日経メディカル1981年6月号より 武見太郎氏「人間の心を忘れた行政こそ、医療問題の混乱の根源だ」 ──理事会で医師の社会的地位の低下について検討されたそうですが、日本医師会としては、今後どのようにして立て直しを図ろうとしておられるのですか。武見 社会的地位の低下じゃなくて、転落ですよ。感覚の鈍い人たちに言うときには、生やさしい表現では駄目なんです。私の質問に対して、「医師… 2022/05/18 医の倫理
「医師はカネでしか動かない」になぜ怒らない? 認可されたものの一向に普及が進まないリフィル処方に対して、日経新聞は2022年5月2日、「リフィル処方の一律拒否を認めるな」という社説https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60476450S2A500C2PE8000/を掲載した。その中に「リフィル処方を拒む医療機関は収入源である再診患者が減るのがいやな… 2022/05/16 プライマリケア
ウクライナ戦争など、死体の写真・動画のネット掲載に思う 2004年8月、その“国際会議”は、新聞の一面に掲載された若い女性の死体の写真から始まった。 当時、僕はタイのあるエイズ施設でボランティア医師として働いていた。その施設には欧米からやって来ていた数名の医療者(医師は全員GP[総合診療医]、他に看護師、介護師など)がいて、僕は日々、彼… 2022/05/02 医の倫理
国際医療協力の先達、笹川保健財団会長の喜多悦子氏に聞く ウクライナの人道的危機に思いを馳せて 「幼少期、第二次世界大戦の末期に空襲警報におびえた私が、短期間ですが紛争地での医療支援に関与して確信していることがあります。それは『武力で得るものは何もない』ということです」。1988年に、日本政府が紛争地に派遣した文民医師となった笹川保健財団会長の喜多悦子氏に、ウクライナの人道… 2022/04/18 事件・話題
私の視点◎第三者による精子提供、卵子提供が実質解禁 卵子提供で出産、その事実を子どもに話すべきか 2020年末に、「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」が制定された。同法律は、国内での精子提供、卵子提供を伴う生殖補助医療が合法化するものと考えられているが、決まっているのは親子関係の特例のみで、具体的な枠組みはまだ何も決まってい… 2021/10/22 産婦人科
患者との恋愛はなぜご法度?「同意」の意味とは 何年も前にマンハッタンで働いていた頃、同僚のイケメン男性医師が独立して開業した。趣味のロックバンドも少し売れていて、週末にはコンサートを開いているという人で、噂を直接聞いたことはないが、いかにもモテそうな雰囲気の、当時30歳代前半だった。 開業してしばらく経った時に、お洒落な… 2021/10/08 医師・患者関係
イベルメクチン論文は捏造? プレプリントの闇 2021年7月15日に、Nick Brown氏のブログで興味深い記事が公開されました。彼は数字から科学的詐欺を暴くプロですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するイベルメクチンの論文が捏造(ねつぞう)ではないかと指摘したのです。■Some problems in the dataset of a large study of Iverm… 2021/07/19 感染症
シリーズ◎レジ王本選出場者が伝えたいこと 「日本の医療は平等か公平か」で悩んでいます 皆様、初めまして。太田西ノ内病院初期研修医2年目の安藤です。昨年度行われました4回目となるレジデントチャンピオンシップの決勝戦出場の特典で、今回執筆の機会をいただきました。 2021/07/16 医の倫理
学会トピック◎日本臨床倫理学会がワクチン接種の意思決定で手引き 認知症や意思疎通困難な人のワクチン接種に指針 日本臨床倫理学会(理事長・新田國夫氏)は2021年6月末、『認知症や意思疎通が困難な人の新型コロナワクチン接種のための意思決定の手引き』を公表した。「医療行為には本人の同意が前提」とする国の見解があるものの、本人から有効な同意が得らない入所者への対応は施設に任されているのが現状。こ… 2021/07/13 感染症
「初診のオンライン診療はかかりつけ医のみ」に感じる矛盾 オンライン診療の是非について本連載で過去に何度か言及した。「画面越しの診察で得られる情報は電話よりも少ない」という私見を紹介し、当院では電話再診を積極的に行い、画面越しの診察は見合わせていることも述べた。今回取り上げたいのはオンライン診療の是非ではなく、この話題になると必ず… 2021/07/07 プライマリケア
それは「医療倫理の問題」か? 医療における倫理的問題を初めて議論したのは、学生時代の安楽死、尊厳死問題であったと思う。尊厳死については、いわゆる「カレン・クインラン事件」がしばしば取り上げられたせいか、私の中では医療倫理の基本のように位置付けられている。… 2021/05/24 精神・神経
難民申請者に「外国人価格」請求の倫理観を問う 海外、特に東南アジアでは外国人が高い料金を取られることはそう珍しくない。例えば、タイでは美術館や有料の公園などではタイ人の料金と外国人の料金が異なることがしばしばある。だが、そのタイでも「外国人だから」という理由で、医療機関で外国人料金を取られることはない。僕はタイのエイズ… 2021/05/19 医の倫理
コロナ禍で注視される医療従事者の「専門家自治」 日本の新型コロナウイルス感染症による死亡者数が1万人を超えた。地理的、生物学的環境が近い東アジア・オセアニア諸国の中で、日本の死亡者数は突出して多い。各国のコロナによる死亡者数を並べてみると、中国4636人、韓国1813人、台湾12人、香港209人、ベトナム35人、豪州910人、ニュージーラン… 2021/04/30 行政・制度
