JAMA Network Open誌から 新型コロナワクチンで回避できた感染・入院・死亡をカリフォルニア州で推定 同州におけるワクチンによる感染者数の相対減少率は72%と推定 米国California大学San Francisco校のSophia T. Tan氏らは、新型コロナワクチン接種により回避されたSARS-CoV-2感染、COVID-19による入院および死亡の件数を推定するためにモデルを用いた分析を行い、カリフォルニア州の感染者数の相対減少率を約72%と推定した。結果は2022年4月22日のJAMA Netwo… 2022/05/19 感染症
JAMA Network Open誌から 妊婦が逆境にあると胎児の脳発達に悪影響 生後1週間以内のMRI検査で新生児の脳容積と母親の貧困などとの関連を調べた研究 米国St Louis Washington大学のRegina L. Triplett氏らは、妊娠中の母親が社会的に不利な状況に置かれることや、精神的なストレスにさらされることが、胎児の脳発達に与える影響を調べるコホート研究を行った。生まれた児の生後1週間以内に行った頭部MRI検査で脳容積や皮質の状態を調べたところ、… 2022/05/12 小児科
4月25日~5月1日の話題になった論文 日本の出生数減少を検討した論文が話題に 小型の偶発的膵嚢胞は膵癌の危険因子ではない 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/05/11 公衆衛生・予防医学
JAMA Otolaryngology-Head & Neck Surgery誌から 嗅覚障害がある患者は総死亡率が高い 嗅覚障害患者に対する観察研究の系統的レビューとメタアナリシスの結果 シンガポールSingapore国立大学のNatalie Yan-Lin Pang氏らは、18歳以上の成人嗅覚障害患者の重症度と死亡率を報告していた観察研究を対象に系統的レビューとメタアナリシスを行い、嗅覚障害のない人と比較した総死亡率のハザード比は1.52だったと報告した。結果は2022年4月7日のJAMA Otolaryngol… 2022/04/28 耳鼻咽喉科
Lancet Infectious Disease誌から 侵襲性A群レンサ球菌感染症、低中所得国で大きな疾病負荷 世界的な発症率と致死率の推定結果を報告 英国London大学衛生熱帯医学大学院のEmma Sherwood氏らは、文献データベースから過去20年間の侵襲性A群レンサ球菌(GAS)感染症患者に関する報告を調べて、世界的な発症率と致死率を推定し、この疾患は小児にとって大きな負荷になっているが、低中所得国(LMICs)ではサーベイランスのデータが不… 2022/04/26 感染症
猫を取り巻く物語 以前と比べると家で過ごす時間が長くなりました。猫派の我が家では、今日も牛柄の愛猫がのんびりと体を伸ばしています。今回は、感染症と生物の共生を、猫にまつわる話から考えてみたいと思います。 2022/04/25 感染症
JAMA誌から SARS-CoV-2下水サーベイランスは感染状況の監視に有用 イタリア・ミラノ市の観測でワクチン接種者の無症候感染状況を反映か イタリアIRCCS-Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのGiovanni Nattino氏らは、2020年3月から2021年11月までのミラノ市の下水サーベイランスのデータと、その間に報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者数および入院患者数との関係を検討し、ワクチン接種完了… 2022/04/25 感染症
【第34回】藤原佳典(東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム 研究部長[チームリーダー]) 長年取り組む世代間交流プログラムで「三方よし」の効果が判明 東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典(ふじわら・よしのり)医師は、臨床から研究の場に軸足を移し、「世代間交流」「多世代共生の地域づくり」「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の視点で、高齢者の認知症予防とフレイル予防の研究を続けている。その具体的な予防策の一つとして… 2022/04/22 医療提供体制 医師・医学生限定コンテンツ
JAMA Network Open誌から COVID-19パンデミックで日本の自殺率が増加 2020年7月以降の報告数は予測値を上回る 横浜市立大学附属病院の堀田信之氏らは、COVID-19パンデミックが日本の自殺者数に与えた影響を検討するために、2009年1月から2021年9月までのわが国の人口動態統計と死亡統計を調べ、2020年7月以降のパンデミック期間に従来のトレンドから予測される値を上回る自殺者が観察されたと報告した。予測… 2022/04/21 公衆衛生・予防医学
JAMA Oncology誌から 過体重の累積年数が大腸癌リスクに強い影響 1回の測定値よりもBMI25以上の累積期間の方が大腸癌のオッズ比は高い ドイツGerman Cancer Research CenterのXiangwei Li氏らは、20歳以降にBMIが25以上だった累積年数が大腸癌のリスクを及ぼす影響を調べる住民ベースのケースコントロール研究を行い、1回の身長・体重計測値を用いた従来のコホート研究よりも、過体重の累積年数の方が大腸癌リスクにより大きな影響… 2022/04/12 癌
査読体制は論文並み! でも誰もが理解できる医療情報サイトを目指す Lumedia(ルメディア)は、医師主導の発信で「科学的に根拠のある、読む価値のある情報」を継続して届けるメディアサイトです。 2022/04/08 公衆衛生・予防医学
JAMA Neurology誌から てんかんや難聴もパーキンソン病の危険因子か? 多様な人種の母集団約100万人を対象にした英国の研究 英国Queen Mary University of LondonのCristina Simonet氏らは、イーストロンドン地区の住民約100万人のプライマリ・ケアデータを利用して、パーキンソン病(PD)と診断された患者に10年前から現れていた危険因子の候補となる症状や兆候を検討し、振戦や記憶障害など従来から指摘されていた症状… 2022/03/31 精神・神経
JAMA Network Open誌から COVID-19専門病院はコロナ治療に積極的でアウトカムも良好 11病院中2施設をCOVID-19専門病院に転換した米国HMOのコホート研究 米国Minnesota大学のZachary R. Bergman氏らは、COVID-19患者のケアに特化した専門病院に転換した施設と、他の患者も受け入れている一般病院で、COVID-19患者の死亡率や合併症に違いがあるかを検討する後ろ向きコホート研究を行い、COVID-19専門病院の方が2020年当時の臨床研究結果を反映した治療… 2022/03/28 感染症
