学会トピック◎第82回日本循環器学会学術集会 VTE抗凝固療法、実臨床の投与期間は不適切 静脈血栓塞栓症(VTE)に対する抗凝固療法は、患者のリスクに応じてそれぞれ推奨期間が設定されている。しかし、リアルワールド(実臨床)においては、低リスク群でガイドライン推奨期間よりも長期間抗凝固療法が行われており、また中間リスク群では不適切に短期間であることが明らかになった。京… 2018/04/02 循環器
トレンド◎血栓塞栓症治療のパラダイムシフト 静脈血栓塞栓症の治療をNOACが変える 入院期間は短縮し外来治療例も増加 新規経口抗凝固薬(NOAC)の登場により、静脈血栓塞栓症(VTE)の治療戦略は大きく変わった。一部のNOACは急性期から投与できる上、未分画ヘパリンやワルファリンのような微妙な投与量の調節も不要だ。VTEに使われ始めてまだ2年に満たないが、実臨床ではNOACによる治療が急速に普及、入院期間の短… 2016/06/30 循環器
NEJM誌から 初発VTE患者の癌スクリーニングにCTは不要 通常スクリーニングに腹部・骨盤部のCT検査を加えても癌見落としリスクは不変、カナダのランダム化比較試験SOMEが示唆 癌患者は血液凝固が亢進していることが多く、静脈血栓塞栓症(VTE)を明確な原因がないのに発症した患者では、VTEが癌発見の契機となることがある。しかし、そうした「未発見の癌」の検索を目的に一般的な癌スクリーニングを行った場合と、そこに腹部と骨盤部のCT検査を加えた場合の、癌見落とし… 2015/07/10 循環器
JAMA Intern Med誌から VTE患者のブリッジングで出血リスクが17倍に 手術時にワルファリンをヘパリンで置き換えるブリッジング療法、VTE患者には推奨されず 静脈血栓塞栓症(VTE)の2次予防を目的としてワルファリンを服用している患者では、手術を受ける場合もヘパリンなどを用いるブリッジング療法は行わない方がよさそうだ。米Kaiser Permanente Colorado のNathan P. Clark氏らは、ワルファリン中断時に抗凝固薬を用いたブリッジング療法を適用する… 2015/06/09 循環器
Rheumatology誌から NSAID服用者では静脈血栓塞栓症リスクが上昇 系統的レビューとメタ解析の結果から 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の服用者では、非服用者と比べて、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが上昇することが、観察研究の系統的レビューとメタ解析により明らかにされた。この結果は、Rheumatology誌9月24日号オンライン版に掲載された。… 2014/10/11 循環器
NEJM誌から 出産後の血栓リスクは12週間持続 6週まではより高リスク、後ろ向きコホート研究の結果 出産後12週までは血栓リスクの有意な上昇が持続することが、カリフォルニア州で初回の出産を経験した女性を対象にした後ろ向きコホート研究の結果として示された。米Weill Cornell医大のHooman Kamel氏らが、NEJM誌電子版に2014年2月13日に報告した。… 2014/03/04 産婦人科
BMJ誌から HPVワクチンに神経疾患やVTEの発症リスク認めず ベーチェット病、レイノー病、1型糖尿病は否定できず、北欧のコホート研究から デンマークとスウェーデンにおける大規模コホート研究から、4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、重篤な有害事象として、特定の自己免疫疾患、神経疾患、静脈血栓塞栓症(VTE)を生じないことが示された。ただし、ベーチェット病、レイノー病、1型糖尿病は弱い発症リスクが否定できなか… 2013/10/28 感染症
JAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌から 頭頸部癌手術後のVTE発生率は13%と高く 根治目的の手術を受ける患者を対象とした初のプロスペクティブ研究 頭頸部癌に対する手術を受ける患者の静脈血栓塞栓症(VTE)発生率に関するデータはこれまで乏しかった。米国の研究者らが初めてプロスペクティブに観察研究を行い、徹底的に超音波検査を行って調査したところ、この集団でのVTE発生率は過去の知見よりも高く、術後に抗凝固療法を受けた場合はVTE発… 2013/10/17 循環器
