特集◎「新型」医療訴訟がやって来た《2》高齢者医療を巡るトラブル 高齢者の脆弱性骨折をトラブル化させるその一言 安易な「お年のせい」がかえって不信感を助長することも 高齢化の進展などを背景に、高齢患者に関する医療訴訟やトラブルが目立っている。中でも、骨密度の低下した高齢者が入院中、わずかな外力で気付かないうちに骨折するケース(脆弱性骨折)に対して、「お年のせい」と安易に説明してしまうことで、大きなトラブルに発展することが少なくないようだ… 2019/12/05 医療安全
京大病院の炭酸水素Na事故から学ぶべきこと 2019年11月19日、京都大学医学部附属病院(以下、京大病院)で、誤って高濃度の「炭酸水素ナトリウム」を点滴投与し、その後の救命処置が不適切であったことも重なって、入院中の男性患者(以下、患者)が死亡したという報道がありました。 今回の事例の概要について、京都大学病院の「事故報告… 2019/12/03 薬剤師
薬物乱用患者が救急外来にやって来たら… 前回はドーピング問題を取り上げたが、今回も“お薬関連”の話をする。最近、田代まさしが覚醒剤の所持(共同所持を含めて4回目)、沢尻エリカがMDMA所持の容疑で逮捕されていたことから、救急外来などでの違法薬物反応陽性者の扱いについて改めて考えてみたい。… 2019/12/02 救急医療・集中治療
「何かあれば受診するように」の説明で敗訴 今回は、患者が退院する際、医師にどのような療養方法の指導、説明が求められるかについて考えてみます。療養方法の説明としては、薬の服用方法、通院に関する説明などがあり、訴訟で争われることが多いのは、「どのような症状が現れると病院を受診する必要があるか」の説明です。今回紹介する最… 2019/11/27 医療安全
特集◎「新型」医療訴訟がやって来た《1》変容する医療訴訟の相手方 増加中の「新顔」弁護士は手強い?それとも… 患者側協力医にも変化、過失を特定できず訴訟が長引くケースも 近年、医療訴訟において医療機関側が相対することになる、患者側弁護士やその協力医の顔ぶれが大きく変化している。手強い「新顔」弁護士や協力医の意見書に苦戦を強いられることもあれば、逆に無理筋ともいえる提訴で患者側が過失を絞り込めず、訴訟がずるずると長期化してしまうケースも。以前… 2019/11/14 医療安全
採血に伴う神経損傷、勝訴と敗訴の分かれ目は? 「血液を採ったときに神経を傷付けましたね。責任を取ってください。」――患者や健診の受診者から、このような訴えがあったことはないでしょうか。採血や注射に伴い神経障害が生じたとしてトラブルになることは、しばしばあるかと思います。では、採血・注射に伴って神経を損傷した場合には、医… 2019/11/13 医療安全
内視鏡で穿孔、裁判所は過失をどう判断する? 今回は、手技により損傷が生じた場合の過失の考え方について検討したいと思います。手術や侵襲を伴う検査などにより悪い結果が生じた場合、患者側としては、いかなる時点でどのような手技が行われたのか当然分からないわけで、具体的な過失を主張することが困難な面があることは否定できません。… 2019/10/28 医療経営
台風で断水した病院から―台風19号被災レポート 台風19号は甚大な被害を及ぼし、その全容は未だ見えていない。 私は、被災した福島県の二次救急病院で医師として勤務している。当院は地形が幸いし、浸水を免れた。しかし、今回の台風の影響を受けて付近一帯が断水となった。限られた経験ではあるが、こうした状況で起こったいくつかの問題を共有… 2019/10/24 公衆衛生・予防医学
敗訴のリスクを高める患者への「過度な配慮」 「その説明では患者は誤解しますよ」――。裁判で患者側がこのような主張をし、医師に説明義務違反が認められて敗訴することがあります。そうしたケースでは、いったいどのような説明がなされていたのでしょうか。以下に示す3つの事例を基に、患者説明のときに注意すべきポイントを紹介したいと思… 2019/10/23 医師・患者関係
学会トピック◎第47回日本救急医学会総会・学術集会 ERでの暴力患者、医療者の対応には限界が ERで暴力を振るう患者に対して、医療者はどこまで我慢すべきなのか――。公立陶生病院救命救急センター(愛知県瀬戸市)の市原利彦氏らは、現行犯逮捕となった症例について、第47回日本救急医学会総会・学術集会(10月2~4日、東京都)に報告。ERがこうした暴力患者を受け入れるのには限界があると… 2019/10/08 救急医療・集中治療
