反コロナワクチン派が引き起こした医療崩壊 辺境の地、アイダホ州の悲劇 前回は筆者が長年住む米国カリフォルニア州の病院が、コロナ禍でどのような活躍をしたかを書いた(関連記事:日米の「急性期」の役割と分担を徹底比較)。スタンフォード大学やカリフォルニア大学などの大学病院が100床以上あるICUをフルに稼働させたこと、そして中堅クラスの病院が100人を超える… 2021/11/04 医療提供体制
創造的破壊が鍛えた米国の病院 コロナ患者が日本の100倍の米国で病院が(かろうじて)持ち堪えているワケ 新型コロナウイルス感染拡大の第3波を受け、連日、「医療崩壊」の危機が叫ばれている。米国の100分の1の感染者数でなぜ、日本は危機を迎えているのか――。その根本的な要因を理解するには、今の米国の医療を支えている30年前に起きた「創造的破壊」を知ることが最も近道だ。 日本では連日のよう… 2021/01/25 医療提供体制
緊急寄稿◎現場を混乱させる学会のガイドライン 院内感染は責められるべきではない 無症状の人にPCR検査をすべきではない理由 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大する中、医療機関はパニックが続いている。無理もない。感染者が出てしまうと、病院の診療が停止してしまう状況に陥るからだ。 特に高度医療を担う大病院で感染者が出ると大問題だ。緊急で手術や処置が必要な急性腹症、心筋梗塞、脳卒中などの… 2020/04/17 医療提供体制
第4回 今さら聞けない診療報酬改定率の話~後編~ 公表されていない細部の重要な情報、読み解くのが困難に 前回は、診療報酬改定率の基礎的な知識についてまとめた。今回は、改定率の個々の数字について解説したい。前回も示したが、表1をあらためて見てもらいたい。これらの数字は非常に複雑だ。 表1の注意書きに記したように消費増税の影響、薬価制度改革の効果、さらに今回は別枠で救急病院の医師の… 2020/02/14 行政・制度
日経メディカル2012年12月号「スペシャルリポート 勤務医の処遇改善に薄日」転載 Vol.1 勤務医の給与引き上げ、事務作業補助者の導入進む 診療報酬改定のたびに対策が取られている勤務医の処遇改善だが、医療現場ではまだ実感に乏しいのが現状だ。ただ、給与の見直しや医師事務作業補助者の配置に乗り出す病院は確実に増えている。 2012/12/21 医師の職場環境
行政の裁量権を制限し、患者・医師の権利を守る必要性を主張 保険医取消訴訟で勝訴した溝部氏が健康保険法改正を訴える 「指導・監査・処分改善のための健康保険法改正研究会」は、2月23日に開催した記者会見で、健康保険法の改正の必要性を訴え、具体的な提言を行った。同会は、2011年に保険医取消訴訟で勝訴した溝部達子氏を中心に、代理人弁護士を務めた石川善一氏らが参加し、この日に発足した。… 2012/02/24 行政・制度
日大練馬光が丘病院「撤退」問題の現状(その2/2) 国枝さきの(日大光が丘病院の存続を求める区民の会副代表) 11月25日から4回にわたって、区主催の「引継ぎに関する住民説明会」が開かれました。いずれも夜間。患者さんやお子さんを抱えたご家族が簡単に出席できる時間帯ではありません。出席したのは、区と振興協会のみ。日大側の出席はありませんでした。… 2011/12/30 事件・話題
5年間お世話になりました。「勤務医よ、闘え!」最終回です。 2006年8月頃、日経メディカル オンライン編集部の担当者から「ブログを書いてみないか」とお誘いを受けた私は、「医療崩壊を阻止し、再生のために地域医療の現場から情報を発信できる良いチャンス」と考えて、そのお話をお受けしました。それから早いもので、もう5年が経過しました。… 2011/11/28 行政・制度
『日本の論点』で医師不足の背景を解説しました 2006年9月20日に始まったこのブログでは、日本の医療や医師を取り巻く様々な問題について意見を述べさせていただいてきましたが、いよいよ11月一杯で終了となります。恐らく次回の掲載が最終回になると思いますが、今回は、先日文藝春秋社から発行されたばかりの『日本の論点 THE ISSUES FOR JAPA… 2011/11/17 医師の職場環境
医師免許制度は必要ない?―フリードマンの名著に学ぶ 私は10年以上、年ごとに厳しくなる医療現場から、グローバルスタンダードと比較して日本の医師がいかに不足しているのか、なぜ医師養成数を増やす必要があるのかを、それこそ「痩せガエル」が柳の枝に飛びつくように、繰り返し、繰り返し訴えてきました。そのような私をきっと気の毒に思ったので… 2011/10/14 行政・制度
今こそ医師が再び起ち上がる時!~11月20日ドクターズ・デモンストレーション詳細が決定しました~ 東日本大震災で私が大変に印象に残った出来事の1つは、日本の避難住民の方々の落ち着いた対応が世界中から賞賛されたことです。 2011/09/07 行政・制度
11月20日東京開催のドクターズ・ウォークにご参加を! 今回の震災後、医療界は救急分野ではDMAT、日本医師会のJMAT、加えて日赤や私の所属する済生会等の病院団体、学会、さらに数多くの個人の医療者が、現地の医療を支える頼もしい動きが見えました。 2011/06/27 行政・制度
東京都知事選で応援演説 未曾有の大震災、その直後に目の当たりにした若者の無関心 千年に一度の大震災が起きたその時、私は仙台に向かう新幹線に乗るため、東京駅の地下コンコースにいました。地震によってすべての公共交通機関はストップし、私は避難所として開放された東京国際フォーラムのフロアの床に横たわって一夜を明かしました。… 2011/04/21 行政・制度
「スカパー!」で与野党議員に直訴してきました 超高齢化社会を目前にして、医療や福祉の充実の具体策策定が焦眉の急であるはずなのに、今も政局は混沌としたままです。そのような中、2月28日の夜8時過ぎから、都内某スタジオで、「黒岩祐治のメディカルリポート」という番組の収録にゲストとして参加してきました。番組では、現役与野党の国会… 2011/03/04 行政・制度
“甘い情報分析、遅い基本方針転換”の現場を見た! 先日このブログでご紹介した「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」が、1月28日(金)の午後2時から4時半まで、文部科学省で開催されました。今日は、当日ヒアリングを受けた立場から、印象に残った部分を速報します。… 2011/01/31 行政・制度
