リポート◎データで見る「心不全パンデミック」の実情 心不全による死亡はこの20年で2倍に 「あらゆる循環器疾患の終末像」にどう対応するべきか 心不全患者の急増はしばしば「心不全パンデミック」と表現され、その対策として新たな治療法の実用化や医療体制整備の必要性が叫ばれている。データを基に、なぜ感染症でもない心不全が「パンデミック」と呼ばれるのか、そしてなぜ今、心不全対策が喫緊の課題なのかをひもといていきたい。… 2020/03/09 循環器
インタビュー◎PCI時「高出血リスク患者」の国際基準を定義した理由 誰が「高出血リスク」か共通言語で語れる時代へ Philip M. Urban氏・上妻謙氏に聞く 各国のインターベンション医などで構成される学術研究コンソーシアム(ARC:Academic Research Consortium)が、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける患者が「高出血リスク(HBR:High bleeding risk)」であるかを判定する国際基準を定義し、EuroPCR 2019(5月21~24日、開催地:フラ… 2019/06/12 循環器
トレンド◎経口抗凝固薬と抗血小板薬の長期併用は過剰 心房細動合併PCI患者の抗血栓療法に新指針 心房細動(AF)を合併した冠動脈疾患患者に薬剤溶出ステント(DES)を留置すると、その後は長期にわたる経口抗凝固薬(OAC)と抗血小板薬の併用が求められる。ところが、これら抗血栓薬の併用は出血リスク上昇だけでなく生命予後も悪化させることが判明。欧米のガイドラインは3剤併用期間の大幅な… 2018/10/04 循環器
J Am Coll Cardiol誌から 左主幹部病変に対する第二世代DES、タイプにリスク差なし 臨床レジストリのデータを用いた解析結果 左冠動脈主幹部病変に対する第二世代の薬剤溶出ステント(DES)の有効性と安全性プロファイルをタイプ間で比較するために、3つの大規模な臨床レジストリのデータを用いた観察研究が行われた。解析の結果、全体的にタイプ間で標的血管不全のリスクに差はなかったが、プラチナクロム合金製エベロリ… 2018/03/12 循環器
Circulation誌から DAPTスコアは日本人でもPCI後の虚血・出血リスクを層別化可能 虚血イベント発生率はDAPT試験を大きく下回る 薬剤溶出ステント(DES)による経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に、2剤併用抗血小板療法(DAPT)を実施した日本人患者にDAPTスコアを適用したところ、虚血リスクと出血リスクを層別化できた。これは京都大学医学部附属病院循環器内科(木村剛教授)の芳川裕亮氏らによる研究結果であり、詳… 2018/02/26 循環器
Lancet誌から ステント内再狭窄のベストな治療法は? メタアナリシスによる答えは、エベロリムス溶出ステントか薬剤コーテッドバルーン 薬剤溶出ステント(DES)を用いた冠動脈インターベンション(PCI)は、冠動脈狭窄に対する標準治療だが、5~10%にステント内再狭窄が発生する。ランダム化比較試験に基づくネットワーク・メタアナリシスから、ステント内再狭窄への治療法として、DESを再留置するならエベロリムス溶出ステントを… 2015/09/03 循環器
インタビュー◎中川義久氏(天理よろづ相談所病院) ステント留置後の抗血小板療法は個別化すべき 第二世代DESで遠隔期ステント血栓症は激減、DAPTの目的は二次予防へ 再狭窄率を劇的に減らした薬剤溶出ステント(DES)だが、予期せぬ“アキレス腱”となったのがステント血栓症だ。留置後数年たっても一定の割合で発生することから、長期間の抗血小板薬併用療法(DAPT)が必須とされた。ところが第二世代のDESの登場でステント血栓症のリスクが1桁も低くなったこと… 2015/07/23 循環器
Ann Intern Med誌から DES後の長期DAPT、リスクを超越する利益なし DAPT試験を含む9つのRCTを統合したメタ解析の結果 薬剤溶出ステント(DES)留置後に長期の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を行うと、短期のDAPTと比べて心筋梗塞(MI)は1000人・年あたり8件少なくなるが大出血が6件増え、リスクを大きく上回る利益は得られないことが、ランダム化対照試験(RCT)のシステマティックレビューから示された。結果は5… 2015/06/23 循環器
BMJ誌から ステント留置後のDAPTは12カ月未満が安全 一部の患者には長期DAPTのメリットも、ランダム化試験対象のメタアナリシスで示唆 薬剤溶出ステント(DES)の留置後は、抗血小板薬の2剤併用療法(DAPT)を12カ月間行うことが推奨されているが、DAPT継続期間別に患者の転機を比較したメタアナリシスで、多くの患者では12カ月未満の方が安全であることが示唆された。… 2015/04/30 循環器
ピオグリタゾン、3年間の追跡でも心血管イベントが減少 DES留置の日本人2型糖尿病患者対象、J-DESsERT試験 薬剤溶出型ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた日本人の2型糖尿病患者においては、3年間の追跡研究でも、ピオグリタゾンの服用群が非服用群より、主要脳心血管イベント(major adverse cerebro-cardiovascular events;MACCE)が有意に減少したことが明らかに… 2015/04/28 循環器
lancet誌から 1年時点のシロリムスDESの優越性は5年で喪失 ゾタロリムス溶出ステントと直接比較したSORT OUT III試験より ゾタロリムス溶出ステントとシロリムス溶出ステントを比較したSORT OUT III試験の5年時点の比較で、両群間に有意差を認めないことが示された。デンマークAarhus大のMichael Maeng氏らが、Lancet誌電子版に2014年3月14日に報告した。… 2014/04/08 循環器
【TCT2012リポート】No.12 DESに生じた再狭窄の治療では、薬剤溶出性バルーンが優れる ISAR-DESIRE 3試験の結果発表 薬剤溶出性ステント(DES)に再狭窄が生じた場合の最適治療はまだ明確にされていない。薬剤溶出性バルーンを用いた治療は、ステント留置の追加を回避できる利点があるが、DES再狭窄の治療における役割はまだ明確になっていない。このため、ISAR-DESIRE 3(Intracoronary Stenting and Angiographi… 2013/02/12 循環器
