HIVの曝露前予防は何のために? 前回述べたように、当院で初めてHIVのPrEP(曝露前予防)の導入を検討したのは2012年。当初は近畿厚生局から「個人輸入は認めない」と言われたために、希望者にはタイに渡航して現地の医療機関で処方を受けるように助言していた(なにしろ薬代は100分の1なのだ)。しかし、2020年の春頃から「東京… 2021/12/13 感染症
NEWS◎国立感染症研究所の調査で判明 コロナの影響か、新規AIDS患者が4年ぶりに増加 2020年のHIV感染者年間新規報告数が大幅に減少した一方で、AIDS患者年間新規報告数は4年ぶりに増加していたことがこのたび明らかになった。昨今、癌領域などで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による診療の遅れが指摘されているが(関連記事:パンデミックによる癌の診断遅れは日本… 2021/11/12 感染症
消化器Q&Aシリーズ《19》 内視鏡前の感染症検査で何を調べる? 頻度は? <総合診療科医>私が今まで勤務経験のある病院では、上下部問わず内視鏡検査前に感染症検査を行うことがほぼルーチンで行われていました。過去に感染症検査歴があっても、内視鏡検査のたびに採血を行っていることが多かったように思います。全ての日本人は一度は肝炎ウイルス検査を行うべきとされ… 2020/08/28 消化器 医師限定コンテンツ
【新薬】ドラビリン(ピフェルトロ) 主なNNRTI耐性HIVに阻害活性を示す新規NNRTI 2020年2月17日、抗HIV薬ドラビリン(商品名ピフェルトロ錠100mg)が発売された。本薬は同年1月14日に製造販売が承認、1月22日に薬価収載されていた。適応は「HIV-1感染症」、用法用量は「他の抗HIV薬と併用し、成人に1日1回100mgを食事の有無にかかわらず投与」となっている。… 2020/02/28 医薬品
【新薬】ドルテグラビル・ラミブジン(ドウベイト) 国内初、未治療HIVに対する2剤レジメン製剤 2020年1月22日、抗HIV薬ドルテグラビルナトリウム/ラミブジン(商品名ドウベイト配合錠)が薬価収載された。本製剤は同年1月14日に製造販売が承認された。適応は「HIV感染症」、用法用量は「成人及び12歳以上(体重40kg以上)の小児に、1日1回1錠を食事の有無に関わらず投与」となっている。… 2020/01/24 医薬品
【新薬】ダルナビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(シムツーザ) PIをキードラッグとする国内初の抗HIV配合剤 2019年7月3日、抗ウイルス化学療法薬ダルナビルエタノール付加物/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドフマル酸塩配合錠(商品名シムツーザ配合錠)が薬価収載された。本薬は、6月18日に製造販売が承認された。適応は「HIV-1感染症」、用法用量は「成人及び12歳以上かつ体重… 2019/07/19 感染症
【新薬】ビクテグラビル/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(ビクタルビ) 新規INSTIと既存のNRTI2剤から成る抗HIV薬 2019年4月8日、抗ウイルス化学療法薬ビクテグラビルナトリウム/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(商品名ビクタルビ配合錠)が発売された。本薬は、3月26日に製造承認、4月3日に薬価収載されていた。適応は「HIV-1感染症」、用法用量は「成人に1回1錠、1日1回経口投与」とな… 2019/04/19 感染症
【新薬】ドルテグラビル/リルピビリン(ジャルカ) 初のキードラッグ2剤併用レジメンとなるHIV感染症治療薬 2018年12月20日、抗HIV薬ドルテグラビルナトリウム/リルピビリン塩酸塩(商品名ジャルカ配合錠)が発売された。本薬は11月26日に製造販売が承認され、12月12日に薬価収載されていた。適応は「HIV-1感染症」、用法用量は「成人に1日1回1錠を食事中又は食直後に投与」となっている。… 2018/12/28 感染症
