大量出血は突然起こるため心の準備を 今回は、老衰と異なる経過で命が終わるパターンの3つめとして出血が起こる場合について説明します。がんの血管は通常に比べてもろく、また血流が豊富なので、ひとたび出血が起こると止められない場合も多くあります。そのため、出血によって命が続かなくなることもあります。出血部位については上か… 2016/10/19 癌
呼吸困難は予後が短いことを示す一つのサイン これまでの連載では、がんの患者さんで老衰とは異なる経過で命が終わるパターンとして、(1)肝不全 (2)呼吸困難 (3)出血 (4)頭蓋内病変――の4つについては特に知っておくべきだとお話ししました。今回は、2つめの呼吸困難が出現した場合についてご紹介します。 … 2016/09/27 ターミナルケア
老衰と異なる経過で死に至る4つのパターン これまでの連載で紹介してきたように、すべての臓器の力がバランスを保ちながらゆっくり低下していき、命を維持できないレベルにまで低下し、命が続かなくなった状態が老衰」です。これと比べるとがん患者さんの中には、特定の臓器に病気があり、それが直接的な原因となって命が終わることがあり、… 2016/08/03 癌
インタビュー◎中川義久氏(天理よろづ相談所病院) ステント留置後の抗血小板療法は個別化すべき 第二世代DESで遠隔期ステント血栓症は激減、DAPTの目的は二次予防へ 再狭窄率を劇的に減らした薬剤溶出ステント(DES)だが、予期せぬ“アキレス腱”となったのがステント血栓症だ。留置後数年たっても一定の割合で発生することから、長期間の抗血小板薬併用療法(DAPT)が必須とされた。ところが第二世代のDESの登場でステント血栓症のリスクが1桁も低くなったこと… 2015/07/23 循環器
Ann Intern Med誌から 心房細動患者へのNSAIDs投与は要注意 抗血栓薬とNSAIDs併用に重篤な出血と血栓塞栓症のリスク デンマークにおける心房細動(AF)患者を対象とする観察研究の結果、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)投与が重篤な出血と血栓塞栓症の独立した危険因子であることが示された。デンマークGentofte大学病院のMorten Lamberts氏らが、Annals of Internal Medicine誌の2014年11月18日号に報告した。… 2014/12/15 循環器
JAMA Intern Med誌から ダビガトランにワルファリン以上の出血リスク 米国における後ろ向きコホート研究の結果 実臨床において心房細動と診断され、ダビガトランまたはワルファリンを処方された患者を追跡し、様々な出血リスクを比較した結果、頭蓋内出血リスクはワルファリンの方が高いが、あらゆる出血と大出血のリスクはダビガトランの方が有意に高いことが示された。米Pittsburgh大学のInmaculada Hernan… 2014/11/27 循環器
2013年8月号特集◎誰もが診る 心房細動 Vol.3 65歳以上なら抗凝固薬で脳梗塞予防 抗凝固療法の適応をどう見極める? 出血というインパクトの大きいリスクを併せ持つために、抗凝固薬の適応の決定には慎重さが求められる。だが、新薬の登場で、裾野は確実に広がっている。 2013/08/21 循環器
第3回 抗凝固療法を始めるにあたって心得ておくべきこと(1) 出血を恐れる患者に抗凝固療法の利益をどう説明する? 指導医 今日は、当クリニックで唯一予約を取って行っている「心房細動外来」の前半の問診を担当してもらったので、レビューをしてみようか。患者さんをプレゼンしてください。 2012/06/21 循環器
BMJ誌から 妊娠初期の流産・子宮外妊娠の判定にプロゲステロン測定が有用 メタ分析の結果、3.2~6ng/mLのカットオフ値未満で子宮内胎児生存の可能性はほぼ否定 妊娠14週までの妊婦が出血または腹痛を訴えて受診し、超音波検査では確定的な結果が得られなかった場合に、血清プロゲステロン値の測定を行い、結果が低値であれば、正常な妊娠が進んでいる可能性を99.2%の確率で否定できることが明らかになった。26件のコホート研究のメタ分析の結果で、オラン… 2012/10/12 産婦人科