3月7~13日の話題になった論文 COVID-19による推定超過死亡数は報告数の約3倍の可能性 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/03/22 感染症
eClinicalMedicine誌から SARS-CoV-2感染を短時間で判定できる高精度なPOC検査技術 呼気の赤外光分析結果をAIに学習させアルゴリズムを開発 イスラエルZefat Academic CollegeのIzhar Ben Shlomo氏らは、フーリエ変換赤外光(FTIR)分析技術とAI技術を組み合わせて、呼気中の有機化合物を検出することにより、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染を検査する技術を開発し、PCR検査結果と照合した概念実証研究で、感度・特異度共に100%… 2022/03/18 感染症
MMWRから ワクチン接種状況とオミクロン株による入院率 ブースター接種者に比べると未接種者の感染率は3.6倍、入院率は23倍 米国Los Angeles郡公衆衛生局のPhoebe Danza氏らは、2021年11月7日から2022年1月8日まで、同郡の18歳以上の地域住民を対象に2週間単位の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の累積感染率と累積入院率を調べる横断研究を行い、ワクチン接種状況と照合したところ、感染の主流がデルタ株からオミクロン… 2022/03/11 感染症
BMJ誌から 65歳以上のCOVID-19後遺症を他の呼吸器感染症と比較 他の呼吸器感染と似ているが、呼吸不全、認知症、感染後疲労が多い 米国Optum Labs社のKen Cohen氏らは、65歳以上の高齢者に起こる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症の特徴を明らかにするために、SARS-CoV-2に感染しなかった高齢者やパンデミック前に他のウイルス性呼吸器疾患にかかった高齢者を対照群として、米国のメディケア患者のデータを分析し、… 2022/03/08 感染症
農村女性の行動を変えた「生改さん」に学ぶ コロナ禍で、人々の「行動変容」が大きくクローズアップされた。厚生労働省は「新しい生活様式」として、ソーシャル・ディスタンシングや手洗い、マスクの着用、「3密」の回避を国民に訴え続けている。いずれも公衆衛生上の生活習慣であり、保健所が主体的に取り組むテーマといえるだろう。情報… 2022/02/28 公衆衛生・予防医学
小児へのワクチン接種が始まるにあたり覚えておきたいこと オミクロン株が猛威を奮っています。その他の感染症もチラホラ見られ、非常に厳しい病床運用を迫られています。そんな中、コロナワクチンの3回目接種が始まり、副反応と思われる症状で相談されることも増えてきました。これまでは12歳以上が接種対象となっていましたが、5~11歳も特例承認となり… 2022/02/17 感染症
Lancet誌から 南アのオミクロン株感染者約3万人の臨床経過 入院リスクも重症化リスクも他の変異株より低そう 南アフリカNational Institute for Communicable DiseasesのNicole Wolter氏らは、2021年に同国内で同定された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株感染者の臨床的な重症度を、同時期の他の変異株感染者や、過去のデルタ株感染患者のヒストリカルコホートと比較し、オミクロン株の方が入… 2022/02/14 感染症
救急医、新型コロナウイルスに感染しました コロナ禍が始まって以来、大学病院で診療に関わり、自院でも診療を行い、入院管理を行い、院内のクラスター感染も経験してきました。ここまで何とか感染せずにやってきましたが、ついに僕が感染してしまいました。多くの仲間が感染を免れながら診療に携わっている状況で、大変悔しいです。3回目の… 2022/02/10 感染症
JAMA Ophthalmology誌から 近視は成人後も進行し、新規発症もある 豪州のバースコホート研究で20~28歳の近視発症率と進行を追跡 豪州Western Australia大学のSamantha Sze-Yee Lee氏らは、20歳の成人を8年間追跡して近視の新規発症率や進行具合を調査するコホート研究を行い、20歳代での新規発症率は14%で、近視の進行が観察された割合は37.8%だったと報告した。結果は2022年1月6日のJAMA Ophthalmology誌電子版に掲載され… 2022/02/03 眼科
「最も謙虚で、最も果敢な」若井晋先生の在りし日の姿 最近、出版されたばかりの『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(講談社、2022)を手にして、脳外科医で、東京大学の国際地域保健学の教授を務められた故・若井晋先生(2021年逝去)の在りし日の姿を思い出した。 この本は、若井先生の奥様の若井克子さんが、50歳代半ばで若年性アルツハイ… 2022/01/31 公衆衛生・予防医学
JAMA誌から オミクロン株流行後に南アの入院患者で特徴変化 南アフリカのCOVID-19入院患者で第1波から第4波までの特徴を比較 南アフリカNetcare Ltd South AfricaのCaroline Maslo氏らは、同国で流行した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した患者の特徴を、流行の第1波から第4波に分類して比較し、オミクロン株の出現と共に増加した第4波の時期に入院した患者は、第1~3波までと異なる特徴を持っていたと報告し… 2022/01/27 感染症
BMJ誌から 入院患者と外来患者でCOVID-19の後遺症に違いはあるか? ワクチン接種後は後遺症も減少する傾向 英国Imperial College LondonのHannah R Whittaker氏らは、イングランドのCOVID-19入院患者と入院せずにすんだ患者を最長で9.2カ月追跡し、後遺症に違いがあるかを調べるために、回復後の一般開業医(GP)受診情報を調べ、入院した患者の方が後遺症による受診率が高く、多くの症状や疾患は経時的… 2022/01/25 感染症
