学会トピック◎第10回臨床高血圧フォーラム 高血圧ガイドライン次回改訂に向けた議論始まる 数年後に改訂される見通しの高血圧治療ガイドライン。第10回臨床高血圧フォーラム(2022年6月18~19日、開催地:札幌市)において、次回改訂に向けての議論が行われた。現行の「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」の高血圧基準値や降圧目標を基本的には維持しつつ、新たに登場した治療薬や… 2022/06/22 循環器
学会トピック◎第82回米国糖尿病学会学術集会(ADA2022) 「2型糖尿病の高血糖管理指針」22年版案を公表 米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)が共同編集する「2型糖尿病の高血糖管理に関するコンセンサリレポート2022年版」のドラフトが、第82回米国糖尿病学会学術集会(ADA2022、会期:6月3~7日、ニューオリンズとオンラインのハイブリッド開催)で提示された。今後、6月21日まで募集する… 2022/06/14 代謝・内分泌
学会トピック◎第65回日本糖尿病学会年次学術集会 SGLT2阻害薬で治療開始した方が費用対効果良好 国保やCVD-REAL2日本人集団のデータから算出 新規に経口血糖降下薬を開始する2型糖尿病患者において、現状の薬剤選択パターンに基づいて治療薬を選択し投与する群と、全例にSGLT2阻害薬を投与する群を設定し、その費用と効果を10年間のモデル分析で比較したところ、全例にSGLT2阻害薬を投与する方が患者1人当たりの総治療費は約18万円削減さ… 2022/06/10 代謝・内分泌
学会トピック◎第82回米国糖尿病学会学術集会(ADA2022) グルカゴン/GIP/GLP-1トリプル作動薬が開発中 グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)、グルカゴンの3つの受容体に作用する薬剤(3受容体作動薬)が開発されているようだ。2022年6月3日~7日に開催された第82回米国糖尿病学会学術集会(ADA2022)で、サンファーマのRajamannar Thennati氏が… 2022/06/10 代謝・内分泌
学会トピック◎第82回米国糖尿病学会学術集会(ADA2022) 世界初の再生膵島移植、インスリン離脱例も 第1/2相試験での2症例を報告 世界初となるヒトへの再生膵島移植の結果が、第82回米国糖尿病学会学術集会(ADA2022、会期:2022年6月3日~7日)で報告された。発表を行った米マサチューセッツ総合病院のJim Markmann氏は「ヒト幹細胞由来膵島細胞の投与により、1型糖尿病患者のインスリン産生および血糖コントロールが回復した… 2022/06/09 代謝・内分泌
学会トピック◎第82回米国糖尿病学会学術集会(ADA2022) 抗肥満薬としてのGIP/GLP-1作動薬、体重2割減 チルゼパチドの肥満症を対象とした第3相試験SURMOUNT-1の結果 第82回米国糖尿病学会学術集会(ADA2022、会期:6月3~7日、ニューオリンズの会場とオンラインのハイブリッド開催)で米国エール大学のAnia Jastreboff氏らは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)の共受容体作動薬であるチルゼパチド(tirze… 2022/06/07 代謝・内分泌
学会トピック◎第50回日本血管外科学会学術総会 下肢静脈瘤のグルー治療、血管内治療の2割に 術後1年間の無再発率は92.8% 下肢静脈瘤に対するシアノアクリレート系接着材を用いた血管内治療(cyanoacrylate closure:CAC)の、我が国における治療成績が明らかになってきた。第50回日本血管外科学会学術総会(会期:5月25~27日、開催地:北九州市)でお茶の水血管外科クリニック(東京都千代田区)の広川雅之氏らは、自… 2022/06/06 循環器
学会トピック◎第24回日本病院総合診療医学会 病院総合診療専門医を目指す「あなた」へ 第24回日本病院総合診療医学会(2022年2月26、27日Web開催)でシンポジウム「病院総合診療専門医を目指す総合診療専門医への期待と提言」が開催され、5人の医師が登壇しました。学会並びにシンポジウム主催者のご理解のもと、動画とともにシンポジウムの内容を再構成してお届けします。病院総合診療… 2022/05/25 医師のキャリア