日本医学会総会2011●キーパーソン インタビュー 「疲弊している大病院の勤務医は機能分担と連携で救える」 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏に聞く 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、今年の日本医学会総会・特別企画で「病院の機能分担と連携」をテーマとしたセッションで司会を務める。医師不足、医療費抑制とともに「人口構造」「医療構造」の変化が、今日の医療崩壊を招いた原因と指摘する西澤氏。当日の議論では、「医療崩壊の根底にある… 2011/01/18 組織
日本医学会総会2011●キーパーソン インタビュー 「医療者と国民の英知を結集し、病院と勤務医の未来をひらく」 国立病院機構理事長の矢崎義雄氏に聞く 2011年は4年に1度の日本医学会総会が開催される年。4月8日から東京で開かれる第28回総会では、日本医学界の各領域のリーダーが集結し医療・医学に関する広範な講演、シンポジウム、展示を行う。日経メディカル オンラインでは日本医学会総会と連携し、今大会の目玉である特別企画「医療を語る」「… 2011/01/04 組織
日本消化器外科学会がYouTubeで配信したものとは? 医療再生のためには現場から情報発信をするしかない、と考え、全国で講演を行ってきた私ですが、医療崩壊阻止に関する医学会や大学の動きがあまりにも遅いことをずっと嘆いていました。そのような中、先日、日本消化器外科学会がYouTubeにチャンネルを開設し、市民の皆様向けの動画を公開してくれ… 2010/12/28 医師の職場環境
20年前の「サリバン長官エピソード」の真相 私は全国で講演を行う際に、日本の医療体制がどれだけ世界から遅れているかを示す例として、元長崎大学名誉教授の故高岡善人先生から教えていただいたエピソードを紹介しています。それは、「1992年、米国のサリバン厚生長官が日本の国立がんセンター(当時)を1週間視察に訪れたが、『米国民はと… 2010/11/29 行政・制度
日経メディカル2010年11月号「この人に聞く」(転載) 国民に負担増を求めるなら、医師は質担保の取り組みを 池上直己(慶応大医学部教授) 8月に出版した『ベーシック 医療問題』は改訂4版。1998年の初版から4年ごとに改訂を行い、2002年の2版は介護保険、3版は医療保険改革法案を受けて、大幅に書き直したそうです。最新の4版は政権交代や医療崩壊報道、高齢者医療制度見直しの議論などを踏まえた内容にしたという池上直己氏に、今後の… 2010/11/16 行政・制度
「国策に奉仕する医療」との決別を! 2009年10月31日に愛知県で開催された「患者の権利宣言25周年記念シンポジウム」の記録集の中で、九州大学大学院法学研究院教授の内田博文氏が、「医事法におけるパラダイムの転換―国策に奉仕する医療から国民の命を守る医療へー」と題して、素晴らしい講演をされています。以下に、内田氏の言葉… 2010/09/16 行政・制度
北海道に医療再生の可能性を見た 去る6月11日(金)から12日(土)にかけて、札幌コンベンションセンターで、医療マネジメント学会が開催されました。特別企画「医療崩壊から医療再生へ」のセッション全体を通じて私が再認識したのは、北海道は人口当たり医師数こそ全国平均より多いものの、何といっても土地が広大なため、地域格… 2010/07/05 医療提供体制
セルジオ越後氏が見た「日本サッカー界の危機」と医療崩壊 先月2月13日に、埼玉県県民健康センターで埼玉県医師会勤務医部会が開催されました。今回の会合は県内の勤務医が集まって埼玉の医療問題を話し合うことが目的でしたが、土曜の午後のせいか、忙しい勤務医はこのような活動に関心が低いためか、会場は閑散としていました。そんな中で印象深かったの… 2010/03/23 事件・話題
医療無料化を実現し、村民の命を守った男の物語 どのようにして医療崩壊を阻止しよう、ずっとそればかりを考えて活動してきました。そして現在の私の結論は、今の日本では、医療のみを再生することは不可能であり、医療、福祉、介護、教育のすべてを見直さなければ、というものです。そのためには、まず憲法第25条を守らなければなりません。先… 2010/03/08 事件・話題
本田です。twitter始めました。 医療崩壊を食い止めるため、いかに現場から正しいデータと生の情報発信をするか。その一心でこのブログを続けてきましたが、最近、私の病院の若手外科医に勧められて、私もいよいよtwitterを開始することにしました。… 2010/02/01 行政・制度
キーワードは「迷」―新しい年を読む 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。さて、このブログの年初のテーマは、やはり新しい年を読むということになります。せっかく新年のご挨拶をしたところで、ずいぶんと沈んだ表現になりますが、今年の流れも昨年に続き、漢字一字で表現すれば「迷」というこ… 2010/01/05 医師・患者関係
目指すは「パイの取り合い」からの転換―中医協委員就任にあたって 嘉山孝正(山形大学医学部長) 私は先月、診療報酬を決定する中央社会保健医療協議会(中医協)の委員に新任された。大学医学部からの就任は初めてのことである。今、引き起こされている医療崩壊の責任の一端は中医協の医療費の決めかたにあったのではないかと考えている。… 2009/11/25 行政・制度
『医療崩壊の真犯人』 「医師がワーキングプアになった理由」(10/27)には、多くのコメントをお寄せいただきましてありがとうございました。「日本では医療費増が困難」、「国民の理解を得られない」、「医師を増やすべきではない」などのご意見もまだまだ多く、正直気が滅入っていましたが、最近うれしい書籍を見つけ… 2009/11/18 医師の職場環境
政権交代と医師会の立場 加来裕(熊本市医師会副会長) 既に多くの場所で論じられているので、二番煎じの感は否めないが、今次政権交代と医療について論じたい。日医はこれまで、「医政無くして医療無し」「医政活動の中心は、時の政府・政権与党との交渉<ロビー活動>である」とされていた。にもかかわらずこの20年医療費は抑制され続け、特に小泉政… 2009/11/06 組織