Lancet Microbe誌から マイクロニードルパッチ型ワクチンは皮下注射より減量可能 皮膚に貼るタイプの日本脳炎ワクチンを皮下接種と比較した臨床試験 北海道大学の岩田浩明氏らは、皮膚に貼り付けるタイプのマイクロニードルパッチ型日本脳炎ワクチンを開発し、定期接種に用いられている皮下注射型の日本脳炎ワクチンを対照群にして、有効性と安全性を比較する臨床試験を行い、マイクロニードル型のワクチンは安全に接種でき、皮下注射型の約10分… 2022/01/18 感染症
TOPIC◎デルタ株からオミクロン株へ置き換わるCOVID-19 始まった沖縄の第6波が教えてくれること オミクロン株80%以上、今週の新規陽性者数は1000人超の見込み 沖縄県で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第6波が始まりました。沖縄県疫学統計・解析委員会によると、2022年1月に入ってから新規陽性者の80%以上がオミクロン株感染と推定されており、新規陽性者数は先週(2021年12月27日から2022年1月2日)の383人から、今週は最大で1042人まで急増する… 2022/01/06 感染症
Lancet Infectious Disease誌から 大規模屋内イベントを安全に開催する方法を探る研究 SARS-CoV-2抗原検査陰性、マスク着用、適切な換気で感染リスクは増えない フランスSaint-Louis病院のConstance Delaugerre氏らは、大規模な屋内コンサートの入場希望者を、ランダムに2対1の割合で参加者と非参加者に割り付けて、コンサート実施から7日後までの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染率を比較する試験を行い、SARS-CoV-2抗原検査陰性、マスク着用、適切な… 2021/12/23 感染症
BMJ誌から 夏の異常高温は成人の救急受診者を増やす 高齢者に限らず若い成人でも熱中症、腎疾患、精神疾患などの救急患者が増加 米国Boston大学のShengzhi Sun氏らは、全米各地の5月から9月の最高気温の高さと救急受診者数の増加の関係を検討し、異常高温は高齢者に限らず若い成人の救急受診も増加させ、原因は熱中症など熱に直接関連する疾患だけでなく、腎臓病や精神疾患による救急受診も増えていたと報告した。結果は2021… 2021/12/22 救急医療・集中治療
NEJM誌から SARS-CoV-2再感染者は重症化リスクが低い カタールのPCR検査陽性者35万人から再感染者と初回感染者の重症化リスクを比較 カタールWeill Cornell Medicine-QatarのLaith J. Abu-Raddad氏らは、パンデミック当初から同国民の感染状況を記録しているデータベースを利用して、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に再感染した患者が重症化するリスクを調べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院、ICU入院、死亡… 2021/12/21 感染症
12月6~12日の話題になった論文 マスクの重要性を再確認した論文が話題に 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 12月6~12日に最もツイート数が多かったのは、PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences)の論文「An upper bound on one… 2021/12/21 感染症
JAMA Network Open誌から SNSの利用が抑うつ症状の悪化に関連する可能性 一部のSNSユーザーはPHQ-9スコアが有意に増加する傾向 米国Massachusetts総合病院のRoy H. Perlis氏らは、インターネットの商用ベンダーが13カ月にわたって毎月実施したユーザー調査のデータを利用して、一般成人のソーシャルメディア(SNS)の利用と、PHQ-9を用いた抑うつ症状の関連を調べ、ニュース源としてSNSを利用している人は初回の回答よりも2… 2021/12/20 精神・神経
Nature Computational Science誌から SARS-CoV-2感染は季節性を伴う可能性が高い 世界各地の流行状況分析で低気温・低湿度の条件で感染拡大する傾向 スペインBarcelona Institute for Global HealthのAlejandro Fontal氏らは、世界各国で観測されたCOVID-19の流行第1波と第2波の状況と、気象データの関係をモデルを用いて検討し、COVID-19は気温と湿度が低い期間に感染が拡大しやすい、流行に季節性を伴う疾患だと考えた上で今後の対策を検討する… 2021/12/08 感染症
JAMA Intern Med誌から 長期の自覚症状は本当にCOVID-19と関連する? 抗体陰性でも感染歴があると思い込んでいる人は症状の訴えが多い フランスINSERMのJoane Matta氏らは、COVID-19パンデミック期間に息切れや疲労感などの症状が長く続いている人を対象に、ELISA法による抗体検査の結果を照合して、報告された症状の多くが「自分はSARS-CoV-2に感染したことがある」という思い込みと関係していたが、実際に抗体検査の陽性者に有意… 2021/12/03 感染症
JAMA Network Open誌から センテナリアンが亡くなる前の医療費は普通の高齢者よりも低い 奈良県の高齢者を対象に死亡時の年齢別で医療費を調べたコホート研究 国立保健医療科学院の中西康博氏らは、100歳以上の長寿者(センテナリアン)の医療費を、75~99歳で亡くなった高齢者と比較するコホート研究を行い、センテナリアンの方が死亡前1年間または30日間に要した医療費の総額が低く、入院する人の割合も低かったと報告した。結果は2021年11月5日のJAMA N… 2021/12/02 公衆衛生・予防医学
第22回 冬に早起きがムズカシクなる2つの理由 睡眠には季節変動が見られます。夏季に比較して冬季には起床時刻が遅れ、睡眠時間が延長します。中には冬季不眠症と呼ばれる状態になる人もいます。冬になると起床しにくくなる原因は寒さだけではありません。その背景には体内時計機能の季節変動があります。… 2021/12/02 精神・神経
BMJ誌から カルシウムと蛋白質を増やせば高齢者の骨折と転倒は減少する 60カ所の高齢者施設を対象にしたクラスターランダム化試験 豪州Melbourne大学のS Iuliano氏らは、同国の高齢者施設を対象とするクラスターランダム化試験を2年間にわたって行い、介入群の食事に乳製品を追加してカルシウム(Ca)と蛋白質の摂取量を増やすことにより、対照群の施設に比べ、入居者の骨折と転倒が有意に減少したと報告した。結果は2021年10月… 2021/11/15 骨・関節・筋