【新薬】リルピビリン塩酸塩/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩/エムトリシタビン(オデフシィ) HIV治療に新たな3剤配合のART治療薬登場 2018年8月29日、抗HIV薬リルピビリン塩酸塩/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩/エムトリシタビン(商品名オデフシィ配合錠)が薬価収載された。適応は「HIV-1感染症」、用法用量は「成人及び12歳以上かつ35kg以上の小児では1日1回1錠を食事中又は食直後に投与」。… 2018/09/14 感染症
【用量追加】ラルテグラビル(アイセントレス) インテグラーゼ阻害する1日1回服用の抗HIV薬 2018年6月14日、抗HIV薬ラルテグラビルカリウム(商品名アイセントレス錠600mg)が発売された。同成分は、既に2008年7月より400mg製剤が臨床使用されている。適応は「HIV感染症」、用法用量は「必ず、他の抗HIV薬と併用し、成人に1日1回1200mg(600mg錠×2)を食事の有無にかかわらず投与」となっ… 2018/08/17 感染症
厚生科学審議会感染症部会エイズ・性感染症に関する小委員会が報告 いまだに減らない「いきなりAIDS」 厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会エイズ・性感染症に関する小委員会で4月17日、2017年度のHIV・後天性免疫不全症候群(AIDS)速報値が報告された。2017年度における新規のHIV感染の報告数は昨年の1011件から微減の992件、感染に気が付かないままAIDSを発症した患者の報告数も昨年の437件から… 2018/04/20 感染症
癌とHIVだけじゃない!心不全も緩和ケアの時代 診療報酬改定で末期心不全が緩和ケア適応疾患に ガイドラインでは緩和ケア・終末期ケアを推奨 日本循環器学会の急性・慢性心不全ガイドラインが7年振りに改訂され、心不全の治療目標の中に緩和ケア・終末期ケアの推奨が盛り込まれた。また、2018年の診療報酬改定では、緩和ケアの適応疾患に末期心不全も加わった。緩和ケアの現場は、この2つの動きをどのように受け止めるべきなのか。… 2018/04/10 循環器
「ゲノム編集」でエイズが完治!? “奇跡の患者”から始まった、遺伝子治療の新潮流 狙った細胞に入らない、無作為にゲノムに取り込まれる、効果が一時的などの諸問題が克服されないために、今ひとつパッとしない遺伝子治療。ここへ来て、新たなブレイクスルーがもたらされた。ゲノムの「特定の1か所」に狙いを定めてDNAを切断し、その修復機構を利用して遺伝子を改変する「ゲノム… 2015/06/09 感染症
厚生労働省が2014年のエイズ発生動向を報告 新規HIV感染者、20代が過去最多に 九州の新規HIV感染者報告数が初めて100件を超える 厚生労働省のエイズ動向委員会は5月27日、2014年の1年間におけるエイズの発生動向を発表した。新規HIV感染者報告数は1091件で過去3位、感染に気づかずエイズを発症して報告された新規エイズ患者報告数は455件で過去4位だった。新規HIV感染者のうち20歳代は349件と過去最多で、12年ぶりに30歳代(3… 2015/06/02 感染症
【新薬】ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン トリーメク:耐性が生じにくい抗HIV薬の配合剤 2015年3月25日、抗HIV薬ドルテグラビルナトリウム・アバカビル硫酸塩・ラミブジン配合錠(商品名トリーメク配合錠)が薬価基準に収載された。本薬は同月16日に製造販売が承認されている。1日1回1錠を、食事の有無にかかわらず経口投与する。… 2015/04/03 医薬品
Ann Intern Med誌から 造血幹細胞移植ではHIVは完全に排除できず 抗ウイルス薬中止12~32週後に再発を確認、患者2人の観察研究の結果 同種造血幹細胞移植後、抗ウイルス薬投与を中止してもウイルスが検出されない状態が続いていた2人のHIV-1感染患者において、治療中止からそれぞれ12週後と32週後に再びHIV-1が検出された。米国Harvard大学のTimothy J. Henrich氏らが、Annals of Internal Medicine誌電子版に2014年7月22日に報告… 2014/08/18 感染症
