Surgery誌から スタチン使用は結腸癌の生存率を有意に改善する スウェーデン・エレブルー大学のArvid Pourlotfi氏らは、根治目的の待機的結腸癌切除術を受けた患者の生存率を検討し、手術時にスタチン療法を継続していた患者の方が総死亡率、癌特異的死亡率共に有意に低かったと報告した。今回の研究は、腫瘍学的、外科学的に異なる結腸癌と直腸癌を区別した点… 2022/04/21 癌
第30回 自覚症状が乏しい場合の患者への説明 「脅し」にならずに患者の行動変容を促すには 激しい痛みがあれば迷う余地もなく受診するでしょうが、最近何か異変を感じているので一度受診した方がいいと思っていても、受診しようとしない人はいます。なぜ受診しようとしないのか。死に至るかもしれない病気に罹患している事実を知りたくないということがありますが、治療のために生活を変… 2022/04/05 医師・患者関係
BMJ誌から 自然早産のリスクが高い妊婦にはプロゲステロン腟坐薬が有用 ネットワークメタアナリシスで34週未満の早産と周産期死亡リスクが低下 英国Liverpool大学のAngharad Care氏らは、早産リスクが高いと考えられる単体妊娠の女性に対する早産予防介入法の有効性を比較する系統的レビューとネットワークメタアナリシスを行い、プロゲステロン腟坐薬の使用が最も有望だと思われると報告した。結果は2022年2月15日のBMJ誌電子版に掲載され… 2022/03/15 産婦人科
第21回 睡眠を整えると気分も整う──社会リズム療法 うつ病や双極性障害などの気分障害では、不眠や過眠(眠気)が非常に多いことがよく知られています。臨床上大事な点は、不眠や眠気がうつ症状や躁症状の発症や再発のリスク要因であり、また早期兆候として気分障害が顕在化するのに先立って出現するケースが多いことです。先行する期間は患者さんに… 2021/11/11 精神・神経
10月18~24日の話題になった論文 気候変動に対する「Lancet Countdown」報告書論文が話題に 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2021/11/08 公衆衛生・予防医学
JAMA誌から 血清尿酸濃度を上げてもパーキンソン病の進行は抑制できない 早期のPD患者にイノシンを投与して尿酸値を高めに持続した臨床試験 米国Massachusetts総合病院のMichael A.Schwarzschild氏などParkinson Study Group SURE-PD3の研究者たちは、血清尿酸値が低い初期のパーキンソン病(PD)患者を対象に、イノシンを2年間投与して尿酸値を高く保つことでPDの進行を抑制できるかどうかを調べるランダム化比較試験を行い、プラセボ群… 2021/10/07 精神・神経
JAMA Network Open誌から 幼少期からの教育的介入は30年後の心血管疾患リスクを減らす 80年代にシカゴの貧困地区で小児に実施した早期教育の効果を追跡 米国Minnesota大学のArthur J. Reynolds氏らは、シカゴで貧困世帯の小児を対象に幼少期から最長6年間(3~9歳)の教育的介入を実施して、プログラムの効果を長期追跡するコホート研究を行い、介入を受けたグループは30代半ばになった時点でのフラミンガムリスクスコア(FRS)が低かったと報告した… 2021/09/10 循環器
《日経バイオテクより》 新型コロナ、軽症向けの経口薬開発が本格化、国内の開発状況は? 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽症患者に経口投与できる治療薬の開発が本格化している。複数の治療薬について臨床試験が実施され、選別が進んだことで、後期臨床試験入りする治療薬が出てきた。早いものでは、2021年内にも初期の結果が示され、承認申請につながると期待されている。国… 2021/09/10 感染症
時間と意思決定の関係を考えてみます Never put off till tomorrow what you can do today 前回(「さて、リスクとは何ぞや」)は不確実性・リスクという概念について解説させていただきました。 2021/08/20 公衆衛生・予防医学
ほぼ後遺症のない脳梗塞患者への退院支援は? 脳神経外科に勤務している新人看護師です。脳梗塞で入院中の患者さんが自宅退院することになりました。退院支援に関して看護計画を考えてくるようにと先輩看護師に言われましたが、その患者さんはADLもほとんど自立していて、どのような点で看護師として退院支援ができるかが分かりません。脳梗塞患… 2021/07/26 循環器
JAMA Neurology誌から carotid webがある患者は脳梗塞再発リスクが高い 頸動脈のCT血管造影データが利用可能だった脳梗塞患者を2年間追跡 オランダAmsterdam大学のValeria Guglielmi氏らは、MR CLEAN trial(2010~14年)とMR CLEAN Registry(2014~17年)に登録された脳梗塞患者のうち、頸動脈のCT血管造影データが利用可能だった患者を再評価してcarotid web(CW)の存在を調べ、CWがある患者はCWがない患者に比べると、2年以内に脳… 2021/06/08 循環器
予防医療による雇用創出目指す注目のプラン 新型コロナウイルス感染症は、医療にも経済にも大きなダメージを与えている。日本は頼みの綱のワクチン接種が遅れ、感染の拡大が止まらない。ワクチンが普及して元の生活に戻りつつある欧米との隔たりを感じざるを得ない。結果的にコロナは日本の弱みを次々とクローズアップした。もう日本という… 2021/05/31 公衆衛生・予防医学
医師7303人に聞いた「ゲノム編集食品を食べますか?」 3割はゲノム編集食品を「特に意識しないで食べる」 できれば食べたくないも3割、積極的に摂取したいは1割弱 2020年にノーベル賞を受賞したゲノム編集技術CRISPR/Cas9を使って、血圧上昇を抑えるGABAの含有量を増やしたトマトの販売・流通の届け出が昨年12月に行われ、今年5月にはまず希望者5000人に苗が無償で配布された(関連記事)。初のゲノム編集食品の普及に向けて、欲しいと思う人にまず配り、理解… 2021/05/27 生活習慣