学会トピック◎第65回日本糖尿病学会年次学術集会 糖尿病患者の脂肪肝・肝癌チェック体制に課題 回答医師の57%は糖尿病患者からの肝癌発症例を経験 長野県の糖尿病専門医を対象としたアンケートから、糖尿病患者の脂肪肝・肝癌スクリーニングは必ずしも十分ではない現状が明らかになった。調査結果を第65回日本糖尿病学会年次学術集会(会期:5月12~14日、神戸市の会場とウェブ配信のハイブリッド開催)で発表した佐久市立国保浅間総合病院糖尿… 2022/05/24 代謝・内分泌
学会トピック◎第65回日本糖尿病学会年次学術集会 間葉系幹細胞がICIによる1型糖尿病発症を抑制 糖尿病モデルマウスを用いた研究結果 間葉系幹細胞(MSC)の投与により、免疫チェックポイント阻害薬による1型糖尿病の発症を抑制できる可能性が示された。2022年5月12~14日に開催された第65回日本糖尿病学会年次学術集会で、大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学の堀谷恵美氏らが発表した。 様々な領域の癌治療に用いられ… 2022/05/23 代謝・内分泌
学会トピック◎第65回日本糖尿病学会年次学術集会 SGLT2阻害薬投与で下肢切断リスク上昇せず レセプトビッグデータによる解析結果 我が国のレセプトデータベースを用いたビッグデータ解析から、糖尿病患者へのSGLT2阻害薬の投与に伴う下肢切断リスクの上昇は観察されなかったと、奈良県立医科大学糖尿病内分泌内科学講座の紙谷史夏氏ら(同大学公衆衛生学講座との共同研究)が、第65回日本糖尿病学会年次学術集会(会期:5月12… 2022/05/20 代謝・内分泌
学会トピック◎第65回日本糖尿病学会年次学術集会 eGFRcr>eGFRcysの患者は腎予後不良の可能性 TNF受容体1(TNFR1)高値が関連 血清クレアチニンから算出したeGFR(eGFRcr)の値と、血清シスタチンCから算出したeGFR(eGFRcys)の値が大きく異なる患者は少なくない。eGFRcrに基づいたGFR区分(以下「eGFRcr区分」と表記)がeGFRcysに基づいたGFR区分(以下「eGFRcys区分」と表記)よりも良好だった(腎機能低下が1段階以上軽… 2022/05/19 代謝・内分泌
学会トピック◎第65回日本糖尿病学会年次学術集会 2型糖尿病の薬物治療アルゴリズムを近く発表 エビデンスと我が国での処方実態踏まえ推奨を決定 第65回日本糖尿病学会年次学術集会(会期:5月12~14日、神戸市の会場とウェブ配信によるハイブリッド開催)で、同学会理事長の植木浩二郎氏(国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター長)は、2型糖尿病患者を対象とした薬物治療アルゴリズムをコンセンサスステートメントとして近く発… 2022/05/17 代謝・内分泌
学会トピック◎日本小児科学会が専門医調査の中間報告 小児専門医の職責と過重労働の実態が明らかに 週60時間以上勤務は4割、80時間以上も1割 日本小児科学会は2022年4月、小児科専門医に関する調査研究の中間報告をまとめた。全国3559人の回答から、小児科専門医が多様な兼務に従事し多彩な活動に取り組む実態が判明。一方で、約4割が週60時間以上、約1割が週80時間以上、勤務に従事していることも明らかになった。学会は、小児科医の職責と… 2022/05/16 小児科
学会トピック◎第24回日本病院総合診療医学会 総合診療医の身近なロールモデルを紹介します 「病院総合診療に興味があるが、周りにロールモデルがいない」「そもそもロールモデルになるような指導医ってどこにいるの?」。こんな声に応えるために、第24回日本病院総合診療医学会(2022年2月26、27日Web開催)でシンポジウム「Meet the fascinating general hospitalists!」が開催され、3人の… 2022/05/12 医師のキャリア
TOPIC◎熊本・陣内病院の研究チームが解明 インスリンクリアランス亢進型の糖尿病とは 日本人2型糖尿病患者において、インスリンクリアランスが亢進している症例が存在し、それは未治療2型糖尿病患者の約44%に上ることが判明した。熊本県の陣内病院(陣内秀昭院長)の研究チームが前向き観察研究で明らかにし、このほどNEJM Evidence誌で論文を発表した。インスリンクリアランス亢進型… 2022/05/09 代謝・内分泌