JAMA誌から 扁桃切除術の周術期ステロイド投与は術後出血を増やさない 扁桃切除術を受ける小児に広く用いられているステロイドが、術後の出血リスクを上昇させるかどうかを検証した無作為化非劣性試験で、ステロイドは臨床的に意義のある出血を増やさず、安全に使用できることが確認された。米Massachusetts Eye and Ear InfirmaryのThomas Q. Gallagher氏らが、JAMA… 2012/10/12 耳鼻咽喉科
日経メディカル2012年9月号「トレンドビュー」(転載) 抗血栓薬の休薬基準が緩和 内視鏡下生検やバルーン内視鏡も休薬せず可能に 今年7月、内視鏡処置時の抗血栓薬の休薬に関する新しいガイドラインが公表された。抗血栓薬を継続したままできる処置の範囲を広げ、内視鏡下生検や消化管ステント留置なども休薬せずに施行してよいとした。… 2012/09/27 循環器
NEJM誌から ラクナ梗塞の二次予防、アスピリンへのクロピドグレル併用効果は認められず アスピリン単剤と予防効果に差はなく出血と死亡が増加、SPS3試験の結果 ラクナ梗塞の二次予防を目的にアスピリンとクロピドグレルを併用しても、アスピリン単剤投与を上回る脳卒中予防効果は得られず、出血と死亡リスクが有意に上昇することが、カナダBritish Columbia大学のOscar R. Bernavente氏らが行った多施設無作為化試験SPS3で示された。論文は、NEJM誌2012年8… 2012/09/14 循環器
JAMA誌から ワルファリン使用者へのtPA投与、INR1.7以下なら非使用者と出血リスクの差なし 現行のガイドラインを裏付ける結果 組換え組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)の静注は、急性虚血性脳卒中患者の転帰を改善することが知られている。しかし、ワルファリン療法を受けている患者にtPAを投与すると、頭蓋内出血のリスクが上昇する可能性がある。米Duke Clinical Research InstituteのYing Xian氏らは、ワルファリン… 2012/07/04 循環器
JAMA誌から 糖尿病患者ではアスピリンによる出血リスク上昇見られず アスピリンの有無にかかわらず糖尿病は出血の独立した危険因子 心血管一次予防を目的に低用量アスピリン投与を受けている糖尿病患者の出血リスクは、アスピリンを使用していない糖尿病患者の出血リスクと比べて有意差がないことが、イタリアConsorzio Mario Negri SudのGiorgia Da Berardis氏らの研究で明らかになった。論文は、JAMA誌2012年6月6日号に掲載さ… 2012/06/13 代謝・内分泌
Thromb Haemost誌から 新規抗凝固薬はワルファリンよりも臨床的利益あり 脳梗塞と出血のバランスを考慮したモデル分析の結果 心房細動患者の脳卒中予防にダビガトランをはじめとする新規抗凝固薬を使用した場合の、出血リスクを考慮した正味の臨床的利益(net clinical benefit)を、臨床試験結果を用いたモデル分析で予測したところ、脳梗塞と出血のリスクがいずれも高い場合、新規抗凝固薬はワルファリンよりも臨床的利… 2012/04/04 循環器
Ann Intern Med誌から CKDへの抗血小板薬、利益はわずかで出血リスク上昇 36件の無作為化試験を対象に、初めてのメタ分析 慢性腎臓病(CKD)患者に対する抗血小板薬投与の利益とリスクを評価するために行われた初めてのメタ分析で、CKD患者が抗血小板薬から得る利益はわずかであり、出血リスクの上昇が予想されることが明らかになった。ニュージーランドOtago大学のSuetonia C. Palmer氏らが、Ann Intern Med誌2012年3… 2012/03/30 循環器
日経メディカル2011年12月号特別編集版「特集 様変わりする心房細動患者の抗凝固療法」転載 Vol.2 【リスク評価】投与患者の適切な選択がカギ 国立病院機構大阪医療センター臨床研究センター長 是恒 之宏氏 心房細動患者に抗凝固療法を実施する前には、出血性合併症のリスク評価が欠かせない。日本のガイドラインにはCHADS2スコア以外に、女性や冠動脈疾患といったリスク因子も盛り込まれており、多様な患者でリスク評価が行える。… 2012/02/02 循環器