【TCT2012リポート】No.11 非保護左主冠動脈主幹部病変を有する患者の転帰はZESとEESで同等 ISAR-LEFT MAIN 2試験の結果発表 非保護左主冠動脈主幹部(ULMCA)病変を有する患者において、第2世代の薬剤溶出性ステント(DES)であるゾタロリムス溶出性ステント(ZES)とエベロリムス溶出性ステント(EES)を比較したISAR-LEFT MAIN 2試験が、ドイツとイタリアの3施設で行われ、「転帰は同等」との結果が示された。ドイツ心… 2013/02/08 循環器
【TCT2012リポート】No.10 「DAPTの地域差は患者の特徴の差だけでは説明できない」 薬剤溶出性ステント(DES)留置後、ステント血栓症の抑制を目的として、DAPT(dual antiplatelet therapy、2剤抗血小板療法)を12カ月間行うことが推奨されている。しかし、DAPTの最適の継続期間、ステントのタイプ、病変、患者背景などに応じてDAPTを個別化すべきか、などの問題をめぐっては議論… 2013/02/06 循環器
【TCT2012リポート】No.9 80歳以上の狭心症患者で、BMSとDESを比較したXIMA試験の結果発表 標的血管血行再建と心筋梗塞の発生率はEESで有意に低下 80歳以上の狭心症患者において、ベアメタルステント(BMS)と薬剤溶出性ステント(DES)のエベロリムス溶出性ステント(EES)を比較したXIMA(Xience or Vision for the Management of Angina in the Elderly)試験の結果が発表された。それによると、1年の死亡率に差はなかったが、標的血管血行… 2013/02/04 循環器
【TCT2012リポート】No.5 CoCr-EES、SES、Res-ZESは効果が高く、CoCr-EESは安全性が高い 新規冠動脈病変に対して経皮的冠動脈インターベンション(PCI) を施行した患者において、耐久性ポリマー・ステントを使用した薬剤溶出性ステント(DES)とベアメタル・ステント(BMS)、あるいはDES相互を比較した無作為化臨床試験のメタ解析の結果が報告され、各種DESのうち、CoCr-EES、SES、Re… 2013/01/25 循環器
J Am Coll Cardiol誌から DES留置前のロータブレーションによりDESの有効性は向上せず 手技成功率は向上、ドイツのランダム化試験 石灰化した冠動脈病変を有する患者を対象としたランダム化比較対照試験で、薬剤溶出性ステント(DES)の留置前にルーチン処置として回転式粥腫切除術(RA)を行っても、DESの有効性は改善しないことが分かった。この結果は2012年12月13日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に掲載された。… 2013/01/17 循環器
日経メディカル2012年12月号特別編集版「脳心血管疾患の最新動向」【Pick up】転載 DES留置後の外科手術、抗血小板療法をどうする 薬剤溶出ステント(DES)留置後は、ステント血栓症を予防するために抗血小板療法が欠かせない。そのため、留置後に外科治療を行う場合は、出血リスクの考慮が必須だ。小倉記念病院は独自の周術期管理プロトコールを作成し、ステント血栓症や出血性合併症の予防に努めている。… 2013/01/09 循環器
【TCT2012リポート】No.1 大規模臨床試験J-DESsERTの1年までの結果発表 SESとPES、8カ月の標的血管不良は同等 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において、わが国で臨床使用可能な薬剤溶出型ステント(DES)は、シロリムス溶出型ステント(SES)とパクリタキセル溶出型ステント(PES)だが、その短期的・長期的臨床評価は定まっていない。そこで、わが国初の医師主導によるDESの大規模無作為化臨床試験… 2012/12/28 循環器
糖尿病で多枝冠動脈疾患へのCABG、PCI/DESよりアウトカム良好、FREEDOM試験で確認 糖尿病で多枝冠動脈疾患の認められる患者には、冠動脈バイパス術(CABG)の方が、薬剤溶出性ステント(DES)による経皮的冠動脈インターベンション(PCI)よりも、5年までのアウトカムは良好であることが分かった。これは、米Mount Sainai School of MedicineのValentin Fuster氏らが行ったFREEDO… 2012/11/06 循環器
創刊40周年記念 特別版「日経メディカルが伝えてきたもの」転載 Vol.2 【経皮的冠動脈形成術】手技の繊細さで日本のお家芸に DESの登場で外科手術に比肩 虚血性心疾患の治療に、なくてはならない技術となった経皮的冠動脈形成術(PCI)。当初は30~40%に再狭窄が見られたが、技術革新により今は数%にまで減少した。黎明期から現在まで、PCIの普及を支えた技術の進化を振り返る。… 2012/07/26 循環器
Circulation誌から 新世代DESは超遅発性ステント血栓症リスクが低い エベロリムス溶出ステントと旧世代DES2種の長期予後を比較 新世代の薬剤溶出ステント(DES)であるエベロリムス溶出ステント(EES)と、旧世代のDESであるシロリムス溶出ステント(SES)およびパクリタキセル溶出ステント(PES)におけるステント血栓症の発生を比較したところ、留置1年以降に発生する超遅発性ステント血栓症のリスクが、旧世代DESに比べEE… 2012/03/21 循環器
日経メディカル2012年1月号「今月のキーワード」(転載) 生体吸収性ステント 留置後消失、金属製の課題克服か 狭窄した血管を拡張するのに使用される金属製ステントは、永久に体内に残るため、(1)MRIやCTで病変を評価しにくい(2)バイパス手術の邪魔になる(3)遅発性ステント血栓症が生じる─などの問題を抱える。そこで、体内で吸収されるステントの開発が進められている。… 2012/01/16 循環器
Circulation誌から DES留置後のDAPT期間、半年と1年でTVFに差なし ただし糖尿病患者では1年継続群で有意減少 薬剤溶出ステント(DES)留置後に抗血小板薬併用療法(DAPT)を6カ月間実施した場合と12カ月間実施した場合で、主要な転帰に差はないことが、韓国で行われたランダム化比較試験で明らかになった。論文は、2011年12月16日付けのCirculation誌オンライン版に掲載された。… 2012/01/13 循環器