Lancet誌から 1999年以降HIV感染者の死亡率は低下 ただし、HIVに関連しない癌による死亡率は増加傾向に HIV感染者の全死因死亡と特定の疾患による死亡率の1999年から2011年における変化を調べた結果、全体として死亡率が低下していること、AIDSとは直接関係のない心血管疾患や肝疾患の管理も良好になっていることが示された。ただし、AIDSに関連しない癌による死亡率は増加傾向にあった。英国Universi… 2014/08/11 感染症
厚労省のエイズ動向委員会が報告 新規エイズ患者、2013年は484人で過去最多 厚生労働省のエイズ動向委員会は5月23日、2013年1月から12月までのエイズの発生動向を発表した。新規のHIV感染者報告数は1106件で過去2位、感染に気がつかずにエイズを発症して報告された新規エイズ患者報告数は484件で過去最多だった。HIV感染者とエイズ患者を合わせた新規報告数は1590件で、こ… 2014/05/30 感染症
JAMA誌から 小児難治性クローン病にサリドマイドが有効 治療抵抗性患者への投与で6割以上が臨床的寛解に、初のRCTの結果 既存の治療に反応しない難治性クローン病の小児患者にサリドマイドを投与した初めてのランダム化比較試験(RCT)で、6割以上の患者が臨床的寛解を達成することが示された。イタリアInstitute for Maternal and Child Health IRCCS Burlo GarofoloのMarzia Lazzerini氏らが、JAMA誌2013年11月27日… 2013/12/11 アレルギー・免疫
厚労省は「HIV検査目的の献血は控えて」と強調 輸血後のHIV感染、もう1人の受血者は陰性 厚生労働省は11月29日、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した献血者の血液を輸血された80歳代女性について、HIVに感染していなかったと発表した。同じ献血者の血液を輸血された60歳代男性でHIV感染が確認されたため、検査していた。… 2013/12/02 感染症
「経験人数?数え切れないわ」と答える10代患者 エルヴィス・プレスリーやBBQで知られるテネシー州メンフィスは、私も8年を過ごし友達もたくさんいる心のふるさとです。ただ、不名誉なことに凶悪犯罪で毎年上位にランクインする街でもあります。そこには貧困という切実な問題がベースにあって、残念ながら、強盗、強姦、殺人、売春の類は珍しく… 2012/05/15 感染症
NEJM誌から 淋菌の多剤耐性化が急速に進行 CDCが現時点の推奨治療と今後の課題を示す 淋菌の抗菌薬耐性の獲得が進み、近い将来、治療の選択肢がなくなるのではないかという不安が高まっている。米疾病管理センター(CDC)のGail A. Bolan氏らは、NEJM誌2012年2月9日号のPerspectiveで、抗菌薬耐性獲得状況について解説、推奨される治療を示すとともに、医療従事者や公衆衛生担当者な… 2012/02/23 感染症
「押し入れから出てきた」人たち あなたの同僚や患者が同性愛者だったら 「押し入れから出てきた」といっても、ドラえもん(正確には引き出しですが)ではありません。こちらでは“coming out of closet” という言い回しがあります。日本でも「カミングアウト」という言葉はかなり使われているようなので、お分かりの方も多いと思いますが、意味するところは「同性愛な… 2012/02/16 事件・話題
「世界の中心」でホームレスを診る Homeless health in D.C. NPOのUnity Health Careは、“Medical Outreach Van”というサービスを行っており、ホームレスの人たちのプライマリケアをミッションの一つとして掲げていました。そのミッションに参加し、実際に体験して度肝を抜かれたエピソードをご紹介します。… 2012/02/08 海外