日経メディカル2011年12月号特別編集版「特集 様変わりする心房細動患者の抗凝固療法」転載 Vol.1 【抗血栓療法】心原性脳梗塞は予防が重要 弘前大学大学院医学研究科循環呼吸腎臓内科学教授 奥村 謙氏 心原性脳梗塞は、主な原因となる心房細動に対して抗凝固療法を実施することで予防する。新たな作用機序の抗凝固薬が登場した最近の状況を踏まえ、抗凝固療法の重要性だけでなく、今後の治療のあり方や課題について聞いた。… 2012/02/01 循環器
Arch Intern Med誌から アスピリンの一次予防効果は出血リスクに相殺される 最新のメタ分析の結果、「日常的な予防的投与は支持されない」 アスピリンの使用によって非致死的心筋梗塞などの初回心血管イベントは予防できるが、そうした利益を超える出血リスク上昇が起こりうる―。そのような結果が、英St George’s University of LondonのSreenivasa Rao Kondapally Seshasai氏らが行ったメタ分析で得られた。論文は、Arch Intern Med… 2012/01/24 循環器
特集●“3時間の壁”を超える脳梗塞診療 Vol.2 t-PAの欠点を補う脳保護薬エダラボン ラジカル除去で脳血管内皮細胞を保護か? t-PAによる出血リスクは、t-PAによって血流が戻った際に発生するフリーラジカルが血管内皮細胞を破綻させることで生じる。この出血リスクを下げる効果があるとして、フリーラジカルを除去する脳保護薬エダラボンが再注目されている。… 2011/01/20 循環器
Lancet誌から 出血外傷患者の死亡リスクがトラネキサム酸で低下 約2万人を対象とした無作為化試験の結果(2011.4.12訂正) 出血している、または出血リスクの高い外傷患者にトラネキサム酸を投与すると、院内死亡と出血による死亡のリスクが有意に減少することが、世界40カ国で行われた無作為試験CRASH-2で明らかになった。論文は、Lancet誌2010年6月17日号に掲載された。… 2010/06/29 外科
日本胸部外科学会2010 高齢者の弁置換術、生体弁か機械弁か(2) 長期管理の観点からは抗凝固療法が障害に―循環器内科の主張 第63回日本胸部外科学会定期学術集会のシンポジウム「高齢者の機械弁/若年者の生体弁(tracking dataから)」では、テーマの1つとして高齢者の人工弁の選択が65歳で区切られていることの是非が議論された。心臓外科の主張に続き、本記事では循環器内科の主張とディスカッションを紹介する。… 2010/11/08 循環器
JAMA誌から 止血デバイスとビバリルジンの併用でPCI時の出血リスクが62%減 用手圧迫との比較、米国でPCIを受けた150万人についての検討 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う際の出血予防策として、止血デバイスとビバリルジンの併用が、用手圧迫のみの場合に比べて出血を有意に抑制することが、米Saint Luke's Mid America Heart InstituteのSteven P. Marso氏らの研究で明らかになった。ただし実際には、出血リスクの高い… 2010/06/21 循環器
Lancet誌から ACS後のリバロキサバン投与で出血リスクが上昇 得られた最適用量に基づきフェーズ3が進行中 急性冠症候群(ACS)発症後に抗血小板薬の2剤併用を継続していても、患者は心血管死亡や虚血性合併症のリスクが上昇した状態にある。米国Brigham and Women's HospitalのJessica L Mega氏らは、リバロキサバンを追加すれば虚血イベントのリスクを低減できるのではないかと考え、ATLAS ACS TIMI 46… 2009/06/29 循環器
外傷の処置(4)止血・デブリードマン 指先や顔面では組織の温存が基本 ほとんどの出血は、生理食塩水に浸した清潔なガーゼで圧迫することで止血できるが、出血が吹いている場合などは、モスキート鉗子などで結紮止血する。デブリードマンを行うかどうか判断に迷ったら、組織を大切に温存しておく方針をとった方が安全である。特に顔面は、血行が豊富で一見壊死に陥り… 2006/08/09 救急医療・集中治療 医師限定コンテンツ