J Am Coll Cardiol誌から CRP高値はDES留置後の心血管イベントを予測 血小板活性高値との関連は認められず、韓国の医師主導型臨床研究 薬剤溶出ステント(DES)留置前後から抗血小板療法を受けた患者の血小板活性とC反応性蛋白(CRP)を測定し、約2年間追跡したところ、血小板活性高値と主要心血管イベントの間に有意な関連は認められなかったが、CRP高値と臨床アウトカムの悪化は有意に関連していた。従来のリスク因子にCRP高値を… 2011/12/28 循環器
本誌連動◇攻略!NSAIDs潰瘍 Vol.2 【Strategy1】予防薬を併用する NSAIDs潰瘍ハイリスク者ではPPI、H2ブロッカーの有効例も PPIが昨年、NSAIDs潰瘍再発予防の保険適用を取得した。リスクの低い患者はH2ブロッカーで十分とのエビデンスもある。小腸潰瘍では防御因子増強薬が有効との報告が出てきた。 2011/11/22 消化器
日本心臓病学会2011 糖尿病の影響、BMSに比べDESは軽度 3年の追跡で再狭窄率やTLRに差なし 2型糖尿病患者に対して経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う際、ベアメタルステント(BMS)ではなく薬剤溶出ステント(DES)を用いれば、慢性期の再狭窄率が非糖尿患者と変わらない程度に抑えられることが、多施設共同によるコホート研究から明らかになった。金沢大循環器内科の内山勝晴… 2011/10/27 循環器
日本心臓病学会2011 BioMatrix留置例、超遅発性ステント血栓症認めず 生体吸収性ポリマー採用した次世代型の薬剤溶出ステント 薬剤を放出するポリマーに生体吸収性物質を用いた次世代型の薬剤溶出ステント(DES)である「BioMatrix」を留置した自験例では、平均約3年間の追跡で超遅発性ステント血栓症の発生は1件もなかったと、倉敷中央病院循環器内科の重本義一氏らが第59回日本心臓病学会(JCC2011、9月23日~25日、開催… 2011/10/26 循環器
欧州心臓病学会(ESC)2011 BMSの長期予後に性差、女性で悪い傾向 all comersで行われたBASKET-PROVE試験のサブ解析結果 第33回欧州心臓病学会(ESC2011、8月27~31日、開催地:フランス・パリ)では、「循環器疾患における性差」がテーマの1つになった。わが国でも昨年、「循環器領域における性差医療に関するガイドライン」が公表されており、循環器疾患でも性差に注目が集まりつつある。… 2011/09/22 循環器
循環器プレミアム速報 生体吸収性スキャフォールドの臨床試験、日本で開始 湘南鎌倉総合病院が既に4例の狭心症患者に留置 湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)副院長の齋藤滋氏は8月23日、院内で記者会見を行い、生体吸収性スキャフォールド(bioresorbable vascular scaffold;BVS、いわゆる生体吸収性ステント)の国内初となる臨床試験を7月13日に開始し、これまでに4例の狭心症患者にBVSを留置したことを明らかにし… 2011/08/24 循環器
「サイファー」製造中止、次世代の「NEVO」も開発断念へ J&J社、薬剤溶出ステントから撤退 米ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)社は6月15日、グループ会社のコーディス社が販売する薬剤溶出ステント(DES)の「Cypher(サイファー)」および「Cypher SELECT+」の製造を年内に中止し、次世代型DES「NEVO」の開発も行わないと発表した。… 2011/06/17 循環器
JAMA誌から 米国でも血行再建術のトレンドはPCI優勢 CABG施行率は大幅減少、2001年以降の1000病院のサンプル調査 今回、米国ペンシルベニア大学の研究者らが2001~08年に全米で行われた血行再建術の件数や術式を調査したところ、総件数は横ばいであるものの、CABGの割合は大幅に減少し、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の占める割合が増加していることが分かった。この結果はJAMA誌5月4日号に掲載された… 2011/05/18 循環器
N Engl J Med誌から 血行再建後のQOLはPCIよりCABGが良好 1カ月後はPCI有利も6~12カ月後では逆転、SYNTAX試験サブ解析 SYNTAX試験(The Synergy between PCI with Taxus and Cardiac Surgery study)は、重症の冠動脈疾患患者を対象にDESを用いたPCIとCABGのアウトカムを比較した大規模ランダム化比較試験である。 2011/04/15 循環器
NEJM誌から 重症冠疾患における薬剤溶出ステントとバイパス、QOL転帰の差はわずか SYNTAX試験のデータを分析 重症冠動脈疾患患者に対し血行再建術を行う際に、薬剤溶出ステント(DES)留置術を選択した場合と、冠動脈バイパス術(CABG)を選択した場合とでは、QOL面での転帰はどのように異なるのだろうか。米University of Missouri-Kansas City (UMKC)のDavid J. Cohen氏らは、この疑問に基づき、先に行… 2011/04/08 循環器
JAMA誌から クロピド低反応例に倍量投与してもイベント減らず PCI後に血小板機能検査を行い標準用量と比較したGRAVITAS試験 薬剤溶出ステント(DES)留置後、クロピドグレルへの反応性が低い患者に対して標準用量の倍量のクロピドグレルを6カ月間投与したが、ステント血栓症や心血管死などのイベント発生率は標準用量を投与した場合と変わらなかった。この結果は、JAMA誌3月16日号に掲載された。… 2011/03/25 循環器
本誌連動◇進化する薬剤溶出ステント Vol.2 溶けて消えるDESも登場間近 新発想のステントが続々 従来の薬剤溶出ステント(DES)の欠点を克服すべく、ステントメーカーの間では開発競争が繰り広げられている。ステントそのものが体内で分解される製品も海外で使用可能になりつつあり、現場では大きな期待が寄せられている。… 2011/02/25 循環器
本誌連動◇進化する薬剤溶出ステント Vol.1 新製品相次ぎ市場激変のDES 国内第1号の「NOBORI」発売で2強時代へ? 安全性への懸念を払拭し、虚血性心疾患治療の主役の座に就いた薬剤溶出ステント(DES)。昨年発売された製品が市場を席巻したほか、間もなく国産第1号のステントが登場する。 2011/02/24 循環器