「延命治療しない」はずの家族が突然中心静脈栄養を希望…どう対応? このようなケースでは、どんなことに注意して対応したらよいでしょうか。患者中心の医療を心掛けている一条ファミリークリニックにおけるgood practiceを紹介します。【電話にて】一条医師:英子さんから、中心静脈栄養を導入してほしいと言われたのですね?橘看護師:はい。英子さんは、以前から… 2021/04/26 在宅医療
『海と毒薬』の真実 新型コロナ感染症の治療に当たる医療現場は、しばしば戦場にたとえられるが、まさかウイルスと医療者の戦いを本物の戦争と同一視する人はいないだろう。コロナ治療は、平和だからできているのである。弥生3月は先の大戦の記憶を呼び起こす。1945年3月10日、東京の都市部はアメリカ軍による無差別… 2021/02/26 医の倫理
臨床現場のモヤモヤをスッキリさせる4つの視点 何度か経鼻胃管を自己抜去したため、仕方なくミトンを使用した行動制限を行っています。田中さんの嚥下機能が回復する可能性は低く、経鼻胃管の留置が長期化することが予想されたため、八木研修医は智子さんと聡さんを病院に呼び、胃ろう造設について相談しました。八木研修医:田中さんは脳梗塞… 2021/02/22 医師・患者関係
老いるからこそ、死ぬからこそ、いとおしい 皮膚科の往診をしていると、いろいろな患者さんに出会います。先日は、胃瘻の周囲がただれてきたとのことで、ご自宅に診に行きました。90代後半、寝たきりのおばあさんです。「胃瘻の周りがしょっちゅう、赤くなるんです。皮がむけて、傷になって……」。介護している息子さんが言いました。まずは… 2021/02/05 老年医学・介護 医師・医学生限定コンテンツ
トピック◎COVID-19、「救命の可能性がより高い患者を優先」に96%が賛成 救命に必要な医療資源が枯渇したら誰を救うのか 「優先順位が低い患者の人工呼吸器を中止」は64.4%が支持 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が拡大するにつれ、医療現場では人工呼吸器や集中治療のベッド、集中治療のための人員など、救命に必要な医療資源が枯渇するリスクが高まっているます。実際に人工呼吸器が枯渇した場合、現場の医療従事者はどのような判断をすればよいのでしょうか──… 2021/01/26 感染症
リポート◎千葉大学医学部附属病院が非常時の対応策 コロナ禍で迫られる「命の選別」への処方せん 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大が続き、限りある医療資源が枯渇するという非常事態も念頭に置かなければならなくなりました。「あの患者は助けるがこの患者は助けられない」。こうした命の選別を迫られるとき、医療者はどう対応すべきなのか──。この問いに答えるため、千葉大学… 2020/12/26 感染症
第14回 最善を尽くしても残念な結果に至った時 不本意な結果を患者にどう伝えるべきなのか 医師は当然最善の治療に努めるでしょうが、最善を尽くしたのに不本意な結果に終わることはあります。しかも、それが過失によるものでなければ、まずは医師自身がその結果を受け入れきれないかもしれません。 今回は、患者や家族に不本意な、しかし過失ではない結果になったことを、どう説明すれ… 2020/12/08 医師・患者関係
第10回 代弁者の決め方 あるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の定義には、「本人が自ら意思決定ができなくなったときに備え、代わりに意思決定を行う信頼できる人を選ぶプロセスも含む」と書かれています。「信頼できる人」とは「代弁者」とも呼ばれます。この「信頼できる人(もしくは代弁者)」を選ぶプロセスは… 2020/11/19 ターミナルケア
新型コロナに関連付けたACPの啓発には抵抗があります アドバンス・ケア・プラニング(以下ACP)については、ここ数年本当に医療職の間で一気にその認識が広まった感があります。私自身は25年くらい前からエンド・オブ・ライフ期における意思決定の研究に携わっていたので、「ACP」という言葉が現在これだけ多くの医療職の人たちに認識されている状況… 2020/11/10 感染症
リポート◎ALS患者の人工呼吸器は患者の意思で外せないのか? ALS患者が気兼ねなく暮らせる環境整備が先決 京都在住の筋萎縮性側索硬化症(ALS)女性患者をめぐる嘱託殺人容疑事件。関係者に衝撃を与えたニュースだったが、ALS診療における臨床倫理の在り方を再考する機会と考える医師もいる。昨今、救急医療の現場などでは、回復の見込みがない場合に人工呼吸器を中止する方向の議論が進んでいる(関連… 2020/11/05 精神・神経
リポート◎ALS患者の人工呼吸器を本人の要望があっても外せなかった理由 今だから話せる、あの記者会見の真相 嘱託殺人容疑事件で話題となった京都在住の筋萎縮性側索硬化症(ALS)女性患者は「胃ろうをやめたい」と主治医に相談していたと報道されている。ALS患者の治療中止の要望といえば、10年以上前、患者が要望したにもかかわらず、病院が「人工呼吸器を外すことは難しい」と結論した事例を思い出す医… 2020/11/04 精神・神経