「酩酊して救急搬送」を繰り返させない工夫 病院の救急外来では、このような患者にしばしば出会います。酔いが覚めれば、「早々に退院」となることが多いと思いますが、総合診療医としてもっとできることはないでしょうか。予防医療の視点を加えて診療するとどうなるのか、中原病院の実践を見てみましょう。谷看護師:おはようございます。… 2021/05/24 公衆衛生・予防医学
リポート◎国立国際医療研究センターとアクセンチュアが共同研究を開始 「ブラックボックス」化しない生活習慣病リスク予測AIを目指す 国立国際医療研究センターと大手コンサルティングファームのアクセンチュア(東京都港区)は、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症)のリスクを予測する人工知能(AI)モデルの開発に関する共同研究を2021年2月から開始した。国立国際医療研究センターが蓄積してきた約12万件の健康診断データ… 2021/05/10 医療情報
BMJ誌から 若い心不全患者ほど危険因子の影響が大きい 絶対リスクは高齢者より低いが、相対リスクは若年者が高い シンガポールNational Heart Centre SingaporeのJasper Tromp氏らは、Framingham Heart Studyなど既存の大規模コホート研究を利用して、心不全発症に対する修正可能な危険因子は患者の年齢によって影響の大きさに差があるのかどうかを検討し、高齢者に比べ若年者の発症率は低いものの、若い心不全… 2021/04/19 循環器
医師7446人に聞いた「人生100年時代の医療」 8割弱の医師が「平均寿命100年時代は来ない」 日本人の平均寿命延伸に、医学はこれまで多大な貢献を果たしてきた。2017年9月に立ち上げられた政府の「人生100年時代構想会議」の資料によれば、2007年に日本で生まれた子どもについては50%の確率で107歳まで生きるという。なお、2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳となっている。日経… 2021/04/01 公衆衛生・予防医学
痩せられない患者を奮い立たせるミラクルな質問 さて、このような患者には、どのように介入すればよいでしょうか? 地域医療研修中の八木研修医の対応を見てみましょう。八木研修医:はじめまして、八木と申します。今日は、健診で異常を指摘されて受診されたのですね。栗山:はい……。実は3年前から脂質代謝異常があると言われていたのですが… 2021/03/22 公衆衛生・予防医学
Am J Gastroenterol誌から アルコール性肝硬変予防にはコーヒーが有効? ワインによる予防効果は確認できず 欧米の複数の国で行われたアルコール性肝硬変患者の症例対照研究から、糖尿病、肥満、コーヒーの摂取が肝硬変リスクと有意に関連することが示された。結果はAm J Gastroenterol誌1月号に掲載された。 アルコールを大量に摂取すると肝硬変などのアルコール性肝疾患となる可能性があり、遺伝、環境… 2021/02/22 消化器
NEWS◎全国自治体症例対照研究J Studyの結果 HPVワクチン、全国調査で癌予防効果の詳細解明 HPVワクチン接種と子宮頸部上皮内病変との関連を評価すべく、全国自治体で子宮頸癌検診を受診した人を対象に、細胞診異常と細胞診異常なしにおけるHPVワクチンの接種歴の有無を比較した症例対照研究「J Study」の結果が公表された。それによると、HPVワクチンは軽度異形成(CIN1)を57.9%、中等… 2020/12/16 感染症
「カリスマ」を支え続けた功労者が遺したもの 10月11日午後、私が勤める佐久総合病院の松島松翠(しょうすい)名誉院長が、92歳の天寿をまっとうされた。世間的には佐久病院といえば、終戦直前に赴任した若月俊一名誉総長(1910-2006)が「農民とともに」のスローガンを掲げて地域に密着した医療を展開し、住民の支持を受けて地方では稀有な大… 2020/11/30 医療提供体制
「みんパピ!」がHPVワクチンの説明補助リーフレットを作成 「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」(以下、みんパピ!)はこのほど、医療現場などで配布可能なHPVワクチンに関するリーフレットを作成した。2020年11月から配布を開始し、既に118カ所の医療機関に1万7000枚を配布したという(11月17日現在)。… 2020/11/21 感染症
強い偏食傾向のある鍼灸師が陥ったあの疾患 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、今年度のプロ野球の開幕は6月中旬まで延期され、120試合が実施されました。非常に変則的なシーズンでしたが、我らが中日ドラゴンズは8年ぶりにAクラスとなりました。来年度の「V奪回」を期待したいと思います。 さて今回の「撮っておきClinic… 2020/11/18 公衆衛生・予防医学 医師・医学生限定コンテンツ
最新刊『考える技術』に見るスクリーニングのエビデンス 今年も勤務先が健康診断を実施する季節になった。例年と違うのは、新型コロナウイルス感染対策を導入したことだ。完全事前予約制にして、同じ時間帯に検査を受けられる人数を制限し、順番待ちの列ができないようになった。しかし、それ以外は労働安全衛生法が定めている定期健康診断項目に従って… 2020/10/28 検査
クロスヘルスEXPO×日本高血圧学会 高血圧学会の「みらい医療計画」が描く新戦略 デジタルハイパーテンションで高血圧の征圧目指す 10月14~16日に開催されたクロスヘルスEXPO 2020(主催:日経BP)で日本高血圧学会は、2018年に策定した「みらい医療計画」の具体的な取り組みについて報告した。同計画では、減塩や高血圧の認知促進のための社会啓発、さらにデジタル技術の駆使によってより精緻な高血圧診療の実現を目指す「デジ… 2020/10/20 循環器