日経メディカル2011年10月号特別編集版「感染症予防と治療の最前線」転載 抗HIV治療は年々進化、長期コントロール可能に 東京大学医科学研究所附属病院感染免疫内科 鯉渕 智彦氏 「抗HIV治療ガイドライン」は年1回アップデートが行われており、今年度版は2011年3月に発表された。今回の改訂では、無症候患者の治療開始時期がより早期になった。また、さまざまな治療薬の開発により、適切な治療を行えば、AIDS発症を完全に抑制できるようになっている。… 2011/11/02 感染症
BMJ誌から HIV感染者の平均余命が過去12年間で15年延長 早期に治療を開始すれば一般の平均余命との差は5.4年、英国の研究 英国のHIV-1感染者の平均余命は、1996年から2008年の間に約15年延長し、特にCD4陽性細胞数が200~350個/mm3の段階で抗ウイルス薬の使用を開始したグループでは、一般英国人の平均余命との差が5.4年まで縮まっていることが、英Bristol大学のMargaret May氏らのコホート研究で明らかになった。論文… 2011/10/27 感染症
Arch Intern Med誌から HIV感染で心不全の発症リスクが増加 冠疾患のない集団を長期追跡、HIV感染自体が要因の可能性 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者は、非感染者と比べて心不全を発症するリスクが高いことが、米国退役軍人を対象とした後ろ向きコホート研究から分かった。HIV-1 RNA量が500コピー/mLを超える感染者の心不全発症リスクは非感染者の2.28倍に上った。この結果は、Arch Intern Med誌4月25日号に掲… 2011/05/10 循環器
梅毒、新規エイズ患者の報告数は増加が続く 日本では主な性感染症の報告数が減少傾向に 日本では、主な梅毒以外の性感染症(STD)が減少傾向にある。京都大健康医学系社会疫学教授の木原正博氏らが厚生労働省が定点観察している性感染症のデータを基に解析したところ、例えば2008年の淋菌の報告数は、ピークである2002年に比べて半減。性器クラミジアも、約30%減少している。… 2011/02/15 感染症
HIV感染症を拾い上げるコツ 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 専門外来医長 本田美和子 氏 HIV感染症はもはや、必ず死に至る病ではない。早期発見して介入すれば、エイズ発症を防げるようになってきた。しかし、感染初期に生じる症状はありふれたものばかりで、見逃されやすい。HIV感染の拾い上げ方や、発見後の治療やフォローについて、実際の症例を紹介しながら解説する。… 2010/12/27 感染症 医師限定コンテンツ
よく見られる性感染症とその鑑別 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 専門外来医長 本田美和子 氏 日常診療で出会うことの多い性感染症について、特徴、鑑別、治療法を簡潔に紹介する。 2010/12/22 感染症 医師限定コンテンツ
トラベル・メディシン 神戸大学 医学部附属病院 感染症内科・教授 岩田 健太郎 氏 海外における長期滞在を含め、旅行前の予防、治療に携わるのが旅行医学、トラベル・メディシンである。その具体的な診察の方法を解説する。 2010/07/20 プライマリケア 医師限定コンテンツ
Ann Intern Med誌から ED治療薬を使用する男性はSTD有病率が高い 処方の際は十分な注意を 勃起不全(ED)治療薬を使用する男性は、ED治療薬を使用しない男性に比べて性行為感染症(STD)の有病率が2.5倍を超え、特にHIV感染が多いことが明らかになった。米Harvard大学医学部のAnupam B. Jena氏らが行った、一般中高年男性を対象とした大規模後ろ向きコホート研究の結果で、論文はAnn Int… 2010/07/19 腎・泌尿器