学会トピック◎第24回日本病院総合診療医学会 つまずきポイントから学ぶ臨床研究の極意 第24回日本病院総合診療医学会(2022年2月26、27日Web開催)で、シンポジウム「臨床研究の極意 by JUGLER─つまずきポイントから解決法を探る─」が開催されました。学会並びにシンポジウム主催者のご理解のもと、ここに動画とともに当日のシンポジウムの内容を再構成してお届けします。… 2022/04/27 医師のキャリア
学会トピック◎第122回日本外科学会定期学術集会 NCD risk calculatorは肺癌術後の長期予後も予測 肺癌患者の治療戦略構築に有用な情報提供 我が国の全国的な手術・治療情報データベース事業である「National Clinical Database」(NCD)では、手術予定患者の臨床データを入力すると周術期死亡や手術合併症のリスクを評価するrisk calculator(以下、NCD calculator)が提供されている。このNCD calculatorは、肺癌術後患者の長期予後の… 2022/04/22 呼吸器
学会トピック◎第71回米国心臓病学会学術集会(ACC.22) 腎デナベーション、3年後も血圧低下を維持 SPYRAL HTN-ON MED試験の3年成績 降圧薬を1~3剤投与しても血圧が十分下がらない本態性高血圧患者に対する腎交感神経除神経術(腎デナベーション)の、術後3年成績が明らかになった。SPYRAL HTN-ON MED試験の長期追跡結果で、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)による収縮期血圧(SBP)はシャム手術群に比べ10mmHg低く、有意差が保… 2022/04/13 循環器
学会トピック◎第71回米国心臓病学会学術集会(ACC.22) 経口第XIa因子阻害薬は“novel DOAC”になれるか asundexianの第2相試験PACIFIC-AF、結果は良好 血液凝固系の第XIa因子を阻害する、新たな抗凝固薬の開発が進んでいる。ドイツ・Bayer社が持つ経口第XIa因子阻害薬asundexianに関する第2相試験PACIFIC-AFの結果が明らかになった。心房細動(AF)患者を対象とした出血リスクは、asundexianの方が対照薬であるアピキサバンよりも有意に低かった。… 2022/04/11 循環器
学会トピック◎第71回米国心臓病学会学術集会(ACC.22) トラネキサム酸が非心臓手術後の出血リスク抑制 複合出血イベントが24%減、POISE-3試験 抗プラスミン薬として市販薬にも含まれているトラネキサム酸(商品名トランサミンなど)は、非心臓手術周術期の出血リスク抑制に有効であることが明らかになった。第71回米国心臓病学会学術集会(ACC.22、会期:4月2~4日、ワシントンDCの会場とウェブのハイブリッド開催)で、カナダ・マクマスタ… 2022/04/07 外科
学会トピック◎第71回米国心臓病学会学術集会(ACC.22) 米心不全診療ガイドラインが9年ぶりに全面改訂 症候性心不全の発症予防に注力、SGLT2阻害薬を推奨に追加 第71回米国心臓病学会学術集会(ACC.22、会期:4月2~4日、ワシントンDCの会場とウェブのハイブリッド開催)に合わせ、米国心臓病学会、米国心臓協会(AHA)、米国心不全学会の共同編集による「心不全診療ガイドライン2022年版」(2022 AHA/ACC/HFSA Guideline for the Management of Heart Failu… 2022/04/06 循環器
学会トピック◎第42回日本肥満学会 「肥満症診療ガイドライン2022」概要明らかに パブリックコメント募集し今夏に発表予定 第42回日本肥満学会(会期:3月26~27日、パシフィコ横浜とウェブのハイブリッド開催)で、編集作業が進む「肥満症診療ガイドライン2022」の概要を同ガイドライン作成委員長の小川渉氏(神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科)が解説した。現行のガイドラインは2016年に発表されたもので、… 2022/04/04 代謝・内分泌
学会トピック◎第47回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2022) 急性期脳梗塞の再開通療法、我が国の現状判明 一次脳卒中センターが中心的役割果たす 我が国で施行されている急性期脳梗塞を対象とした組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)静注療法の97%、血栓回収療法の98%は、日本脳卒中学会が認定する一次脳卒中センター(PSC)で行われていることが明らかになった。第47回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2022、会期:3月17~20日、大阪… 2022/03/29 循環器