医師がワーキングプアになった理由 私は医師、特に急性期の医療現場で働く勤務医の待遇改善は、医療安全のためにも当然不可欠な要素と考えています。しかし、いつも困ったことに感じるのは、時間給を見れば既にワーキングプアとさえいえる状態に追い込まれている勤務医自身が、医療制度や経済について正確な知識を持ち、改善のため… 2009/10/27 医師の職場環境
一体どこに医師が余っているというのか 全国で起きている医療崩壊の大きな背景には、日本が長年堅持してきた低医療費政策と、それを達成するための医学部定員削減、その結果としての医師の絶対数不足があることが知られるようになりました。既に医師増員の必要性は、医療が崩壊している地域の一般住民だけでなく、メディアや政治家の方… 2009/09/30 行政・制度
医療崩壊のウソとホント―国民が知らされていない現場の真実 私が医療崩壊の問題を世に問うために、『誰が日本の医療を殺すのか 「医療崩壊」の知られざる真実』を上梓したのは、ちょうど2年前、2007年9月のことでした。それまでは、自分が書籍を出版するなど想像だにしていませんでした。私が本を書こうと思ったきっかけは、『病院が消える 苦悩する医者… 2009/09/16 行政・制度
「いのちCHANGE いわきWITH YOU!」 総選挙からさかのぼること約10日、8月21日に、福島県のいわき市で、「医療崩壊はこうすれば防げる!」という講演をしてきました。当日のいわき市は、自民党・民主党の大物議員が入れ替わり立ち代わり演説に訪れて、まさに衆院選真っただ中という雰囲気でした。… 2009/09/08 医療提供体制
医療だけを良くしようとしてもとても無理だ つまずいても「生きていける国」へ 衆議院選挙は歴史に残る地滑り的な民主党の圧勝に終わりました。「政権交代がない民主主義は民主主義ではない」と講演で訴え続けてきた私にとっては、その政権交代を目の当たりにすることができて、まさに感無量です。 … 2009/09/02 行政・制度
誰がどう見ても「医師は働き過ぎ」 第2回となる今回のテーマ「医師は働き過ぎ?」については、日経メディカル オンライン(NMO)と日経ビジネスオンライン(NBO)で、全く同じ投票結果となりました。「働き過ぎですか?」との問いかけに対し、「Yes」が94%で、「No」が6%。前回の「医師は増員すべき?」においては、投票結果は正… 2009/08/25 医師の職場環境
医療再生の具体策について 平岡諦(健保連大阪中央病院) 現在の医療危機は「立ち去り型の医療崩壊」といわれている。勤務医が立ち去るため、病院の医療がなり立たなくなるのである。勤務医立ち去りの直接原因は、肉体的には過重労働・過労死の危険であり、精神的には医療ミスへの恐怖、および患者・家族からのクレーム・訴訟、検察の介入による精神的ダ… 2009/07/07 行政・制度
総選挙間近! マニフェストで問うべき3つの重要課題 医療崩壊の行方を決める総選挙が、いよいよ間近に迫ってきました。そんな中、去る6月初旬に、民間非営利の超党派シンクタンクである日本医療政策機構から、「医療政策国民フォーラム」の政策委員にならないか、と声をかけていただきました。そこで早速、6月11日と17日に全国町村会館で開催された… 2009/07/02 行政・制度
医学ジャーナリストの本音に迫る 「医学ジャーナリストを問う―衰退する検証力と発信力―」と題された公開シンポジウムが、5月23日に日本医学ジャーナリスト協会の主催で開催されました。この協会は、医療事故に関する名著『人は誰でも間違える―より安全な医療システムを目指して』の和訳を担当したことでも知られています。私は… 2009/06/19 事件・話題
医師増員署名は1万9000筆達成、今度は医療費増を! 2009年4月24日、共同通信社は「厚生労働省は24日までに、2010年度に必要な医学部定員の総数(防衛医科大を除く)について、本年度より約400人多い8900人程度とする推計をまとめた。将来的には総定員を1万1400人まで増やす必要があるとして、実現に向けた対策に取り組む方針」と配信しました。医療… 2009/05/28 医師の職場環境
『白衣のポケットの中』―医師のプロフェッショナリズムを考える 今回は、日本内科学会プロフェッショナリズム委員会のワーキンググループのメンバーが考え続けてきたプロフェッショナリズム論を一冊にまとめた『白衣のポケットの中』(宮崎仁・尾藤誠司・大生定義編、医学書院)をご紹介します。本書はプロフェッショナリズムの「すっきり」した部分と「もやも… 2009/05/01 その他
『厚生労働省崩壊』 いやはや、強烈な題名の本です。『厚生労働省崩壊』。さらに本の帯には「衝撃! 現役キャリア官僚が告発! 年金崩壊、失業者対策よりひどい『国民の安全も守れない』エリート集団の無能」とあります。筆者の木村盛世氏は、厚労省の現役医系技官です。一体なぜ、現役医系技官がこのような本を書い… 2009/04/30 行政・制度
厚労省が臨床研修制度改定のパブコメ募集中 地域医療と医師教育の崩壊を尻目に進む厚労官僚の思惑 上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授) 去る3月19日厚労省が臨床研修制度改定に関するパブコメ募集を開始しました。期限は4月17日までです。私はこれまで、平成16年度に導入された新臨床研修制度について問題を指摘し、同時に、今回の改定方針にも異議を唱えてきました(2月25日号「臨床研修制度をめぐる医系技官の思惑」・3月11日号「… 2009/04/01 医師のキャリア
締切迫る! 臨床研修制度パブコメに署名とご意見を 私が以前より懸念し、世に訴えていた日本の医師の絶対数不足は、各地の医療崩壊を引き起こし、その結果、ついに「臨床研修制度改定」にも大きな影を落とすに至っています。既に医学生による「医師のキャリアパスを考える医学生の会」が立ち上がっていることをご存じの方は多いと思いますが、彼ら… 2009/04/01 医師のキャリア