経産省課長がヘルスケア産業の活性化を語る! 経産省ヘルスケア産業課長・稲邑拓馬氏に聞く 日経BPは2020年10月14〜16日の3日間、オンラインで「日経クロスヘルス EXPO 2020」を開催する。このEXPOは、医療・介護・健康といったヘルスケア分野の行政動向や、様々な製品・サービスに関する最新情報を得られる場だ。昨年は東京ビッグサイトで開催したが、今年は新型コロナウイルス感染防止の… 2020/10/08 循環器
シリーズ◎適切にフォローできてますか? NAFLD/NASHの線維化進展予防(その2) 今日からエコーで肝線維化を評価しよう 肝癌の原因として近年注目を集める非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)。近く発刊される予定の「NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改訂第2版)」でも、肝線維化の進行は肝発癌リスクだけでなく… 2020/09/18 消化器
【続報】英AZ社、新型コロナワクチンの英国での臨床試験を再開 それ以外の臨床試験は各国規制当局と協議後に決定へ 英AstraZeneca(AZ)社は、2020年9月12日、自主的に全世界で中断していた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン(AZD1222、旧開発番号:ChAdOx1 nCoV-19)の臨床試験について、英医薬品庁(MHRA)から安全性が確認され、英国での臨床試験を再開したと発表した。 AZD1222については、9… 2020/09/14 感染症
【続報】英AZ社の新型コロナワクチン、独立委員会が安全性データを精査中 「深刻な神経症状が発生」と一部報道 英AstraZeneca(AZ)社は、2020年9月9日、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン(AZD1222、旧開発番号:ChAdOx1 nCoV-19)について、正式な声明を発表。英国で実施していた第3相臨床試験で原因不明の疾患(イベント)が1例発生し、通常の対応として同イベントを精査するため、… 2020/09/10 感染症
新型コロナのワクチンの有効性はどの程度期待できる? 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン開発が急ピッチで進められている。ワクチンは、基礎研究から非臨床試験、臨床試験、商業生産の体制整備まで、実用化までに10年以上を要することも珍しくない医薬品だ。しかし今回は、動物モデルで抗体価が上昇すれば臨床試験入りを認めたり、第1相… 2020/09/07 感染症
AIもお手上げ?「複雑」な心房細動を診る方法 2009年に34歳で夭逝したSF作家、伊藤計劃氏が2008年に刊行した代表作『ハーモニー』の舞台は、人々の健康維持を第一に優先する近未来の高度医療社会。あらゆる人間は体内の恒常性を常時監視するシステム「WatchMe」を身体にインストールしており、病気の徴候が見つかればその症状に応じた「医療分… 2020/08/03 循環器
多遺伝子リスクスコアは心代謝疾患を予測可能か 13万人規模・46年間追跡のコホート研究を解析 心代謝疾患は、健康および医療経済的に大きな社会課題であり、その予防戦略を立てることが極めて重要です。疾患発症のリスク予測は、現時点では臨床情報と検査情報を用いて行われていますが、一方でこれには限界があることも分かってきました。例えば、現在「cardiovascular risk calculator」と… 2020/07/21 循環器
HPVワクチン、国の新リーフレット案を審議 2020年7月17日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が合同開催され、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する国からの情報提供の際に用いるリーフレットの新たなレイアウト案が厚労省から示された… 2020/07/21 感染症
短期集中連載◎大腸CTを知る(2) 大腸CT検査の前処置ではどんなことをするの? 大腸がん検診の新たな選択肢として大腸CT検査(CTC)が注目を集めています。便潜血検査陽性にもかかわらず大腸内視鏡検査がこわいとか恥ずかしいといった理由で精密検査を受診しないケース、高齢で検査前の大量の下剤の服用が難しいケース、過去の大腸内視鏡検査でとても辛い思いをしたような、挿入… 2020/07/03 消化器
1分解説◎5年の審査期間を経て薬食審・第二部会を通過 9価HPVワクチンが承認へ、今後の展開は? 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンのシルガード9水性懸濁筋注シリンジ(組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来))の承認を了承した。議決は5月20日付で、早ければ6月中にも承認される見通しだ。… 2020/06/23 検査
JAMA誌から BCGのCOVID-19予防効果は見られず イスラエルで全員接種世代と移民接種世代の感染率を比較 イスラエルでは1955年から全ての新生児を対象にBCGワクチンの接種を行ってきたが、全国民のカバー率90%を達成したことから、1982年に予防接種制度を変更し、結核の有病率が高い地域からの移民に接種対象を絞った。同国Tel Aviv大学のUri Hamiel氏らは、定期接種を受けた世代と受けなかった世代の… 2020/05/25 感染症