10月18~24日の話題になった論文 気候変動に対する「Lancet Countdown」報告書論文が話題に 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2021/11/08 公衆衛生・予防医学
JAMA誌から 米国でSARS-CoV-2ワクチン接種者約620万人の有害事象を分析 若者の心筋炎/心膜炎を除く22種類の重篤でまれな有害事象は増加せず 米国Kaiser Permanente Vaccine Study CenterのNicola P. Klein氏らは、ワクチンサーベイランス事業のVaccine Safety Datalinkに集められた、2種類のmRNAワクチン接種者約620万人のデータを用いて、23種類の重篤でまれな有害事象について分析する中間解析を行い、ワクチン接種から21日後までの有… 2021/11/04 感染症
JAMA Intern Med誌から 免疫がある家族が多いほど家庭内感染のリスクは低下する ワクチン未接種者の家庭内感染リスクを調べたスウェーデンの研究 スウェーデンUmea大学のPeter Nordstrom氏らは、同国民を対象とする大規模コホート研究を行い、家庭内にCOVID-19に対する免疫を獲得している家族の人数が増えると、まだ免疫がない家族のCOVID-19感染リスクが人数に応じて45~97%まで下がっていくと報告した。結果は2021年10月11日のJAMA Intern … 2021/11/02 感染症
地域へのアプローチを途絶えさせない小さな工夫 前回、タバコをやめたい気持ちはあるものの、なかなか禁煙できない河野さんの背景に「喫煙率が高い」という地域の特徴がある可能性に気付いた七瀬専攻医。喫煙率の高さに介入することは地域の健康増進につながると考え、地域を対象とした活動に取り組むことにしました。まずは地域をアセスメントし… 2021/10/25 医療提供体制
BMJ誌から ワクチン接種後のCOVID-19感染で入院や死亡リスクが高いのはどんな人? 英国でブレイクスルー感染のリスク予測アルゴリズムを作成する試み SARS-CoV-2ワクチンを接種しても、一部にCOVID-19を発症する患者や、重症化して死亡する患者がいる。英国Oxford大学のJulia Hippisley-Cox氏らは、イングランドにおけるSARS-CoV-2感染の第2波で得られたデータを利用して、ワクチン接種後のブレイクスルー感染による入院や死亡のリスクが高いのは… 2021/10/14 感染症
Lancet誌から COVID-19発症から1年後までの後遺症を追跡 大半の患者は機能が回復し元の生活に戻ったが、一部の影響は残る 中国首都医科大学のLixue Huang氏らは、COVID-19で入院した後に生存退院した患者の後遺症について、発症から6カ月後と12カ月後の時点で評価して、大半の患者は元の生活や仕事に復帰しているが、COVID-19に感染していない健常人の対照群と比べると、健康状態に劣る部分があったと報告した。結果はL… 2021/10/12 感染症
JAMA Network Open誌から 子犬から超多剤耐性C. jejuniに感染した例が多数見つかる ペットショップでの感染例から全米でサーベイランスを強化した調査報告 米国における超多剤耐性Campylobacter Jejuni感染経路として、近年、ペットショップで販売されている子犬が大きな役割を果たしていることが明らかになった。米国疾病予防管理センター(CDC)のLouise K. Francois Watkins氏らは、調査結果を2021年9月15日のJAMA Network Open誌電子版に報告した。… 2021/10/08 感染症
BMJ Global Health誌から 天然痘やポリオと比較したCOVID-19根絶の可能性 1999年のHinman論文を参考にした感染症根絶スコア化の試み ニュージーランドOtago大学のNick Wilson氏らは、独自の方法を用いて、COVID-19根絶の可能性を天然痘やポリオと比較し、その可能性は天然痘よりはかなり低いが、ポリオよりは少し高いと試算し、COVID-19根絶の可能性を諦めるべきではないとするCommentaryをBMJ Global Health誌に投稿し、2021年8… 2021/10/05 感染症
Lancet Digital Health誌から 人流の減少は翌週以降のCOVID-19発症率の減少と関連 中南米5カ国314都市の住民移動量の変化とCOVID-19発症率の変化を分析 米国Drexel大学のJosiah L Kephart氏らは、ラテンアメリカ5カ国314都市の1031地域を対象に、携帯電話の位置情報を利用した2020年3月~8月の人口移動と1週間後以降のCOVID-19発症率の関係を分析し、人の流れが減少した地域では、その後のCOVID-19発症率が減少していたと報告した。結果は2021年8月2… 2021/09/17 感染症
EClinicalMedicine誌から 唾液プール化標本のPCR検査は小中学校でのSARS-CoV-2モニターに有用 ドイツの小中学校14校で実施したクラスターランダム化試験 ドイツCologne大学のAlexander Joachim氏らは、小中学校に通う小児を対象として、口腔咽頭スワブ・頬スワブ・唾液スワブの検査標本を採取しプールしてPCR検査を行う方法の実用性を調べるクラスターランダム化試験を行い、年少の小児でも採取が容易な唾液標本をプール化する方法でも、学校での感染… 2021/09/16 感染症
小児で広がるCOVID-19感染、対策は? 春には「コロナワクチンは打ちません」と言っていた患者から、「やっぱり打つことにしました」という言葉を聞く機会が増えてきた。特に、当院をかかりつけにしている医療従事者は、今ではほぼ全員が既に完了している。ある看護学生は担当の先生から何度も「早く打つように」との電話がかかってき… 2021/09/08 感染症
Lancet Regional Health Western Pacific誌から COVID-19ワクチンを接種したくない/迷うのはどんな人? 約3万人が回答したウェブ経由の大規模アンケート調査 慶應義塾大学の野村周平氏らは、日本の一般成人を対象に、COVID-19ワクチン接種に肯定的な人、否定的な人、迷っている人の割合と属性を調べる大規模なウェブ調査を行い、否定的な人、迷っている人の理由や情報源などを分析した。結果は2021年7月31日のLancet Regional Health Western Pacific誌電… 2021/08/27 感染症