J Am Coll Cardiol誌から DES留置後の抗血小板療法、3剤併用に優位性なし 退院時のVerifyNow P2Y12値は血栓性イベントの予測因子に 薬剤溶出ステント(DES)留置後の予後改善に、従来の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)にシロスタゾールを追加した3剤併用療法(TAPT)が有用である可能性が報告されていたが、明確な結論は得られていなかった。… 2011/01/31 循環器
【AHA 2010リポート】No.1 DESの安全性に対する危惧を否定――BASKET-PROVE試験 薬剤溶出性ステント(DES)留置症例では、ベアメタルステント(BMS)留置症例に比べて遅発性ステント血栓症の発症率が高いとする研究結果が報告され、数年来、大きな問題とされてきた。実際、2003~2004年にかけて行われたBASKET試験では、1施設826例を対象に、DES留置症例とBMS留置症例が3年後ま… 2010/12/28 循環器
Circulation誌から ステント血栓症の患者特性は発症時期で異なる 発症時のTIMI血流分類や死亡率にも差、RESTARTレジストリー シロリムス溶出ステント(SES)留置後に発生したステント血栓症(ST)の国内レジストリー「RESTART」を利用して、STの発症時期別に後ろ向き解析を行ったところ、ベースライン時の患者群特性やTIMI血流分類、累積死亡率は発症時期によって異なることが分かった。この結果はCirculation誌7月6日号に… 2010/08/06 循環器
J Am Coll Cardiol誌から 冠血流予備量比の測定効果はDES留置2年後も持続 死亡・心筋梗塞が血管造影単独より減少、FAME研究の2年成績 多枝冠動脈疾患に対して薬剤溶出ステント(DES)留置の適応を決定する際、血管造影に加えて冠血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)を測定する群と血管造影単独群に分け、アウトカムを比較するランダム化試験(RCT)の2年成績が5月26日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に掲載された。昨… 2010/06/18 循環器
NEJM誌から ステント留置後のクロピド・アスピリン併用、1年超えると利益なし 薬剤溶出ステント(DES)留置後、クロピドグレルとアスピリンの併用はいつまで継続すればよいのか。この疑問を検討した韓国ウルサン大学のSeung-Jung Park氏らは、12カ月を超えてこれら2剤を併用した場合と、アスピリン単剤に切り替えた場合とで臨床転帰を比較する無作為化試験を実施。12カ月を超… 2010/05/07 循環器
TCTリポート 6 DES留置後の2剤抗血小板療法(DAPT)の継続期間、1年以上かあるいは半年までか 米の心臓学会/心臓協会/冠動脈造影インターベンション学会(ACC/AHA/SCAI)の2005年ガイドラインでは、薬剤溶出性ステント(DES)留置症例のうち、出血リスクが高くない症例には、クロピドグレル75mg/日を1年間続けることが推奨されていた。しかし、2007年の改訂では1年以上の投与を考慮すること… 2010/04/08 循環器
AHAリポート 5 遅発性ステント圧着不良の主な原因は、術時のステント圧着不良と血管リモデリング 薬剤溶出性ステント(DES)による治療が行われた症例での晩期ステント血栓症(very late stent thrombosis)の発症率は、ステント圧着不良例において高いと報告されている。そこで、米コロンビア大のNing Guo氏らは、PCI後のステント圧着不良を血管内超音波(IVUS)によって調べ、遅発性ステント… 2010/04/05 循環器
新デバイス情報 日本メドトロニック、「エンデバースプリント」発売 日本メドトロニックは本日、デリバリー性能を高めた冠動脈用の新しい薬剤溶出ステント(DES)「エンデバースプリントコロナリーステントシステム」(以下、エンデバースプリント、写真1)を4月1日から発売すると発表した。… 2010/03/25 循環器
血管内皮形成を促すタミバロテン溶出ステント NIMS・東大ら開発、術後慢性期の抗血小板薬投与が不要となる可能性も 独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)生体材料センターは東大循環器内科、ニプロと共同で、抗血栓性と血管内皮形成機能を併せ持つ新しい薬剤溶出ステント(DES)の開発に成功した。同センター主幹研究員の田口哲志氏が、第9回NIMSフォーラム(2月17日、開催地:東京)でと発表した。… 2010/02/22 循環器
【冠動脈疾患 エキスパートインタビュー】 late acquired malappositionに対する抗血小板療法の実際 名古屋第二赤十字病院 循環器センター部長 平山治雄氏 近年、DES(薬剤溶出性ステント)留置術後に起こるVLST(遅発性ステント血栓症)の原因の1つとして、late acquired malappositionが注目されている。そこで、その病態とステント留置術後の抗血小板療法の実際について、名古屋第二赤十字病院の平山治雄氏(写真)にうかがった(日経メディカル別冊… 2009/12/14 循環器
Sendai/New Tokyo Live 2009 LMT分岐部病変へのPCIは"Keep it simple"が基本 IVUSガイドは必須、ローターブレーターも使える施設・術者であること 長く外科の領域とされてきた左冠動脈主幹部(LMT)病変は、薬剤溶出性ステント(DES)の登場によって、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のアプローチ対象となってきた。しかし、その分岐部病変へのPCIについてはいまだ最難関に位置づけられおり、いわゆるone stent法とtwo stent法のどちら… 2009/12/09 循環器
Circulation誌から 非保護左主幹部へのSES、分岐部病変は予後不良 入口部・体部病変は良好、j-Cypherレジストリーの3年時報告 非保護左冠動脈主幹部(ULMCA)にシロリムス溶出ステント(SES)を留置した場合の長期予後は、入口部・体部病変では良好だが、分岐部の主幹と側枝(回旋枝)の両方にSESを留置した場合は不良であることが分かった。SESの臨床成績を評価するために日本で行われた多施設の前向き追跡研究j-Cypherレ… 2009/11/11 循環器
薬剤溶出ステント、不利な証拠論議で使用量が急減 Drug-Eluting Stent Use Plunged with Evolving Evidence 薬剤溶出ステント(DES)留置後の遅発性ステント血栓症リスクを巡る論争が巻き起こった後、DESの市場シェアが30%縮小した。これは心疾患の実地医療でこれまでに見られた最も急激な変化だった、と研究者らは語った。… 2009/08/28 循環器