インタビュー◎国際医療福祉大学医学部教授の荻野美恵子氏に聞く ALS患者さんの「死にたい」に隠された想い スピリチュアルペインに医療者はどう向き合えばよいのか 京都で起こった2人の医師によるALS患者嘱託殺人容疑事件は、神経難病の診療に当たる医師らにも大きな衝撃を与えました。長年、ALS診療に携わってきた国際医療福祉大学医学部教授の荻野美恵子氏は、医師による嘱託殺人を「理解できない」と断じ、「患者さんの死にたいという想いをどう理解し、対応す… 2020/09/28 精神・神経
科研費を不正使用すると、どうなる? 科研費を獲得して研究に従事している知り合いはたくさんいますが、私は今までこれに応募したことすらありません。科研費とは、科学研究費補助金の略称で、簡単に書くと文部科学省や独立行政法人日本学術振興会が研究者に向けて競争的研究資金を援助するものです。このほか、厚生労働省の予算で行… 2020/08/28 医の倫理
インタビュー◎京都ALS女性患者の嘱託殺人事件で再考する 患者の「治療をやめたい」への対応法 東京大学大学院人文社会系研究科上廣死生学・応用倫理講座特任教授の会田薫子氏に聞く 7月23日、医師2人が嘱託殺人容疑で逮捕された。報道によれば、SNSで知り合った筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者の依頼を受けて、胃ろうから睡眠薬を過量投与して死亡させた疑いがあるという。実のところ、医療者なら誰しも「治療をやめたい」「死にたい」と患者に言われた経験があるのではな… 2020/08/11 医の倫理
第10回 医師に全ての判断を委ねる患者の真意 患者の「お任せします」は信頼ではなく“催眠” 患者が医師に「お任せします」ということがあります。患者がそのようにいう時の真意はどこにあるかをしっかり見定めないと、患者とよい関係を築けず、そのことは今後の治療に影響を及ぼしかねません。… 2020/08/04 医師・患者関係
それでも僕は「乳腺外科医は冤罪」と確信する 件の乳腺外科医の控訴審判決にはただただ驚くばかりだ。あまりにも非科学的な検察の主張には呆れて物も言えないが、公正な司法を取り戻し、冤罪を晴らすために、なぜこのような判決が出たのか、そして我々がすべきことを考えてみたい。 まず、外科医であろうがなかろうが、少なくとも医療者であ… 2020/07/21 医の倫理
NEWS◎データ提供会社の症例情報の信ぴょう性に疑念? ヒドロキシクロロキン、イベルメクチンとCOVID-19が関係する論文が取り下げ 2020年6月4日、LancetとThe New England Journal of Medicineが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する論文を相次いで撤回した。医療情報分析会社であるSurgisphere社が提供するデータを用いて解析していた論文で、そのデータの信ぴょう性が疑われたことから取り下げとなった。今後のCOVID… 2020/06/07 医療の質
インタビュー◎将来的に予防可能な子どもの死を防ぐチャイルド・デス・レビュー 2022年CDR法制化予定、非専門医はどう関与? Child Death Review(CDR)は、将来的に予防可能な子どもの死亡を減らすことを目的とした制度。子どもが死亡した際に、様々な機関や専門家(医療関係機関、行政機関、教育関係者、警察、消防など)が協力して、既往歴や生活歴などの背景、死亡原因に関する様々な情報を収集し、多角的に検証するこ… 2020/05/29 小児科
緊急寄稿◎パンデミック下の学術情報のあり方とは? プレプリントの隆盛は悪貨が良貨を駆逐するか 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)及び同ウイルスが引き起こす感染症(COVID-19)が世界中で広がり続けている。日本でも緊急事態宣言が出され、医療者及び人々の生活に大きな影響を与えている。 そんな中、SARS-CoV-2に関する論文が毎日のように発表されている。非常事態ということもあり、論文… 2020/05/11 医療の質
COVID-19と産科原因分析報告書の「ケース公開」を考える COVID-19が猖獗(しょうけつ)を極めている。イタリアの様子などを見ていると、ペストがはやった時代もこんな感じだったのだろうかと思ったりする。1347~53年の間に、ヨーロッパの人口の3分の1となる2500万人の生命を奪ったとされているが、北里柴三郎が病原菌を発見して、根絶の道を開いたこと… 2020/04/08 医の倫理
第6回 「治療の自己決定なんてできない!」という患者にどう向き合うか 治療の自己決定は患者にとって「生と死の投機」 現在は、どんな治療を受けるかを患者自身が自分で納得して決める「自己決定権」が尊重されるようになっています。そのため、病気とその治療方法について医師から十分説明を受けた上で、最終的な判断や同意は患者自身が行うというインフォームドコンセントは、多くの医療現場で行われています。 … 2020/04/07 医師・患者関係
「限りある医療資源の選択的配分」について語るのはつらいけれど…… ECMO/ICUは人的資源、急ごしらえは難しい 日常臨床における倫理的な課題に個別の事例ベースで向き合うとき、常に中心的な価値として見据えておくべきは「患者にとっての最善となる選択は何か?」という問いです。ある患者さんに胃ろうを作るべきか控えるべきか、とか、医学的には推奨されない治療を患者さんが望むときにどうするべきか、… 2020/04/03 医の倫理
学会トピック◎日本臨床倫理学会 上級臨床倫理認定士と登録制度をスタート 地域の倫理問題解決の拠点づくりを展開 日本臨床倫理学会は2020年度から、上級臨床倫理認定士制度と臨床倫理に取り組む医療機関・地域の登録制度を本格化させます。医療現場に求められる倫理コンサルテーションチームの機能向上を図るとともに、地域での様々な臨床倫理問題の解決に寄与することが目的です。… 2020/03/30 医の倫理