新型コロナワクチンによる心筋炎をどう考える 日本循環器学会は7月21日、「新型コロナウイルスワクチン接種後の急性心筋炎と急性心膜炎に関する日本循環器学会の声明」を発表した[1]。「新型コロナウイルスワクチン接種による利益は、ワクチン接種後の急性心筋炎と心膜炎の危険性を大幅に上回る」として、接種の利益/リスクバランスに言及した… 2021/08/26 循環器
EClinicalMedicine誌から 寄生虫感染がCOVID-19の重症化を抑える可能性 エチオピアのCOVID-19患者を対象に腸管寄生虫感染状況とアウトカムを検討 エチオピアMekelle大学のDawit Wolday氏らは、同国のCOVID-19患者を対象に腸管寄生虫の感染状態とCOVID-19の重症化リスクを検討する前向きの観察コホート研究を行い、寄生虫に感染している患者は、そうでない患者よりも重症化するリスクが低かったと報告した。結果は2021年7月31日EClinicalMedici… 2021/08/25 感染症
EBioMedicine誌から 季節性コロナウイルス抗体によるSARS-CoV-2交差防御は期待できない COVID-19以外の原因で入院した患者の血液標本を調べたフランスの研究 フランスPasteur研究所のTom Woudenberg氏らは、COVID-19以外の原因で2020年の春にフランス北東部の病院に入院した患者の血液標本を用いて、SARS-CoV-2と4種類の季節性ヒトコロナウイルス(HCoV)に対する抗体検査を行い、HCoVに対するIgG抗体は交差反応を起こすことがあるが、SARS-CoV-2に対する… 2021/08/18 感染症
Lancet Digital Health誌から SARS-CoV-2検査陽性と最も関連が強い症状は嗅覚味覚障害 2020年4~7月のオンライン疫学調査データを利用した研究 英国King's College London のCarole H Sudre氏らは、2020年4月~7月に米国・英国・イスラエルで行われたデジタル調査データを用いて、回答者が入力したCOVID-19を疑わせる症状と、SARS-CoV-2検査の結果の関係を検討し、感染陽性判定と最も強力な関連を示した症状は、嗅覚味覚障害だったと報告し… 2021/08/17 感染症
EClinicalMedicine誌から 高齢者のCOVID-19ワクチン接種はブラジルの死者数を減らした ガンマ株流行下のブラジルで2021年1月から進めたワクチンキャンペーンの効果 ブラジルPelotas連邦大学のCesar Victora氏らは、高齢者を優先して2021年1月にスタートしたブラジルのワクチン接種キャンペーンが、ガンマ株(P.1系統)流行下でのブラジルの死亡率に与えた影響を調べ、高齢者の接種率増加は死亡率の減少につながったと報告した。結果は2021年7月15日EClinicalMed… 2021/08/11 感染症
コロナと赤痢アメーバ、宿主との微妙な関係 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で全世界が体験していることの一つに、「感染症とは、病原体の要因だけではなく、宿主側の要因で重症化したりしなかったり、その病態そのものが大きく変わり得る」という感染症学の基本があるのではないかと思っている。 ここで改めて書くまでもない… 2021/08/10 感染症
Lancet Regional Health誌から 海外旅行者などに対するCOVID-19対策のシミュレーション 有病率が高い国からの旅行者が増えると検疫をすり抜けるリスクが増加 香港大学のBingyi Yanga氏らは、香港に入国した海外からの渡航者のデータを用いて、COVID-19の隔離と検査の戦略の効果を検討し、有病率が低い国からの渡航者には隔離7日間の緩やかな戦略を取っても、有病率が高い国からの渡航者を14日間隔離する厳しい方法を実施した場合に比べ、香港住民の感染リ… 2021/07/19 感染症
Lancet誌から スコットランドで流行したデルタ株の特徴 アルファ株より入院リスクが高く、ワクチンの有効性はやや低い スコットランドでは、2021年5月の1カ月間で、SARS-CoV-2流行株がアルファ株からデルタ株に置き換わった。Edinburgh大学のAziz Sheikh氏らは、同国の感染者のデータを分析し、デルタ株感染者の入院リスクはアルファ株の場合の約2倍で、デルタ株に対するワクチンの有効性は、アルファ株に比べるとや… 2021/07/12 感染症
Morbidity and Mortality Weekly Reportから 米国のSARS-CoV-2ブレイクスルー感染の現状報告 感染者全体の中で2回接種後の割合は極めて少なく、VOC株が多いと推定 米疾病管理予防センター(CDC)は、米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を得たSARS-CoV-2ワクチンの接種を完了した米国民のSARS-CoV-2感染状況を監視し、変異株感染の傾向を知るために、国内各地方の保健局と協力している。収集したデータを分析したCDC COVID-19 Vaccine Breakthrough Case Inve… 2021/07/09 感染症
【詳細】COVID-19院内クラスター発生と対応 最終回(対策20日目〜) 2021年5月、私が院長を務める薬師寺慈恵病院(岡山県総社市)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内クラスターが発生しました。前回までに、クラスター発生の認識から初動、対策本部の立ち上げをして19日目までの出来事について書いてきました。今回、クラスター終息までの流れを記載して… 2021/07/08 感染症
第41回アドバイザリーボードで議論された東京都のCOVID-19 最も楽観的なシナリオでも7月中に1日の感染数は1000人を超える 7月後半までに重症患者病床よりも確保病床の方が先にひっ迫する予想 2021年6月30日に開催された第41回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードでは、東京都の感染状況と今後の見通しが議論の中心でした。 2021/07/06 感染症
NEJM誌から 共生細菌に感染させた蚊の野外放出でデング熱を減らす試み インドネシアで実施されたクラスターランダム化試験 デング熱を媒介するネッタイシマカ(Aedes aegypti)は、共生細菌であるWolbachia pipientisのwMel株に感染されると、デングウイルスを媒介しにくくなることが報告されている。インドネシアCenter for Tropical MedicineのAdi Utarini氏らは、インドネシアのジョグジャカルタの住民を対象に、この… 2021/07/06 感染症