Circulation誌から DESのvery lateステント血栓症、原因は遅延型過敏性反応 ステントの不完全圧着の程度と吸引血栓中の好酸球数に相関あり 薬剤溶出ステント(DES)留置後の超遅発性ステント血栓症の原因が、ステント局所の過敏性反応による血管リモデリングである可能性が示された。スイスのグループによる研究結果で、Circulation誌8月4日号に論文が掲載された。… 2009/08/19 循環器
Circulation誌から ステント内再狭窄の治療はdrug-coated balloonで? 成績はDESと同等、2本目のステント留置避けられ抗血小板薬併用も短期間で済む 冠動脈ステント内再狭窄の治療において、drug-coated balloon(DCB)は薬剤溶出ステント(DES)に比べてlate lumen lossを有意に抑制し、臨床イベント発生率も低下させた。この結果はCirculation誌6月16日号に掲載された。… 2009/07/27 循環器
NEJM誌から 薬剤溶出ステントの方が1年間の再狭窄は有意に少ない HORIZONS-AMI試験の結果 ST上昇心筋梗塞(STEMI)でプライマリPCIを受ける患者を対象に、薬剤溶出ステント(DES)の安全性と有効性をベアメタルステント(BMS)と比較する無作為化試験を行った結果、治療から12カ月間の再狭窄と血行再建術施行はDES群で有意に少ないことが示された。心血管安全性には差は見られなかった。米… 2009/06/04 循環器
NEJM誌から 薬剤溶出ステントとベアメタルステントの長期転帰に差なし 再狭窄ハイリスク患者には薬剤溶出ステントがベター 薬剤溶出ステント(DES)またはベアメタルステント(BMS)のどちらを留置した方が、長期的な転帰は好ましいのだろうか。スウェーデンUppsala大学のStefan K. James氏らは、同国の冠動脈血管造影・血管形成術レジストリのデータを分析し、これらステントのいずれか1個だけを留置された様々な疾患の… 2009/06/01 循環器
N Engl J Med誌から DESの長期予後はBMSと同等、スウェーデンSCAAR 2007年の報告ではDESの予後が有意に悪く、DESの安全性論争に火 冠動脈ステントを1本留置した患者を対象に、薬剤溶出ステント(DES)を使用した群と従来のベアメタルステント(BMS)を使用した群の長期予後を比較したところ、死亡および心筋梗塞の発生は同等であり、再狭窄はDES群で有意に低いことがスウェーデンで行われた大規模な観察研究で分かった。この結… 2009/05/25 循環器
J Am Coll Cardiol誌から DESを適応外使用しても長期予後は悪化せず スウェーデンSCAARレジストリー4年間の追跡結果 薬剤溶出ステント(DES)を適応外の症例に使用しても(off-label use)、1~4年後の死亡および心筋梗塞の発生率はベアメタルステント(BMS)を使用した場合と同等であることが、スウェーデンで実施された大規模な観察研究でわかった。この結果は、J Am Coll Cardiol誌4月14日号に掲載された。… 2009/05/08 循環器
J Am Coll Cardiol誌から 高齢者へのDES対BMS長期成績、おおむねDESが優位 死亡は一貫してDESが低リスクだがMIリスクは12カ月超で同等に 高齢者における薬剤溶出ステント(DES)とベアメタルステント(BMS)の安全性と有効性を比較した長期間の大規模観察研究の結果が発表された。死亡、心筋梗塞のリスクはDESの方が有意に低かったが、脳卒中と大量出血でのDESの優位性はわずかで、再血行再建には差がなかった。生存率におけるDESの優… 2009/04/23 循環器
Lancet誌から 非急性冠疾患患者への第1選択は、薬物療法か、PCIか? 死亡と心筋梗塞リスクに対する効果は両者に差なし 急性ではない冠疾患患者に対する第1選択治療は、薬物療法か、経皮的冠インターベンション(PCI)か。この問いを検証するため、薬物療法と3種類のPCI技術を直接または間接的に比較するメタ分析を行った米国Tufts Medical CenterのThomas A Trikalinos氏らは、死亡と心筋梗塞のリスク低減においては… 2009/04/06 循環器
Society of Interventional Radiology 2009 薬剤溶出ステント:下肢虚血における玉虫色の結論 SIR: Drug-Eluting Stents: Mixed Results in Limb Ischemia 薬剤溶出ステント(DES)は、重篤な下肢虚血の治療において血管の長期開存性を改善したが、全体的にみた患者の転帰では、ベアメタルステント(BMS)と比較した長期の優越性は見られなかった――。米国サンディエゴで開催されたSociety of Interventional Radiologyで、ギリシャ・Patras大学病院の… 2009/03/31 循環器
新デバイス情報 日本メドトロニック、エンデバーステントの薬事承認取得発表 日本メドトロニックは3月30日、薬剤溶出ステント(DES)の「エンデバーコロナリーステントシステム」の薬事承認を3月24日に取得したと発表した。保険償還の手続き終了後、発売を開始する予定。 2009/03/30 循環器
DES留置後の抗血小板併用療法、癌治療のための短期中断は問題なさそう がん患者において、薬剤溶出ステント(DES)留置後、予定外の検査や手術などで抗血小板併用療法を短期間中断しても、ステント血栓症のリスクが大きく高まることはなさそうだ。3月20日から22日まで大阪で開催された第73回日本循環器学会総会・学術集会のプレナリーセッション「薬剤溶出ステントの… 2009/03/25 循環器
NEJM誌から 重症冠動脈疾患には薬剤溶出ステントよりCABG 欧米17カ国で行われたSYNTAX試験の結果 重症の冠動脈疾患を示す患者を対象に、薬剤溶出ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)のアウトカムを比較したSYNTAX試験で、CABGの方が複合有害イベント(全死因死亡、脳卒中、心筋梗塞、血行再建術再施行)の発生率が低いことが明らかになっ… 2009/03/25 循環器
J Am Coll Cadriol誌から LMTへのTAXUS対Cypher、2年後の予後に差なし 薬剤溶出ステントの治療成績はCABGに匹敵、ISAR-LEFT MAIN試験 非保護左冠動脈主幹部(unprotected LMT)病変に対して、パクリタキセル溶出ステント(PES)を留置する群とシロリムス溶出ステント(SES)を留置する群にランダムに分けて予後を比較したところ、1年後の主要心イベント累積発生率やステント血栓症発生率、2年後の死亡率、再狭窄率に有意差は認めら… 2009/03/23 循環器