「伝える情報」から「伝わる情報」への工夫 情報を伝えたつもりでも、うまく相手に伝わっていないという経験は誰にでもあると思います。その原因は、情報の送り手だけでなく、情報の受け手にもあります。 情報の送り手側の主な原因は、(1)伝えようとする情報内容がまとまっていない(整理されていない)ことと、(2)説明がダラダラと長… 2019/10/03 医療の質
医院駐車場の事故、当事者から理不尽な要求も 当院の駐車場で、患者同士の事故が起きた。ブレーキとアクセルを踏み間違え、駐車中の車にぶつかったという。当院は地方の戸建て医院で、自家用車を使って来院する人が少なくないため駐車場は必須。場内での事故やトラブルまで責任は負えないので、その旨の断り書きを掲示している。… 2019/10/03 医療経営
HPVワクチンの接種をどう考える? ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、2013年4月より予防接種法に基づき定期接種化されたが、同時期にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛例の報告がなされ、安全性に対する懸念が広がった。そのわずか2カ月後の13年6月、厚生労働省は積極的な接種勧奨の一時差し控えを決定した… 2019/09/27 薬剤師
「添付文書に従わないと裁判で負ける」の誤解 今回は、医薬品の添付文書の記載内容に反した診療を行った場合の裁判所の判断について検討したいと思います。 医薬品は、これに添付する文書等に用法、用量、その他使用および取り扱い上の注意などを記載しなければならないとされています(医薬品医療機器等法52条1項)。では、医師がその注意義… 2019/09/24 医療安全
学会トピック◎第19回日本病院総合診療医学会学術総会 日本の医療訴訟、診断エラーが原因は39.3% 日本の医療訴訟において、診断エラーが原因となった事例は39.3%と高く、欧米の先行研究の結果と同程度であることが分かった。1800件もの判決を基にした調査で明らかになったもので、島根大学医学部医学科5年の大槻和也氏 (指導教官・島根大学医学部附属病院卒後臨床研修センターの和足孝之氏) ら… 2019/09/18 医療安全
シリーズ◎医師の「働き方改革」 医療崩壊を盾に勤務医を犠牲にするのか 過労自死した研修医の父で開業医の山田明氏が訴えること 埼玉県で開業する山田明氏は「医療崩壊を盾に勤務医を犠牲にしてはならない」とし、「医師にも一般労働者と同じような規制を」と訴える。山田氏は2006年に、大学病院の研修医だった娘(当時26歳)を過労自死で亡くしていた。… 2019/09/13 医療安全
【特別寄稿】Tokyo GIM conference 81thでAI診断イベント 「志水太郎 vs AI診断」は志水氏の圧勝 AIを使った診断決定支援ツールの課題も浮き彫りに 診断エラーを減らすために、AIによる診断決定支援システムを活用する道が開かれようとしています。そこで、総合内科医を対象とするTokyo GIM conference(東京GIM)では、Special eventとして獨協医科大学病院総合診療科教授の志水太郎先生にご協力いただき、AI診断決定支援システムを実際に利用し… 2019/09/13 医師のキャリア
介護人材不足を加速? 注目の介護訴訟が控訴審へ 転倒や誤嚥など、要介護者の日常のリスクの予防と対応は、介護施設・介護事業者の運営で大きなウエートを占める。センサー技術などで見守りの手間が軽減される反面、人手不足は解消されず、こうした事故をゼロにすることはできない。入所者や利用者が負傷あるいは死亡した場合、家族との間で紛争… 2019/09/12 老年医学・介護
「無診察治療」を巡る訴訟、裁判所の判断は? 「薬だけください」――。そう言って、医療機関を訪れる方がいます。原則として、診察もせずに処方をすることは禁止されています。医師法20条は「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し(中略)てはならない」としているからです。 それでは、治療に当たっ… 2019/09/11 医療安全
「年960時間超え」には2021年までの時短計画策定が必須に 厚生労働省は2019年9月2日、医師の働き方改革の推進に関する検討会を開催。「追加的健康確保措置」の履行の確保と「医師労働時間短縮計画(時短計画)」の策定などについて議論、概ね了承された。いずれも、勤務する医師が年間960時間を超える時間外労働を行う医療機関に義務化されることになる内… 2019/09/04 医療安全