Diabetologia誌から 2型糖尿病、若年齢で診断された家族がいると若年発症リスクが高い 親の診断時年齢が若いほど子供の発症年齢も若くなる傾向 家族の2型糖尿病診断時の年齢が、個人の糖尿病発症リスクと発症年齢に及ぼす影響についてデンマークの全国的なレジストリ研究で検討された。解析の結果、若年齢で糖尿病と診断された家族をもつ個人は、高齢になってから診断された家族をもつ個人よりも糖尿病を発症するリスクが高く、また若年齢で… 2020/05/21 代謝・内分泌
気管挿管時に飛沫はどこまで飛ぶ? 前回、目の前の心肺停止患者さんに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疑いが強いときは、どうしたらよいかということを扱いました。今回は、気道管理について触れます。CPRの時は、エアロゾル発生に気を付けながら気道管理を行うことが提言されており、バッグマスク換気や人工呼吸器にHEPAフ… 2020/04/23 感染症
「BCGがCOVID-19を予防」は本当か? 先週、私のトラベルクリニックの外来に米国赴任前にBCGを接種したいという受診者が訪れました。BCGが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防に有効ではないか、という話を聞いて受診したそうです。果たして、BCGはCOVID-19の予防に本当に有効なのでしょうか?… 2020/04/06 感染症
患者さんが禁煙に向かう行動変容スキル 本症例では、長年の喫煙歴が気になるところです。このようなとき、どのようにアプローチすればよいのでしょうか? 医師30年目のベテランである三嶋医師によるgood practiceを紹介します。三嶋医師:(清水さんといえば太陽町役場の防災課の課長さん。去年、うちの診療所も協力して地域の要支援者… 2020/03/23 呼吸器
NEJM誌から 牛乳と健康に関する研究のレビュー 個人の食生活の質に影響を受けるため一律の摂取量は推奨はできない 米国Harvard T.H. Chan School of Public HealthのWalter C. Willett氏らは、乳製品の摂取がヒトの栄養と疾病予防に果たす役割について検討した数多くの研究をレビューし、メリットとデメリットを検討した結果をNEJM誌電子版に2020年2月13日に報告した。… 2020/03/23 生活習慣
JAMA誌から ポリジェニックリスクスコアの実用性は? 冠疾患の臨床リスク予測モデルに追加しても予測精度は向上せず 疾患の発症に多数の遺伝子がかかわる多因子疾患の遺伝的リスク評価法として、ポリジェニックリスクスコア(PRS)に期待が集まっている。米国Vanderbilt大学医療センターのJonathan D. Mosley氏らは、冠動脈疾患に関するPRSを既存のリスク予測モデルに追加すると、予測精度が向上すると仮定して、… 2020/03/16 循環器
初期研修でリハビリテーション科を回ってみた 僕の初期臨床研修も修了まであと数カ月と迫る中、リハビリテーション科を回ってみました。リハビリテーション医(以下、リハ医)は、日本専門医機構が示す1階部分に位置する基本領域の専門医です。病院の統合・再編を進めている地域医療構想でも回復期病床と報告する病床がまだまだ少なく、急性期… 2020/03/02 老年医学・介護 医師・医学生限定コンテンツ
緊急寄稿◎COVID-19感染拡大による学会の開催中止発表が相次ぐ中で 「新型コロナ患者を診たら学会参加を自粛せよ」は適切か 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、第84回日本循環器学会、第4回日本臨床肛門病学会、第92回日本胃癌学会、第6回日本医療安全学会など学術集会の中止や延期を決定した学会が相次いでいる。… 2020/02/22 感染症
Lancet誌から WHOの子宮頸癌撲滅プログラムの効果推定 目標達成なら100年後までに途上国の女性6200万人の命を救えそう WHOは、公衆衛生上の課題として、子宮頸癌撲滅に向けた世界的な戦略を立てている。豪州Cancer Council AustraliaのKaren Canfell氏らは、HPVワクチンのカバー率を上げ、スクリーニング受診率を高め、前癌病変も含む患者に適切な治療を実施する、というWHOのトリプル介入戦略の目標が達成できれば… 2020/02/19 癌
社会問題!? マスクが消えた 中国で猛威を奮っている新型コロナウイルス(2019-nCoV)。日本でも感染者が報告され、今後もしかしたら広く伝染していく可能性もなくはないのですが、「感染したら最後、治療法はなく死ぬしかない」というような誤解もされており、とても不安に駆られている一般の方がいるようです。米国ではイン… 2020/02/06 感染症
ニュース◎接種機会の多い乳幼児の予定が組みやすく 厚労省、ワクチンの接種間隔の規定を撤廃 厚生労働省はこれまで、異なる種類のワクチンを打つ場合、一定の日数を空ける接種間隔を規定していた。今回この規定を見直し、注射生ワクチン同士を接種する場合以外は、接種間隔の制限を撤廃することを決めた。2020年10月1日から適用となる予定。… 2020/02/05 感染症
【インタビュー】 症例レジストリーシステムとロコモのエビデンス作り 慶応義塾大学医学部整形外科学教授 松本 守雄 氏 2019年5月に日本整形外科学会(以下、日整会)理事長に就任した松本氏は、症例レジストリーシステムを早期に稼働させ、エビデンスの構築に積極的に取り組んでいきたいと意気込む。早急に取り組むべき課題と推進していきたい活動について、詳しく語っていただいた。… 2019/12/27 骨・関節・筋
【特集】 つないで続ける骨粗鬆症治療 骨粗鬆症自体には自覚症状がないため、骨折を機に初めて骨粗鬆症に気付くことも多い。再骨折リスクが高いにもかかわらず、骨折患者の骨粗鬆症治療率は低いことから、他診療科や多職種と連携して治療を続けようとする試みが盛んになってきた。… 2019/12/27 骨・関節・筋
【診療アップデート】ロコモの関連疾患 ロコモを診る 日本整形外科学会は2013年に、ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)啓発活動の1つとして、運動機能を評価する「ロコモ度テスト」を発表した。このほど、フレイルにより近いロコモ度3の策定を予定している。改めてロコモの臨床判断値について解説する。… 2019/12/27 骨・関節・筋