医療情報を正しく見極めることはできるのか 片手に持ったスマートフォンから、誰もが無数の情報にアクセスできるようになった今、「正しい医療情報の見極め方」は、たくさんの書籍が発行され、いくつものイベントが行われる関心の高いテーマとなっている。筆者は、医療情報に触れる機会が多い素人(医療資格なし)であり、職務的にも怪しい… 2020/03/02 医師・患者関係
自己診療・自家診療は保険請求できる? 自己診療というのは、医師が自分自身を患者として血液検査や画像検査をオーダーしたり、薬剤を処方したりする行為のことを指します。結論から書くと、自己診療した分を保険請求することはNGです。 健康保険法など、現在の医療保険制度の基となる法令を見てみると、そもそも自己診療自体に関する… 2020/02/28 行政・制度
第3回 「あの医師はいつもあんな態度なのか」といわれたら 患者が「見下された」と感じる医師の“言い方” 今回は、見下されていると患者からいわれたらどうしたらいいかを考えてみましょう。 患者から「見下されていると感じる」といわれたことがあるでしょうか。患者の立場からいうと、医師に対してそんなことを面と向かっていえるとは思いません。たとえ、そのように感じていても、患者から医師に直… 2020/01/07 医師・患者関係
トレンド◎世界初の抗体医薬の花粉症治療薬 日本発「重症花粉症にゾレア」発進、薬価は? 抗体医薬であるオマリズマブ(商品名ゾレア)が、花粉症治療薬として登場した。季節性アレルギー性鼻炎に対する効果は、「ゾレアによって抗ヒスタミン薬の服用が不要になる」ほどだという。重症者には福音となるものの、従来薬と比べるとかなり高額な同薬を、実際に使用する際の注意点などをまと… 2019/12/17 アレルギー・免疫
JAMA Network Open誌から 掲載撤回論文はどのように引用されたか? MMRワクチンと自閉症のWakefield論文の引用状況を調べる Wakefield氏らが1998年にLancet誌に報告した、MMRワクチンと自閉症の関係に関する論文は撤回された。米国Wisconsin医科大学のElizabeth M. Suelzer氏らは、この論文を引用していた文献を対象に、著者らがどのような意図を持って引用していたのかを調べたところ、撤回前であっても多くの論文は否定… 2019/12/03 感染症
人生会議ポスター騒動に関する私のナラティヴ 厚生労働省が吉本興業に依頼して作成した「人生会議」のポスターについて、その内容が物議をかもし、即日厚生労働省がその配布を取りやめたことは、全国的なニュースにもなり皆さんも多く認識されていると思います。… 2019/12/03 ターミナルケア
BMJ誌から 製薬会社からのギフトは処方に影響するか? フランスではギフトを受け取ったGPのジェネリック処方率が低い フランスのプライマリケアを担当するgeneral practitioner(GP)に製薬会社が送った品物の金額を調べ、その医師の処方パターンとの関係を検討したフランスRennes大学のBruno Goupil氏らは、ギフトを全く受けとっていない医師と比べると、より高額のギフトを得ていた医師では、1回の診察で処方する… 2019/11/21 医の倫理
医者の正義と、患者の幸せと 医者は、医学に基づいて、理論立てて診断し、治療法を考えます。命を救うにはどうするのが最善かを考え、薬の作用と副作用をてんびんにかけて有益かどうかを判断し、最も少ない負担で最大限の効果が得られる治療法を選択します。それは、理屈です。でも、世の中に理屈の通じない人は大勢います。そ… 2019/11/08 医の倫理 医師・医学生限定コンテンツ
個人データの「企業への販売」事例から学ぶこと 2019年8月26日、気になるマスコミ報道がありました。就職情報サイト「リクナビ2020」を運営する株式会社リクルートキャリアが就活学生の同意を得ずに、内定辞退率予測情報を企業に販売していたことについて、個人情報保護委員会が是正勧告を行ったというものです。 我々の領域では、「医療分野の… 2019/11/06 薬剤師
第1回 「セカンドオピニオンを受けたい」といわれた時の受け止め方 セカンドオピニオンの相談は患者からの信頼の証 46歳で癌で亡くなった哲学者の池田晶子は、「医師と患者との間に、いま欠けていて、そして絶対必要なもの、それは『対話』である」といっています(池田晶子『魂とは何か』)。 当然、患者と言葉を交わさなければ診察することはできませんが、当たり障りのない話をしても対話にはなりません。「… 2019/11/05 医師・患者関係
ハンセン病患者の隔離を生み出したもの 先日、ハンセン病の元患者の家族に対して国に賠償を命じた熊本地裁の判決を受け、家族への補償法案を検討していた超党派の議員懇談会が開かれ、補償額を判決よりも増額した法案の骨子がまとまった。11月にも法案は議員立法として提出されるという。家族訴訟でも原告の多くが匿名だ。元患者の家族… 2019/10/31 医の倫理
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part V 高齢者の「食べられない」に直面したら 「餓死してしまうので胃瘻を作ってください」にモヤモヤ 高齢者の食べられない問題に明確な答えはありません。私自身も未だに葛藤を抱え続けています。しかしこれは、医師にとって頻回に直面する、避けられない問題です。 2019/10/10 救急医療・集中治療