学会トピック◎第86回日本循環器学会学術集会(JCS2022) 安定冠動脈疾患の診療ガイドラインが部分改訂 ISCHEMIA試験などの結果踏まえ診断アルゴリズムを改変 第86回日本循環器学会学術集会(JCS2022、会期:3月11~13日、バーチャル開催)で埼玉医科大学国際医療センター心臓内科の中埜信太郎氏が、新たに発表された「2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療」(右)の概要を説明した。2019年に発表されたISCHEMIA試… 2022/03/24 循環器
学会トピック◎第86回日本循環器学会学術集会(JCS2022) 伏見AFレジストリー、最長10年の追跡結果発表 バーチャル開催された第86回日本循環器学会学術集会で、国立病院機構京都医療センター循環器内科の赤尾昌治氏らは、伏見心房細動患者登録研究(以下、伏見AFレジストリー)の最長10年の追跡結果を発表した。同研究が始まった2011年は、最初の直接経口抗凝固薬(DOAC)であるダビガトランが国内で… 2022/03/22 循環器
トレンド◎Apple WatchによるAF検出率を高めるAIモデルが開発中 Apple Watchでの心電図記録、最適なタイミングは? 心拍変動を通知したり、心電図情報を記録したりする機能が、家庭用医療機器としての承認を得て話題となった腕時計型端末「Apple Watch」。このApple Watchを用いて心房細動をより効率的に検出するためには、心電図情報を記録するタイミングが非常に重要だ。身体活動が活発なとき、睡眠不足のとき… 2022/03/18 循環器
学会トピック◎第86回日本循環器学会学術集会(JCS2022) 国内癌サバイバーの心血管疾患発症率は? DPCデータを用いた大規模な後ろ向きコホート研究の結果 癌患者は抗癌薬の心毒性などにより心血管疾患のリスクが高いことが知られているが、国内の全国的なデータはこれまで報告されていなかった。2022年3月11~13日に開催された第86回日本循環器学会学術集会(JCS2022)で国立循環器病研究センター研究所予防医学・疫学情報部の村田峻輔氏が、我が国の… 2022/03/17 循環器
学会トピック◎第86回日本循環器学会学術集会(JCS2022) 「末梢動脈疾患ガイドライン」7年ぶりに改訂 内容を大幅に刷新、市民・患者向けに記述された章も新設 「2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン」が発表された(右写真)。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第6波のため完全バーチャル開催となった第86回日本循環器学会学術集会(JCS2022、会期:3月11~13日)で、同ガイドラインの研究班班長を務めた東信良氏(旭川医科大学外科学講座血管外科学… 2022/03/15 循環器
学会トピック◎第18回日本消化管学会総会学術集会 コロナによりピロリ除菌治療者数が4割以上減少 2020年のヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)除菌治療者数は、2019年と比較して約4割減少していたことが明らかとなった。2月11日から13日にかけて新宿区で開催されたGI Week 2022で、順天堂大学消化器内科の上田久美子氏は、ワークショップ「ピロリ除菌の諸問題」にて、新型コロナウイルス… 2022/02/16 消化器
学会トピック◎第18回日本消化管学会総会学術集会 若くてやせ型のPPI抵抗性GERDには増量よりも半夏瀉心湯を? プロトンポンプ阻害薬(PPI)抵抗性の胃食道逆流症(GERD)に半夏瀉心湯が有効な可能性が示された。2月11日から13日にかけて新宿区で開催されたGI Week 2022のワークショップ「消化管疾患における漢方の役割」で、大阪医科薬科大学病院消化器内視鏡センターの竹内利寿氏は、PPI抵抗性GERDに対する… 2022/02/15 消化器