「朝まで生テレビ!医療崩壊」を視聴者はこう見た 先日は「朝まで生テレビ!」の「激論!ドーする?!医療崩壊」(2月27日放送)をご覧いただきましてありがとうございました。番組終了後、担当ディレクターさんから番組出演の礼状とともに、当日の視聴率などのデータをお送りいただきましたので、当日ご覧になれなかった方のためにもその概略をご… 2009/03/26 行政・制度
医療の危機(上):心の問題 訴訟と激務で産科医不足、社会思想含め見直しが必要 小松秀樹(虎の門病院泌尿器科) 社会にはさまざまな憂慮すべき問題が発生する。台風や地震のような自然災害、環境汚染のような文明社会の活動に付随するリスクがある。日本における医療崩壊現象は、これらとは異なり、人間の心の問題が大きい。… 2009/03/19 行政・制度
安心と希望と医療確保の千葉県 竜崇正(千葉県がんセンター センター長) 日本の医療崩壊が進行している。救急体制は崩壊し、安心して医療を受けられない時代になりつつある。今こそ医療崩壊から日本国民を救わなければならない。国に継続的な医療政策は無く、場当たり的な国の医療政策はすぐには変えられない。千葉県も医療に関しては無為無策であり。医療政策が無く、… 2009/02/26 行政・制度
現場から医学教育を叫ぶ!! 森田知宏、竹内麻里子、嶋田裕記(東京大学3年) 去る2月4日(水)、「明日の臨床研修制度を考えるシンポジウム」が亀田総合病院にて開催されました。テーマは医師の教育について。しかも制度論ではなく、医師を育てるためにどのような教育がいいのか、ということについて、様々な分野でご活躍なさっている先生方がディスカッションする珍しいも… 2009/02/20 医師のキャリア
日経メディカル2009年1月号「寄稿」(転載) 英国の医療改革に学ぶ 医療費を増やし、質の向上目指す 医療崩壊が叫ばれる現在のわが国の状況は、英国で労働党が政権を取った1997年当時とよく似ている。労働党政権の医療改革とその成果について、英国留学中の富塚太郎氏に寄稿してもらった。 2009/01/29 行政・制度
「医療崩壊」を防ぐために必要な二つの後方支援 平岡諦(大阪府立成人病センター血液・化学療法科) 結論から述べると、現在の「医療崩壊」の解決には、次の二点の法律改定が必要である。第1に、いわゆる「応召義務」規定を「医師法」から「医療法」に移し、「応召義務」の責任を勤務医個人から病院管理者(and/or開設者)に負わせること、第2に、「医療法」第3章;医療の安全の確保の項に、「勤務… 2009/01/19 行政・制度
本誌連動◇子どもを医者にしますか? 医学部人気は高まる一方 30年後は厳しい競争の世界か 医学部人気が高まる一方で、過重労働や訴訟の増加など医師を取り巻く環境の悪化を背景に、「子どもを医者にしたくない」という医師が目立つようになってきた。“医者の子”の職業選択事情をまとめるとともに、本誌が医師1000人を対象に実施したアンケート結果などを紹介する。… 2009/01/15 医師のキャリア
医師増員の呼びかけ人全国交流集会に参加しませんか 去る11月23日に、日経メディカル オンライン編集部の主催で、私と全国から集まった医学生10人による、医師増員に関する討論会が開催されました。私の印象では、当日参加された医学生さんの多くが、日本の医療崩壊を防ぐために、そして日本の医療提供体制を健全に発展させるためには医療費増額と医… 2008/12/16 行政・制度
「医療崩壊」と職業倫理 「医は仁術」、「応招義務」そして過労死 平岡諦(大阪府立成人病センター血液・化学療法科) 本稿では、「医療崩壊」の最重要原因である低医療費政策の結果である過重労働・過労死と、「医は仁術」、「応招義務」との関係につき考察する。「医療崩壊」の現場は主に病院であるので、主として病院勤務医についての考察である。… 2008/12/09 行政・制度
超高齢社会は日本のチャンス、それを活かすカギを握るのは医療界である 松田学(郵便貯金・簡易生命保険管理機構理事) 今、世界は未曾有の金融危機にゆさぶられ、日本でも経済社会の将来不安がますます高まっているが、そこに解決の道を開くカギは実は日本の医療界にある…ここまで言い切ると極論に聞こえますが、そこには少なくとも「風が吹けば桶屋が儲かる」よりももっと明確な因果関係があります。… 2008/12/04 行政・制度
放たれる市場原理主義医療 小鷹昌明(獨協医科大学神経内科) 2007年は医療崩壊にブレーキがかかるどころか、一層加速化された1年であった。たしかに"医療崩壊"という言葉はそこかしこで耳にするようになった。しかし現実には、言葉がひとり歩きしているとしか考えられない。声を大にして尋ねたい衝動に駆られてばかりの1年であった。… 2008/11/27 行政・制度
拝啓二階殿:兵庫県立柏原病院の小児科を守る会からの手紙 「モラルの問題」との非難、批判は妥当でしょうか? 丹生裕子(兵庫県立柏原病院の小児科を守る会代表) 私たち「県立柏原病院の小児科を守る会」は、兵庫県丹波市で、「子どもを守ろう、お医者さんを守ろう」をスローガンに活動しているグループです。市民を助けたいと思っている医療者と、助けてほしいと思っている市民の間に横たわっている溝を埋めようと、活動をしています。… 2008/11/14 行政・制度
私が二階経産相発言に憤りを感じなかった理由 妊婦の救急搬送受け入れ“拒否”(私はいつも受け入れ“不能”とメディアの方には説明しているのですが)の問題で、二階俊博・経済産業大臣が「入院受け入れ不可は医師のモラルの問題」と発言したことが報道されました。ほとんどの医療関係者は、既に日本の医療現場が、モラルの問題で解決できる… 2008/11/13 行政・制度
「医療再生のための工程表」義解 「医療崩壊」と「医療再生」 小松秀樹(虎の門病院泌尿器科部長) 医療の崩壊が続いている。2008年9月時点では、医療再生のための有効な対策は実行されていない。今後も医療崩壊は進むと予想する。 2008/11/11 行政・制度
医者にとってのインフォームド・コンセント 〔10/20 訂正〕 「医療崩壊」と職業倫理 平岡諦(大阪府立成人病センター血液・化学療法科) 現在の医療危機は「医療崩壊」(1)と呼ばれている。患者にも医者にも不幸な事態である。低医療費政策、患者からの不信感、および医師法第21条を介した検察の介入が主な原因と考えられる。その対応が模索されているが、後二者については職業倫理との関係も論議しておく必要があると考える。… 2008/10/17 医師・患者関係