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part V 医師が電話で「悪い知らせ」を伝えるとき 静かに話せて、かつ、電波が途切れにくい場所で 遠方にいる家族や親族に、電話で「悪い知らせ」を伝えなければならない機会は少なくありません。特に、心肺停止状態で患者が搬送されてくる救急外来では、電話で死亡を伝えないといけない事例に遭遇します。そんな時、あなたならどのように伝えますか。… 2019/10/03 救急医療・集中治療
トレンド◎内用薬と注射薬に続く第3の選択肢 抗精神病薬に初の貼付薬が登場、どう使う? 抗精神病薬としては初めてとなる経皮吸収型製剤「ロナセンテープ」(一般名ブロナンセリン)が発売された。適応は統合失調症で、1日1回貼付する。新たな「貼る」という薬剤投与法は、日常診療にどのような影響を与えるだろうか。… 2019/09/26 精神・神経
入試不正の解消だけでは女性医師は増えない? 先日、都内で開催された日本医学教育学会の「医学部入試の男女不平等への処方箋を考えるシンポジウム」に参加した。昨年、大きな騒動となった医学部の入試不正問題とその後の対応を受け、「今後も入試の公正を継続するには何が必要なのか」とうたわれた会だった。… 2019/09/02 医の倫理
「断らない救急」でも断固お断りするとき 「救急患者さんはお断りしない」という精神に則り、できる限り応需するという方針で診療している薬師寺ですが、それでも断固としてお断りしなくてはならないこともあります。 2019/08/29 精神・神経
製薬会社の弁当はNGか? ~個人的な意見~ 前回のコラムの続きです。製薬会社が医療従事者に提供する弁当(ネット界隈でいうところの「COI弁当」)について、次第に風当たりが厳しくなってきている現状をお伝えしました。さて今回は、私たち医師側がこの問題をどう受け止るべきか、個人的な意見を述べたいと思います。… 2019/08/23 医療の質
京アニ火災に思う「守秘義務」の重さ 京都アニメーションの事件に関して、京都府警が2019年8月2日に犠牲者のうち10人の氏名を公表しました。これを受け、8月3日付の各新聞紙面に、一斉に顔写真付きで犠牲になった方の情報が載りました。公表後、府警を通じて1人の方の家族から「匿名に変更したい」との要望があったそうですが、そのま… 2019/08/08 救急医療・集中治療
特集◎患者を癒す言葉、傷つける言葉《4》 医師の“思い”が患者を動けなくする 患者が望む終末期医療の実現の手段として注目を集めるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)。その必要性を早くから説いてきた函館稜北病院(北海道函館市)副院長の川口篤也氏に、医師と患者のコミュニケーションのあり方について聞いた。… 2019/07/31 医療提供体制
死亡診断いつするの!? 自分なりのやり方は… テレビドラマなどで、医師が死亡を宣告する場面が流れることがあります。多くの場合、お話ができなくなって息を引き取ったことを確認するか、モニターが心静止となったことを確認して死亡の事実を告げるという場面になるかと思います。… 2019/07/25 救急医療・集中治療
「HIV内定取消事件」で医療者の取るべき行動とは? 「同業のものに対しては常に誉めるべきであり、たとえ、それができないようなときでも、外交辞令に努めるべきである。決して他の医師を批判してはならない」――。 2019/07/19 事件・話題
特集◎患者を癒す言葉、傷つける言葉《3》 「○○は否定できない」では患者は救われない 南多摩病院(東京都八王子市)総合内科・膠原病内科の國松淳和氏に聞く 患者の紹介を受ける機会の多い医師は、いきおい他の医師の診療の様子や医師患者関係も垣間見ることになる。不明熱や不定愁訴の患者の紹介を多く受け、今年5月には不定愁訴で悩む患者の姿を小説形式で描いた『仮病の見抜き方』(金原出版)を出版した医療法人社団永生会南多摩病院(東京都八王子市… 2019/07/16 医の倫理
インタビュー◎NIPT新指針の運用開始が保留に 新型出生前診断の拡充で妊婦のニーズに応えたい 昭和大学産婦人科学講座主任教授の関沢明彦氏に聞く 日本産科婦人科学会は2019年6月22日、母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)に関する新たな指針を理事会で承認した。これは今年3月、案についての意見公募を行った上でとりまとめが進められていたものだ。… 2019/06/26 産婦人科
学会トピック◎第61回日本老年医学会学術集会 日本老年医学会「ACP推進に関する提言」を発表 患者の意思を継続的な対話で患者の意思決定を支援 医療・ケアの方針決定には本人一人ひとりの意思を把握し、家族やスタッフで共有することが重要である。 2019/06/19 老年医学・介護
元アイドルが所持で逮捕された大麻、見抜ける? 人気アイドルグループ「KAT-TUN」の元メンバー、田口淳之介さんが大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたというニュースが流れました。KAT-TUNという文字列は見たことがあるのですが、読み方が分かりません。カツーン? カートゥーン? カトゥーン? 読み方が分からないと、自分がおじさん化し… 2019/06/06 精神・神経
ニュース◎福生病院の透析終了例で日本透析医学会が声明 「患者の透析終了の意思が尊重されてよい事案」 緩和ケア体制、説明の記録、文書による同意取得には課題も 公立福生病院の透析終了例について調査を進めていた日本透析医学会(理事長:埼玉医科大学の中元秀友氏)は5月31日、調査結果に基づいた見解を公表。発端となった女性(死亡当時44歳)については、「患者の透析終了の意思が尊重されてよい事案だった」との判断を示した。また、他の透析非導入・終了… 2019/06/04 腎・泌尿器
