退院でき… 2013/07/30 救急医療・集中治療
JAMA誌から 病院到着前にエピネフリン投与された心停止者は生存率が低い 自発循環再開は生じやすいが…、日本の消防庁データの分析結果 心肺蘇生時に広く使用されているエピネフリンを病院到着前に投与された院外心停止者は、非投与者に比べて病院到着前の自発循環再開が生じやすいが、1カ月時点の生存と、機能が良好な状態での生存の可能性は非投与者よりも有意に低いことが明らかになった。九州大学医学部の萩原明人氏らが、日本の… 2012/04/02 救急医療・集中治療
日経メディカル2012年2月号「特集 応急処置11の誤解」転載 Vol.6 【出血】止血帯で永久止血を目指す ⇒ × 切創などの外傷出血に対する処置は、直接圧迫による1次止血が基本だ。出血部位を指またはガーゼで圧迫する方法で、大血管でなければ4~5分、動脈性の出血でも15分ほどで止血できる。 2012/02/23 外科
BMJ誌から 生後24カ月以下の小児の急性細気管支炎に最適な治療法とは 2歳未満の乳幼児の急性細気管支炎に対する最適な治療法を明らかにするために行われた系統的レビューとメタ分析の結果が、BMJ誌2011年4月9日号に掲載された。カナダAlberta大学のLisa Hartling氏らによると、救急部門受診から1日目の入院を減らす効果では、アドレナリン(エピネフリン)単剤投与が… 2011/04/21 感染症
【第2回】 アナフィラキシーにアドレナリン皮下注ではなぜダメなの? この間、救急外来でアナフィラキシーの方を診察したんです。救急外来がすごく混んでいて、その患者さんはタクシーで来たためにしばらく外で待たされていて、アドレナリンの投与が遅れたのでどうしようかと思いました。… 2010/03/24 アレルギー・免疫
JAMA誌から ACLSにおける薬剤静注は生存退院を増やさない 薬剤静注の有無で臨床転帰を比較した初の無作為化試験の結果 高度心肺蘇生法(ACLS)ガイドラインには、血管確保と薬剤投与の実施が含まれている。しかし、これにより臨床転帰が向上することを示すエビデンスはこれまでなかった。ノルウェーOslo大学のTheresa M. Olasveengen氏らは、院外心停止者に対するACLSから薬剤の静脈内投与を除くと、臨床転帰にどの… 2009/12/15 救急医療・集中治療
JAMA誌から 心肺蘇生時の薬物投与は生存退院率に影響せず 院外心停止例を対象に非投与と比較したRCTの結果 心肺蘇生時の静脈内薬物投与はACLS(advanced cardiac life support)ガイドラインで推奨されているものの、アウトカム改善に関するエビデンスは不足している。院外心停止例を対象に静脈内薬物投与の有益性をランダム化比較試験(RCT)で検討したところ、投与群と非投与群の間で生存退院率に有意… 2009/12/11 救急医療・集中治療
救急救命士の医療行為拡大の歴史を振り返る 医師法第17条は、「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定め、医療行為を原則的に医師にのみ認める医師独占主義をうたっています。保健師助産師看護師法などは、例えば看護師などのコメディカルに医師の指示に基づく補助的医療行為を一部認めていますが、体裁としては“例外”を認めると… 2009/10/13 行政・制度
NEJM誌から エピネフリン/デキサメタゾン併用は細気管支炎の入院リスクを減らす 細気管支炎の乳児にエピネフリン吸入とコルチコステロイド経口投与を併用すると、発症から7日間の入院リスクを減らせる可能性があることが示された。カナダEastern Ontario小児病院のAmy C. Plint氏らの無作為化試験の結果で、詳細はNEJM誌2009年5月14日号に掲載された。… 2009/06/08 呼吸器
電気ショック抵抗性のVF/VTにニフェカラントの有効性を確認 電気的除細動(ショック)を複数回行っても正常心拍が再開しない心室細動(VF)/無脈性心室頻拍(VT)発作に対し、抗不整脈薬のニフェカラントとリドカインの有効性を比較した結果、VF/VTの停止と心拍再開で、ニフェカラントがより高い有効性を示したことが明らかになった。… 2009/03/21 循環器
Arch Intern Med誌から バソプレシンとステロイドの追加で心停止後の予後改善 エピネフリン単独投与に比べて蘇生率や生存退院率が向上 院内心停止の蘇生時にエピネフリンに加えてバソプレシンと副腎皮質ステロイドを投与すると、エピネフリンのみを投与した場合に比べて蘇生率や生存退院率が向上することがわかった。蘇生後ショックを起こした患者でも、副腎皮質ステロイドを継続投与した方が生存退院率が良好であった。この結果は… 2009/01/31 循環器
NEJM誌から 院外心停止例に対するバソプレシンの追加 エピネフリン単独投与に比して蘇生率の改善認めず 投薬による二次救命処置を要する院外心停止例に対するエピネフリンとバソプレシンの併用は、エピネフリン単独投与と比べて蘇生率を改善させないことが、フランスで行われた大規模試験によって示された。この結果は、New England Journal of Medicine誌7月3日号に掲載された。… 2008/07/17 循環器
エピペンの適切な使用を指導するポイントとは 実際に使用した症例とともにエピペン使用の問題点を指摘 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター小児科の亀田誠氏らは、食物アレルギーを持つ患者がアナフィラキシー補助治療薬アドレナリン(商品名:エピペン)を実際に使用した症例を踏まえて、エピペンの使用における問題点を指摘するとともに、適切な使用を指導するポイントをまとめた。… 2008/07/02 アレルギー・免疫
日本小児科学会から クループに対するエピネフリン吸入は5~10倍量でも安全 小児のクループに対し、通常用いられる量の5~10倍のL体エピネフリン(以後エピネフリン、商品名ボスミン液)を吸入させても、安全性に問題はなく、より速やかに症状を改善する――。そんな知見が、久留米大小児科による二重盲検比較試験により明らかになった。同科助教の木村光一氏が4月26日の日… 2008/05/13 小児科
ガス吸入冷却法が心肺蘇生の予後改善に有効性 動物実験で96時間後の生存率は冷却群100%、対照群は25%と大差 冷却ガスと酸素を鼻腔から送り込んで低体温を実現するという新たな手法が開発され、ブタを使った実験で、心肺蘇生の生存率などが高まることが示された。救急車などに装置を搭載すれば、心肺停止の直後から低体温療法が可能になり、救命率の改善につながる可能性もある。米カリフォルニア州ランチ… 2007/11/06 循環器
敗血性ショック管理の薬物選択は? ノルエピネフリンとドパミン併用の有効性はエピネフリン単独と同等 敗血性ショック管理のための国際ガイドラインでは、ドパミンまたはノルエピネフリンを第1選択とし、反応しない症例にはエピネフリンを適用することになっているが、果たしてこれらの薬剤の有効性と安全性には差があるのだろうか。… 2007/09/05 感染症