現場の声を国会に届けよう! 医師増員のデモ行進にあなたも参加しませんか? 「医師がなぜ医師増員に反対するのか」に寄せられたコメントの中に、「医師会がストやデモもできないようでは、世の中は変わりません」というご意見をいただきました。私も同感です…と、偉そうに言ってはみたものの、私自身が医療崩壊阻止のために活動を開始したのはほんの10年ほど前であり、まし… 2008/10/08 行政・制度
医師不足は「経済問題」、ついにメディアも気が付いた 今まで私は8年以上、メディアの方々に情報提供をしてきました。当初私に取材を申し込んでくれたのは、新聞社ですと、「暮らし」や「医療」欄担当の記者さんがほとんどでした。しかし、卒後臨床研修制度が導入され、医師不足が各地で顕在化し、医療崩壊が話題となった数年前からは、社会部の記者さ… 2008/10/06 行政・制度
私は現場から繰り返し、繰り返し訴え続けていく 読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」出演を振り返って 前々回の本ブログで、9月14日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」への出演告知をしました。オンエアを見ていただいた方、どうもありがとうございました。一部、放送エリア外の方から、内容を紹介してほしいとのご要望をいただきましたので、かいつまんでご報告します。… 2008/09/30 行政・制度
医師がなぜ医師増員に反対するのか 2008.7.31のブログ「医師増員の署名活動を開始しました!」に、たくさんのご意見をいただきありがとうございます。 その中で「医学生:2008/08/03 21:22、15年以内に必ず医師過剰の時代が来ます。そのとき今やっていたことを悔やんでも遅いですよ。(中略)某国では医師が増えすぎて失業し、タク… 2008/09/12 行政・制度
急告! 9/14(日)読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」に出演します (9/12訂正) 大阪の読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」という番組から、「医療崩壊を取り上げるから出演してくれないか」とのオファーをいただき、9月5日の午後に急遽収録に参加してきました。 2008/09/09 行政・制度
マスメディアの「名義貸し」報道から地域医療の崩壊が始まった 上昌広(東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門) 医療崩壊は我が国の大きな社会問題となっています。マスメディアで医療崩壊、医師不足の話題が報道されない日はありません。政府・与党は、昨年の参議院選挙前には緊急的に医師確保、医師派遣といった対策を打ち出しましたが、医師派遣はわずか6人にとどまり、焼け石に水でした。また、医師不足に… 2008/08/18 行政・制度
「医療崩壊はこうすれば防げる!」 『誰が日本の医療を殺すのか ― 医療崩壊の知られざる真実』を昨年9月に上梓しましたが、一般市民や政治家など非医療者に対しては、講演会や論文投稿だけでなく、書籍という媒体による現場からの情報発信が大変に重要であることを再認識させられました。… 2008/07/02 行政・制度
EULARの女子高生研究者を見て思った。若手にもっとチャンスを! 欧州リウマチ学会(EULAR)では、若手から重鎮に至るまで女性研究者の姿が目立ちました。女性の閣僚も多く、機会均等が徹底している欧州ならではかもしれません。その中に今回、とびっきりの若手が登場し、注目を集めました。… 2008/06/23 医師のキャリア
「医師のことば」と「翻訳作業」 社会が「医療事故」に適切に対処しようとすれば、「厳罰化」による萎縮医療が進み、さらなる「医療崩壊」へ…?そんな加速的破局を食い止めるにはどんな方法があるのだろうか。 2008/06/23 医師・患者関係
李啓充氏から「日本の医療の現状を憂える諸先生方にメッセージ」 今回は、私が活動するずっと以前から、主に米国の医療現場と比較しながら日本の医療に警告を発していた、李啓充氏からのメッセージを紹介したいと思います。実は、私が「日本の医療崩壊阻止のために立ち上がらなければ!」と思ったきっかけを作ってくださったのは、李先生だったのです。… 2008/06/13 行政・制度
思いを綴った2冊の著書 今、医療者は何を考えどうするべきか 小鷹昌明(獨協医科大学神経内科) 「おたくの科の先生、こんなこと言っていましたよ!態度も良くないし、あれでは患者さんに失礼ですよ」「患者の入院と言われましても今は満床ですから、入院の必要な患者がいるなら誰か退院させるしかありません」と看護師からのクレームを聞かされる。… 2008/06/10 医師のキャリア
新しい医師団体が発足 全国医師連盟が設立集会、労働環境改善など重点目標に 全国医師連盟が6月8日、都内で設立集会を開催した。会員数は740人、平均年齢は45歳と若い。今後の重点活動項目として、「診療環境の改善」「医療の法的・倫理的側面の解決」「医療情報の発信」の3つを掲げている。… 2008/06/09 行政・制度
日本は「世界第2の貧困大国」なのか 5月27日、「構想日本」が主催するJ.I.フォーラムに初めて参加してきました。私がこのフォーラムに参加したのは、たまたまメーリングリストで見た今回のフォーラムのテーマが「日本は世界第2の貧困大国!?」で、まさに医療崩壊で悩んでいる私にとってぜひ聞いておきたい話題だったからです。… 2008/06/04 行政・制度
政治を動かせ!後期高齢者医療制度の撤廃に向けて 民主党が後期高齢者医療制度についてのヒアリングのために主催した「厚生労働部門会議(後期高齢者医療制度勉強会)」が5月7日、衆議院第一議員会館第1会議室で開催されました。私もお呼びいただいたので、医療崩壊を食い止めるために、と意気込んで参加してきました。… 2008/05/13 行政・制度
どげんかせんと、医療崩壊 新土居仁昌(毎日新聞福井支社 支局長) 蒙(もう)を啓(ひら)かれた思いがしました。20日に県自治会館(福井市西開発4)であった「医療崩壊」の問題を考える公開講座で、本田宏医師(53)の講演を聴いた感想です。講演のエッセンスは21日の福井面で紹介しましたが、この問題にもっと関心を持っていただきたいと思い、小欄でも取り上げ… 2008/05/07 行政・制度