medRxivから 飛沫感染予防のパーティションが感染リスクを増やす可能性あり COVID-19小規模クラスターが発生したオフィスでの換気計測実験 電気通信大学の石垣陽氏らは、宮城県で報告された小規模クラスターの発生現場の環境について検討し、換気が不十分な室内環境では、SARS-Cov-2感染予防のために設置したビニールシートやアクリル板のパーティションにより室内気の滞留が起こり、逆に感染リスクを高める可能性があると報告した。シ… 2021/07/02 感染症
【詳細】COVID-19院内クラスター発生と対応(対策12日目~) 2021年5月、私が院長を務める薬師寺慈恵病院(岡山県総社市)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内クラスターが発生しました。前回までに、クラスター発生の認識から初動、対策本部の立ち上げをして11日目までの出来事について書きました。引き続き、詳細な経過について、クロノロジー(… 2021/07/01 感染症
東京都・小金井市のワクチン接種現場に聞く(その5) 新型コロナワクチン接種は「優秀な」公務員に向かない仕事 人口に対する医療機関や医療関係者のリソースが決して恵まれているわけではない東京・小金井市。前に載せたデータを再掲すると、人口約12万3000人。大規模な病院はなく、中小規模の病院でワクチン接種に対応できるところが5カ所。一般診療所合計対人口比でほぼ全国平均並み、医師数では10万人当たり… 2021/06/28 感染症
JAMA Network Open誌から SARS-CoV-2ワクチン接種開始後も感染対策を緩めてはならない ワクチン接種者が増えても身体的距離の維持やマスクの着用は重症者を減らす 米国North Carolina大学Chapel Hill校のMehul D. Patel氏らは、SARS-CoV-2ワクチン接種の推進と、身体的距離の維持やマスクの着用といった非薬物的な介入(NPI)を併用することの重要性を検討するために、ノースカロライナ州の住民をモデルにしてワクチンの有効性とカバー率を仮定したシミュレー… 2021/06/28 感染症
【詳細】COVID-19院内クラスター発生と対応(対策7日目~) 先日、私が院長を務める薬師寺慈恵病院(岡山県総社市)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内クラスターが発生しました。前回までに、クラスター発生の認識から初動、対策本部の立ち上げをして6日目までの出来事について書きました。引き続き、詳細な経過について、クロノロジー(情報を… 2021/06/24 感染症
JAMA Network Open誌から 多系統炎症性症候群は成人にも発生する 米国の大学病院の入院患者データからCDCの症例定義を満たす患者を検索 多系統炎症性症候群(MIS)は、SARS-CoV-2に感染した小児に起こる、頻度はまれだが重症の合併症と認識されている。その後、成人の症例(MIS-A)が報告されるようになり、米国疾病管理予防センター(CDC)が基礎的な症例定義を作成するに至った。米国Vanderbilt大学のGiovanni E. Davogustto氏らは… 2021/06/18 感染症
【詳細】COVID-19院内クラスター発生と対応(対策4日目~) 2021年5月、私が院長を務める薬師寺慈恵病院(岡山県総社市)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内クラスターが発生しました。皆さまの応援、協力、支援のおかげで、6月16日をもって終息宣言を出すに至りました。このコラムのコメント欄でも励ましをいただき、心の支えになりました。本… 2021/06/17 感染症
東京都・小金井市のワクチン接種現場に聞く(その4) ワクチン職域接種の担当者さんが「小金井メソッド」から学べること 6月10日時点で高齢者の69%(1万8133人)が新型コロナワクチン接種を終え、2回目の接種率も2割を超えている東京・小金井市。地元の医療関係者が、かかりつけの診療所でも集団接種会場でもその中核を担う「小金井メソッド」について関係者に聞いていくこのインタビュー、第3回、第4回では、集団接種… 2021/06/16 感染症
東京都・小金井市のワクチン接種現場に聞く(その3) ワクチン接種を「機会」と捉えたイベント会社がやったこと 東京都・小金井市のワクチン接種現場リポート、第3回をお届けします。同市で好調に推移しているワクチン接種について、「やっぱりやる気だと思いますよ、世の中は(笑)」と、三澤先生(小金井市医師会新型コロナワクチン担当理事の三澤多真子先生)に前回締めていただきましたが、コメントでもご意… 2021/06/15 感染症
CDCのEID Journalから ブラジルの医療従事者がCOVID-19に再感染を起こした症例の報告 標準的な個人防護具を使用したにもかかわらず従来株に再感染 ブラジルCampinas大学の付属病院で働く医療従事者4人が、2020年に2度、SARS-CoV-2に感染し、発症していた。2度目の発症は再感染の定義を満たすもので、このところ懸念されている変異株ではないウイルス株によるものだった。同大学のMariene R. Amorim氏らは、4人の医療従事者から得られたデータを… 2021/06/11 感染症
【詳細】COVID-19院内クラスター発生と対応(対策3日目~) 先日、私が院長を務める薬師寺慈恵病院(岡山県総社市)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内クラスターが発生しました。前回までに、クラスター発生の認識から初動、対策本部立ち上げについて書きました。引き続き、詳細な経過について、クロノロジー(情報を時系列に沿って書き出し、… 2021/06/10 感染症
最も多く人間を死なせる動物がもたらすあの疾患 スティーヴン・スピルバーグ監督の出世作であり、パニック映画の金字塔として現在でも根強い人気を誇る『ジョーズ』は、「とある避暑地の海辺で海水浴客を襲う巨大なホオジロザメと3人のハンターの死闘」を描いています。作品中に描かれるホオジロザメは非常に獰猛で多くの人々を殺傷しますが、現… 2021/06/09 感染症 医師・医学生限定コンテンツ
JAMA Network Open誌から 死亡リスクが高くない肥満ってどんな人? 正常体重の人と死亡リスクが変わらない代謝的に健康な肥満の新たな提案 ドイツGerman Institute of Human Nutrition Potsdam-RehbrueckeのAnika Zembic氏らは、米国と英国の大規模コホート研究のデータを利用して、BMIが30を超えても正常体重の人と死亡リスクが変わらない「代謝的に健康な肥満(MHO)」に該当するのはどんな人かについて検討し、MHOの新たな定義を提案… 2021/06/04 代謝・内分泌