厚労省がHPVワクチンの情報提供の現状についての調査結果を公表 HPVワクチン接種対象者への個別の情報提供、約6%の自治体が実施 厚生労働省は2019年8月30日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を合同開催した。その中で、自治体などによるHPVワクチンの情報提供の現状について調査した結果を公表した。… 2019/08/31 感染症
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界 今日からできる!正しいHbA1c値の使い方 患者ごとに推算HbA1cを把握せよ 血液疾患治療は新薬の登場で新たな進歩を遂げている。さらに遺伝子操作などの最先端技術は血液細胞を改造し、新しい治療法を生み出し始めた。本特集では、血液にまつわる最新技術を紹介する。 2019/08/29 代謝・内分泌
3つの裁判例に見る「正しい患者への謝り方」 医療現場で、「後々トラブルになったときに備え、患者や家族に謝罪しないように」と言われることはよくあると思います。では、謝罪をすると、実際に医療訴訟で不利に扱われるのでしょうか。この点について、裁判例を3つ紹介します。1つ目の裁判例は、訪問診療、訪問看護を受けていた在宅患者に左… 2019/08/28 医療安全
身体拘束が違法か否かを判断する「3つの基準」 今回は、不穏な状態にある患者をベッドに拘束することが違法か、という問題を考えてみたいと思います。 病院における患者の身体拘束の是非が裁判で争われ、最高裁の判断が示されたケースとして、最高裁平成22年1月26日判決(民集64巻1号219ページ)があります。当直の看護師らが入院中の患者Aの… 2019/08/26 医療安全
インタビュー◎日本調剤がフォーミュラリー作成事業を開始した理由 経済性にも優れた標準薬物治療を全国に広めたい 日本調剤取締役フォーミュラリー推進部長の増原慶壮氏に聞く 2020年度診療報酬改定に向けた主な検討項目の1つになり注目を集めている「フォーミュラリー」。導入により大幅な医療費削減が期待されている。このほど、大手調剤薬局チェーンの日本調剤(東京都千代田区)がフォーミュラリーの普及を目的に事業部を立ち上げ、話題になっている。なぜフォーミュラリ… 2019/08/21 医薬品
学会トピック◎第69回日本病院学会 当直翌日の業務後、初期研修医の注意機能は低下 肉体的にも精神的にも疲労度は有意に増加 初期研修医を対象に、当直翌日の業務後の疲労度を調べたところ、肉体的疲労度だけでなく精神的疲労度も有意に増加していた。また、ドライビングシミュレーターによる評価で注意機能の低下が認められ、診療や帰宅時の運転において安全上の問題を引き起こす可能性が示唆された。… 2019/08/02 医師のキャリア
インタビュー◎刑事告発された新潟市民病院院長の片柳憲雄氏に聞く 不起訴とはいえ「改革を緩めるわけにいかない」 残業上限「年960時間」は全職員の目標 違法な長時間労働が放置されているとの告発を受け、労働基準法違反の疑いで書類送検された新潟市民病院院長と新潟市および新潟前市長が、4月に不起訴処分となった。院長の片柳憲雄氏は「不起訴だからといって、働き方改革の手を緩めるわけにはいかない」とし、「残業上限『年960時間』の実現を目指… 2019/07/30 医療安全
健診での肺癌見落としは裁判でどう判断される? 今回は、集団健診について考えてみたいと思います。事業者には年1回、労働者に対し健康診断を受けさせる義務があります(労働安全衛生法66条、同規則44条)。検査項目のうち、診断結果を巡ってトラブルになりやすいのが胸部X線検査です。… 2019/07/24 医療安全
急ぐ患者と薬剤師はどう向き合うか 先日、40代の男性が処方箋を持って来局しました。初めて来局された患者さんでしたので、初回質問票を書いていただくようにお願いしたところ、「じゃあ、他に行くから処方箋を返して!」とイライラした様子を隠さずに言います。 … 2019/07/12 コメディカル
添付文書とガイドラインで異なる記載、どちらを優先? 医薬品の使用が関係する医療訴訟で、医師の過失などを判断する材料として医薬品の添付文書が重視されることはご存じかと思います。実際、この点については有名な最高裁判例があり、「医師が医薬品を使用するに当たって添付文書に記載された使用上の注意事項に従わず、それによって医療事故が発生… 2019/07/10 医療安全