【診療アップデート】ロコモの関連疾患 フレイルを診る フレイルは、加齢に伴い、徐々に生理的予備能が低下してストレスに対する回復力が低下した状態を表す“frailty”の日本語訳として、日本老年医学会が提唱した用語である。身体的側面だけではなく精神・心理的側面、社会的側面を有するのが特徴である。… 2019/12/27 老年医学・介護
【診療アップデート】ロコモの関連疾患 サルコペニアを診る サルコペニアは加齢に伴って増加する疾患の1つである。ただし、それ以外の要因により発症する可能性があることを念頭に置いておくべきである。サルコペニアの定義は筋力および/または身体機能の低下であり、臨床症状を見極め、適切な介入を行う必要がある。… 2019/12/27 老年医学・介護
Lancet誌から イルベサルタンがマルファン症候群に有用 大動脈の拡張を抑制することで乖離や破裂を減らせる可能性 マルファン症候群患者の大動脈乖離や破裂につながる大動脈径の拡張を減らすために、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のイルベサルタンが有用であることが示唆された。英国Barts Heart CentreのMichael Mullen氏らは、6~40歳のマルファン症候群患者192人を対象に、イルベサルタンとプラセボ… 2019/12/26 循環器
インタビュー◎心不全患者の予後をDNA損傷の程度から予測する手法を開発 心筋細胞染色で早期に心不全の治療応答性を予測 東京大学大学院医学系研究科循環器内科学教授の小室一成氏に聞く 心不全患者の中には、薬物療法が奏功し長期にわたり安定した病態の患者がいる一方で、治療薬にあまり反応せず予後の悪い患者もおり、両者を早期に鑑別することは非常に困難だった。東京大学大学院医学系研究科循環器内科学の研究グループは、心筋生検時に採取する心筋細胞の染色により、心不全患… 2019/11/26 循環器
[file011] 「チューハイ1、2本で依存症の疑い」ってホントですか? 検査がなく、薬もなければ、時間もないこの部屋で、今日も事件が起こる……! 20XX年11月、茨城県内の○×研究所にて。 2019/10/31 精神・神経
冷え性の可視化や野菜摂取量の推定も、弘前大COIの超多項目健康診断 弘前大学COI(センター・オブ・イノベーション)研究推進機構は、展示会「クロスヘルス EXPO 2019」(2019年10月9日から11日)に出展し、弘前市岩木地域で実施している超多項目の健康診断(健診)に実装した新規項目のデモを行った。具体的には、クラシエホールディングスが提供する冷え性検査や… 2019/10/25 公衆衛生・予防医学
スマホで「心の健康」を可視化、NECソリューションイノベータ NECソリューションイノベータは、メンタルヘルスの不調の予兆を可視化するアプリを展示会「クロスヘルス EXPO 2019」に参考出展した。特別な機器を必要とせず、スマートフォンのアプリのみで「心の健康」を可視化できる。実用化の時期は未定。… 2019/10/24 精神・神経
災害を予測せよ~ハザードチェッカー~ 台風19号が大きな爪痕を残していきました。多くの地域で洪水、浸水被害が出ております。堤防が決壊したほか、河川が氾濫し、都心部のタワーマンションの電気系統がダメになり、マンション機能に大幅な制限がかかるなど、これまで住民があまり具体的に想定していなかったと思われる被害も見られま… 2019/10/24 救急医療・集中治療
トレンド◎国内臨床研究でエビデンス、治験もスタート 近視進行抑制にアトロピン点眼、注目集まる 屋外活動で「バイオレットライト」を浴びるのも有効か 0.01%アトロピン点眼は、プラセボ点眼と比べて、日本人学童の近視の進行を有意に抑制した――。2年間にわたる「近視学童における0.01%アトロピン点眼剤の近視進行抑制効果に関する研究(ATOM-J Study)」(責任医師:京都府立医科大学特任講座感覚器未来医療学教授の木下茂氏)の結果が、このほ… 2019/10/01 眼科
NEWS◎標準的な接種期間は初回が生後2カ月から ロタウイルスワクチンの定期接種化、来年10月に開始 第34回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 厚生労働省は2019年9月26日、第34回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(部会長=国立感染症研究所長の脇田隆字氏)を開催した。この中で、ロタウイルスワクチンの定期接種化に向けて具体的な規定や接種方法について審議し、一部の項目を除いて、おおむね了承した。… 2019/09/27 感染症
JAMA Intern Med誌から ソフトドリンクを毎日飲むと死亡率が増える 欧州10カ国の大規模コホート研究で総死亡率が上昇 ソフトドリンクの総摂取量、加糖飲料や人工甘味料添加飲料の摂取量と、総死亡率および死因別死亡率の関係を明らかにするために、欧州で住民ベースのコホート研究を実施したアイルランドDublin大学のAmy Mullee氏らは、それらの摂取習慣が死亡リスクの上昇に関係していたと報告した。結果はJAMA In… 2019/09/20 生活習慣
Lancet誌から 吸入ステロイドは毎日使わなくてもよい? 発作時のステロイド-ホルモテロール吸入は重症増悪予防に有効 ニュージーランドMedical Research Institute of New ZealandのJo Hardy氏らは、ランダム化比較試験PRACTICALを行い、軽症から中等症の喘息患者の重症増悪の予防法として、低用量ブデソニドの連日投与の代わりに、発作時にブデソニドとホルモテロールを吸入する戦略が有効で、安全性も劣らないと… 2019/09/17 呼吸器