よく見られる症状―発疹 県立宮崎病院 皮膚科 医長 古結 英樹 氏 日常診療においてよく見られる発疹について、その鑑別のポイントを解説する。皮膚は内臓の鏡といわれるほど内臓疾患と密接に関係しており、プライマリケアにおいてのプライマリ臓器ともいえる。問診する上での注意点、鑑別疾患に至るまでの要点をまとめる。 … 2010/05/18 プライマリケア 医師限定コンテンツ
NEJM誌から HIV-1ワクチンが一定の感染予防効果を示す 2種類のワクチンを用いてタイで行われた臨床試験の結果 安全で有効なHIV-1予防用ワクチンが強く求められているが、開発は難航している。タイ疾病管理センターのSupachai Rerks-Ngarm氏らは、プライム・ブースト法を用いて2種類の実験的なHIV-1ワクチンを健康な若い成人に投与し、その後のHIV感染率を偽薬群と比較する無作為化試験を行い、ワクチンの有… 2009/11/12 感染症
【新薬】プリジスタナイーブ錠400mg 耐性が生じにくいHIVプロテアーゼ阻害薬 2009年9月17日、抗HIV薬のダルナビル エタノール付加物(商品名:プリジスタナイーブ錠400mg)が発売された。適応症は、「HIV感染症」(治療経験のないもの)で、用法・用量は「成人に1回800mgとリトナビル1回100mgをそれぞれ1日1回食事中または食直後に併用投与。投与にあたっては、必ず他の抗HI… 2009/10/15 感染症
Retroviruses and Opportunistic Infections 2009 HIV感染はアテローム性動脈硬化リスクを上昇させる CROI:HIV Increases Risk of Atherosclerosis HIV感染は、アテローム性動脈硬化の危険因子であり、喫煙など従来から知られている血管リスクと同様に重要であることが明らかとなった。第16回レトロウイルスと日和見感染会議(the 16th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections)で、米カリフォルニア大ロサンゼルス校のCarl Gru… 2009/03/03 循環器
【新薬】シ-エルセントリ錠150mg マラビロク:HIVの接着・侵入を阻害する新系統薬剤 2008年12月25日、抗HIV薬のマラビロク(商品名:シ-エルセントリ錠150mg)が製造販売の承認を取得した。適応は「CCR5指向性HIV-1感染症」であり、用法・用量は「他の抗HIV薬と併用し、1回300mgを1日2回経口投与」となっている。… 2009/01/15 感染症
「定説」と「新説」 『安部英医師「薬害エイズ」事件の真実』を読んで 篠田将(東京大学医学部3年生) 「ある事柄について、定説があったが、そこに新説が提唱され、場合によってはその提唱された新説が定説に取って代わった」。これだけ聞いてもピンと来ないかもしれないので、いくつか具体的な例を挙げてみます。… 2008/12/05 行政・制度
Lancet誌から 期待のHIVワクチン、フェーズ2試験が早期中止に 抗原特異的なIFNγの産生は誘導するも、感染予防効果示せず アデノウイルス血清型5型(Ad5)をベクターとするHIVワクチンのフェーズ2試験の結果が、米San Francisco公衆衛生局のSusan P Buchbinder氏らにより報告された。Lancet誌2008年11月29日号に掲載された論文によると、前臨床試験とフェーズ1試験では、細胞性免疫を強力に誘導できることが示されてい… 2008/12/03 感染症
JAMA誌から 注射薬物使用歴があっても多剤併用療法の生存利益あり カナダの集団ベースの前向きコホート研究の結果 HIVに感染した注射薬物使用者(IDU)に強力な多剤併用療法(HAART)が適用される頻度は低い。IDUが悪習慣を継続する限り、HAARTの利益は大きくないと考えられているからだ。しかし、集団ベースの前向きコホート研究の結果、HAARTの生存利益はIDUにも同様に見られることが示された。カナダBritish … 2008/09/04 感染症
JAMA誌から 多剤併用療法でHIV感染者の死亡率が大幅に減少 感染5年以内の集団では非感染者と差のないレベルに HIV感染者と一般集団を比較した超過死亡率を推測した結果、1996年の多剤併用療法(HAART)導入以降、超過死亡率は大きく減少したこと、2004~06年には、性行為感染者の血清転換から5年間の超過死亡が、どの年代の感染者でもゼロになっていたことが明らかになった。英国Medical Research Councilの… 2008/07/25 感染症