【詳細】COVID-19院内クラスター発生と対応(対策2日目~) 先日、私が院長を務める薬師寺慈恵病院(岡山県総社市)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内クラスターが発生しました。前回までに、クラスター発生の認識から初動、対策本部立ち上げについて書きました。引き続き、詳細な経過について、クロノロジー(情報を時系列に沿って書き出し、… 2021/06/03 感染症
東京都・小金井市のワクチン接種現場に聞く(その2) ワクチン接種、全力で攻めてこそ医者も市民も救われる ―― 伺いにくいことですけれど、経済誌なのでお聞きします。新型コロナの検査とかワクチン接種をやるということって、診療所の経営面としてはどうなんですか。三澤多真子先生(以下、三澤):それはもちろんやった方がいいです。きちんと報酬は出ますから。ただ、今回の新型コロナ、ワクチンでは… 2021/06/03 感染症
新型コロナに対する定量的リスク評価の不在 東京オリンピックまで2カ月切るも、議論の前提となるデータは見いだせず 東京オリンピック開催予定日まで、あと2カ月を切った。5月14日の記者会見で菅首相は、「対策を徹底することによって、国民の命や健康を守り、安全・安心の大会を実現することは可能と考えており、しっかり準備をしていきたい」と、予定通りの開催を表明した。しかし、そこに同席した尾身茂政府分… 2021/05/27 感染症
COVID-19急性期後の後遺症に関する検討 Nature誌より 米国退役軍人省の電子医療データベースを活用して、COVID-19と診断された後、少なくとも30日間を生き延びた人における6カ月間に発生した後遺症について、診断、薬物治療内容、検査値異常などの観点から検討した結果を報告したものである。… 2021/05/27 感染症
【詳細】COVID-19院内クラスター発生と対応(クラスター発生〜対策初日) 先日、私が院長を務める薬師寺慈恵病院で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内クラスターが発生しました。前回、初期対応について災害に準じた対応を行った旨を書きました。詳細な経過について、クロノロジー(情報を時系列に沿って書き出し、災害情報を共有し整理したもの)をもとに書き… 2021/05/27 感染症
【詳細】COVID-19院内クラスター発生の顛末 先日、私が院長を務める薬師寺慈恵病院で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内クラスターが発生しました。当院のWebサイトで公開している情報と、さらに詳細な経過について、この場を借りてご報告いたします。… 2021/05/20 感染症
Lancet Respiratory Medicine誌から 既感染者の若者にもワクチンは接種すべき 抗体陽性者が再感染するリスクは抗体陰性者の5分の1程度 米国Naval Medical Research CenterのAndrew G Letizia氏らは、米国の海兵隊に入隊する予定の18~20歳の若者にSARS-CoV-2抗体検査を行い、その後6週間追跡して、抗体陽性者の再感染リスクは抗体陰性者の初回感染リスクの5分の1程度だったと報告した。結果は2021年4月15日のLancet Respiratory Med… 2021/05/17 感染症
Lancet誌から SARS-CoV-2既感染者の再感染リスクは低い 英国の病院スタッフを対象に初回感染率と再感染率を調べたコホート研究 英国Public Health England ColindaleのVictoria Jane Hall氏らは、イングランドの病院に勤務している人を対象に、既にSARS-CoV-2感染歴のある人の再感染発症率と、感染歴のない医療従事者の初回感染発症率を比較するコホート研究を行い、中央値7カ月の追跡で抗体陽性者の再感染リスクは初回感染… 2021/05/13 感染症
逼迫する病床と始まる高齢者向けワクチン予約 どうもーどうも、やっくんです。お願いします、ありがとうございます。今、人工呼吸器用のHEPAフィルターをいただきましたけどもね、こんなん何ぼあっても良いですからね。ありがたいですよ本当にね。 2021/05/13 感染症
JAMA Network Open誌から ABO式血液型はCOVID-19リスクに関連しない 約10万人を対象にした米国の症例対照研究 米国Intermountain Medical Center Heart InstituteのJeffrey L. Anderson氏らは、米国のユタ州、アイダホ州、ネバダ州などの住民約10万人を対象にした症例対照研究を行い、ABO式血液型とSARS-CoV-2感染リスク、および入院やICUでの治療など重症化リスクの間に有意な関連は見られなかったと報告し… 2021/05/07 感染症
BMJ誌から COVID19発症後には様々な疾患のリスクが増加する 生存退院した患者と条件がマッチする地域住民を比較した英国のコホート研究 英国国家統計局のDaniel Ayoubkhani氏らは、COVID-19の後遺症について調べるために、COVID-19で入院後に生存退院した英国の患者を2020年9月末まで追跡し、条件がマッチする一般の地域住民と様々な疾患の発症率を比較するコホート研究を行い、退院後の再入院や死亡率に加え、各種臓器系の疾患が増… 2021/04/26 感染症
Lancet誌から 既感染者はSARS-CoV-2再感染を防げるか? デンマークの大規模研究では予防効果は8割、ただし高齢者の数値は下がる デンマークStatens Serum InstitutのChristian Holm Hansen氏らは、2020年に同国民の69%に相当する約400万人を対象に、延べ1000万回以上のPCR検査を実施した結果から、一度SARS-CoV-2に感染したことがある人の再感染を防ぐ効果を約8割と推定したが、この値は65歳以上の高齢者では下がっていたと… 2021/04/12 感染症
BMJ誌から 英国の新型コロナ変異株は死亡リスクが従来株の1.64倍 5万4906組のマッチドコホート研究で28日後までの死亡率を比較 英国Exeter大学のRobert Challen氏らは、同国で2020年12月に報告された新型コロナウイルスの変異株VOC-202012/1が、COVID-19患者の死亡リスクを変化させたかどうかを検討するためのマッチドコホート研究を行い、従来株に比べた死亡リスクは1.64倍だったと報告した。結果は2021年3月10日のBMJ誌電… 2021/04/08 感染症