厚労省がHPVワクチンの情報提供の現状についての調査結果を公表 HPVワクチン接種対象者への個別の情報提供、約6%の自治体が実施 厚生労働省は2019年8月30日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を合同開催した。その中で、自治体などによるHPVワクチンの情報提供の現状について調査した結果を公表した。… 2019/08/31 感染症
JAMA Pediatrics誌から 妊婦のビタミン服用でエナメル質欠損が減少 高用量ビタミンD3投与で、子が6歳時点のエナメル質欠損が半減 先進国では小児のう歯の有病率は減少している一方で、近年、エナメル質欠損に対する注目が高まっている。デンマークCopenhagen大学のPia Elisabeth Norrisgaard氏らは、妊婦に対する高用量ビタミンD3投与が、生まれた子の喘息を減らせるかどうかを調べたランダム化比較試験(RCT)のデータを事後… 2019/08/27 産婦人科
「超高齢社会には質の高い公的保険外サービスの育成が不可欠」 経済産業省ヘルスケア産業課長 西川 和見氏 従来のヘルスケア産業は、病医院や介護事業所に加え、製薬企業や医療機器メーカーといった企業が中核を占めてきました。21世紀も、そこはコアな部分として残るでしょうが、それだけでなく予防や予後の生活支援を担う産業も必要になってきます。製薬企業や医療機器メーカーなどに限らない幅広い生… 2019/08/21 行政・制度
Lancet誌から 降圧治療の対象者はどんな方法で選ぶべきか? 心血管疾患の予防効果が最も大きくなる方法を選ぶ研究 血圧がある閾値を超えると降圧治療の対象とみなすことが一般的だ。英国London大学大学衛生熱帯医学大学院のEmily Herrett氏らは、心血管疾患を予防するために降圧治療を行うべき患者を選ぶ戦略として、血圧値のみ(140/90 mmHg以上)を基準、NICEの2011年のガイドラインを適用、NICEの2019年のガ… 2019/08/16 循環器
JAMA Network Open誌から ウエストが太い閉経後女性は死亡率が高い BMIは正常範囲でも中心性肥満がリスクを増やす 肥満度を評価する場合、主にBMIが指標として用いられる。米国Iowa大学のYangbo Sun氏らは、Women's Health Initiative(WHI)研究に参加した女性のうち、2017年2月まで継続して追跡できた参加者のデータを用いて、肥満と総死亡率・心血管死亡率・癌死亡率との関係を調べ、ウエスト周囲径(WC)が8… 2019/08/15 公衆衛生・予防医学
HPVワクチン接種率を確実に上げる方法 HPVワクチンのことで文章を書くと、必ずといっていいほど各方面からクレームがきたり炎上したりするのだが、今回も気にせずに書くことにする。 2019/08/02 感染症
産婦人科医とともに堀江貴文氏らが訴え 「HPVワクチンの積極的な接種勧奨の再開を」 2019年参議院選選挙の立候補者約300人にアンケートを実施 2019年7月18日、一般社団法人の予防医療普及協会とG1は記者会見を開き、HPVワクチンに関する情報を届けることなどを求める署名活動の状況を中間報告するとともに、HPVワクチンの積極的勧奨の再開を求めた。また、2019年参議院選選挙の立候補者約300人に対して予防医療普及協会が行ったアンケート… 2019/07/19 感染症
Lancet誌から HPVワクチンは子宮頸部上皮内異形成を減らす HPV感染率や肛門性器疣贅では集団免疫効果も見られる カナダLaval大学のMelanie Drolet氏らは、HPVワクチンによる予防接種導入後の疫学データを予防接種導入前と比較した研究を対象に、系統的レビューとメタアナリシスを行い、導入後には女性のグレード2以上の子宮頸部上皮内異形成(CIN2+)が大きく減少し、成人男女を含む一般母集団のHPV感染症や肛… 2019/07/18 癌
BMJ誌から 運動は中高年から始めても遅くない ベースラインと7.6年後の運動量の変化が死亡率に与える影響を調べる 運動は総死亡、心血管疾患、癌のリスク低下に関係することが示されている。しかし、多くの研究では、ベースラインの運動量とアウトカムの関係を調べており、その後の生活習慣の変化を反映しにくい。英国Cambridge大学のAlexander Mok氏らは、中高年者の運動習慣の変化が総死亡、心血管死亡、癌死… 2019/07/17 生活習慣
学会トピック◎第44回日本外科系連合学会学術集会 高齢者の救急治療後は早期から嚥下障害対策を 救急治療を受けた高齢者は、日常生活動作や認知機能が低下する場合がある。特にQOLに大きく影響する摂食・嚥下機能については、「救急治療そのもののストレスに加えて、場合によっては絶食を余儀なくされるため嚥下機能が低下してしまう」――。市立東大阪医療センター消化器外科の上田正射氏は救… 2019/07/01 救急医療・集中治療
相変わらず遅れている日本のワクチン政策 仏サノフィ・パスツールの上級副社長、デヴィッド・ロウ氏に聞く ドラッグラグが解消される一方で、ワクチンについてはまだ「ワクチンギャップ」があると言われている。海外から日本のワクチン行政はどのように見えているのか。仏サノフィのワクチン部門で、世界のワクチン大手の一つ、仏サノフィ・パスツールの Executive Vice President、デヴィッド・ロウ氏に… 2019/06/24 公衆衛生・予防医学
JAMA Network Open誌から 高血圧と高血糖はAVブロックの危険因子にも ペースメーカーが必要な患者を減らすための研究 房室ブロックを治療するためにペースメーカー植込み術を受ける患者が、世界的に増加している。フィンランドPaijat-Hame中央病院のTuomas Kerola氏らは、房室ブロックの危険因子を明らかにするために住民ベースのコホート研究を行い、心筋梗塞やうっ血性心不全などの病歴に加えて、修正可能と思わ… 2019/06/18 循環器