【新薬】ラルテグラビルカリウム アイセントレス:新作用機序の経口抗HIV薬 2008年7月7日、HIV感染症治療薬のラルテグラビルカリウム(商品名:アイセントレス錠400mg)が発売された。本薬は、6月24日に製造承認を取得し、6月27日に薬価収載されている。適応症は「HIV感染症」で、他の抗HIV薬と併用することが定められている。… 2008/07/24 感染症
特集●旅行感染症の診かた Vol.3 オリンピック開催地・北京で気を付けるべき感染症は? A型肝炎に注意、強毒性エンテロウイルスが流行中 今年8月、北京オリンピックが開催される。日本からも多くの人が観戦に訪れるだろう。中国から帰国して体調不良を訴える患者に対してはどのような疾患を疑うべきなのか。また、日常診療の中で「これからオリンピック観戦に行く」という患者がいた場合、どんなアドバイスをすべきなのか。中国で気を… 2008/06/23 感染症
コルチコステロイドはさまざまな感染症に有効 活動性の感染症に対しては、免疫抑制や長期の合併症を避けるため、ステロイドの処方は避けるのが一般的。だが、Archives of Internal Medicineのレビューによると、コルチコステロイドは感染症の多くに有効で安全なようだ。HIV感染者およびCD4が少ない患者では、3週間以上の使用は避けるべきとい… 2008/05/28 感染症
「医療/公衆衛生×メディア×コミュニケーション」第7回 糸とマッチと新聞《2》 林英恵 前回は、インドのHIV/AIDSの状況、メディアや教育に関するターゲットとなる人たちのバックグラウンド、また、そのような中でどのようにヘルスコミュニケーションが展開されているのかについて書きました。その中で、ユニセフインド事務所が、いくつかある行動変容モデルのうちの1つを使用し、その… 2008/03/25 医師・患者関係
HIV感染者増加の対応策 下平滋隆(信州大学先端細胞治療センター) 現在、日本の輸血患者数は100万人以上。国民の100人に1人は輸血していることになります。たとえば国民の3分の1ががんで亡くなる時代ですが、輸血が最も必要とされるのもがん患者で、輸血血液の45%が使用されています。このように身近な輸血医療の安全性について、昨年来より国民意識が変わって… 2008/03/25 感染症
超多剤耐性結核菌の感染を効率よく減らすには 入院短縮、強制隔離よりも換気が高効率――南アのシミュレーション結果 多剤耐性結核菌(MDR)は、特にHIV感染率が高い国々で公衆衛生面に深刻な影響を与えている。しかもここ数年、第2選択薬にも反応しない超多剤耐性結核菌(XDR)の分離が増加し、急速に不安が高まっている。2012年までに発生するXDR症例を効率良く減らす方法を明らかにするために、南アフリカ共和国… 2007/11/08 呼吸器
「貧しさ」という問題を実感 ボストンに来るときに言われたことの1つが、「大学の道一本挟んで向こう側は危険だからあまり立ち入らないように」ということだった。この危険地帯のロキシバリーで貧困者への予防医療を積極的に行っている診療所を見学する機会があった。… 2007/10/05 医師のキャリア
結核は横ばい、超多剤耐性結核菌を懸念 WHOの結核対策の成果と課題 世界保健機関(WHO)は、2007年3月22日、世界規模で行われた活動によって、結核罹患率の上昇が止まったことを発表した。一方で、多剤耐性結核菌(MDR-TB)やHIVの共感染といった新たな脅威の拡大に警鐘を鳴らしている。… 2007/03/26 感染症
亀頭包皮切除はHIV感染リスクを半減 ケニアとウガンダで行われた無作為化試験の結果より 亀頭包皮切除(包茎手術)はHIV感染リスクを低減させるのか--ケニアとウガンダで独立して行われた無作為化試験の結果、包皮切除により感染リスクが半減することが示された。詳細はLancet誌2007年2月24日号に報告された。… 2007/03/05 感染症