確信犯なのか、ただの世間知らずなのか 川口恭(ロハス・メディカル発行人) 一般紙では全然報じられないと思うが、国会ではこんなこともやっている。呼び出された官僚は迷惑そうだ。でも、こちらとしたら、突っ込みどころ満載で意義深かった。司会は鈴木寛議連幹事長。まず仙谷由人・議連会長代行が挨拶。… 2008/03/30 行政・制度
医療崩壊はメディアの責任か? 医師・医療バッシング一辺倒だったメディアの報道が、2007年初ごろから少しずつ、医療崩壊の根底にある医師不足や低医療費についても扱うように変化してきたと感じています。私は講演のため全国を回っていますが、講演後の懇談などで「日本の医療を悪くした責任の多くはメディアにある」というよ… 2008/03/13 医療安全
0.38%の診療報酬アップでは“焼け石に水” 明けましておめでとうございます。昨年はテレビ出演や新聞の取材以外に、北は北海道から南は沖縄まで、なんと計90回も講演にお呼びいただきました。これこそが全国各地で医療が崩壊しているという明白な証拠だと思います。しかし私自身はかなり疲労困ぱい、年末年始に取れた休みも、それを解消す… 2008/01/10 行政・制度
「責めるべきは目の前の医師ではなく他にある…」 NHK長崎放送局が12月21日夜の生放送で企画した番組「長崎のこれから、長崎の医療 あなたは安心できますか?」に出演してきました。日本の医療史に特筆される長崎大学医学部のお膝元でさえ、医療崩壊が大問題となっていました。… 2007/12/28 行政・制度
天下の長野モデルまでが崩壊の危機! 「私は地元の産科がなくならないように署名活動をしてきました。でも、ついに産科がなくなってしまったのです。この子が将来、安心してこの地域で子供を産むことはできないのでしょうか」――乳飲み子を抱っこした母親が涙ながらに訴えました。… 2007/12/25 行政・制度
ラジオ番組「大竹の言い放題」で言いたい放題?! 先日、文化放送のラジオ番組「大竹の言い放題」で「消える産婦人科の病院」が取り上げられて、そこで「誰が日本の医療を殺すのか」の著者として私がコメントさせていただきました。火曜午後のラジオ番組ですから、恐らくこのブログをご覧になっている方は聴くことはできなかったと思いますので報… 2007/12/10 行政・制度
「勤務医の“医師会”を作ります」 全国医師連盟が発足、勤務医労働組合設立も視野に 「もはや、医師会や学会などの既存の組織に、日本の医療を任せておけない」──。そんな思いを募らせた勤務医のメンバーが集まり、勤務医の医師会ともいえる新組織を発足させようとしている。医療を脅かす様々な問題の渦中に置かれ、医療崩壊を肌で感じている彼らが、ついに行動を起こし始めた。… 2007/12/08 医師のキャリア
「医療者と道民のつどい」――札幌で盛り上がりました ブログでは文字数の制限もあり、いつも私が講演している全体像を一度でご説明できない関係で、私の提供する情報に対して種々のネガティブな感想を持たれる方がいらっしゃるのは仕方がないことだと思っています。… 2007/12/03 行政・制度
【緊急特別寄稿2】 小松秀樹が語る「日本医師会の大罪」 虎の門病院泌尿器科部長 小松 秀樹氏 医療事故調査委員会の第二次試案発表から15日目の07年11月1日、ほとんど報道されなかったが、日本の医療の歴史を大きく変えかねないような重要な会議があった。自民党が、医療関係者を呼んで、厚労省の第二次試案についてヒアリングを行った。日本医師会副会長の竹嶋康弘氏、日本病院団体協議会副… 2007/11/19 医療安全
「話せば分かる」―奈良県の集会で実感 私は今年も全国各地で講演をしています(週末などの勤務が休みの日を利用しているので、最近はほとんど休みがない状態です…)。去る11月6日も、産婦の救急受け入れ問題で全国的に注目された奈良県の保険医協会に声を掛けていただき、奈良市で開かれた奈良県保健医療福祉研究集会「『医療崩壊』と… 2007/11/16 行政・制度
【緊急特別寄稿】 小松秀樹が語る「医療に司法を持ち込むことのリスク」 虎の門病院泌尿器科部長 小松 秀樹氏 厚生労働省が10月17日、「医療事故調査委員会」設置に向けた試案を公表した。「医療崩壊」で医療への司法介入の問題点を指摘し、医療界のオピニオンリーダー的存在となった小松秀樹氏は、この試案に強く異議を唱える。試案のどこが問題なのか?医療事故調を議論する際に必要な視点とは?小松氏の… 2007/10/25 医療安全
生まれて初めてのデモ参加 先日、私のブログでご紹介した「医師・看護師ふやせ!ストップ医療崩壊!中央集会」に参加してきました。10月18日(木)午後1時、幸い晴天に恵まれた日比谷野外音楽堂には、全国から約5100人が集結し、医療崩壊をストップしようという熱気に包まれました。… 2007/10/22 行政・制度
医師・看護師増やせ!中央集会にあなたも参加しませんか 来る10月18日(木)午後1時から日比谷野外音楽堂で「医師・看護師ふやせ!ストップ医療崩壊!中央集会」が開催されます。平日の昼間の開催は少し残念ですが、もし皆さんの中でお時間が取れる方がいらしたら、ぜひ参加してください。… 2007/10/09 行政・制度
“情報操作”の現場を見た! 今年7月、外科系学会のシンポジウムに参加して、政府の“情報操作”の場面に出くわしました。そこには行政代表として財務省主計局のある官僚が参加していました。彼は、減少する公共事業予算と増加する社会保障予算を比較したグラフを示し、医療費増大を強調したのです。私はびっくりして、「日本… 2007/09/27 行政・制度
【日経メディカル Cadetto連動企画◆トンデモ研修医 今どきの指導医 Vol.4】 新臨床研修制度の光と影―医師953人のホンネ 本連載の最後に、2004年度から必修化された臨床研修制度に関する指導医・研修医953人の意見を一挙紹介する。指導医から多かったのは、「短期間では何も学べない」「研修医に責任感が生じにくい」との批判だ。… 2007/09/13 医師のキャリア