「渦中の国会議員が適応障害」はいけないことか 寄稿◎東徹(蘇生会総合病院) 丸山衆議院議員が適応障害の診断を受け2カ月間の休養をする、ということが物議を醸しています。この件は、これに伴う世間の様々な意見を含めて、精神医療、また医療全体における種々の問題点を論じることができる非常に示唆に富む案件です。… 2019/05/30 精神・神経
「救急車を呼んでおいて搬送拒否」はありなのか 最近、モラルハザードという言葉をよく聞きます。モラルハザードはそもそも経済の世界で言うプリンシパル=エージェント問題(依頼人=代理人問題)です。他人(代理人)の行動が観察されないことから生じる諸問題を指します。情報の非対称性がある状況で、代理人が何らかの隠された行動を起こし… 2019/05/30 救急医療・集中治療
JAMA Network Open誌から 日本の研究者の利益相反開示は不十分 癌診療ガイドラインの執筆者を対象にした分析 医師と製薬会社の金銭的な関係に関する透明性を求める声が世界的に高まっている。仙台厚生病院の齋藤宏章氏らは、日本で使用されている6つの癌診療ガイドラインの執筆者に対して製薬会社から支払われた金額の公開データを集めて分析し、利益相反開示が曖昧で不十分だったと報告した。結果はJAMA N… 2019/05/27 癌
特集◎福生病院の「透析拒否で死亡」報道が投げかけたもの《3》 透析拒否で死亡、遺族が医師を訴えた理由 自殺願望がなければ刑法上は許容されるのか 透析を拒否した患者が死亡したことをめぐって、遺族が担当医師らを訴えた裁判がある。遺族側は、治療拒否の意思が明らかであっても、生命の危険がある場合は、医師にはその治療を行う義務があると主張。判決は、患者の自己決定権を無視したものと遺族の主張を退けた。この裁判の教訓は何か、医療訴… 2019/05/23 腎・泌尿器
インタビュー◎透析医学会の提言の背景にあるもの 透析見合わせを患者と話すときに医療者が心がけるべきことは? 春日井市民病院(愛知県春日井市)統括顧問の渡邊有三氏に聞く 公立福生病院(東京都福生市)で、腎臓病患者が血液透析治療を中止する選択をし、その後、死亡に至ったとする報道を機に非難や責任を追及する声が広がった。このときポイントとなった「透析を中止する(見合わせる)」という選択については、日本透析医学会が2014年に「維持血液透析療法の開始と… 2019/05/21 腎・泌尿器
医師4133人に聞いた「治療の差し控え・中止」 透析の非導入や中止を経験した医師は135人 日経メディカル Onlineでは、医師会員を対象に「治療の差し控え・中止に関するアンケート調査」を実施。「治療の差し控え・中止」の経験の有無や実際のプロセスなどを明らかにしました。 2019/05/20 腎・泌尿器
倫理的な問題に判断基準を設けることは適切か カレン・クインランさんの尊厳死事件 先日、古い本棚を整理していたら、医学生時代に参加した勉強会のメモが出てきた。尊厳死が論じられたカレン・クインランさん事件に関して、医学生や若い医師が議論した会であった。 2019/05/14 精神・神経
特集◎福生病院の「透析拒否で死亡」報道が投げかけたもの《2》 病院側が語った「透析中止」の真相 医師は治療継続の必要性を説明、患者は治療を拒む 公立福生病院(東京都福生市)で、腎臓病患者が人工透析治療を中止する選択をし、その後、死亡に至ったとする報道を機に非難や責任を追及する声が広がった。矢面に立たされた病院側は会見を開き、医師らが再三、治療継続の必要性を説明したにもかかわらず、女性患者(当時44歳)が透析を拒否してい… 2019/04/25 腎・泌尿器
リポート◎FDAが「フェブキソスタットはアロプリノールよりも死亡リスクが高い」と警告 無症候性高尿酸血症への安易な薬物療法はNG 「従来薬に比べて安全で使いやすいイメージのフェブキソスタットが登場してから、無症候性高尿酸血症にもより気軽に尿酸降下療法が行われるようになった印象がある」――。こう語られる尿酸生成阻害薬フェブキソスタットについて、米食品医薬品局(FDA)は2019年2月、「アロプリノールよりも死亡… 2019/04/16 代謝・内分泌
特集◎福生病院の「透析拒否で死亡」報道が投げかけたもの《1》 「透析をしない決定」に不可欠な倫理的配慮とは 臨床倫理学会が問題点を整理した見解を発表 公立福生病院(東京都福生市)で、腎臓病患者が人工透析治療を中止する選択をし、その後、死亡に至ったとする報道が波紋を広げている。非難や責任追及の声が拡がり、「透析をしなかったのは殺人行為」という短絡的な主張も飛び交った。「これでは本質的な問題を見失う」と危機感を抱いた日本臨床… 2019/04/12 事件・話題
「命綱」治療の中止を決断する上で、医療者が注意するべき2つのこと 今回の公立福生病院の人工透析中断にまつわる報道で、医療者も社会も少なからず困惑があると思いますし、その困惑の内容も様々だと思います。 2019/04/11 医師・患者関係
シリーズ◎何でもPros Cons【救急車の利用、有料化すべき?】 8割以上の医師は「救急車は有料化すべき」 医療には様々な疑問が山積している。医学的な判断はもちろん、より良い医療を提供するための制度・仕組み、医師本人のキャリアプランなど。しかしこうした疑問には正解がないのが普通だ。だからPros Cons。他の医師はどう考えているのか? 自分にない考え方を知り、新しい視点を持つことで、明日か… 2019/03/28 救急医療・集中治療