Circulation誌から DES留置6カ月以降チエノピリジン投与に有益性見いだせず j-Cypherレジストリーの2年間の追跡結果 薬剤溶出ステント(DES)留置後に行う抗血小板療法で、チエノピリジン系薬剤とアスピリンの両方を中止すると遅発性のステント血栓症(ST)発生率が上昇するが、チエノピリジンのみを中止してもリスク上昇は見られず、留置6カ月以降のチエノピリジン投与に明らかな有益性は認められなかった。わが… 2009/03/09 循環器
N Engl J Med誌から 圧ワイヤーでPCIのアウトカムとコストを改善 冠血流予備量比によるステント挿入判定は血管造影単独より有用 薬剤溶出ステント(DES)の出現で多枝冠動脈疾患に対するPCIの頻度が増え、コストの問題や晩期合併症の問題などから、DESの適切な適応判定が極めて重要な問題となっている。オランダCatharina病院のToninoらは、DES(Endeavor、Cypher、Taxus)留置の適応判定に際し、血管造影単独と、血管造影に… 2009/01/26 循環器
J Am Coll Cardiol誌から SVGへの留置もDESがBMSに勝る、SOS trial 再狭窄のリスクが低く、再血行再建と標的血管不良も有意に減少 大伏在静脈グラフト(SVG)への留置症例を対象に、薬剤溶出ステント(DES)の1つであるパクリタキセル溶出ステント(PES)とベアメタルステント(BMS)の予後を比較したSOS(Stenting Of Saphenous Vein Grafts)試験の結果が発表された。12カ月の観察期間で、PESはBMSよりも再血行再建と標的血管… 2009/01/22 循環器
CMAJ誌から DES vs. BMS、3年後の長期予後は同等 1年目まではBMSより低リスクだが、その後リスクが増加する傾向に ベアメタルステント(BMS)と比較した薬剤溶出ステント(DES)の長期的な安全性を確認する目的で、3年間の追跡を行った前向きコホート研究の結果が発表された。留置1年後までは、全死亡、死亡と再血行再建ともにDES群の方がリスクは低かったが、その後イベントが増加し、3年後では全死亡は同等、… 2009/01/13 循環器
日本冠疾患学会2008 どう変わる、わが国のPCIガイドライン JSAPやj-Cypherなど日本人を対象とした臨床試験のエビデンスを重視 冠動脈インターベンション(PCI)のガイドライン改訂にあたり、JSAPやj-Cypherなどのわが国で行われた臨床研究のエビデンスをできるだけ盛り込むが、薬剤溶出ステント(DES)によるPCIの適応拡大など現在進行形の問題については慎重な記述にとどまる――。… 2008/12/15 循環器
Circulation誌から 糖尿病患者のPCI後の予後、DESの方が良好 約5000例の長期追跡研究で明らかに 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した糖尿病患者を、薬剤溶出ステント(DES)を使用した例と、従来のベアメタルステント(BMS)を使用した例に分け、長期成績を比較した結果、3年後の死亡率、心筋梗塞発症率、再狭窄率のいずれについてもDESの方が優れていた。この結果はCirculation… 2008/12/01
糖尿病患者では薬剤溶出性ステントがベアメタル・ステントよりも有益 糖尿病患者では薬剤溶出性ステント(DES)とベアメタル・ステント(BMS)のどちらが有益なのか――。この問いかけに1つの答えが出された。登録研究であるMass-DAC registryの結果、DESの方がBMSよりも有意に主要心疾患イベントの発生を抑制することが分かった。Brigham and Women's Hospital(米… 2008/11/12 循環器
NEJM誌から 急性心筋梗塞でもDESがBMSに勝る Propensity Scoreを用いたリアルワールドデータの解析結果 これまで、薬剤溶出ステント(DES)とベアメタルステント(BMS)を比較する多くの無作為化比較対照試験(RCT)は、急性心筋梗塞(AMI)を除外していた。AMIを対象にDESとBMSを比較したRCTは比較的小規模で(300~700症例)、追跡期間も1年以下と短かった。… 2008/10/29 循環器
欧州心臓学会2008 CABGに対するPCIの非劣性は証明できず、SYNTAX試験 LMTや3枝といったハイリスク症例では第1選択に踏みとどまったCABG 左冠動脈主幹部病変と3枝病変を対象に、冠動脈バイパス手術(CABG)に対する薬剤溶出ステント(DES)の非劣性を証明するSYNTAX(Synergy between Percutaneous Coronary Intervention with TAXUS and Cardiac Surgery)試験の1年目のデータで、DESの非劣性は証明されなかった。近年、CABGは低侵襲… 2008/10/15 循環器
ステント留置から別の手術実施までの最適待機期間 Study Suggests Optimal Wait Times for Surgery After Stenting 待機的な心臓以外の外科治療(noncardiac surgery;NCS)を実施する場合、患者がベアメタルステント(BMS)留置後なら90日間以上、薬剤溶出ステント留置後(DES)なら1年以上たってから行った方がよいとする研究結果が発表された。さらに、論文の共著者である米メイヨークリニックのCharanjit S. … 2008/10/07 循環器
Circulation誌から ST上昇型急性心筋梗塞においてもDESが優位に DEDICATION試験の結果、ただし心臓死は増える傾向に 薬剤溶出ステント(DES)は狭心症治療に対する効果は確立しているものの、プライマリーPCIとして施行されるST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)に対しての使用は、まだ知見が不足している。発症12時間以内のSTEMI患者においてプライマリーPCIは治療の選択肢の1つであるが、DESはいまだoff-label useで… 2008/09/09 循環器