メタンフェタミンやHIVの感染で脳の構造が変化、認知能力が障害される 米California大学San Diego校のTerry Jernigan氏らの研究グループは覚せい剤メタンフェタミンやHIVの感染によって人の脳の構造が変化し、認知能力の障害に関連している可能性を見出した。構造変化の機構が解明されれば新たな治療法の開発につながる可能性がある。成果はAmerican Journal of Psych… 2005/08/12 精神・神経
【エイズ国際会議速報】 オーラルセックスでコンドーム「使いたい」が7割、「使わない」が5割超 性風俗で働く女性、リスク知りながら雇用主や客に抗しきれない実態明らかに 性風俗サービスで働くセックスワーカーは、性感染症(STD)やHIV感染に関する知識を十分持っているのに、仕事場でのコンドームの使用率は低いという調査結果が報告された。背景には、客の希望や雇用主の要請に抗いきれず、使いたくても使えないという事情があることも浮き彫りになった。水島希氏… 2005/07/07 感染症
【エイズ国際会議速報】 HIV感染男性・非感染女性の夫婦に精子洗浄法+体外受精 8割が出産に成功、母子とも感染なし HIV感染男性と非感染女性の夫婦13組に精子洗浄法を用いた体外受精を行い、10人の女性が出産し2次感染もなかったと、新潟大学大学院医歯学総合研究科(産婦人科)助教授の高桑 好一氏らが、ポスターセッションで発表した。… 2005/07/06 感染症
【エイズ国際会議速報】 HIVは静かなツナミだ、今すぐに行動を UNAIDSアジア・太平洋地域事務局長が強い危機感表明 7月1日から、神戸で第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議が開かれている。その中で国連合同エイズ計画(UNAIDS)が発表したところによれば、アジア・太平洋地域では、現在HIV感染者は約820万人、毎年50万人以上がエイズで死亡し、120万人がHIVに新たに感染しているという。1日あたりにすれば… 2005/07/04 感染症
HIV、HBV、HCVに暴露した可能性のある人への対策、オランダの成功例 暴露リスク者の追跡、HIV予防的治療などを保健局に一本化 オランダAmsterdam市保健局感染症部門のGerard J B Sonder氏らは、病院外でHIV、HBV、HCVに暴露した可能性のある人への対処法が2000年に改良されたことを受け、その有効性を評価し、British Medical Journal誌4月7日号に報告した。… 2005/04/11 感染症
【日本エイズ学会速報】 軽視されがちな中高年女性のHIV感染、夫やパートナーの感染・発症で発覚が大半 中高年女性のHIV感染については、本人はもちろん、メディアや医療関係者もあまり重要視していない--。このような問題意識のもと、初診時に50歳以上だった女性のHIV感染症例を調べたところ、14例中8例(57%)もが、夫やパートナーの感染・発症をきっかけに感染が発覚していることが分かった。… 2005/12/01 感染症
【日本エイズ学会速報】 アナルセックスにおけるHIV感染リスクは大半が承知、だが実際はコンドームを使わない人が3割も 男性とセックスする男性(MSM)では、アナルセックスにおけるHIV感染リスクを大半の人が理解していたが、実際にはコンドームを使わない人が3割もいることが分かった。「自分自身が感染する可能性」をどれだけ身近に感じられるかが課題なわけだが、HIV感染者の手記を読んだ経験のある人の方がリス… 2005/12/01 感染症
米国33州で2001~2004年、約16万人が新たにHIV感染の診断 米国33州で、2001~2004年に新たにHIV(エイズウイルス)感染の診断を受けた人は、15万7252人、うち男性が71%を占めることがわかった。これは、米国疾病対策センター(CDC)が、毎週発行する罹患率や死亡率に関する報告書、Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)誌の2005年11月18日号で… 2005/11/28 感染症