中国腎移植後の診療拒否裁判で考える応召義務 先日、医師の応召義務に関して興味深い判決が出された。中国で腎移植手術を受けた患者が帰国後、フォローアップ治療のために浜松医科大学医学部附属病院を受診した際に病院側が診療を拒否した事案で、患者が不法行為と債務不履行の双方で損害賠償請求を行った訴訟である。この判決が2018年12月14… 2019/07/02 腎・泌尿器
医療事故調査・支援センターが転倒・転落による頭部外傷について提言 頭部打撲の転倒高齢者、異常なしでも頭部CTを 転倒・転落の完全な予防は不可能、死亡回避の対応を求める 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)は、9回目となる医療事故の再発防止策として、「入院中に発生した転倒・転落による頭部外傷に関わる死亡事例」に関する提言を、6月に発表した。 2019/07/01 老年医学・介護
シリーズ◎医師の「働き方改革」 働き方改革から2年たった昭和大病院のいま 昭和大学病院の大嶽浩司氏と小林洋一氏に聞く 2016年に付属の3病院が労働基準監督署からの立入調査を受けたことを契機に、2017年4月に働き方改革をスタートさせた昭和大学病院。働き方改革を実践することで、現場にどのような変化があったのか。昭和大学病院副院長の大嶽浩司氏と小林洋一氏に話を聞いた。… 2019/07/01 医療提供体制
学会トピック◎第24回日本緩和医療学会学術大会 がん薬物療法中に自損事故、運転禁止で済まぬ事情も 鹿児島共済会南風病院の加藤博美氏らによると、がんの薬物療法中に自損事故を起こした事例をきっかけに、自院のがん患者の自動車運転の現状を調査した結果、直近の3年間で3件の自損事故が発生していたことが明らかになった。調査対象の全員が、通院などで自動車運転が必須だったことも判明。加藤氏… 2019/06/26 癌
学会トピック◎第94回日本医療機器学会大会 単回使用機器、再製造するには「隔離保管」を 硬膜や目に触れたもの、感染症患者に使用したものは対象外 2017年7月に単回使用医療機器(SUD)の再製造に関する制度(再製造単回使用医療機器基準)が設立され、早2年が経とうとしている。1回限り使用できることとされているSUDを医療機器製造販売業者が収集し、分解、洗浄、部品交換、再組立て、滅菌などの処理を行い、再びSUDとして使用できるようにす… 2019/06/24 医療機器
昨今話題のフォーミュラリーが目指すものは? 浜松医科大学附属病院教授・薬剤部長の川上純一氏に聞く 2020年度診療報酬改定に向けた主な検討項目の1つにも取り上げられた「フォーミュラリー」(関連記事:2020年度改定、患者年代別の課題から議論)。欧米では既に一般的に使われているというフォーミュラリーとは一体何なのか。医師が知っておきたいフォーミュラリーの実際を、浜松医科大学医学部附… 2019/06/24 医薬品
糞便移植療法で患者が死亡、FDAが警告を発出 「糞便移植療法(FMT)には、深刻な、または命にかかわる感染リスクが潜んでいる可能性がある」――。米国食品医薬品局(FDA)は2019年6月13日、「Important Safety Alert Regarding Use of Fecal Microbiota for Transplantation and Risk of Serious Adverse Reactions Due to Transmission of Mu… 2019/06/21 感染症
シリーズ◎忘れられないカルテ 術後経過良好な患者が家族の前で下半身麻痺に 岩手県立久慈病院副院長/外科 遠野千尋氏 医師なら誰にでも「忘れられないカルテ」がある。後日、冷や汗をかいた症例、奇跡的にうまくいった自慢の症例、「なぜあのとき…」と今でも後悔している症例、などなど。ことあるごとに思いだし、医師としての自分の成長を支え続けている、心に残るエピソードを集めた。… 2019/06/19 消化器
教師も外科医も実践する「責任のシェア」とは 1クラスを1人の担任教師が担当する固定担任制を廃止した――。先日テレビを見ていたら、東京都内の公立中学校のそんな取り組みが紹介されていた。1学級を1人の教師が受け持つ固定担任制を廃止し、教師全員がチームを組んで全生徒を見る「全員担任制」を実施しているというのだ。… 2019/06/17 医師の職場環境
シリーズ◎忘れられないカルテ 命より大切なものがある患者のオペ 福角病院(愛媛県松山市)副院長 角南典生 医師なら誰にでも「忘れられないカルテ」がある。後日、冷や汗をかいた症例、奇跡的にうまくいった自慢の症例、「なぜあのとき…」と今でも後悔している症例、などなど。ことあるごとに思いだし、医師としての自分の成長を支え続けている、心に残るエピソードを集めた。… 2019/06/13 癌