BMJ誌から VTE再発予防効果はビタミンK拮抗薬が最も高いが、大出血リスクも最大 抗凝固薬と抗血小板薬の有効性と安全性を比較したネットワークメタ解析の結果 静脈血栓塞栓症(VTE;深部静脈血栓症と肺塞栓症)の2次予防として、様々な経口抗凝固薬(ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、ビタミンK拮抗薬)と抗血小板薬(アスピリン)の有効性と安全性を比較したネットワークメタ解析の結果、VTE再発予防効果が高く、大出血リスクが低い最適な… 2013/09/19 循環器
第35回欧州心臓学会 エドキサバン、DVT・PE患者へのヘパリン後投与でVTE再発リスク減少効果はワルファリンに対し非劣性 経口FXa阻害剤エドキサバン(一般名: エドキサバントシル酸塩水和物)は、深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)患者に対し、ヘパリン後に投与することで、静脈血栓塞栓症(VTE)の再発予防効果はワルファリンに対し非劣性であることが示された。また、大量出血などの安全性については、ワルファ… 2013/09/10 循環器
N Engl J Med誌から アピキサバンは静脈血栓塞栓症治療における出血リスクを低減 新規経口抗凝固薬の単剤投与とワルファリンを含む従来療法を比較 新規経口抗凝固薬アピキサバンは、症候性の静脈血栓塞栓症(VTE)患者の再発予防において、従来療法と同程度の有効性を有し、かつ大出血イベントを有意に減少させることが明らかになった。この結果は7月1日、N Engl J Med誌オンライン版で公開された。… 2013/07/18 循環器
Lancet誌から 末梢挿入中心静脈カテーテルはDVTリスクが2.6倍 他の中心静脈カテーテルと比較した系統的レビューとメタ解析の結果 末梢挿入中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter:PICC)と、他の中心静脈カテーテル(CVC)の深部静脈血栓症(DVT)リスクを比較した系統的レビューとメタ解析で、PICCを用いるとDVTリスクが約2.6倍になることを、米Michigan大学Health SystemのVineet Chopra氏らが発表し… 2013/06/06 循環器
JAMA Intern Med誌から 全身性ステロイドの使用者で静脈血栓塞栓症リスクが上昇 デンマーク全国民を対象としたケースコントロール研究の結果 グルココルチコイド系ステロイド薬の使用が静脈血栓塞栓症(VTE)リスクを有意に上昇させる可能性があること、特に新規使用者においてリスク上昇が大きいことが、デンマークAarhus大学のSigrun A. Johannesdottir氏らの研究で明らかになった。詳細は、JAMA Internal Medicine誌2013年4月1日号に報… 2013/04/15 循環器
NEJM誌から VTEの延長治療にアピキサバン、ダビガトランは有望な選択肢 2つのグループの二重盲検ランダム化試験で明らかに 静脈血栓塞栓症(VTE)の初期治療後の延長治療にアピキサバンまたはダビガトランを用いると、プラセボに比べて有意なVTE予防効果が得られ、出血リスクに対する懸念も小さくなることが示された。それぞれ異なる研究グループによって行われた臨床試験の結果が、NEJM誌2013年2月21日号に報告された。… 2013/03/11 循環器
N Engl J Med誌から VTE長期治療、ダビガトランとワルファリンは同等 出血のリスクはワルファリンより低率 静脈血栓塞栓症(VTE)後の長期治療による再発予防において、ダビガトランのワルファリンに対する非劣性が示された(RE-SONATE試験)。大出血もダビガトラン群で少なかった。一方でプラセボと比較すると、ダビガトランは出血リスクを増加させた(RE-MEDY試験)。これら2つの臨床試験の結果が、N E… 2013/03/06 循環器
第47回日本成人病(生活習慣病)学会 フォンダパリヌクス、癌患者に発症した急性症候性VTEの治療に有効 癌患者は静脈血栓塞栓症(VTE)を起こすことが少なくない。外来癌患者の20%近くで発生したとの報告もある。生命予後にも大きく影響し、癌進行に次ぐ予後規定因子と言われている。しかし、癌患者におけるVTEの予防・治療法は確立されていない。こうしたなか、活性化第X因子(Xa)阻害薬のフォンダ… 2013/02/06 循環器