「透析中止事件」で見えてきた法的な論点 東京都福生市の公立福生病院で2018年8月、44歳の女性患者の血液透析を中止したことで約1週間後、患者が死亡した事件に関する報道が続いている。報道ベースではあるが、事実関係が次のように整理されつつある。… 2019/03/25 腎・泌尿器
バチカン生命アカデミーのメンバーになって知った欧州式の生命倫理とは 終末期、患者に選択肢を提示するのはタブー 日本赤十字社医療センター救急科の山下智幸氏に聞く かつてガリレオ・ガリレイもメンバーだったというローマ教皇が主宰する科学アカデミー。その後、生命科学の発展と共に新たに設置された「バチカン生命アカデミー」のメンバーとして、日本赤十字社医療センター救急科の山下智幸氏が2017年10月に選出された。「バチカン生命アカデミー」とは何か、… 2019/03/20 救急医療・集中治療
インタビュー◎透析中止で刑事責任を問われますか 自己決定による治療中止に警察は介入しない 武蔵野大学法学部法律学科特任教授の樋口範雄氏に聞く 公立福生病院(東京都福生市)で行われた「維持血液透析中止」をめぐる報道が続いている。事実関係は未解明だが、治療の中止が遠くない死を意味する人工透析などでは、治療の差し控えや中止が自殺幇助などの罪に問われないかと危惧する医療者もいることだろう。医療行為と刑事責任について詳しい… 2019/03/18 ターミナルケア
特集◎これってコンプライアンス違反?《13》不適切なカルテ閲覧の実態 女性医師のカルテを勝手に閲覧した男性医師 診療・業務外のカルテ閲覧、「問題になった」は24% 「勤務先で診療・業務外のカルテ閲覧が問題になった」という経験のある医師は、24%も存在することが分かった。島根大学病院の不適切なカルテ閲覧問題を受けて、日経メディカルが実施した調査で明らかになった。中には、「女性医師の検査データを勝手に閲覧した男性医師がいた」との事例もあった。… 2019/03/06 事件・話題
特集◎これってコンプライアンス違反?《11》臨床研究 5年前の常識は通用しない臨床研究 報告漏れ、記録不備…知識不足から法違反に 臨床研究法の施行により医薬品を用いた介入研究が難しくなり、実施数が減ったと言われる。だが、「実は4~5年前から既にルールは変わっていた」と指摘する声もある。具体的に現在、臨床研究を行う際に何に気を付ければよいのか、どのようなミスを犯しやすいのか、識者に話を聞いた。… 2019/02/07 医の倫理
特集◎これってコンプライアンス違反?《8》家族への情報開示 意思を確認できない患者の情報はどこまで開示可能? 医師が陥りやすいコンプライアンス面の落とし穴とその対策を紹介する本シリーズ。一連の取材では、複数の弁護士が、医師から最も頻繁に受ける相談として、個人情報の取り扱いを挙げている。通常、患者情報の開示は本人の同意取得が前提になるが、現場で特に判断に迷うのは、意識不明や認知症など… 2019/01/22 医師・患者関係
蘇生を願い、人体を冷凍保存する人々 ロシア、モスクワから北へ2時間ほどの距離にある小さな白い倉庫には、再び生を得る日を待ちわびる56人の遺体が収められている。遺体は完全に血液を抜かれ、マイナス196℃の液体窒素に逆さまに漬けられた状態で、100年先まで保存される。… 2019/01/12 海外
職場の医薬品には、手を出さないで !! いつも、本コラムをご覧いただきありがとうございます。今年も、薬のリスクから患者を守るために取り組みます!2018年12月、名古屋第一赤十字病院で、薬剤師が病院から医薬品を無断で持ち出したという新聞報道がありました。「またか!!」という気持ちです。 報道によると、調剤助手が11月20日… 2019/01/09 コメディカル
特集◎これってコンプライアンス違反?《6》不適切なカルテ閲覧 患者情報をみだりに閲覧してはならない 島根大学が個人情報保護の目的外利用で処分へ 2018年11月15日。島根大学は、医学部附属病院で発覚した不適切なカルテ閲覧の調査結果(速報版)を公表した。殺人事件に巻き込まれた患者のカルテを247人の職員が閲覧していたもので、「興味本位」を含む「業務外」の閲覧と申告した人は96人に上った。島根大は、学内規定に基づき厳正な処分を行う… 2019/01/08 事件・話題
特集◎これってコンプライアンス違反?《5》個人情報保護 「知らなかった」では済まない患者情報の扱い方 2017年5月に改正個人情報保護法が全面的に施行され、患者情報を含む「要配慮個人情報」が新たに盛り込まれました。保護法上は事業主体が規制対象だが、医師をはじめとする医療従事者にとって知らなかったでは済まない規定も多くあります。医療・介護の個人情報保護対策について講演活動に取り組む… 2018/12/27 医の倫理
うっかりでは済まされない!患者情報の他言 2018年11月、島根大学医学部附属病院に搬送された殺人事件被害者の電子カルテが、業務に関係なく、多くの医療スタッフに閲覧されたという新聞報道がありました。 2018/12/21 コメディカル
特集◎これってコンプライアンス違反?《1》著作権 医師がやってしまいがちな著作権違反に注意 医師が陥りやすいコンプライアンス(法令、社会規範などの順守)面の落とし穴とその対策を紹介する新シリーズをお届けする。今回取り上げるのは著作権の問題だ。 興味深い情報があれば仲間と共有したいし、プレゼンテーションの機会があれば少しでも魅力的に見せたいものだが、気を付けなければ著… 2018/11/29 医の倫理