学会トピック◎第22回日本臨床救急医学会総会・学術集会 救急外来での感染対策マニュアル作りに役立つチェックリストがいよいよ完成 病院前救護活動のチェックリストも現在作成中 救急現場における感染対策の標準化に向けた動きが加速している。日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本感染症学会、日本環境感染学会、日本臨床微生物学会による5学会合同ワーキンググループ(救急外来部門における感染対策検討委員会、委員長:慶應義塾大学医学部救急医学教授佐々木淳一氏)は… 2019/06/13 救急医療・集中治療
診療1カ月後のカルテ追記、紛争で不利になる? 医療訴訟では、カルテに記載されている事実は、基本的に信用性が高いと判断されています。それは、専門的な資格を持つ者が、その職務に基づいて記載をするものだからです(2014年1月28日岡山地裁判決)。では、カルテに追記された内容に関してはどうでしょうか。… 2019/06/11 医療安全
広島地裁で産婦人科医の過労死を認める判決 時間外労働が80時間超え、2週間以上の連続勤務も複数 精神疾患を発症するまでの6カ月間に時間外労働が80時間を超える月があり、2週間以上の連続勤務も複数回あった――。10年前、中国地方の病院に勤務していた産婦人科の50歳代の医師が自殺したことをめぐって、遺族が労災と認めるよう訴えた裁判で、広島地方裁判所(高島義行裁判長)は5月29日、「長時… 2019/05/31 産婦人科
インタビュー◎中心静脈カテーテル留置はより安全に これ、いいね!プローブと画面が一体型のエコー 大阪大学国際医工情報センター特任教授の井上善文氏に聞く 中枢挿入式や末梢挿入式の中心静脈カテーテルを留置するため静脈に穿刺する際、これまでは指で解剖学的に静脈を探し当てて穿刺してきたが、この方法は熟練が必要で、時に合併症を引き起こしてしまうリスクがあるし、鎖骨下穿刺や内頸静脈穿刺に伴う医療事故も問題になった。… 2019/05/29 医療機器
医師の過失の判断基準は「医療水準」以外にも 今回も、医療裁判で医師の過失がどのように認められるかについて考えてみます。 医師の過失の有無を判断する際の基準となるのが「医療水準」で、医療水準を満たしていないと過失が認められます。医療水準は、前回書きましたように、未熟児網膜症の診療において新しい治療法である光凝固法を実施… 2019/05/28 医療安全
診断エラーに立ち向かうために必要なこと 診断エラー・カンファレンスの秘訣 とがめるのではなく、前向きに考えるための場づくりを 我々アラフォーの永遠のヒーローであるイチロー選手は、「4000本安打には、僕の場合、8000回以上悔しい思いをしている。その悔しさと常に向き合ってきた事実がある」と述べています。むしろプロ中のプロであるからこそ、できなかったことから学ぶ姿勢が重要であるように感じます。診断エラー学は本… 2019/05/24 医療安全
顕在化する在宅の暴力・ハラスメント 人工呼吸器を装着した女性患者の自宅における訪問看護。看護師が行うケアを横でじっと見ては、「前のやり方と違う!」といちいち口を挟む夫。妊娠中の看護師が訪れると、「やることはやっているんだな」とあからさまなセクハラ発言。揚げ句には「それでも看護師か」と人格否定の暴言が飛び出す。… 2019/05/21 看護師
医師4133人に聞いた「治療の差し控え・中止」 透析の非導入や中止を経験した医師は135人 日経メディカル Onlineでは、医師会員を対象に「治療の差し控え・中止に関するアンケート調査」を実施。「治療の差し控え・中止」の経験の有無や実際のプロセスなどを明らかにしました。 2019/05/20 腎・泌尿器
JAMA Network Open誌から 生体腎移植のドナーは長期追跡が必要 ドナーが臓器提供後に腎不全を起こし移植待ち対象者になることも 生体腎移植のドナーとなった人々の、臓器提供後の有害な転帰について長期にわたって追跡した研究は、これまであまりなかった。米California大学San Francisco校のJieming Chen氏らは、生体腎ドナーとなった人々を対象に行われた臨床研究のデータを分析して、有害イベントは提供から2年後以降に多… 2019/05/13 先端医学