BMJ誌から 体外受精を受けた妊婦は妊娠初期のVTEリスクが4倍 自然妊娠の女性と比較、肺塞栓症のリスクは7倍 妊娠中の女性は静脈血栓塞栓症(VTE)を起こしやすいが、体外受精を受けて妊娠した女性は、自然妊娠の女性よりもさらにVTEリスクが上昇していることが、スウェーデンKarolinska研究所のPeter Henriksson氏らの分析で明らかになった。リスク上昇は妊娠初期に顕著で、中期、後期では有意差はなかっ… 2013/01/30 産婦人科
NEJM誌から 初回VTE患者の抗凝固療法後に低用量アスピリンが利益 VTE再発は減らさないが主要な血管イベントが減少、ASPIRE試験 初回の非誘発性の静脈血栓塞栓症(VTE)を経験した患者は、3~6カ月間の抗凝固薬投与を受けるが、この治療を完了した後のVTE再発リスクは高い。オーストラリアPrince of Wales病院のTimothy A. Brighton氏らは、抗凝固療法後に低用量アスピリンを投与すれば、VTE再発は減らさないものの、VTEを含… 2012/12/11 循環器
Archives of Surgery誌から 臨床意思決定支援ツールの導入でVTE予防管理が向上 回避可能なVTEも減少、後ろ向きコホート研究の結果 外傷で入院した患者に適切な静脈血栓塞栓症(VTE)予防法を実施するため、コンピューター化医師向けオーダーエントリー(CPOE)システムを用いた臨床意思決定支援(CDS)ツールを導入した米国のジョンズ・ホプキンス病院で、導入前と比べてVTE予防ガイドラインの順守率が向上し、回避可能なVTEが… 2012/11/05 循環器
JAMA誌から 関節リウマチ診断後、少なくとも10年はVTEリスクが上昇 近年、関節リウマチ(RA)が静脈血栓塞栓症(VTE)の危険因子である可能性が示されている。スウェーデンKarolinska研究所のMarie E. Holmqvist氏らは、スウェーデン国民の医療情報などを利用して、RA診断後は入院が必要なVTEイベントのリスクが一般の人々に比べ1.6倍になること、このリスク上昇は… 2012/10/18 アレルギー・免疫
NEJM誌から 抗凝固薬終了後のアスピリン投与でVTE再発がほぼ半減 誘因のない初回VTE患者約400人を対象としたイタリアのWARFASA試験 誘因のない静脈血栓塞栓症(VTE)を経験した患者に、抗凝固薬の投与が終わった時点でアスピリン100mg/日の投与を開始すれば、その後2年間のVTE再発をほぼ半減できることが、無作為化試験で明らかになった。イタリアPerugia大学のCecilia Becattini氏らが、NEJM誌2012年5月24日号に報告した。… 2012/06/06 循環器
下肢人工関節置換術後のVTE発症率、RAとOAで有意差なし 下肢人工関節置換術後の静脈血栓塞栓症(VTE)発症率は、関節リウマチ(RA)患者と変形性関節症(OA)患者で有意差はないことが報告された。一方、出血事象は、RA患者で多い傾向が確認されたことから、RA群で抗凝固療法を実施する際には注意が必要であることが示された。国立長崎医療センター整形… 2012/05/10 骨・関節・筋
N Engl J Med誌から リバーロキサバンはVTE予防でも標準療法に非劣性――EINSTEIN-PE試験 急性症候性肺塞栓症(PE)患者を対象に、経口第Xa因子阻害薬リバーロキサバンの症候性静脈血栓塞栓症(VTE)再発抑制効果を検討したところ、標準療法に対し非劣性だった。出血リスクの上昇もなく、大出血の発生は有意に減少した。この結果は、N Engl J Med誌4月5日号に掲載された。… 2012/04/26 循環器
NEJM誌から セムロパリンが癌化学療法中のVTEを64%減 出血リスクは増やさず、SAVE-ONCO試験の結果 化学療法を受けている癌患者は、静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが上昇した状態にある。イタリアPerugia大学のGiancarlo Agnelli氏らは、新たな超低分子ヘパリンであるセムロパリン(semuloparin)を化学療法中の癌患者に用いた二重盲検の多施設無作為化試験SAVE-ONCOで、この薬剤が偽薬に比べて、出… 2012/03/01 循環器