本人に代わって意思決定できるのは誰? 前回までのコラムでも、意思決定能力の低下について扱いました。認知症により、本人の意思決定能力が低下し、自分ではしっかりとした判断が難しくなったHさんの事例、慢性呼吸器疾患によりCO2ナルコーシスを生じ、一時的に意思決定が難しくなったAさんの事例を取り上げました。… 2018/11/12 精神・神経
コード・ブルーならぬスロウコードは是か非か 劇場版も大ヒットしたドラマ「コード・ブルー」。なんで「ブルー」なのかという話は以前しました。今回はコード・ブルーではなく、スロウコードのお話をします。色じゃないですね。心肺蘇生の一つとして、slow codeとかshow codeと呼ばれるものがあります。… 2018/09/27 救急医療・集中治療
救命治療の拒否と“期間限定トライアル”の提案 前回記事は「意思決定能力って何」というテーマで、70歳代男性(Hさん)について紹介しました。直近の医療ケアの選択に関する対話が、将来の医療ケアの対話、そして、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)に変化していく経過を紹介しました。… 2018/09/26 呼吸器
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part II どうします? 高齢者救急で遭遇するモヤモヤ 難しい医療面談に臨む際、留意すべき5つのポイント 今日も高齢者が搬送されてきます。患者は間もなく亡くなるところですが、家族は延命を希望しています。「どうしたら良いの?」「あれで良かったの?」。モヤモヤは解決しないまま、次の高齢者がまた搬送されてきます。ここでは、高齢者救急で遭遇する“解決できないモヤモヤや現場に埋もれている… 2018/09/18 救急医療・集中治療
トレンド◎臨床研究法施行から半年で見えてきたもの 臨床研究法への対応で課題噴出 ディオバン事件を皮切りに、相次いで臨床研究に関する不適正事案が明らかになった。これを受けて成立に至った臨床研究法だが、施行から半年たった今も、臨床研究の現場は対応に追われている。加えて施行後に、用法・用量や臨床研究保険、疾病報告や管理者許可などの面で、新たな課題も噴出してい… 2018/09/13 行政・制度
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part II 「人工呼吸器は外せるのか?」の答えを求めて Time-Limited Trialという選択肢も考慮 外すと患者が亡くなることが分かっている状況で人工呼吸器を外すことはできるのか――。この問いは、日本の医療の現場において、チャレンジングなテーマの1つである。一般の人の関心も高く、昨年、NHKのクローズアップ現代という番組において「人工呼吸器を外す時」というテーマで生命維持治療の… 2018/09/11 救急医療・集中治療
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part II 高齢者急性期医療には倫理的な葛藤が内在する 今年8月4日、福岡済生会総合病院において、若手医師対象とする第2回救急×緩和ケアセミナーを実施した。これは、私が急性期中心の総合内科医を経て現在、緩和ケア医として活動するまでの個人的な経験をもとに、済生会福岡総合病院総合診療部の友田義崇先生と協働し、21世紀に真に求められている高… 2018/09/03 救急医療・集中治療
公務員医師の副業禁止規定違反は「不祥事」か 「また医師の不祥事か」。そのニュースのタイトルを見たとき、最初はそう思いました。そこには、「徳島県医師、無断バイトで免職 3年5カ月報酬3800万円」(徳島新聞、2018年8月3日)とありました。 2018/08/27 医師の職場環境 医師・医学生限定コンテンツ
臨床研究法施行で何が変わるのか? 討議は2018年7月31日午後8時から開催されました。 座長は、東京医科歯科大学統合外科学教授の植竹宏之氏です。コンセンサスに至るまでの討議の詳細はこちら(PDFウインドウで開きます) 2018/08/27 医療の質 医師限定コンテンツ
製薬企業と医師との付き合い方はどう変わる? 先日、製薬関連の業界紙で相次ぎ、「製薬企業が弁当を提供して行う薬の説明会の見直しに入った」という報道がありました。MRさんがお弁当を提供しながら情報提供を行うことを取りやめるかのように受け取ったようで、SNSでは、一部の先生からは、「こんなこと許さない」「MRの訪問をもう受けないよ… 2018/08/16 医の倫理
第2回 「外国人診療=ややこしい」は大きな誤解 記念すべき、と言っていいのかどうか分からないが、2018年7月29日、「第1回関西の外国人医療を考える会」を開いた。僕が開業して11年半、外国人がスムーズに医療を受けられるようにしなければ、とずっと思い続けてきてようやく踏み出した小さなステップだ。… 2018/08/10 プライマリケア
「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」の真意 先日、日本精神科病院協会(以下、日精協)の機関誌に、山崎學会長が「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」と書いたことが話題になりました。マスコミやインターネット情報サイトなどでニュースになり、いわゆる「炎上」状態になったことをご存じの方も多いと思います。言葉のインパクトが強烈であ… 2018/07/05 精神・神経
「テクノロジー」じゃ医療は救えません ICT活用に始まり、人工知能(AI)やビッグデータ、ブロックチェーンなど、テクノロジーが医療の課題を解決するという話をよく聞く。テクノロジーは医療の救世主なのだろうか? 2018/07/02 医療機器