日本心血管インターベンション学会2008 ステント血栓症の頻度は3年間で1.2%、j-Cypherレジストリー 発生率は低いが1年以降も減少傾向はみられず わが国におけるステント血栓症の累積発生率は3年で1.2%と欧米よりもかなり低いことが、j-Cypherレジストリーから改めて示された。だが同時に、発生率は1年以降も減少傾向がみられず、年率0.29%(ステント留置30日後から3年間の平均値)で発生していることも明らかになった。第17回日本心血管イ… 2008/07/10 循環器
小倉ライブ2008 ディベート「DESはすべての症例に使えるか?」 日本では血栓症の頻度は低いが、薬剤による未知の作用には不安も 循環器臨床医の「学会」ともいえる第25回小倉ライブ(実行委員長:小倉記念病院院長の延吉正清氏)が北九州市で開催され、初日の5月30日、「DESはすべての症例に使えるか」を巡ってディベートが行われた。「イエス」の立場をとったのは仙台厚生病院(仙台市青葉区)循環器科主任部長の井上直人氏… 2008/06/24 循環器
DES留置後のチエノピリジン系薬は6カ月以内が妥当か (4/9訂正) 薬剤溶出ステント(DES)の留置例において、遅発性ステント血栓症の予防のためにいつまで抗血小板療法(アスピリンにチエノピリジン系薬を併用)を続けなければならないかが議論になっている。今回、チエノピリジン系薬を6カ月を超えて継続することは、必ずしも有用ではないとする結果が、日本で… 2008/04/01 循環器
DES留置前の方向性冠動脈粥腫切除術の有用性を確認--PERFECTサブ解析 (3/31訂正) 非保護左主冠動脈(ULMCA)内の分岐冠動脈病変(BCL)に薬剤溶出ステント(DES)を留置する前に、方向性冠動脈粥腫切除術(DCA)を導入する方法で、有用性と安全性が確認された。多施設で行われた臨床試験PERFECT Registry(PrE Rapamycin eluting stent FlExi-CuT Registry)のサブ解析によるも… 2008/03/30 循環器
左主幹部への薬剤溶出性ステントはSESがPESより好結果 日本で使用できる薬剤溶出性ステント(DES)には、シロリムス溶出性ステント(SES、商品名:CYPHER)とパクリタキセル溶出性ステント(PES、商品名:TAXUS)の2種類があるが、左主幹部に対して両者を使用した場合を比較したところ、SESの方が3年間の心血管イベントの発生率が有意に少ないという結… 2008/03/29 循環器
AHA2007リポート(No.5) DES留置患者における遅発性ステント血栓 重要視される抗血小板療法による抑制 冠動脈疾患のステント治療では、遅発性ステント血栓症(Late ST:Late stent thrombosis)の克服が大きな課題となっている。そこで、2007年11月に、米国オーランドで開催された米国心臓協会・学術集会(AHA2007)の「Late Stent Thrombosis:Mechanisms,Modulators and Clinical Implications」の… 2008/03/26 循環器
TCT2007リポート No.11 新しい抗血小板薬の開発状況が明らかに 2006年3月の米国心臓学会で、薬剤溶出性ステント(DES)挿入例で遅発性ステント血栓症(LST:Late Stent Thrombosis)の発症率が高いことを示すデータが報告されて以来、DESの安全性に注目が集まっている。そこで「The Drug-Eluting Stent Summit, Part 2」のセッション「DES Controversies III, … 2008/03/03 循環器
TCT2007リポート No.10 DES挿入後におけるTATの有効性を報告 DES挿入患者における抗血小板療法において、シロスタゾールを加えた3剤による抗血小板療法(TAT:Triple Antiplatelet Therapy)の効果に関心が高まっている。そこで、韓国ウルサン医科大学のSeong-Wook Park氏は、DES挿入後におけるTATの効果を検討し、その有効性を報告した(演題名:Impact of … 2008/03/03 循環器
TCT2007リポート No.2 DES挿入例における遅発性ステント血栓症に 局所的要因と全身的要因が関与 「The Drug-Eluting Stent Summit, Part 2」のセッション「DES Controversies III, Adverse Drug-Eluting Stent Responses」で、スイス ジュネーブ大学のEdoardo Camenzind氏は、DESによる遅発性ステント(LST:Late Stent Thrombosis)の原因究明には、詳細な検討が必要であると訴えた。… 2008/03/01 循環器
TCT2007リポート No.1 DES挿入例における遅発性血栓症 原因究明には多面的な研究が必要 2006年3月の米国心臓学会で、薬剤溶出性ステント(DES)挿入例で遅発性ステント血栓症(LST:Late Stent Thrombosis)の発症率が高いことを示すデータが報告されて以来、DESの安全性に注目が集まっている。そこで「The Drug-Eluting Stent Summit, Part 2」のセッション「DES Controversies III, … 2008/03/01 循環器
BMSとDES、適応外使用にはどちらがよいか 適応外使用の場合にはBMSよりDES 近年、薬剤溶出ステント(DES)の適応外使用と有害事象の発生率上昇との関係を示唆する報告があるが、適応外の場合はベアメタルステント(BMS)と比べて有害事象は増えるのか。米国Pittsburgh大学のOscar C. Marroquin氏らは、DESまたはBMSの標準適応または適応外使用を受けた患者を1年間追跡し、… 2008/02/06 循環器
CABGとDES、長期的な臨床転帰はどちらがよいか 術後18カ月までの死亡や血行再建術再施行はCABGで有意に少ない 多枝病変を有する冠動脈疾患患者に対する冠動脈バイパス術(CABG)と薬剤溶出ステント(DES)について、術後18カ月間の死亡、死亡または心筋梗塞、血行再建術の再施行の頻度は、いずれもDES群で有意に高いことが示された。米国Albany大学のEdward L. Hannan氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年1月24日… 2008/02/06 循環器
薬剤溶出ステントによる血栓症をスタチンが抑制する可能性 薬剤溶出ステント(DES)による副作用として問題視されているステント血栓症を、スタチンが抑制する可能性を示唆する研究成果が発表された。東大循環器内科客員準教授の佐田政隆氏(写真)が11月29日、第15回日本血管生物医学会・学術集会のプレナリーセッションで発表した。… 2007/11/30 精神・神経