裁判官は医師の過失をどのように判断するのか 今回から、医師などの過失(注意義務違反)について考えてみます。医療訴訟において、医師の過失は「医療水準」を基準として判断することが確立しています。最高裁昭和57年3月30日判決(判例タイムズ468号76ページ・高山日赤事件)が「注意義務の基準となるべきものは、診療当時のいわゆる臨床医… 2019/04/24 医療安全
薬剤師1人につきテクニシャンは何人まで許容? 日本では、薬剤師法第19条において、「医師、歯科医師又は獣医師が自己の処方箋により自ら調剤するときを除き、薬剤師以外の者が、販売又は授与の目的で調剤してはならない」と規定されています。この規定をめぐって、厚生労働省から「調剤業務のあり方について」という通知が2019年4月2日付で発… 2019/04/17 コメディカル
20年の医療安全管理の歴史を振り返って 医療機関における医薬品投与時のエラーは、(1)処方、(2)調剤、(3)投与あるいは服用――のそれぞれの段階で発生します。処方時の医師のエラーは調剤時に薬剤師が、また、調剤時の薬剤師のエラーは投与時に看護師(あるいは医師)が、あるいは、服用時に患者が防いでくれることが少なくありませ… 2019/04/15 医薬品
診断エラーにどのように向き合っていくべきか エラーに対する懲罰は新たなエラーを増やすだけ 日常診療をともにする仲間と診断エラーの振り返りを AIと私たち人間の違いは何だろうか。1999年に米国のIOM(Institute of Medicine)が発表したレポート「To Err is Human」によると、「人は必ず間違える生き物である」ということである。そして、日常診療におけるエラーの中でも「診断エラー」は大きな部分を占めており、世界的にも問題となっている… 2019/04/08 医療の質
学会トピック◎第34回日本環境感染学会総会・学術集会 「『だいたいウンコ』な経口第3世代セフェムは病院で採用すべきでない」のか? 「病院で第3世代経口セフェムの採用は必要か」Pros&Cons 消化管で吸収されて血液中に入る割合(バイオアベイラビリティー)が他の系統の経口抗菌薬に比べて低いことなどから、「経口第3世代セフェム=だいたいウンコ(DU)」という「DUの定理」が成り立つ――。2015年、国立国際医療研究センター国際感染症センターの忽那賢志氏が日経メディカルOnline内… 2019/04/01 感染症
シリーズ◎何でもPros Cons【タスクシェア/シフト、どれだけできる?】 タスクシフトするなら責任も一緒にシフトして! 医療には様々な疑問が山積している。医学的な判断はもちろん、より良い医療を提供するための制度・仕組み、医師本人のキャリアプランなど。しかしこうした疑問には正解がないのが普通だ。だからPros Cons。他の医師はどう考えているのか? 自分にない考え方を知り、新しい視点を持つことで、明日か… 2019/03/27 医療の質
シリーズ◎何でもPros Cons【慢性疾患の薬物治療、やめどきはある?】 慢性疾患の薬物治療、「やめどきアリ」は75% 医療には様々な疑問が山積している。医学的な判断はもちろん、より良い医療を提供するための制度・仕組み、医師本人のキャリアプランなど。しかしこうした疑問には正解がないのが普通だ。だからPros Cons。他の医師はどう考えているのか? 自分にない考え方を知り、新しい視点を持つことで、明日か… 2019/03/26 医薬品
治療法選択の「熟慮」の機会与えず敗訴 今回は、治療方針の説明において「経過観察」の選択も含まれる場合の対応を考えてみます。医師が治療方針を検討する際、幾つかの療法に関する選択肢とともに、「いずれの療法も受けずに保存的に経過を観察する」という選択肢を提示する場合があります。こうしたケースで、近年、治療前の説明義務… 2019/03/26 医療安全
「医師の働き方を考える会」代表の中原氏ら 「年間1860時間」案に反対する要望書を厚労省に提出 医師の働き方を考える会の代表を務める中原のり子氏らは3月22日、厚生労働省医政局長の吉田学氏に対し、「医師の働き方改革に関する検討会」報告書(案)に対する要望書を提出した。 2019/03/22 医師の職場環境
シリーズ◎何でもPros Cons【どうする? HPVワクチン接種の積極的勧奨】 HPVワクチンの積極的勧奨、8割が「すべき」 医療には様々な疑問が山積している。医学的な判断はもちろん、より良い医療を提供するための制度・仕組み、医師本人のキャリアプランなど。しかしこうした疑問には正解がないのが普通だ。だからPros Cons。他の医師はどう考えているのか? 自分にない考え方を知り、新しい視点を持つことで、明日か… 2019/03/22 感染症