「誰が日本の医療を殺すのか」9月7日発売! 前回は「世界がキューバ医療を手本にするわけ」という書籍の案内をさせていただきました。引き続きで恐縮ですが、今回も一冊、新書を紹介させてください。9月7日発売の「誰が日本の医療を殺すのか 医療崩壊の知らざれる真実」です。… 2007/08/31 行政・制度
【日経メディカル8月号特集連動企画◆顕在化する医師の過労死Vol.1】 あなたは既に過労死水準 ここ数年、医師の過労死に関する労災申請や訴訟が目立って増えてきた。今や勤務医は、その大半が過労死の認定水準を超えて働いている。そして、医師を守るべき法令の不備が、この状況に追い打ちをかけている。… 2007/08/22 医師のキャリア
日本の医療を救う、三つの処方せん 日本病院会のセミナーで、“目から鱗”の素晴らしい講演に出会いました。演者は新潟大学脳研究所統合脳機能研究センター長で教授の中田力氏。中田氏は、今、日本の医療崩壊を食い止めるためには、以下の3点が重要だと指摘しました。1)医者になりたい人を医者にする(motivation):医学部を4年制と… 2007/08/20 医師のキャリア
日本病院会の幹部セミナーで基調講演をしました! 医療制度研究会の立ち上げに参加して丸8年、医療現場の情報を正しく伝えようと講演活動を開始して5年が経ちましたが、今回、私にとって大変光栄な、うれしい出来事がありましたので、ご報告させていただきます。… 2007/08/07 行政・制度
医療機関による紛争解決がADRの前提 早稲田大学大学院法務研究科教授 和田 仁孝氏 今年4月にADR法(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法)が施行され、医療の分野でもADR設立の動きが活発になりつつある。では、そもそもADRとは何か、どんな役割を担うことが期待できるのか、その問題点は――。ADRに詳しく、自身も「医療事故紛争処理機構」の設立にかかわる早稲田大学大学… 2007/07/23 医療安全
“現場の真実”を国民はもちろんメディアや行政に 当直明け通常勤務は94%にも上る――消化器外科学会の調査(7/23 訂正) 7月18日、第62回日本消化器外科学会定期学術総会が都内で開催されました。私は、「特別企画3 消化器外科医の医療環境をめぐって」を聞くために会場を訪れました。 2007/07/23 行政・制度
OECD、保健指標の最新版Health Data 2007を公開 欧州を中心とした先進国の国際団体である経済協力開発機構(OECD)は7月18日、保健医療指標の国際統計の最新版、「OECD Health Data 2007」を公開した。医療崩壊の危機が指摘される中、最も気になるのが、国民総生産(GDP)に占める保健医療支出のランキングだ。2005年の同指標では、日本はGDP比8… 2007/07/19 医療の質
遠隔医療が医療再生の一助になるか 前回は南極の基地内医務室のお話で、遠隔医療にふれました。今回は広大な土地で遠隔医療を育てようと頑張っておられる教授の話を中心に、遠隔医療のこれから、遠隔医療の可能性について考えてみたいと思います。… 2007/05/25 医療情報
Dr.コトーは今、医療の中心に このゴールデンウイークは、しっかりと自分の世界に沈潜しようと、遠くに出かけませんでした。そんなわけで参加の機会は持てませんでしたが、4月28日から30日とDr.コトー(ドクターコトー)の島にたくさんの医療者が集まりました。… 2007/05/11 行政・制度
産婦人科医も住民も産みの苦しみ、喜び ゴールデンウィークに入る少し前に、岩手県花巻市の市民団体「お産と地域医療を考える会」(新田史実子代表)が女性を対象に昨秋行った、出産と医療に対する意識調査の結果をまとめたというニュースに遭遇しました。このアンケートには、花巻市を中心に県内外の約500人から回答があり、産科医療過… 2007/05/04 産婦人科
4月の閲覧ランキング―最も読まれた記事は? 「骨粗鬆症の最新ガイドラインを読み解く」が第1位に 4月からスタートした新連載「骨粗鬆症診療の最新エッセンス」の第1回目、「骨粗鬆症の最新ガイドラインを読み解く」が4月の第1位でした。当連載は城西国際大学薬学部教授の和田誠基氏にお書きいただいており、毎回4~5ページと読み応えのある分量、内容になっている点が評価されたようです。その… 2007/05/01 その他
産婦人科医の悲鳴、不安、そして喜び このところ産科医療のみならず、全体的な医療崩壊の危機が叫ばれていますが、今回は産婦人科医たちの叫びについてわが体験を中心にお話します。3題噺風ですが、まずはその1から。数年前、ある地方に講演会にうかがったときのことです。単なる高いところからの時流紹介は演者の自己満足に陥り勝ち… 2007/05/01 行政・制度
日医総研のデータは医療崩壊を食い止められるか? 4月13日の夕方6時半から東京駒込の日本医師会館で、日医総研創立10周年記念市民公開講座が開催されました。私は、今後、日本の医療崩壊を食止めるためには、シンクタンクとしての日医総研の存在が欠かせない、と以前より考えておりましたので、当日は外科学会の最終日でしたが、学会は午前までの… 2007/04/27 行政・制度
私たちで守る地域医療――千葉県山武市にて 4月7日、千葉県山武市「のぎくプラザ」大ホールで、「私たちで守る地域医療」という講演会が開催されました。土曜の午後にもかかわらず、多数の聴衆が集まりました。山武市は人口約6万人、千葉県東方に位置しています。昨年5月に内科医が不在となり、医療崩壊の例として全国で紹介された国保成東… 2007/04/12 行政・制度
現役産科医が編み出した待遇改善の秘策 公立病院でも真っ当な勤務条件と給与を保証できるわけ 産婦人科医の不足で公立病院の分娩中止が相次ぐ中、現役産婦人科医が作った(株)やすらぎ医療サービス(兵庫県伊丹市)による、公立病院の産婦人科運営を一括して“請け負う”サービスが注目を集めている。公立病院の勤務医は公務員であるため、待遇・勤務条件は制約を受け、「通常40歳で年収120… 2007/04/10 医師のキャリア
特別企画●がん医療座談会 [07 Spring] 医療改革に現場から声を上げよう がん医療の分野では、患者の急増と医療行為の高度化が同時に進行している。一方で医療サービスを供給する側のシステム疲労も指摘されている。医療事故、医師の偏在、財政難、未承認医薬をめぐる患者団体と医療現場の意識のギャップなど、医療全般を視野に解決をはかるべき問題でもある。医療崩壊… 2007/04/05 癌