JAMA Network Open誌から 危険因子としての社会行動的要因のエビデンス 要因数が多いほど高血圧と糖尿病の発症リスクが増加 全米医学アカデミーは、健康に関係する社会的要因と行動的要因、例えば学歴や運動などに関する情報を電子的医療記録に組み込むことを推奨している。しかし、それに臨床的価値があるかどうかは明らかではなかった。米国California大学San Francisco校のMatthew S. Pantell氏らは、住民ベースの前向… 2019/06/12 公衆衛生・予防医学
学会トピック◎第79回米国糖尿病学会学術集会(ADA2019) ビタミンD補充で2型糖尿病の発症予防はできず 登録者の8割が欠乏状態になかったことが要因か、D2d試験 ビタミンDの補充によって2型糖尿病の発症予防が可能かを検証したD2d試験の結果が、第79回米国糖尿病学会学術集会(ADA2019、6月7~11日、開催地:サンフランシスコ)で米タフツ大学のAnastassios G. Pittas氏を代表とする研究グループにより発表された。2型糖尿病の発症リスクはビタミンD投与群で… 2019/06/10 代謝・内分泌
特集◎医師人生「後半戦」の落とし穴《5》事例に見るリスク回避策(2) 50歳代後半で開業を見据え「戦略的転職」 長谷川 正行 氏(はせがわ内科外科クリニック) 「コンセプトが不明瞭」「開業のしやすさよりも通勤時間が短いなど場所にこだわる」というのは、ベテラン医師の開業で失敗しやすいパターンだ。今回紹介する長谷川正行氏は、摂食嚥下障害に対する診療を「売り」の1つに掲げ、開業前に近隣病院で勤務して患者の流れを作るなど新たなネットワークを… 2019/06/10 公衆衛生・予防医学
詳説◎改訂高血圧治療ガイドライン(JSH2019)《前編》 厳格降圧時代の新・高血圧ガイドラインの勘所 もはや130/80mmHg台は「正常な血圧ではない」 令和時代の高血圧治療の基本となる「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」が、4月25日に刊行された。5年ぶりの改訂となった新ガイドラインの最大の特徴は、高血圧基準値を140/90mmHgに維持しつつも、大部分の患者に対して降圧目標を130/80mmHg未満へと強化したことだ。5月11~12日に福岡県久… 2019/06/04 循環器
JAMA Neurology誌から アスピリンの1次予防は頭蓋内出血を増やす 日本の研究を含むメタアナリシス 心血管イベントの一次予防を目的とする低用量アスピリンの使用の利益は不明だ。台湾の長庚大学医学院のWen-Yi Huang氏らは、ランダム化試験(RCT)を対象とする系統的レビューとメタ分析を行い、頭蓋内出血のリスクは、対照群に比べアスピリン群のほうが有意に高く、特に硬膜下または硬膜外出血の… 2019/06/04 循環器
Ann Intern Med誌から 嗅覚が低下した高齢者の死亡リスクは高い 嗅覚検査から13年後までの累積死亡率を比較 高齢者には聴覚や視力の低下に加えて、嗅覚の低下も起こりやすい。スウェーデンKarolinska研究所のBojing Liu氏らは、嗅覚の低下と総死亡、死因別死亡の関係を検討する前向きコホート研究を行い、嗅覚が低下している高齢者では、嗅覚が良好な高齢者に比べ、10年後の総死亡リスクが46%高かったと… 2019/05/28 耳鼻咽喉科
リポート◎「授乳・離乳の支援ガイド」が12年ぶりに改定 離乳とアレルギーの関係は? 気になる改定「ガイド」の中身 食物アレルギーの最新知見を基に新たな見解示す 2007年に作成された「授乳・離乳の支援ガイド」が12年ぶりに改定された。主な変更点は、食物アレルギーの発症予防に関するエビデンスの蓄積を基に、従来の離乳の進め方に新たな見解を加えたこと。また母乳栄養の利点などについても見直しを行い、授乳では必要に応じて育児用ミルクを使うなど、柔軟… 2019/05/23 アレルギー・免疫
Lancet誌から 入院患者への個別栄養サポートが成績を改善 スイスの研究で総死亡率を含む有害イベント発生を減少 スイスAarau州立病院のPhilipp Schuetz氏らは、内科に入院した栄養不良リスクのある患者を対象に、個別化栄養サポート戦略がもたらす影響を通常の病院食と比較する医師主導多施設臨床試験を行い、入院中の栄養サポートはフレイル患者の臨床アウトカムを改善すると報告した。結果はLancet誌電子版… 2019/05/21 老年医学・介護
BMJ誌から HPVワクチンが20歳時の子宮頸部異形成を激減 スコットランドで定期接種を受けた女性と接種開始前の女性を比較 英国Edinburgh大学のTim Palmer氏らは、1988~96年にスコットランドで生まれた女性を対象に、20歳時点の子宮頸部病変スクリーニング検査の結果を調べ、12~13歳時点でHPVワクチンの定期接種を受けた1995~96年生まれの女性では、ワクチンの接種機会がなかった1988年生まれの女性に比べ、グレード3… 2019/04/25 癌
降圧目標を下げ早期からの生活習慣改善を強調 5年ぶり改訂、高血圧治療ガイドラインが発表 5年ぶりの改訂となる高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)が4月25日に発売されることを受け、4月19日に日本高血圧学会が都内で記者発表会を行い、JSH2019の改訂ポイントを紹介した。 既報の通り、JSH2019では高血圧基準値を140/90mmHgに維持しつつ、合併症のない75歳未満の成人の降圧目標は130… 2019/04/20 循環器
シリーズ◎何でもPros Cons【慢性疾患の薬物治療、やめどきはある?】 患者には医療を受けない権利がある 名郷直樹氏(武蔵国分寺公園クリニック[東京都国分寺市]院長)に聞く 医療には様々な疑問が山積している。医学的な判断はもちろん、より良い医療を提供するための制度・仕組み、医師本人のキャリアプランなど。しかしこうした疑問には正解がないのが普通だ。だからPros Cons。他の医師はどう考えているのか? 自分にない考え方を知り、新しい視点を持つことで、明日か… 2019/03/27 循環器