DESの問題解決に生体吸収性ポリマーや生分解性マグネシウムが有効 生体吸収性の高分子ポリマーをコーティングした難燃性マグネシウム製ステントを使えば、現在の薬剤溶出ステント(DES)の問題点を解決するステントにできる――。九大循環器内科准教授の江頭健輔氏(写真)は11月29日、第15回日本血管生物医学会・学術集会のプレナリーセッションで発表し、現在臨… 2007/11/30 循環器
薬剤溶出ステントは血管の中膜壊死を介して血栓症リスクを高める 薬剤溶出ステント(DES)は、有害事象の1つとして血管の中膜壊死を生じることがこのほど報告された。中膜壊死が生じると血管の弾力性が失われ、ステントの圧着不良も生じやすくなり、血栓症の発症リスクも高まるという。倉敷中央病院臨床研究センター臨床研究センターの井上勝美氏(写真)が11月2… 2007/11/30 循環器
新生内膜で覆われない部分があると血栓症発症リスクが高く 血管内視鏡で薬剤溶出ステント(DES)を留置した部位を観察すると、新生内膜で覆われていない部位が存在する症例が約50%であることが分かった。留置部に新生内膜で覆われない部位があることで、血栓症発症リスクが高くなる可能性が示唆された。大阪警察病院心臓センター部長の上田恭敬氏(写真)が… 2007/11/30 循環器
薬剤溶出ステントは低リスク患者ではコストに見合わず 費用総額の差はステントの価格に由来 薬剤溶出ステント(DES)はコストに見合う価値があるのか――。スイスBasel大学病院のHans Peter Brunner-La Rocca氏らは、日常診療における薬剤溶出ステント(DES)の長期的費用対効果を、ベアメタルステント(BMS)と比較した。ステント留置から18カ月間の主要な心イベント1件予防当たりの費用… 2007/11/27 循環器
新型薬剤溶出ステントの実力は? 2000例を対象に市販後調査を開始 冠動脈の血管形成術に使用する薬剤溶出ステント(DES:drug eluting stent)として、今年5月に保険適用となった「パクリタキセル溶出ステント(商品名:タクサス)」。このタクサスの日本における市販後調査の登録が7月末から始まったことを、東邦大大橋病院循環器内科准教授の中村正人氏が8月1日… 2007/08/07 循環器
【第39回日本動脈硬化学会総会・学術集会】 透析患者ではDESでも再狭窄率が高い 約半数で再狭窄が発生、慎重なフォローを 従来型のステントに比べて再狭窄が起こりにくいことから、現在では、冠動脈ステント留置術の約8割にまで使用されるようになった「薬剤溶出ステント」(DES:drug eluting stent)。しかし透析患者においては、DESを使用しても再狭窄率が高く、約半数で再狭窄を起こしていることが明らかになった。… 2007/07/23 循環器
薬剤溶出ステントとベアメタル・ステントの優劣は? NEJM誌が異例の特集、5本の論文掲載 薬剤溶出ステント(DES)はベアメタル・ステント(BMS)に比べ標的病変部血行再建術(TLR)を減らす反面、遅発性ステント血栓症は増えるという懸念は未だ消えない。これを重く見たNEJM誌は、2007年3月8日号に、DESとBMSのアウトカムを比較した5つの論文を掲載した。… 2007/03/23 循環器
DES留置後の遅発性ステント血栓症、日本人の発症率は低く 薬剤溶出性ステント(DES)では最近、遅発性ステント血栓症の発生を問題視する報告が相次いでいる。これに対して、日本で行われているj-Cypherレジストリーの中間報告では、遅発性ステント血栓症の累積発症率は、留置後2年間で0.63%と低いことが明らかになった。3月16日のセッション「薬剤溶出… 2007/03/17 循環器
ステント血栓症の30日以降罹患率は約4割 罹患率はシロリムスよりパクリタキセルの方が高い(3/8 訂正) 薬剤溶出ステント(DES)の安全性に関する最大の懸念が、ステント血栓症だ。日常診療においてシロリムス溶出ステント(SES)またはパクリタキセル溶出ステント(PES)の留置を受けた患者を追跡し、ステント血栓症罹患率を比較した結果、30日以内の発症は全体の6割、それ以降の発症が4割であること… 2007/03/07 循環器
クロピド長期投与はDES患者に有益 6カ月以上の投与で死亡や心筋梗塞の発生を抑制 薬剤溶出ステント(DES)とベアメタルステント(BMS)の留置を受けた患者で、クロピドグレルの使用の有無によるイベント発生率の違いを比較したところ、DES群では、クロピドグレルの6カ月以上の使用が有意な死亡率減少、死亡または心筋梗塞発生率の減少を引き起こすことが示された。米デューク大… 2006/12/11 循環器
1年アウトカムではDESが優位 ルーチン医療におけるDES使用を支持、3000人超の患者調査で裏づけ 薬剤溶出ステント(DES:drug eluting stent)と従来のステント(BMS:bare metal stent)を比較すると、DESの方が1年後のアウトカムが良好とする試験結果が、3000人超を対象とした米国の調査で明らかになった。米ロードアイランド病院のMatthew R. Voss氏が、11月14日の一般口演で発表した。… 2006/11/21 循環器
「薬剤溶出ステント検証 第2回」 抗血小板薬の確実服用で遅発性血栓症を防げ 第1回は薬剤溶出ステント(drug-eluting stent:DES)の普及について触れたが、DESであっても注意しなければいけない点はある。特に最近、問題になっているのが遅発性ステント血栓症(late stent thrombosis:LST)だ。昨年、米国心臓病学会(ACC)誌にロッテルダムのグループから発表された論文… 2006/06/12 循環器
【薬剤溶出ステント検証 第1回】 PCI症例に対する適応に大きな施設間格差 「『再狭窄さえ起こらなければいい』と症例を問わず薬剤溶出ステント(drug-eluting stent:DES)を用いる施設がある一方で、DESによる遅発性ステント血栓症(late stent thrombosis:LST)の発症を懸念し、極端に使用を控えている施設もある。だが、国内外のエビデンスを基に考えれば、DESの適応… 2006/06/12 循環器
シロリムス対パクリタキセルは有意差なし 薬剤溶出ステントの直接比較結果、新生内膜過形成の抑制はシロリムスが優る 冠動脈の新規病変治療で、シロリムスとパクリタキセルの2種類の薬剤溶出ステントを直接比較する前向きの大規模無作為割付試験の結果、術後8カ月の時点では再狭窄率に有意差がないこと、ステント留置から12カ月間の有害事象の頻度も同等という結果が得られた。ただし、新生内膜過形成を抑制する… 2006/04/17 循環器