学会トピック◎国際脳卒中会議(ISC 2022) 広範囲脳梗塞への血栓回収療法の有効性を確認 我が国で行われたRESCUE-Japan LIMIT試験、論文はNEJMで同時公開 急性期の脳主幹動脈閉塞(LVO)に対する血栓回収療法は、現在推奨されている適応より梗塞範囲が広い症例に対しても有効であることが、我が国で行われたランダム化比較試験RESCUE-Japan LIMITから明らかになった。「in person and virtually」として今年は米国ニューオリンズのコンベンションセンタ… 2022/02/14 循環器
学会トピック◎第18回日本消化管学会総会学術集会 UCへのベドリズマブ投与後の臨床的寛解達成を予測するモデルを開発 潰瘍性大腸炎(UC)患者のうち、抗α4β7インテグリン抗体製剤であるベドリズマブ(商品名エンタイビオ)により臨床的寛解を達成できない症例を薬剤投与前に同定できる可能性が示された。2月11日から13日にかけて新宿区で開催されたGI Week 2022で、杏林大学消化器内科学の三好潤氏は、コアシンポ… 2022/02/14 消化器
学会トピック◎第2回日本フットケア・足病医学会年次学術集会 足病重症化予防ガイドライン、来春に発刊予定 動静脈疾患から透析、膠原病による足病変まで横断的に扱う 第2回日本フットケア・足病医学会年次学術集会(12月10~11日、パシフィコ横浜とウェブのハイブリッド開催)で、同学会が現在作成中の「重症化予防のための足病診療ガイドライン」に関するシンポジウムが開催された。同ガイドラインは学会員向けのパブリックコメント募集と外部査読委員による査読… 2021/12/15 循環器
学会トピック◎第23回日本病院総合診療医学会学術総会 診断力を磨く「振り返りシート」が誕生 当直が明けて、大勢の医師で賑々しい医局に戻ってきた研修医が、指導医に呼び止められる。「先生が診た患者さん、大変だったよ。先生のあの診療はどう考えてもいただけないな」。畳みかける指導医の言葉に、研修医は絞り出すような声で「はい…」と答えるしかなかった──。こんな「悪い振り返り」… 2021/12/13 医療の質
学会トピック◎第37回日本脳神経血管内治療学会学術集会 ステント支援コイル塞栓術後のDAPT期間は? 長期継続群と短期終了群でアウトカムに差なし、DAPTS ACE試験 ステント支援コイル塞栓術で脳動脈瘤の血管内治療を行った後の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)に関して、ランダム化比較試験(RCT)とレジストリー研究から3~6カ月の短期DAPTと12カ月程度の長期DAPTを比較したところ、長期DAPTによる明確な利益は得られなかった。我が国で行われたDAPTS ACE試験の… 2021/12/06 循環器
学会トピック◎第37回日本脳神経血管内治療学会学術集会 脳動脈瘤治療件数、血管内治療が半数超える この20年間、血管内治療の比率は一貫して上昇 脳動脈瘤の治療には、カテーテル操作によるコイル塞栓術を中心とした血管内治療と、開頭手術によるクリッピング術の2種類がある。近年、国内外で血管内治療の件数が増加しているが、日本脳神経外科学会が行っている症例登録事業から、2020年の1年間に我が国で行われた脳動脈瘤治療の件数は、速報… 2021/12/02 外科
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2021) 真のHFpEFにもエンパグリフロジンは有効 EMPEROR-Preserved試験からEF 50%以上を抽出し解析 EMPEROR-Preserved試験の新たな解析から、「左室駆出率(EF)の保たれた心不全」(HFpEF)の定義に合致したEF 50%以上の集団でも、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンは有効であることが明らかになった。同試験はEFが40%以上の慢性心不全患者を対象としており、「真の」HFpEFといえるEF 50%以上の… 2021/11/25 循環器
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2021) 第XIa因子を阻害する新規の経口抗凝固薬が登場 milvexianの第2相試験AXIOMATIC-TKRの結果 新しい経口抗凝固薬である第XIa因子(FXI)阻害薬milvexianを全人工膝関節置換術(TKA)の術後に投与したところ、静脈血栓塞栓症(VTE)の発生は用量依存的に抑制され、同薬100mg/日以上の投与で対照薬エノキサパリンより有意に低率を示し、出血イベントは同等だった。milvexianの第2相試験AXIOMA… 2021/11/24 循環器