3月の閲覧ランキングー最も読まれた記事は? 「大学生が作ったわずか8坪の診療所」が第1位に 「大学生が作ったわずか8坪の診療所」は、開設準備も、また日々の運営も現役の大学生が中心となっている「コラボクリニック」(東京都新宿区)を取り上げた記事です。もちろん院長や診療を担うのは医師ですが、医療界の固定観念にとらわれない診療所づくりに高い関心が集まり、3月の第1位となりま… 2007/04/01 その他
1年間のご愛読に感謝します このブログを書き始めて、早いもので、もう1年になる。日経メディカル オンラインの開設と同時に掲載が始まり、この4月の1周年の再編で、私のブログは休憩に入ることになっている。シモネタは遠慮して、なるべく雑多な意見を書いてきたつもりだ。… 2007/03/29 医療の質
フランスの集中治療医の半数が“燃え尽き” 「医師の労働時間は大したことない」と国会で厚生労働省大臣が発言するような国で、医師の労働環境が守られるはずもない。 フランスではICUで働く医師を対象に、国家的に“医師の燃え尽き”を調査しているようである。その結果、約半数が“燃え尽き”ているとのことだ。日本でも国家的に調査など… 2007/03/24 医師のキャリア
医師の過労死から見えてくるもの 新聞やテレビで報道された通り、3月14日東京地裁で、中原利郎医師の自殺が過労死(労災)であると認定する判決が下されました。医師以外の職種でも、とうに過労死自殺、労災が認められる時代になっているならば、当然医師にも医療労働環境の劣悪さから過労死自殺、労災が認められてしかるべきと思… 2007/03/23 医師のキャリア
厚生労働副大臣、武見敬三氏と面談しました 私は医療制度、医療崩壊について講演を続け、このブログでも情報発信に努めてきました。これまで、特定の政党や団体を対象に情報発信を行ってきたわけではありませんが、現実に国会議員の立場で私の話をお聞きいただいたのは、民主党や共産党など野党の国会議員がほとんどで、政権与党の議員から… 2007/03/22 行政・制度
政策は力が作るのであって正しさが作るのではない 先日ご案内した第41回医療制度研究会が、2月10日に慶応義塾大学商学部教授の権丈善一氏をお迎えして開催されました。講演のテーマは「日本の社会保障と医療」でした。経済学から見た医療、そして社会保障という壮大なお話は、とてもブログ上で一朝一夕にまとめられるものではありませんが、今回は… 2007/03/08 行政・制度
1月の閲覧ランキングー最も読まれた記事は? 日経メディカル オンライン主催「第1回くすり検定」が第1位に 日経メディカル オンラインが主催した「第1回くすり検定」がトップでした。これは、過去の医師国家試験・薬剤師国家試験から厳選した医薬品関連の設問(一部内容を変更)にオリジナル問題を加えた計100問の中から、毎回ランダムに10問を出題して、医薬品に関する知識を試していただく企画です。検… 2007/02/01 その他
「罪のない忠実な一般の人民が最も気の毒であります」 今回は、私の母校、福島県立安積高校の大先輩の朝河貫一を紹介したいと思います。朝河は残念ながら日本国内ではそれほど有名ではありませんが、私の母校では学生時代に英語の辞書を1ページずつ食べてすべて暗記してしまった偉人として語り伝えられてきた人です。… 2007/01/31 行政・制度
「子供を医者に…」は子供が決める 前回ご紹介した「歩くスキー」の公開講座シリーズ。1月21日の回は、ちょうど大学入試センター試験の2日目で、キャンパスには受験生の姿が目立ちました。予備校に雇われたアルバイトが、受ける前から「うまくいかなきゃ、わが校に入学を」の宣伝パンフレットを手渡します。私も保護者と思われた… 2007/01/30 医師のキャリア
尊敬できる医師を育てるには この2週間で読んだ本の中で、「インテリジェンス 武器なき戦争」(手嶋龍一、佐藤優、幻冬舎新書)と「医療崩壊」(小松秀樹著、朝日新聞社)は興味深いものでした。医師教育、大学病院のあり方に思いを馳せました。… 2007/01/29 医師のキャリア
虎の門病院小松秀樹先生とジョイント講演しました 亥年が明けた1月13日の土曜日、「メディカルコンパス」がNPO法人に認定された記念講演会が、新宿の明治安田生命ホールで開催されました。講演会のタイトルはズバリ!「医療を崩壊させないために」でした。… 2007/01/23 行政・制度
2007年、皆様のご協力をお願いします 新春特別企画「医療放談2007」の「あなたの子供を勤務医にしたいですか?」にも多方面からご意見をいただきまして、ありがとうございます。この「あなたの子供を勤務医にしたいですか?」に送られたコメントに対する返信でも触れたのですが、昨年9月からこのブログを書き始めて、少し戸惑っている… 2007/01/15 行政・制度
医療崩壊から医療再生への転換なるか 日経メディカル オンライン編集長 橋本 佳子 「2006年の診療報酬改定には拍手喝采した。脳卒中の発症早期に手厚いリハビリをやることが重要だと考え取り組んできたが、それが評価されたから。これまでの努力が報われたと思っている」。旧知の石川誠先生のお言葉です。先生は、かの長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督の脳梗塞後のリハビリを担当し… 2007/01/01 行政・制度
【Cadetto通信◆vol.8】 「今なら?医者にならないね」(苦笑) 先生が今、医学部を卒業したとしたら、大学と市中病院のどちらで研修を受けますか? 『日経メディカル Cadetto』の取材の最後に尋ねると、その先生は少し間をおいた後、苦笑しながらこう答えました。「今なら?そもそも医者にならないね」。… 2006/11/15 医師のキャリア
【Cadetto通信◆vol.5】 医師の時給はたった708円? 「朝は7~8時に出勤で、日付が変わる前に帰れる日なんてほとんどなかった。あるとき、時給換算してみたら708円! 新人の看護師よりも安いなんてね、と同僚と笑っていた」。今は民間病院に勤務する卒後4年目のA医師は、大学病院にいた3年目のときの惨状をこう訴えていました。… 2006/11/07 医師のキャリア