HIV感染児への授乳は母親への感染リスクを15倍以上にする、イタリアからの報告 授乳は母から子への感染だけでなく、子から母への感染も引き起こすことがあり得るようだ。1998年にリビアの小児病院で発生した大規模なHIV流行で、子から母への感染が発生していた可能性が指摘された。 2005/11/15 感染症
性交直後のエイズ感染予防薬として期待、CCR5阻害剤の動物実験で感染率半減を確認――米国の研究 有効なHIVワクチンの開発を目指す努力は続いている。一方で、感染予防を目的として抗ウイルス剤を用いる試みも一部、臨床試験段階にある。米Tulane国立霊長類研究センターのRonald S Veazey氏らは、アカゲザルを使って、HIVの共受容体の1つであるCCR5を阻害する低分子薬CMPD167の感染予防効果を… 2005/11/07 感染症
HIV感染血友病患者の25年、死因の中心はHCV共感染による肝疾患に移行--英国研究 英国で血友病患者のHIV血清転換が初めて確認された1979年から、25年以上が経過した。英University College LondonのCaroline A Sabin氏らは、英Royal Free病院に通院していたHIV感染血友病患者の追跡を続けてきた。その記録は、抗HIV薬の多剤併用(HAART)によるエイズ発症およびHIV関連死の減少… 2005/09/22 感染症
成人男性の包茎手術はHIV感染リスクを減らす、RCTで確認、南アでの研究 成人男性における亀頭包皮切除(包茎手術=割礼)が、HIV感染リスクを大幅に減らすという新たな研究成果が発表された。仏国立エイズ研究機関(ANRS)が2002年から2005年にかけて南アフリカで実施した無作為割付比較対照試験(RCT)実験で判明、ブラジルで開催された第3回国際エイズ学会HIVの成因… 2005/08/02 感染症
【エイズ国際会議速報】 自分のHIV感染、パートナーに伝えるべきだが実際は難しい--大学生の意識調査 ほとんどの大学生は、自分がHIVに感染した場合、そのことをパートナーに伝えるべきと考えているが、実際に伝えるのは難しいとも認識している--。日本の大学生を対象とした意識調査で、彼らがHIV・エイズをどのように受け止めているのか、その一端が明らかになった。千葉県衛生研究所の柳堀朗子… 2005/07/08 感染症
【エイズ国際会議速報】 HIV合併結核感染者、低いアドヒアランスが薬剤耐性を増加、タイの調査 東南アジアは結核多発地域の一つ。免疫力が低下しているHIV患者では結核の発症率が高くなることから、HIV感染の蔓延により、さらに結核致死率が上昇しているといわれる。このため、神戸で開催されている第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議(7月1日~5日)では、HIVと結核に関するセッショ… 2005/07/04 感染症
【エイズを見直す】 HIV感染が増える背景に潜む、リスクの高い無防備な性行動 過去1年間の性的パートナーの人数に比例してリスクが高まる、不定期の性的パートナーあるいは金銭を介した性的パートナーとのセックス経験がある--。これは、都市部の性感染症(STD)専門クリニックを受診した男性患者の特徴の一端を表している。一般男性と比較した、京都大学大学院医学研究科… 2005/03/04 感染症
新規HIV感染者とエイズ発症者がついに1000人を突破 2004年(2003年12月29日~2005年1月2日)に新規にHIVに感染したか、またはエイズを発症した患者がついに1000人の大台を突破したことが、厚生労働省エイズ動向委員会の2004年第4四半期の報告により明らかになった。2003年の976件を超え、過去最高の報告数になる。国内のHIV感染者とエイズ患者の… 2005/02/01 感染症
【エイズを見直す】 日本の小児HIV感染者・AIDS患者にも、直面する緊急課題がある わが国には残念ながら、HIV感染児あるいは小児AIDS患者の全数調査などの制度がないことから、その正確な動向を把握するには困難が伴う。そのため、HIV母子感染児らが成長過程で直面する社会的な課題については、患者個人やその家族、あるいは医療関係者らに、解決を委ねてしまっているのが現状だ… 2005/01/13 感染症