学会トピック◎第49回日本頭痛学会総会 新・頭痛診療GL、片頭痛予防にCGRP関連薬を強く推奨 8年ぶりに改訂された「頭痛の診療ガイドライン2021」 第49回日本頭痛学会総会(2021年11月19~21日、開催地:静岡市)において、「頭痛診療ガイドライン2021ハイライト」と題されたセッションが開催され、このほど8年ぶりに改訂された「頭痛の診療ガイドライン2021」のポイントが紹介された。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)をターゲットとし… 2021/11/24 精神・神経
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2021) 急性心不全へのSGLT2阻害薬に臨床的な利益 エンパグリフロジンを用いたEMPULSE試験の結果 SGLT2阻害薬エンパグリフロジンは、糖尿病の有無にかかわらず急性心不全に対しても短期的な予後改善効果が期待できそうだ。米国心臓協会学術集会(AHA2021、会期:11月13~15日、バーチャル開催)で、オランダ・フローニンゲン大学病院のAdriaan A Voors氏らが、90日後までの死亡や心不全入院、QO… 2021/11/22 循環器
学会トピック◎第23回日本病院総合診療医学会学術総会 【動画】あなたも理想の病院総合診療医に! 第23回日本病院総合診療医学会学術総会でシンポジウム「理想の病院総合診療医とは?~学会テキストの病院総合診療医像10項目から考える~」が開催されました。その模様を動画で展開し、そこで語られたポイントを再構成してお届けします(文中敬称略)。… 2021/11/19 医師のキャリア
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2021) 初の経口PCSK9阻害薬、第1相試験の結果は良好 米国メルク社が開発するMK-0616のfirst human data バーチャル開催された米国心臓協会学術集会(AHA2021、会期:11月13~15日)で米国メルク社のDouglas G Johns氏らは、経口可能なPCSK9阻害薬MK-0616の第1相試験の結果を報告した。同薬はPCSK9に対してモノクローナル抗体と同等の親和性を持つ環状ペプチドで、吸収促進剤の添加で経口投与を可能に… 2021/11/18 循環器
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2021) 我が国で創製されたobicetrapib、LDL-Cを51%減 第2相試験として行われたROSE試験の結果 我が国で創製されたコレステロールエステル転送蛋白阻害薬(CETP阻害薬)であるobicetrapib(開発コード:TA-8995)の第2相試験ROSEの結果を、バーチャル開催された米国心臓協会学術集会(AHA2021、会期:11月13~15日)でオーストラリア・モナシュ大学のStephan Nicholls氏らが発表した。高強度… 2021/11/17 循環器
学会トピック◎第13回世界脳卒中会議(WSC 2021) 血栓回収単独対tPA併用、最後のRCTは途中終了 登録数少なくダイレクトMT群の非劣性示せず 急性期脳梗塞に血栓回収療法を行う際、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の前投与が必要かを検証したDIRECT SAFE試験の結果が明らかになった。先行研究のメタアナリシスから、tPAを前投与しない血栓回収療法の非劣性が確認されたとして本試験は途中終了となり、目的である血栓回収療法単… 2021/11/05 循環器
学会トピック◎第23回日本病院総合診療医学会学術総会 【動画】研究メンタリング・コーチングの向上を 第23回日本病院総合診療医学会学術総会でシンポジウム「総合診療医のための研究メンタリング・コーチングスキル by JUGLER」が開催されました。日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議(JUGLER)のメンバーが、研究を行う際に必須となるメンタリングとコーチングについて議論を重ねました。… 2021/10/29 医師のキャリア