米国心臓協会(AHA)2011 入院患者のVTE予防、apixabanに優越性認めず 短期のエノキサパリン投与との比較、ADOPT試験 低分子量ヘパリン製剤であるエノキサパリンは、入院患者の静脈血栓塞栓症(VTE)予防薬として効果が認められているが、注射薬という制約がある。今回、経口薬である直接的Xa因子阻害薬apixabanを入院中だけでなく退院後も投与してエノキサパリンとVTE予防効果を比較するADOPT試験が行われたが、エ… 2012/01/26 循環器
日経メディカル2011年12月号「トレンドビュー」(転載) 肺塞栓症を防ぐ新たな手段 新薬で予防が容易に、拾い上げはSpO2や心電図で 術後に発生しやすい肺血栓塞栓症(PTE)は、死亡率が高く見逃してはならない疾患だ。最近、経口の抗凝固薬が登場し、予防が容易になった。新薬の有用性とPTE早期診断のポイントについてまとめた。 2011/12/14 循環器
BMJ誌から 第3、第4世代の経口避妊薬のVTEリスクは第2世代の2倍以上 第3世代薬使用者の絶対リスクは10件/1万人・年 混合型経口避妊薬の静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクは、プロゲストーゲンの種類やエストロゲンの用量によって変わるのだろうか。この疑問を検証するため、大規模コホート研究を行ったデンマークCopenhagen大学のOjvind Lidegaard氏らは、第2世代のレボノルゲストレルを使用している女性に比べ、第3… 2011/11/10 産婦人科
BMJ誌から 静脈血栓塞栓症リスクを簡便に予測できるアルゴリズムを開発 一般開業医がパソコンで簡単に使用できる、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスク予測アルゴリズムを、英Nottingham大学のJulia Hippisley-Cox氏らが作成し、その精度をBMJ誌2011年8月20日号に報告した。このアルゴリズム「QThrombosis」は、http://www.qthrombosis.org/で利用可能だ。… 2011/09/02 循環器
Circulation誌から 80歳超でもワルファリンによる出血リスクは増加せず 専門施設での管理により高齢者にも安全に投与可能 80歳以上の超高齢者に対してワルファリンを用いた経口抗凝固療法を行っても、出血リスクは増加せず、年齢そのものは治療の禁忌とならないことが示された。この結果は、Circulation誌8月16日号に掲載された。… 2011/08/25 循環器
婦人科癌の術前VTEの頻度は卵巣癌で最も高く、危険因子は癌の組織型や進展度、大量の腹水の有無など【婦人科腫瘍学会2011】 子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌の術前に静脈血栓塞栓症(VTE)があれば治療方針を再検討する必要がある。そこで、筑波大学産婦人科の田中勝洋氏は、これらの婦人科癌の治療前VTEの頻度や危険因子を明らかにし、その結果を7月22日から札幌で開催された第50回日本婦人科腫瘍学会学術講演会で報告した。… 2011/07/26 癌
BMJ誌から ドロスピレノン含有経口避妊薬の静脈血栓塞栓症リスクは高い レボノルゲストレルを含む製品の2~3倍 ドロスピレノンを含む経口避妊薬の使用者の非致死的特発性静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクは、レボノルゲストレルを含む経口避妊薬の2~3倍であることが、2つの研究グループが別々に行った研究で明らかになった。論文はいずれもBMJ誌2011年4月30日号に掲載された。… 2011/05/13 産婦人科
N Engl J Med誌から リバロキサバンはDVT治療とVTE再発予防に有望 EINSTEIN-DVT試験とEINSTEIN-Extension試験 経口可能な選択的第Xa因子阻害薬リバロキサバンの第III相臨床試験から、急性深部静脈血栓症(DVT)の治療と、再発性症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の長期予防において、リバロキサバンは有効で、安全性も現行の標準治療と同等または容認できる範囲だったことが明らかになった。この結果は、12月4日… 2010/12/22 循環器