シリーズ◎何でもPros Cons【慢性疾患の薬物治療、やめどきはある?】 薬の価値は相対的であることを自覚すべき 尾藤誠司氏(国立病院機構東京医療センター臨床研修科医長)に聞く 医療には様々な疑問が山積している。医学的な判断はもちろん、より良い医療を提供するための制度・仕組み、医師本人のキャリアプランなど。しかしこうした疑問には正解がないのが普通だ。だからPros Cons。他の医師はどう考えているのか? 自分にない考え方を知り、新しい視点を持つことで、明日か… 2019/03/27 循環器
BMJ誌から 朝食摂取習慣は必ずしも減量に貢献しない 朝食を介入にして食べない群と比較したRCTのメタアナリシス 肥満者を減らすための対策の1つとして、先進国では習慣的な朝食の摂取が推奨されてきた。しかしこれを支持する質の高いエビデンスはなかったため、オーストラリアMonash大学のKatherine Sievert氏らは、1990~2018年に行われたランダム化対照試験を抽出して系統的レビューとメタアナリシスを行っ… 2019/02/21 生活習慣
JAMA誌から アスピリンの1次予防効果は出血リスクを伴う 1000人以上が参加し1年以上追跡したRCTのメタアナリシス アスピリンを心血管疾患の1次予防に用いた場合の有効性と出血リスク上昇のバランスを明らかにするために、系統的レビューとメタアナリシスを実施した英国Imperial College London のSean L. Zheng氏らは、心血管イベントリスクは有意に低下していたが、大出血リスクは有意に上昇していたと報告し… 2019/02/12 循環器
「マザーキラー」を増殖させるワクチン後進国 今からおよそ6年前の2013年6月、厚生労働省は子宮頸癌ワクチンについて「接種を積極的にはお勧めしません」と全国に通達を出した。 子宮頸癌ワクチンは世界120カ国以上で認可されており、その予防効果は世界保健機関(WHO)も認めている。日本は米国や欧州から3年遅れて2009年末に認可した。2014… 2019/02/11 公衆衛生・予防医学
JAMA Neurology誌から 未破裂脳動脈瘤治療の合併症と致死率 血管内治療の新デバイスは必ずしも合併症を減らさない 未破裂の嚢状脳動脈瘤に対する予防的な介入のための血管内治療技術が進歩している。最新の技術を含む血管内治療(EVT)と手術の合併症のリスクと致死率(CFR)を明らかにするために、系統的レビューとメタアナリシスを行ったオランダUtrecht大学のAnnemijn M. Algra氏らは、EVTの合併症リスクは4.… 2019/01/23 循環器
日本気象協会発表、花粉量は例年よりも多いが前シーズンより少なめ スギ花粉、関東以南は2月中旬から飛散開始 日本気象協会は1月17日、スギ花粉の飛散開始は、多くの地域で例年より5日ほど遅くなり、2月中旬に一部地域で花粉シーズンがスタートすると発表した。スギ花粉の飛散ピークについて、多くの地域で3月ごろになると予測。花粉の飛散量は例年より多いが、花粉量が多かった前シーズンに比べると、広い… 2019/01/17 アレルギー・免疫
口腔内細菌は万病の元!? 近年、腸内細菌叢(腸内フローラ)の研究が進展し(関連記事)、メディアなどでも頻繁に取り上げられているが、最近では「口腔内細菌叢(口腔内フローラ)」にも注目が集まり始めている。歯周病菌や虫歯菌などの口腔内細菌が、実は全身の多様な疾患に悪影響を及ぼしているというのだ。… 2019/01/14 感染症
JAMA誌から 航空機内での急病人発生に関するレビュー 有病率はフライト604回に1回程度か 旅行中の医師や医療従事者にとって、航空機内での急病人発生(IMEs)は特別な経験となり得る。高度3万5000フィートの上空で利用可能な医療器具や薬剤は限られており、最寄りの医療施設まで数時間を要するといった状況から大きな制約を受ける。米国Pittsburgh大学医療センターのChristian Martin-G… 2019/01/11 救急医療・集中治療
JAMA Intern Med誌から 大腸癌スクリーニング陰性の効果は続くか? 内視鏡で陰性なら10年後も一般住民より大腸癌リスクが低い 内視鏡によるスクリーニングで異常なしと判定された人の、その後の大腸癌発症リスクと大腸癌による死亡のリスクを、スクリーニングを受けていない人々と比較する大規模な後ろ向きコホート研究を実施した、米Kaiser Permanente Northern CaliforniaのJeffrey K. Lee氏らは、陰性判定から10年後以降… 2019/01/09 癌
「薬局こそが予防に関わるべき。経営の視点で連携の形を探る」 グリーンメディック代表取締役社長 多田 耕三 氏 「予防医療に対して薬局ができることを追究していきたい」。こう力強く語るのは、大阪府豊中市を中心に4店舗を経営するグリーンメディック(大阪府豊中市)代表取締役社長の多田耕三氏。同氏は、2018年5月、2店舗の薬局の一角に「予防医療トリアージセンター」を立ち上げた。… 2019/01/07 コメディカル
治療アプリが日本の医療を変える 話を聞いていて、「一生を決める論文との出会いというものがあるのだなあ」と思った。話し手は、治療アプリの臨床開発で先陣を切るベンチャー企業、キュア・アップの創業者で代表取締役社長の佐竹晃太氏。慶應義塾大学医学部出身の医師でもある佐竹氏は米ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院に… 2018/12/24 公衆衛生・予防医学
Lancet誌から 頸動脈の状態を図解で示すと予防効果が増加 健康的な生活習慣改善と服薬の遵守率に影響か 禁煙、運動、スタチンや降圧薬の使用は、有効で低コストの心血管疾患予防法であることは知られているが、1次予防戦略はしばしば、失敗に終わる。主な原因は、患者と医師の1次予防ガイドラインの遵守が不良だからだ。スウェーデンUmea大学のUlf Naslund氏らは、頸動脈超音波検査の結果をシンプルな… 2018/12/19 循環器