学会トピック◎第43回日本高血圧学会総会 ARNIを高血圧の第一選択薬にできない理由 降圧の第一選択にならないARNIは化けるのか? 2021年9月に「高血圧症」の適応が追加されたアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)のサクビトリルバルサルタン(商品名エンレスト)。降圧薬としての位置付けはどのように考えたらよいのだろうか──。2021年10月15~17日にウェブ上で開催された第43回日本高血圧学会総会で、琉球大… 2021/10/22 循環器
学会トピック◎第23回日本病院総合診療医学会学術総会 【動画】症例検討から診断推論戦略を学ぼう 第23回日本病院総合診療医学会学術総会で特別企画2「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER(Vol.2)」が開催されました。佐賀大の多胡雅毅先生が座長を務め、千葉大の鋪野紀好先生の司会のもとで、2人のプレゼンターが提示する症例をもとに診断推論を展開しました。獨協医大の志水太郎先生、東邦… 2021/10/18 医師のキャリア
学会トピック◎第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 病院総合診療医ってどんな医師? 日本の「病院総合診療医像」を確立するためにはどうすればいいのかの答えを求めて、日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議(JUGLER)のメンバーと市中で活躍する病院総合診療医3名が、第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で公開シンポジウム「日本の病院総合診療医像の確立 by JUGL… 2021/10/08 医師のキャリア
学会トピック◎第57回欧州糖尿病学会年次集会(EASD2021) ロックダウンの影響は糖尿病の病型で異なる 1型は血糖コントロールが良好に 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴うロックダウンの影響は糖尿病の病型で異なり、2型糖尿病では血糖コントロールが悪化したのに対して、1型では改善していたという。ロックダウンによる糖尿病の血糖管理への影響を分析した論文のシステマティックレビューとメタアナリシス… 2021/10/01 代謝・内分泌
学会トピック◎第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 総合診療ならではの研究テーマとは? 総合診療医が手掛けるべき研究テーマとは何なのか──。この問いの答えを求めて、日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議(JUGLER)のメンバーが、第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会でシンポジウム「総合診療医学領域の研究」に臨みました。そこで語られた内容を再構成してお届け… 2021/09/28 医師のキャリア
学会トピック◎第69回日本心臓病学会学術集会 治療抵抗性心不全や冠疾患の裏にTG代謝異常 国内の潜在症例は数万例も治療薬に目処 心筋や冠動脈に中性脂肪が蓄積して重症の心不全、冠動脈疾患、不整脈などを呈する「中性脂肪蓄積心筋血管症」(triglyceride deposit cardiomyovasculopathy:TGCV)の研究が進展し、治療薬となるトリカプリンの開発も本格的に動き始めた。鳥取県米子市の会場とオンラインでハイブリッド開催され… 2021/09/28 循環器
学会トピック◎第69回日本心臓病学会学術集会 高血圧は大腸直腸癌の発症リスクに関連 国内の大規模疫学研究の結果から 血圧が高いほど大腸直腸癌発症リスクが高いことが、国内の大規模疫学研究の結果から示された。2021年9月17~19日に開催された第69回日本心臓病学会学術集会(鳥取県米子市の会場およびウェブ上でハイブリッド開催)で、東京大学循環器内科の⾦⼦英弘氏らが発表した。 大腸癌は、肺癌に次いで癌死… 2021/09/22 循環器