Arch Intern Med誌から 外科処置以外の誘因で起きたVTEは再発リスクが高い 初回の症候性静脈血栓塞栓症(VTE)後の再発リスクは、初回VTEの誘因となった危険因子によって異なるのだろうか。イタリアPerugia大学のAlfonso Iorio氏らは、一過性の危険因子に誘発されたと見なされる症候性VTE患者の、抗凝固薬治療終了後の再発リスクと、当初の危険因子の関係を調べるメタ分析… 2010/11/16 循環器
Ann Intern Med誌から 初回VTE後のDダイマー検査は再発リスクの予測に有用 抗凝固薬の使用中止時期や年齢の影響を受けない 非誘発性の静脈血栓塞栓症(VTE)を初めて経験した患者において、抗凝固療法を中止した後のDダイマー検査陽性は一貫して再発高リスクを意味することが、メタ分析で明らかになった。カナダMcMaster大学のJames Douketis氏らが、Ann Intern Med誌に2010年10月19日に報告した。… 2010/11/02 循環器
BMJ誌から 抗精神病薬使用者はVTEリスクが1.3倍 抗精神病薬を処方されている患者では、そうでない人々に比べて静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが1.32倍になり、特に非定型抗精神病薬使用者のリスクが1.73倍と高いことが、英Hucknall Health CentreのChris Parker氏らが行った集団ベースのケースコントロール研究で明らかになった。論文は、BMJ誌201… 2010/10/15 精神・神経
特集●大きく変わる! 心房細動患者の抗凝固療法 Vol.2 抗トロンビン薬に続き抗Xa薬も続々と 抗Xa薬 vs. ワルファリン、初の比較結果が11月に発表 開発中の経口抗凝固薬には、抗トロンビン薬のdabigatranのほかに、抗Xa薬もある。現在、心房細動患者の脳卒中発症抑制の適応で複数の抗Xa薬が臨床試験を行っており、その中で第3相の段階にあるのはapixaban、rivaroxaban、edoxabanの3つだ。… 2010/10/12 循環器
JAMA誌から 1回の全下肢静脈エコーで陰性ならVTE発生率は低い 下肢DVTが疑われる4731人を対象としたメタ分析の結果 症候性の下肢深部静脈血栓症(DVT)疑い例の多くに、複数回の下肢静脈エコーが行われている。米Utah大学のStacy A. Johnson氏らは、メタ分析を行い、全下肢をカバーする超音波検査を単回実施し、陰性判定を受けた患者については、抗凝固薬の投与がなくてもその後3カ月間の静脈血栓塞栓症(VTE)の… 2010/02/19 循環器
NEJM誌から ダビガトランのVTE再発予防効果はワルファリンに劣らない 2564人を対象とした無作為化試験の結果 静脈血栓塞栓症(VTE)の再発予防において、ダビガトランがワルファリンに劣らぬ有効性と安全性を示すことが、カナダMcMaster大学のSam Schulman氏らが行った無作為化試験によって明らかになった。論文は、NEJM誌2009年12月10日号に掲載された。… 2010/01/06 循環器
BMJ誌から 外来でのDダイマー迅速測定はVTEの除外診断に有用 複数あるPOC Dダイマー検査の精度を比較 近年登場した、臨床現場で利用可能なPoint of Care(POC)Dダイマー検査は静脈血栓塞栓症(VTE)をどの程度正確に除外できるのだろうか。この疑問を検証するため、オランダUtrecht大学医療センターのG J Geersing氏らが、POC Dダイマー検査の診断精度について報告した研究のメタ分析を行い、特に… 2009/09/16 循環器
遠方への旅行はVTEリスクを増加させる Far-Away Vacations Could Increase Risk of VTE 長時間の移動を伴う旅行は、静脈血栓塞栓症 (VTE)のリスクを3倍に高めることが分かった。さらに、旅行とVETリスクの間には「用量依存性」があり、どのような手段であっても移動にかかる時間が2時間長くなるごとにVTEリスクが18%上昇することを、米ハーバード大学のDivay Chandra氏らがAnnals o… 2009/08/05 循環器
進行膵臓癌患者に第一選択薬とエノキサパリンを併用で静脈血栓塞栓症リスクが有意に低下 進行膵臓癌患者には静脈血栓塞栓症(VTE)がしばしば見られる。化学療法がVTEリスクを高めることも知られている。ドイツCharite病院のHanno Riess氏らは、化学療法とともに低分子量ヘパリン(LMWH)のエノキサパリンを投与すると、当初3カ月間のVTEイベントを減らせることを示した。このCONKO 004… 2009/06/11 癌