NEWS◎厚労省が5都府県1.5万人への抗体検査確定結果を発表 12月の抗体検査の確定結果、東京で陽性率1.35% 厚生労働省は2021年3月30日、5都府県で計1万5043人を対象として、2020年12月に実施した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体検査の確定結果を公表した。抗体陽性率は東京都で1.35%、大阪府で0.69%、宮城県で0.14%などであり、地域により最大10倍ほどの開きがあった。… 2021/03/31 感染症
救急医が新型コロナウイルスワクチンを打って起きた驚くべき現象 新型コロナウイルスへのワクチン接種が、医療従事者で本格的に始まりました。が、ワクチンの供給が少なく、岡山県ではワクチンを希望する医療従事者に対し4分の1程度の供給量にとどまっています。全国的にこうした状況が起きているのではないかと思いますが、早く行き渡ってほしいです。病院を運… 2021/03/18 感染症
Am J Gastroenterol誌から 緑に囲まれて育つと小児のIBD発症リスクが低下 衛星データを用いたカナダの観察研究の結果 居住環境の緑地(自然植生)が多いほど小児期に炎症性腸疾患(IBD)を発症するリスクが下がることが、カナダで行われた観察研究で明らかとなった。結果はAm J Gastroenterol誌2月号に掲載された。 クローン病と潰瘍性大腸炎はIBDの代表疾患であり、不適切な免疫応答による消化管の炎症を特徴とす… 2021/03/18 消化器
JAMA Network Open誌から 2020年に日本では自殺率が増加 COVID-19パンデミックの影響か? 慶應義塾大学の坂元晴香氏らは、COVID-19のパンデミックが自殺率に与えた影響を調べるため、厚生労働省の統計を用いて2016~19年と2020年の月別自殺率を比較して、男性では10月と11月、女性では7月から11月までの自殺率が増加していたと報告した。結果は2021年2月2日のJAMA Network Open誌電子版… 2021/03/08 感染症
Lancet誌から 抗体陽性率が高いブラジルのマナウス市でCOVID-19入院患者が急増 集団免疫獲得レベルに達したのに1月の入院患者数が前年の約6倍に 2021年1月にブラジルのアマゾナス州マナウス市で、COVID-19による入院が急増した。同市の献血者の血清抗体陽性率は、2020年10月に76%に達していたため、集団免疫が獲得できるレベルと考えられたにもかかわらず、1月の入院患者数は前年同期をはるかに超えた。ブラジルSao Paulo大学のEster C Sabi… 2021/03/02 感染症
国産COVID-19ワクチン、世界を視野に開発を 2021年2月14日、厚生労働省は米Pfizer社とドイツBioNtech社が開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)用のワクチンを特例承認した。17日には国立病院機構・地域医療機能推進機構(JCHO)・労働者健康安全機構(労災病院)などの病院に所属する医療従事者への先行接種が始まった。また、ファ… 2021/02/18 感染症
東京2020オリンピックに向け最優先すべきこと 新会長?ワクチン?いやマスクと換気でしょう 直近の報道によればまさに本日(2月17日)から、英米に2カ月遅れて本邦でも、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチン接種が開始されるという。最初に使用されるワクチンは、米ファイザーが独ビオンテックと共同開発した、3週間程度の間隔で2回の接種を必要とするmRNAワクチンである。医療従… 2021/02/17 感染症
JAMA誌から SARS-CoV-2変異株レビュー:ワクチンは有効? 抗原部位に変異が生じてもワクチンの有効性維持が期待される 2020年12月に英国で、感染性が増したSARS-CoV-2変異株に対する注意喚起が行われてまもなく、この変異株の感染は世界に広まった。米国Michigan大学Adam S. Lauring氏らは、2021年1月6日のJAMA誌電子版のViewpointに、SARS-CoV-2の変異の生じ方や、既知の変異株について解説し、変異株に対するワク… 2021/02/04 感染症
[file014]2つのうつ状態(その6) リハビリ出勤から通常出勤に移行するポイントは? 検査がなく、薬もなければ、時間もないこの部屋で、今日も事件が起こる……! 2021/02/04 公衆衛生・予防医学
COVID-19まん延で危惧されるもう1つの合併症 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、高齢、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患既往などの要因を持つ患者で重症化リスクの高いことがよく知られている[1, 2]。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の受容体蛋白であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)、主要組織適合抗原(HLA)、Toll様受容体7(TL… 2021/02/01 感染症
アクリル板ではコロナの流行は抑制できない 緊急事態宣言が1月8日付で発出されてから原稿執筆時点で10日が経過しているが、今でも重症者数は増える一方で、大都市圏では医療崩壊が起きているとの報道も相次ぐ[1, 2]。今の国のやり方には欠陥があるのではないかと、個人的には思っている。他の主要国は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)… 2021/01/25 感染症
NEJM誌から SARS-CoV-2抗体保有者の再感染リスクは低い 医療従事者の抗体検査を行い、6カ月の追跡で陽性者と陰性者の感染リスクを比較 英国Oxford大学のSheila F. Lumley氏らは、同大学の医療従事者に対して定期的に行ったPCR検査と抗体検査のデータを分析し、スパイク蛋白質に対するIgG抗体またはヌクレオカプシド蛋白質に対するIgG抗体を保有する人は、抗体検査が陰性だった人に比べ、少なくとも6カ月間は再感染リスクが低かった… 2021/01/21 感染症
JAMA Network Open誌から SARS-CoV-2は病院内のどこまで広がっている? ウイルスRNAは病院内の様々な場所から検出可能だが培養陽性はまれ 英国Imperial College LondonのGabriel Birgand氏らは、医療従事者と患者間のSARS-CoV-2伝播リスクに関係する情報を収集するために系統的レビューを行い、病院内の空気標本を採取してSARS-CoV-2を検出した研究を分析し、汚染されている可能性の高い場所と存在するウイルスの量などについて検討し… 2021/01/20 感染症