the New England Journal of Medicine誌から 1カ月間のDAPTは6カ月以上のDAPTに劣らず 欧州心臓病学会(ESC2021)で発表されたMASTER DAPT試験の結果 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)治療として薬剤溶出ステント(DES)を留置後1カ月間の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)は、6カ月間以上のDAPTに臨床成績で劣らないことが示された。MASTER DAPT試験の結果で、8月27~30日に開催された欧州心臓病学会会議(ESC2021)で発表されるとともに、論… 2021/09/13 循環器
学会トピック◎第7回欧州脳卒中学会会議(ESOC2021) tPA投与しない血栓回収療法、3度目のドロー SWIFT DIRECT試験、非劣性示せず 急性期の脳主幹動脈閉塞(LVO)に対して血栓回収療法を行う際、同治療に先立つ組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の投与が必要であるかを検討したSWIFT DIRECT試験の結果が明らかになった。非劣性を検証する同様なデザインのランダム化比較試験で三度、血栓回収療法単独群のtPA併用群に比… 2021/09/09 循環器
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2021) スマホによる患者指導で未治療患者の血圧が改善 我が国で高血圧治療用アプリの治験として行われたHERB-DH1試験の結果 未治療の本態性高血圧患者にスマートフォンのアプリを用いた生活習慣の改善支援を行ったところ、外来での指導のみに比べて有意な高血圧の改善が得られたと、欧州心臓病学会会議(ESC2021、会期:8月27~30日、バーチャル開催)で自治医科大学循環器内科の苅尾七臣氏らが報告した。HERB-DH1試験の… 2021/09/06 循環器
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2021) ACS患者へのDAPTは1カ月間では短い可能性 我が国で行われたSTOPDAPT-2 ACS、非劣性示せず 急性冠症候群(ACS)患者に対するDAPT(抗血小板薬2剤併用療法)の期間は、1カ月間では短いようだ。我が国で行われたSTOPDAPT-2 ACS試験の結果で、欧州心臓病学会会議(ESC2021、会期:8月27~30日、バーチャル開催)で、京都大学循環器内科の渡部広俊氏らが発表した。… 2021/09/03 循環器
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2021) 新規MRAがDKD患者の心血管リスクを抑制 フィネレノンの有効性を検討したFIGARO-DKDの結果 微量~顕性アルブミン尿が出現した2型糖尿病患者に対する新規ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノン(finerenone)の投与により、心血管イベントの発生リスクは13%有意に抑制された。いわゆる糖尿病性腎臓病(DKD)に対するフィネレノンの効果を検討したFIGARO-DKD試験の結果で、欧… 2021/09/02 代謝・内分泌
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2021) SGLT2阻害薬の心腎保護効果は心機能と関連 心不全患者を対象としたエンパグリフロジン2試験のプール解析より 心不全患者に対するエンパグリフロジンの有効性を検証した2つの大規模ランダム化比較試験のプール解析「EMPEROR-Pooled」から、心不全患者において同薬の抗心不全効果と腎保護効果は左室駆出率(FE)と関連し、同値が高いと効果は減弱することが明らかになった。また、eGFRの傾きが腎アウトカムの… 2021/09/01 腎・泌尿器
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2021) SGLT2阻害薬がHFpEFの心血管リスクを2割抑制 エンパグリフロジンの効果を検証したEMPEROR-Preserved試験の結果 左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)に対するSGLT2阻害薬エンパグリフロジンの効果を検証した、EMPEROR-Preserved試験の詳細が明らかになった。主要評価項目(心血管死亡または心不全による入院の初回イベント)の発生リスクは、エンパグリフロジン投与群で21%有意に抑制された。その効果は糖尿病… 2021/08/31 循環器