Lancet誌から リバロキサバンが人工膝関節置換術後のVTE予防に有効 エノキサパリンと比較したRECORD4試験の結果 米国胸部疾患学会議(ACCP)は、人工膝関節置換術後には、10日以上にわたる静脈血栓塞栓症(VTE)予防の実施を推奨している。カナダMcMaster大学のAlexander GG Turpie氏らは、エノキサパリンの皮下注射に比べ、リバロキサバンの経口投与が、深部静脈血栓症、非致死的肺塞栓、全死因死亡を合わせ… 2009/06/02 骨・関節・筋
ベバシズマブ投与におけるVTE発生リスクはDダイマー値3μg/mL以下なら小さい可能性【ASCO GI】 ベバシズマブを化学療法と併用で投与する場合、静脈血栓塞栓(VTE)のリスクがあるが、Dダイマーの数値が3μg/mL以下であれば、リスクは小さくベバシズマブの投与ができる可能性がわが国の臨床研究によって明らかとなった。3μg/mLを超えていれば血栓ができている可能性もあり、他の上昇要因を排… 2009/01/20 癌
JAMA誌から ベバシズマブ投与で静脈血栓塞栓症リスクが上昇 15件の無作為化試験を対象としたメタ分析の結果 癌患者に広く用いられている新規血管新生阻害薬、ベバシズマブ(商品名アバスチン)の投与により、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが有意に上昇することが、米Stony Brook大学のShobha Rani Nalluri氏らによるメタ分析で判明した。詳細は、JAMA誌2008年11月19日号に報告された。… 2008/12/05 循環器
Ann Intern Med誌から Dダイマーが静脈血栓塞栓症の再発予測に有用 初回治療後に陰性なら再発リスクは低い 非誘発性の静脈血栓塞栓症(VTE)に対する抗凝固療法を中止する時期を見極めることは難しい。VTE再発リスクがわかれば、判断は容易になるだろう。カナダMcMaster大学のMadeleine Verhovsek氏らは、メタ分析を行い、治療中止後3週間から2カ月の時点で測定されたDダイマー値がリスクの予測に有用で… 2008/11/07 循環器
BMJ誌から 経口エストロゲンのホルモン補充療法で静脈血栓塞栓症リスクが上昇 経皮エストロゲンではリスク上昇せず 経口エストロゲン製剤は閉経女性の凝固系を活性化するとの報告があるにもかかわらず、ホルモン補充療法の静脈血栓塞栓症(VTE)リスクは軽視されてきた。今回、メタ分析により、現在の経口エストロゲン製剤の使用状況は、VTEリスクを2~3倍上昇させること、経皮エストロゲン製剤の場合にはリスク… 2008/06/12 産婦人科
入院患者の約半数に静脈血栓塞栓症リスクあり 予防法の適用は不十分 入院患者のうち、静脈血栓塞栓症(VTE)リスクを抱えている患者がどの程度存在するのかを世界32カ国358病院で調べた結果、VTEリスクは入院患者の半数以上に認められることが明らかになった。ただしVTE予防は半数程度の患者にしか行われていなかった。英国London King’s CollegeのAlexander T Coh… 2008/02/21 循環器
静脈血栓塞栓症の7割超は外来で発見 ハイリスク患者は退院後も予防継続を 病院内での静脈血栓塞栓症(VTE)予防には大きな関心が寄せられいるが、実はVTEは、入院患者よりも外来患者に多く見られるのが現状だ。米国Massachusetts大学医学部のFrederick A. Spencer氏らは、観察研究を行い、VTE症例の73.7%は外来で発見されることを示した。外来VTE患者のうち、23.1%が過… 2007/08/18 循環器
【新薬】合成Xa阻害薬 フォンダパリヌクス アリクストラ:出血リスクの少ない抗血栓症薬 2007年4月18日、抗血栓症薬のフォンダパリヌクスナトリウム(商品名:アリクストラ皮下注1.5mg、同2.5mg)が製造承認を取得した。薬価収載後に発売される予定である。フォンダパリヌクスの適応は、「静脈血栓塞栓症の発現リスクの高い、下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制… 2007/05/24 循環器